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3102.報道比較2017.8.30

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今までは北朝鮮で事態が緊張すれば、政府は注目を集められ、支持率にも追い風と見ていただろう。だが、潮目は変わった。国民は、北朝鮮への怒りより、日本政府への不信を強めている。

朝日新聞・社説
ミサイル発射 日米韓の結束強化を

北朝鮮がまた危険極まりない挑発に出た。今回は日本の上空を横切るミサイル発射である。断じて容認できない暴挙だ。弾道ミサイルはきのう早朝に発射され、北海道・襟裳岬の東方約1180キロの太平洋に落ちたとされる。事前に海上の航行禁止区域も設けていなかった。日本政府は、3度目となる全国瞬時警報システム(Jアラート)を北海道、東北、北関東など12道県に流した。各地の鉄道でダイヤが乱れ、学校の休校も相次いだ。北朝鮮は、いま実施中の米韓合同軍事演習に反発し、グアム島周辺へ新型ミサイルの発射を検討しているとしてきた。今回は、発射の方法や飛行距離から、その実行能力を誇示しようとした可能性が高い。安倍首相は「これまでとレベルの異なる深刻な脅威」としたが、米国防総省の報道担当者は「北米には脅威にならない」と分析した。さまざまな挑発を駆使して、日米韓が元来抱える立場の差を刺激し、連携を崩そうとするのは北朝鮮の常套手段だ。そんな戦術に乗せられないためにも、日米韓は綿密に情勢の認識をすりあわせ、一枚岩で平壌に向きあう強い結束の意識を共有せねばならない、としている。

産経新聞・社説
北朝鮮の脅威 首相は積極防衛に転換を

北朝鮮の中距離弾道ミサイルが北海道を飛び越え、襟裳岬の東約1200キロの太平洋上に着弾した。米領グアム周辺海域へ撃ち込む予定だったミサイルの一部を、転用したとみられる。ここから分かることは何かを考える。北朝鮮は、自国を標的とする米国の懲罰的・報復的抑止力は恐れている。だが、その力を持たない日本の頭上へは、平然とミサイルを撃ってきた。安倍政権は専守防衛の一環として、ミサイル防衛強化のため陸上配備型「イージス・アショア」の導入を急いでいる。すでにあるイージス艦のミサイル防衛システムなどとともに、相手の攻撃を払いのけるものだ。むろん、こうした拒否的抑止力の充実は必要である。だが、それでは足りない状況に至った。独裁者に日本攻撃をためらわせる反撃力を持っていないからだ。懲罰的・報復的抑止力を保有することを考えてほしい。今回、北海道・東北地方などで全国瞬時警報システム(Jアラート)が作動した。Jアラートといえば響きはやさしいが、空襲警報が鳴ったに等しい。先の大戦や朝鮮戦争以来の深刻な事態といえる。国民を効果的に守る抑止力の体系構築が急務である、としている。

日本経済新聞・社説
危険極まる北の挑発に強力な制裁圧力を

北朝鮮が日本列島の上空を飛び越える弾道ミサイルの発射を強行した。日本の安全を脅かす危険極まる軍事的挑発であり、断じて容認できない。今回のミサイル発射はグアム沖にいつでも撃ち込める技術的な能力を誇示することで、米国に対話に向けた譲歩を改めて促す思惑なのだろうが、日本を直接危険にさらすような挑発は言語道断だ。しかも事前通告はなく、度を越した暴挙と言わざるを得ない。日本政府が国連安全保障理事会の緊急会合を要請したのは当然だろう。北朝鮮の危険な挑発に一刻も早く歯止めをかける必要がある。軍事衝突を避け、対話による核問題の平和的解決の道を模索していくうえでも、まずは国際社会が結束して北朝鮮に強力な制裁圧力をかけていくことが欠かせない。とくに北朝鮮と関係が深い中国やロシアの役割は大きい。正恩体制に深刻な打撃を与えるとされる石油禁輸を含め、北朝鮮に核・ミサイル開発の放棄を促すような厳しい経済制裁に踏み込むべきだ、としている。

毎日新聞・社説
列島越えた北朝鮮ミサイル 日本主導で5カ国協議を

北朝鮮がきのう弾道ミサイル1発を発射し、北海道・襟裳岬上空を通過して太平洋上に落下した。日本政府は全国瞬時警報システム(Jアラート)を12道県に配信し注意を呼び掛けた。新幹線など対象地域の鉄道が一時運行を見合わせた。緊張をつくり、対話に引き込み、支援を得た後、再び緊張をつくる。20年以上、米国は北朝鮮の体制が崩壊すると過小評価し、北朝鮮の手法に踊らされてきたのは事実だ。北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に成功し、核兵器の弾頭搭載が可能になったという。戦争による解決はあり得ないし、あってはならない。そうである以上、北朝鮮とは外交的な解決しか選択肢はない。すでにある6カ国協議の枠組みを利用し、北朝鮮を除く日米韓中露の5カ国が北朝鮮の核開発をやめさせる方策を意見調整することだ。中国としても北朝鮮の核保有は認められないし、隣国で戦争が起きることを許さないはずだ。ロシアも北東アジアの安全保障環境に無関心ではいられない。日本は外交資源を集中させ、忍耐強く取り組むべきだ、としている。

読売新聞・社説
北ミサイル発射 日本通過は許されない暴挙だ

日本と地域の安全保障を揺るがす暴挙が再び強行された。北朝鮮の核ミサイル開発に歯止めを掛けるため、国際社会は結束し、粘り強く圧力をかけ続けねばならない。北朝鮮のミサイルが日本列島の上空を通過するのは、2016年2月以来で、通算5回目だ。直近3回は「人工衛星打ち上げ」と称し、事前通告を行っていた。予告なしの早朝の発射が、奇襲攻撃能力を誇示する狙いであるのは間違いない。幸い、航空機や船舶の被害は避けられたが、一歩間違えれば大惨事となっていた。断じて容認できない。日米韓は、国連安全保障理事会の緊急会合の開催を求めた。安保理が発射を非難する声明を迅速に出し、北朝鮮制裁の履行を徹底することが重要だ。北朝鮮と取引がある中国やロシアの企業に対して、米国は独自の金融制裁を拡大している。国際包囲網の抜け穴を塞ぎ、北朝鮮の核ミサイル開発資金を断つ取り組みを先導してもらいたい。不測の事態に備えておくのは、過剰反応ではない。指定避難場所の周知徹底や、周囲の堅固な建物に素早く逃げ込むなどの手順をきちんと確認しておきたい。政府は、国民保護に関するホームページや冊子を作っている。身の守り方について、国民により一層説明することも大切である、としている。

日本の上空をミサイルが通過して、少し社会の感覚が変化した気がする。不安ではない。政府への不信だ。「いろいろ準備しているようだけど、ちゃんとできてるの?」そんな不信が強く感じられる。今までは北朝鮮で事態が緊張すれば、政府は注目を集められ、支持率にも追い風と見ていただろう。だが、潮目は変わった。国民は、北朝鮮への怒りより、日本政府への不信を強めている。
一番の変化は、メディアが取り上げる話題だ。「青森に地下なんかないのに、意味不明なJアラート」「迎撃しない?できるの?どういう判断基準?」のような記事が、発射翌日には登場した。北朝鮮問題をどう解決するかより、現実に起きた危機を、神妙な顔で会見しているだけで済まされるわけにはいかない。ずいぶん準備しているようだが、実際に機能するのだろうか?社会はいまの政府のやり方に、加計学園の時同様の疑念を強めている。

Wall Street Journal
完全自動運転化急ぐテスラ、エンジニアの離反相次ぐ (2017.8.29)

米電気自動車(EV)メーカー、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は昨年10月、今後生産する全ての車両に、将来の完全自動運転機能に対応したハードウエアを搭載すると発表し、自動車業界に衝撃を与えた。衝撃を受けたのは、テスラの開発担当者も同じだった。自動運転車の開発レースでテスラは先頭を行く。EVのパイオニアである同社の時価総額は今年、ゼネラル・モーターズ(GM)を抜いて米自動車メーカーのトップに躍り出た。その裏では、オートパイロット開発チームのメンバーらが開発期限やデザイン、さらにマーケティング手法に関する決定を巡って衝突していた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認した文書や、このプロジェクトに関わっていた十数人の話で明らかになった。ここ数カ月の間に少なくとも10人のエンジニアと4人の幹部が同チームを去った。そのうち、アンダーソン氏の後任は就任から半年もたたない6月に退社した。テスラは完全自動運転機能対応ハードウエアについて、「ほとんどの交通状況下で完全自動運転が可能になる」とし、「その安全性は一般的な人間のドライバーの2倍以上になると考えている」と述べた。完全自動運転の実現には、ソフトウエアの詳細な検証とさまざまな規制に関する承認が必要であるため、上述の自動運転機能がいつ利用可能になるかは判断しかねるとした、としている。

最近、Wall Street Journalはテスラに厳しい記事が目立つ。株価が冴えなくなったのは確かだが、イーロン・マスク氏の人気に衰えは見えない。なぜ突然、攻撃的になったのか。現状を告発したエンジニアからの要請なら、テスラには脆さが目立ちはじめたと言える。
マスク氏のカリスマ性の上昇とともに孤立も目立つのは不安だ。マスク氏が破綻したセラノスのエリザベス・ホームズ氏と同じレベルとは思えない。だが、エンジニアが恐怖を覚え、離脱が絶えない環境の中、マーケティング主導でエンジニアリングの尻を叩けばうまくいくと考える綱渡りは危うい。命に関わるクルマのつくり方として決して正しいとは思えない。
エンジニアリングに、プレッシャーをかけて強力に前進を促すのはシリコン・バレーの文化のひとつだ。ブラック企業と社員が騒ぎ出す日本と比べれば、まったくモチベーションも切迫感も違う。その裏付けになっているのは、株価に連動するストック・オプションで生まれる大きな報酬と、「だったらやめる」といつ言っても、代わりの仕事がいくらでもある環境だ。日本は、手にした職にしがみつくしかない環境がある。我慢しなければならないにしては、報酬が低過ぎる。雇用者が騒ぐのも判る。テスラには、かなりレベルの高いタレントと呼べる人材が集まっていたはずだ。彼らのモチベーションは、厚遇よりは「未来をつくるチャンスへの参加」だろう。現状を見得ると、リーダーとしてのマスク氏には変化が必要に見える。
Appleが10年前にやった奇跡は、3年間のエンジニアリングの結晶だけだろうか?すぐれたデザインとソフトウェアのエンジニアリングだけではない。iPhoneが登場とともにすごかったのは、他のスマートフォンと呼ばれていたデバイスでは、到底不可能なインターネット経由でのデータ転送を、通信会社に認めさせていたことだ。世界が欲しいといった時にはどんどん作り、陰りが見えたら瞬時に蛇口を閉められるサプライチェーン。世界のどこで買ってもほぼ同じ価格で、値引きが一切ない、適切な価格統制力。Appleの強さは、いつも細部に宿る。なぜ、サムスンは爆発し、アップルは避けられたのか。なぜiPhoneがネット帯域を膨大に消費していると言われながら、通信会社はiPhoneをノーと言わないのか。テスラが学べることは多い。
もし、いまの経営スタイルで突き進むなら、テスラはマクラーレンやフェラーリにはなれそうだが、ポルシェにはなれないだろう。BMWやAudiは夢のまた夢に感じる。シリコン・バレーにも、変わるべき時が来た。UBERやAirBnBが抱えている問題も、根底は同じだ。社会は、ソフトウェア開発のカルチャーでは回らない。なぜなら、アトムの世界はリスタートは不可能だからだ。AmazonやAppleはやれている。シリコン・バレーならできるはずだ。

人民網日本語版
国際原子力機関が中国の原発安保評価を開始 (2017.8.29)

中国国家原子力機構が発表した情報によると、国際原子力機関が中国で初めて行う国際原発安保特別評価が28日、北京で開始した。今回は国際原子力安保分野の最新の理念、最高の基準、最良の実践経験に基づき、中国の原発安保体制、施設安保能力を同業者の目から評価する。また改善案を出すことで、中国の原発安保業務を世界レベルへと促す作用をもたらす。今回の評価作業は10日間にわたり実施される。国際専門家チームは「核物質防護条約」とその2005年改正版、国際原子力機関の「核燃料物質及び原子炉の防護の安保案」など、原発安保関連法と技術マニュアルを比較対照し、中国の原発安保関連の政府監督管理部門との交流や訪問を通じて、中国の原発安保制度、法体系、政府の監督管理の実践を系統的に理解する。国際専門家チームはさらに同期間中、秦山原子力発電所方家山原発プロジェクトを視察する予定だ、としている。

地球温暖化への手段として原子力を活用するなら、広大な国土と安定した政治基盤、リーダーシップがある中国は、日本よりも安定して原子力を制御できるだろう。これで技術にも高評価がつけば、日本は中国に原子力で負けるのは確実だろう。ウエスチングハウスを中国が救済することがあっても不思議ではない。
日本は、反省すべき点を判っているだろうか?私たちは、未だに決められないことを先送りして、技術だけ先行した。課題を隠して運用を進め、いつまでも課題を放置した。その結果、事故を起こした。その後、奇妙にも運用だけ戻そうと言う。明らかに間違っている。マネジメント能力のない組織は、技術が優秀でも破滅する。

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