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3101.報道比較2017.8.29

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5Gへの期待は大きい。同程度の消費電力で通信スピードが上がれば、自動運転は間違いなく現実に近づくだろう。見えている未来。いまから動きはじめれば、確実に間に合う。キックオフだ。

日本経済新聞・社説
次世代無線通信を競争力強化につなげよ

情報を伝える速度が現在の100倍となる次世代の無線通信サービスの実用化が近づいてきた。第5世代(5G)と呼ぶ技術の仕様について話し合ってきた国際団体が議論を速めることを決め、今年12月に結論を出す。無線通信の技術はおよそ10年おきに世代交代を重ねてきた。1980年代の第1世代は音声のやり取りに限られていたが、文字や動画へと扱うことができる情報を増やしてきた。5Gは4Kと呼ぶ高精細な動画などを円滑に送受信できる特徴がある。こうしたサービスを実現するためには、高水準の設備投資が必要になる。2020年から35年までに5Gの研究開発や設備導入に必要な投資は主要国全体で年20兆円を上回るとの試算もあり、通信会社は資金の確保が必要になる。活用が期待されている分野のひとつに、高い信頼性が必要となる自動運転がある。建設機械を遠隔地から操作して工事を進めたり、医師がロボットを通じて遠くにいる患者を手術したりといった用途も話題にのぼっている。世界的にサイバー攻撃が増えているが、日本では守りを固めるのに欠かせない人材が不足している。官民が協力して人材の育成を急ぐことが、5GやIoTを普及させて産業の競争力を高める基盤となる、としている。

ITのパワーの源泉は、永遠に計算処理能力、記憶密度、コミュニケーション・スピード、消費電力に集約される。5Gへの期待は大きい。同程度の消費電力で通信スピードが上がれば、自動運転は間違いなく現実に近づくだろう。見えている未来。いまから動きはじめれば、確実に間に合う。キックオフだ。

朝日新聞・社説
全国学力調査 格差を克服する糸口に

小中学生を対象とする全国学力調査の結果が発表された。家庭の経済力と子どもの学力との相関関係が、詳細なデータで裏づけられた。今回の調査でも、所得が低い家庭の割合が少ない学校のほうが、得点が高い傾向が出ている。学力の格差を解消して、貧困の連鎖を断たねばならない。そんな認識が社会で共有されつつある。そのための施策に、調査を最大限いかしたい。学力調査をきっかけに、「子どもにより良い授業を提供しよう」という意識が、現場の教師や校長らに広がるのは悪いことではない。半面、成績や点数にこだわる風潮が依然としてあり、貴重な授業時間をテスト対策に費やすなど本末転倒の光景が見られるのは考えものだ。この調査は、児童生徒の学力低下が社会問題になったのを受けて始まった。点数を気にするのもわからなくはないが、別途行われる国際学力調査でも、いまの子どもたちはおおむね好成績を保っている。もうそろそろ「学力低下不安」から解放されていいのではないか。政府も学校現場も、調査をより良い施策を行うための土台と改めて位置づけ、その観点から、規模や方法についても議論を深めてもらいたい、としている。

毎日新聞・社説
10回目迎えた学力テスト 効果を検証すべき段階だ

全国の小学6年生と中学3年生が対象の、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果が公表された。テストは、主に知識を見る問題と、応用力を問う問題が出題される。今回も平均正答率の上位県などに大きな変動はなかった。毎年指摘されているが、応用問題が苦手という傾向も同じだ。子供たちの学力にプラス面の変化が乏しく、応用問題が苦手のままという状況を見ると、結果が指導法にどう反映されているのか疑問だ。その一方で、自治体などの順位や序列化を意識した動きは絶えない。文科省は、今回から平均正答率を整数値で示すようにした。過度な競争をあおらぬ配慮という。だがその一方で、新たに20政令市の平均正答率も公表するようになった。学力テストは抽出調査にし、これまでに分かった課題の改善策の充実や多忙な教員への支援に力を注ぐべきであろう、としている。

主旨を説明しても点数稼ぎに奔走する組織は自治体?教育委員会?学校?彼らの意見も聞いてみてはどうだろう?もし、テストの結果が人口の流入出や、地価などの経済要因にまで関連するなら、どれだけテストの主旨を説明しても結果を良く見せたい人は出てくる。毎回、実施して混乱を巻き起こすのが判っているなら、実施する調査主体の問題だ。また文部科学省だろうか?
応用力が弱いのは日本人全体の特性だろう。毎日見ている国内紙の社説を見ても、応用力を感じる社説など、年に数回しか見かけない。横並び、行政からのリリース依存、過去の事例の反復ばかりだ。だから次世代には…と期待するのは判るが、いつも出る杭を打つのも社会だ。こどもや学校にだけ、応用力の育成を期待するのは酷だろう。日本人は、日本なりの得意領域をまずは伸ばし、海外で応用力、プレゼンテーションやディベートのようなコミュニケーションを学ぶのが理想的だと思う。日本国内ですべての教育を賄おうという発想を転換した方がいいと思う。

人民網日本語版
日本も苦しんだ米「301条調査」は中国に有効か (2017.8.28)

次々に国内のトラブルが発生する米国で、通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表がこのほど声明を発表し、「トランプ大統領の授権および『1974年通商法』第301条に基づき、技術移転、知的財産権、革新の各分野で中国に対する貿易調査を正式に発動する」と述べた。中国で改革開放がスタートして以来、約40年にわたり協力と競争を織り交ぜながら発展してきた中米間経済はついに重要な節目を迎えた。だが今日の世界経済システムの複雑さは80年代をはるかに上回る。中国は製造業供給チェーンの中で重要な位置を占め、米国が中国に対して一連の貿易上の「武器」を使用した場合、「1千の敵を打ち破るのに、800の味方を失う」ような事態を招くことが多い。鉄鋼産業の場合、トランプ大統領の当選は米鉄鋼産業の力強い支持を受けてのことで、政府高官には鉄鋼産業の出身者や利害関係者が多い。トランプ大統領は就任すると輸入鉄鋼に高額の関税をかけるよう再三圧力を与えてきたが、いまだに実現していない。主な原因の1つは米国における鉄鋼産業の従業員は15万人足らずだが、鉄鋼を原材料とする自動車産業や建築産業などの川下産業の従業員は1200万人を超えることだ。輸入鉄鋼に高額の関税をかければ川下産業のコストを増大させ、世界市場での競争力を低下させることになる。米国のこうした貿易制裁措の圧力や措置は、中国が産業バージョンアップと自国のハイテク産業チェーン発展の必要に迫られていることをありありと物語るものでもある。今回の301条貿易調査が中国にもたらす最も重要な問題は、中国のハイテク製造業とハイテク産業が十分な成長の可能性を得て順調に発展できるかどうかであり、これは国の競争力の核心のありかでもある、としている。

さすがに、中国はそれなりに学んでいるようだ。一方で、アメリカの「なんでもあり」が許される超大国の恐さを、中国は忘れているようにも見える。中国が日本ほど従順にアメリカの言うことを聞くとは思えないが、AppleやDisneyを締め出すと言ったら、さすがの中国政府でも国民からかなり非難されるだろう。手持ちの米国債が棄損すること、人民元への執拗な攻撃を受けること、北朝鮮への対応でも何も成果が出せなかったのを口実に、アメリカはどんなカードでも切ってくる。中国の政治日程を見て、秋までは待つだろう。だがその後、アメリカは容赦なく攻撃してくる。サプライチェーンのシフトは、企業は腹立たしく思ったとしても、トランプ政権とラスト・ベルトのアメリカ人は喝采するはずだ。中国と同じ仕事は、すでに世界の誰でもできる。アメリカとの交渉は甘くはない。彼らはゴールしか見ていない。

Wall Street Journal
トランプ氏「お気に入り」のFRB議長候補、2人とも冷や水 (2017.8.28)

ドナルド・トランプ米大統領が連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長に誰を選ぶのかという興味をそそるドラマは25日、さらに興味深い展開をみせた。トランプ氏が検討していると見られる有力候補2人がともに、トランプ氏が気に入りそうにない意見を表明したからだ。トランプ氏は7月、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで、来年2月に任期満了となるジャネット・イエレンFRB議長の後任候補としてコーン氏を検討していると明らかにした。また、イエレン議長の続投も検討していると語った。もう一つの展開は、首都ワシントンから遠く離れたワイオミング州ジャクソンホールで開催された、カンザスシティー地区連銀主催の年次経済シンポジウムが舞台だった。ここでイエレンFRB議長は、金融危機後の金融規制の正当性を強く主張した。トランプ氏はこれまで、イエレン氏について、低金利を志向していることを理由に同氏に好意的な見方を示している。だがイエレン氏の金融規制についての考え方はトランプ氏と異なる。イエレン氏は講演で、金融政策には触れなかったが、ホワイトハウスと議会共和党が提言しているような規模の規制緩和には批判的な姿勢を示した。多くのアナリストによると、トランプ氏が候補に挙げるとみられる人物は経済に関する考え方がさまざまで、市場は政策予測がますます難しくなると指摘している、としている。

読売新聞・社説
金融「出口戦略」 重み増す各国中銀の市場対話

欧米で大規模な金融緩和の「出口戦略」が具体化しつつある。中央銀行は市場の混乱を避けるため、丁寧な対話に努めねばならない。日本の対応も問われている。世界の中銀総裁らが一堂に会する「ジャクソンホール会議」が米国で開かれた。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が講演した。国債など保有資産の膨張が問題となるのは、日銀も同じだ。しかも、資産買い入れの対象に上場投資信託(ETF)を含む。株式の保有を減らすには売却によらざるを得ない。市場への影響には細心の注意を要する。日銀は2%の物価上昇目標の達成時期を先送りし続けており、金融正常化の時期は見えない。黒田総裁は金融緩和でサプライズ手法を駆使した。出口戦略は負のサプライズとならぬよう、周到なアナウンスが重要となろう、としている。

読売が必死で経済を話題にしようとした努力は認める。内容は凡庸で読む価値は低いが、いつまでも政治オタクと北朝鮮、中国・韓国批判ではいられない。反省して一歩踏み出したことを歓迎する。
Wall Street Journalは、トランプ政権のレベルに足並みを揃えるかのようなレベル・ダウンがつづいている。FRB議長が重要な人事なのは判るが、この内容はゴシップ紙のようなレベル。いま、トランプ氏の心証に配慮して行動する人などいるのだろうか?コーン氏やイエレン氏のような人たちがそうするとはとても思えない。

産経新聞・社説
北方領土 露の特区指定は許されぬ

ロシアが北方領土の色丹島を経済特区に指定し、最初の事業として水産加工工場や冷凍施設の建設を進めるという。ガルシカ極東発展相は、「外国人投資家もロシア人と同じ条件で特区を利用できる」と説明する。日本や第三国の企業の進出を欲しているのだろうが、日本の主権などまったく無視している。日露協力の前提が失われたと、安倍晋三政権は重大な懸念を伝えるべきである。共同経済活動の協議の打ち切りも辞さない姿勢で抗議しなければ、プーチン政権に翻弄されるだけである。領土返還に関する交渉が進まないなか、共同経済活動の構想が浮上した。あたかもこれを進展のように装い続ければ、ロシア側は見透かしたように揺さぶりを仕掛けてくる。それでは、外交交渉への国民の支持も得られまい、としている。

国際的には、北方領土はロシア領のはずだが、違うだろうか?日本が返して欲しいと願うことは、ロシアの行動には何の影響も与えない。安倍氏はずいぶんプーチン氏との関係を強調していたが、大したことはなさそうだ。

Financial Times
フランス大統領夫人の公の地位に冷たい反応 (2017.8.23)

フランスのエマニュエル・マクロン大統領がこの夏、妻のブリジットさんに公的な役目を担わせると決めたことが、フランス国民の“統合失調症”の発作を引き起こした。フランスの人々は、大統領には皇帝のように振る舞ってほしいと思っている一方で、選挙で選ばれたわけではない大統領夫人の話になると熱烈な共和主義者に変貌するのだ。特に目を引くのは、マクロン氏が教育、保健・医療、あるいは文化について、文学の教師だったブリジット夫人に助言を求められるとしていることだ。しかし、ある世論調査によれば、国民の3分の2以上はマクロン大統領による今回の提案に反対している。また、ブリジット夫人にファーストレディーとしての公の地位を与えることに反対する請願には、これまでに30万を超える署名が集まっている。総じて言えばフランス人はそういうやり方を好まないし、米国の「ファーストレディー」という概念も受け入れない。ブリジット夫人は「ほかの人と同じ市民にすぎない。民主的な正統性を得ていない」とル・ブラ・ショパール氏は切り捨てる。「なぜ彼女に『役目』を、税金から給与が支払われるアドバイザーを与えなければいけないのか」。真に現代的な解決策があるとするならば、それは政治から完全に手を引いて教職を続けるというものになるのではなかろうか、と指摘している、としている。

フランス人が飽きっぽいと聞いた記憶はないが、期待されていたマクロン氏の支持率急落とともに、すでに向かい風が吹き始めているようだ。日本でも公私混同の首相夫人がトラブルを作ったが、どこの国でも知人に権力でポストを与える行為がポジティブに受け止められる可能性はゼロだ。すでにマクロン氏の器を「この程度」と感じはじめている。メルケル氏は、どう見ているだろう?もうドイツでポピュリズムの風が復活する見込みはなさそうだが…

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