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3099.報道比較2017.8.27

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自動車が産業の中心のドイツで、メルケル氏が自動車会社にプレッシャーをかけはじめたということは…ドイツが3.11を見て原子力にどう反応したかを振り返れば、これから先はイメージできる。期限付きでのモビリティのパラダイム・シフトを、確実に推進するつもりだ。

Wall Street Journal
不祥事まみれのドイツ自動車業界、背を向ける政治家たち (2017.8.25)

アンゲラ・メルケル首相は今月、来月の連邦議会選挙での4期目の政権獲得に向けた選挙運動の初の演説で、2年に及ぶディーゼル車の排ガス不正問題を巡る国内自動車大手とその経営陣の対応を厳しく批判した。その前日、メルケル氏の対抗馬である社会民主党(SPD)のマルティン・シュルツ党首は、自分が勝利すれば、販売する新車のうち一定割合を電気自動車(EV)とすることを義務づける制度の導入を約束した。
こうした自動車メーカーに対する批判は、長年、その恩恵に浴してきたドイツの政治家にとって、過去との決別と言える。ドイツの有名メーカーの製品は、卓越した技術力や優雅なデザイン、強い経済力を象徴するものだった。ドイツ公共放送連盟(ARD)が発表した最新の世論調査によると、ドイツの有権者の3分の2が、政府は自動車メーカーに甘すぎると感じていることが明らかになった。また、自動車業界が信用できなくなったと答えた人の割合は60%近くに上り、2年前から大幅に上昇した。アナリストらは、メルケル氏の勝利が確実視されている今回の選挙で、排ガス不正問題が大きな争点になる可能性は低いとみている。マインツ大学のユルゲン・ファルター教授(政治学)は、メルケル氏は自動車メーカーを激しく非難することで、「自身と対抗馬の差異をなくすために早い段階でこの問題を取り上げ、争点にならないようにしている」と指摘した。だが、選挙後もドイツ政府と自動車業界にかかる圧力は変わりそうにない。欧州委員会は、ドイツの都市部がEUの定めた大気汚染物質排出量の上限を常に超え、条約に違反しているとして、欧州司法裁判所への提訴をちらつかせている、としている。

どこの国でも、政治家は市民の声に敏感だ。自動車が産業の中心のドイツで、メルケル氏が自動車会社にプレッシャーをかけはじめたということは…ドイツが3.11を見て原子力にどう反応したかを振り返れば、これから先はイメージできる。期限付きでのモビリティのパラダイム・シフトを、確実に推進する。ドイツは利権よりは理想が先だ。難しいことを技術で乗り越える意識が確実に勝利する。次の時代のモビリティでも主要プレーヤーとしての立場を望むなら、止まるよりは進むと、ドイツは自動車会社も含めて認識しているはずだ。次世代モビリティに早く移行した会社から先に、ディーゼル不祥事の十字架を降ろせる仕組みを政治が組むのもたやすいだろう。
日本は、政治に頼るよりは、優良企業の経営者に任せる方がいいだろう。現時点なら、トヨタやニッサンの経営者の方が、自民党よりはずっと世界の価値観に近い。いよいよ時代が動く気がする。

日本経済新聞・社説
仮想通貨の健全な発展へ目配りを

紙幣や硬貨といった実物がなくインターネット上で不特定多数の人々で取引する仮想通貨に注目が集まっている。安い手数料で送金ができるなどの利便性がある一方で、通貨価値の急変動や投資トラブルなど問題もはらむ。金融の技術革新の芽を摘まずに、健全な発展を促すような目配りが必要だ。ビットコインは今年初めまでは中国からの取引が多かったが、中国当局が規制を強めたため中国勢の取引は急減。代わって日本からの取引が急増し、全体の3割を超える水準まで膨らんだ。現段階では、ビットコインの購入の大半が値上がりなどを狙った投資目的で、実際に送金や決済手段として使うための購入はそれほど多くないとみられる。仮想通貨は今後の普及しだいでは、中央銀行の金融政策にも影響を及ぼす可能性がある。仮想通貨やブロックチェーンについても、日本が世界の技術革新の動きに乗り遅れないようにする必要がある。また新事業への若い起業家などの挑戦を妨げないようにすべきだ。規制・消費者保護と技術革新のバランスをうまくとり、新技術が健全な発展をとげ、経済活性化にもつながるよう目配りすることが重要だ、としている。

数年以内に、仮想通貨は国家が手がけることになる。日本政府もすべての取引が管理できて、瞬時に納税も差し押さえもできるとなれば、確実に前のめりになる。三菱銀行が仮想通貨を目論んでいるのも、自らの発行通貨が信任を得られる目論みがあるからだろうし、ポイントを手がける企業も、仮想通貨と言い出すに違いない。そこまで行き着くと、結末は利息やサービスの競争になる。投資を目論むなら、簡単なことはひとつだけ。早く飛び込めばリターンを得られるというのは、嘘だ。安く買って高く売る時に、必ず最初が安いとは言えない。踊るよりは稼ぐ方が、どんな投資もおいしい。いまなら、濡れ手に粟を目論むより、胴元側に回れるチャンスさえあるのに、なぜバクチを打つ必要があるのか?

産経新聞・社説
「大震法」見直し 対策強化の議論を進めよ

東海地震の予知を前提とした大規模地震対策特別措置法(大震法)に基づく防災対応が、ようやく見直される。昭和53(1978)年に制定された大震法は、南海トラフの東端を震源域とする東海地震が「単独で発生」することを想定し、「直前予知が可能である」との前提で、交通や企業活動の規制を含む防災対策を定めた。しかし、現在の地震学の知見では「確度の高い発生予測は困難」とされる。さらに、昭和東南海、南海地震から70年が経過し、南海トラフの全域で大規模地震の発生確率が高まった。直前予知の前提は崩れ、東海地震だけに備える必然性もなくなったのだ。新たな防災対応を策定するうえでの重要な鍵となるのは、適切な情報発信と住民の理解である。国と自治体、住民は十分に議論を重ね、南海トラフ地震に関わる認識を共有する必要がある。そのためにも大震法の撤廃を先送りにしてはならない、としている。

昨日の朝日の主張と完全に対立している。こういう時は、政治的な思惑が蠢いている。だから与党と野党で話が噛み合わない。誰かが利権を得るために、誰かの利権を撤廃しようと言っているように聞こえる。地震予知をやめようという話と、今の単独地震という発想をやめて、範囲を広げようということ?バラマキの範囲が拡がるだけのことだろうか?何やら臭う。この時点で取材に動けば、森友学園や加計学園のような話題の発端はつかめるはずだ。朝日は動くだろうか?

人民網日本語版
外交部:日本の中国企業に対する一方的な制裁の即時停止求める (2017.8.26)

日本政府が25日に閣議通過させた朝鮮に対する日本独自の一方的な制裁追加措置には、その対象に中国企業と個人も含まれることが明らかになった。この件について中国外交部(外務省)の華春瑩報道官は、「日本側の今回の措置は中国側の利益と司法権を著しく損なう。日本側がこのまま無理に今回の措置を推し進めるのであれば、引き起こされる結果に対して責任を負わなければならない」との見方を示した、また華春瑩報道官は、「中国側は一貫して安保理事会の決議を全面的に執行しており、同時にいかなる国も枠組みの外での独自の制裁、なかでも特に中国側の団体や個人に対する制裁を実施することに断固反対する。日本側の中国の厳正な立場を無視して、特定の国に追随し、中国企業と個人に対して行う一方的な制裁に対し、中国側は強い不満と断固とした反対を表明する。日本側の今回の措置は中国の利益と司法権を著しく損なうものであり、中日関係の改善に新たな政治的障害をもたらすことになる」、としている。

どうやら今回の制裁は効き目がありそうだ。Made in Chinaの一部が北朝鮮の安い人材で賄われているのは明らかになってきた。すでに世界の工場と呼ばれた中国から、大量の発注が北朝鮮に流れる仕組みはでき上がっているのかもしれない。ミサイルが飛んでくる間は、日本は中国も含めて認めないという論理は通用するだろう。

朝日新聞・社説
米の通商政策 「米国第一」を見直せ

政権が掲げる「米国第一」を貫き、自らを大統領に押し上げた、ラストベルト(さびついた工業地帯)の支持者らにアピールする狙いだろう。しかし自国の利益のみを追う姿勢では、不毛な対立をまき散らすだけだ。世界の貿易や投資にも悪影響を及ぼしかねない。トランプ政権は考えを改めるべきだ。NAFTAや米韓FTAの再交渉では、米国は自らの貿易赤字の削減にこだわる。しかし貿易収支は各国の産業構造や経済状況などに左右され、貿易協定で決まるものではない。NAFTAを巡って特に問題なのは、域内の部品をどれほど使えば関税撤廃の対象にするかを決める原産地規則を見直し、自動車について米国製の割合だけを引き上げようとしていることだ。米国製部品をより多く使った自動車の輸出を増やしたいようだが、無理な注文である。中国に対しては、進出する外資に地元企業と合弁を組ませ、技術移転を強いているといった批判が日欧にもある。だからといって、国際ルールで認められない一方的な制裁措置を発動すれば、国際社会の批判は中国ではなく米国に向かう。日欧と協調して中国に政策変更を迫るのが、米国のとるべき対応だ。近視眼的な「米国第一」主義を捨てることが、結局は米国の利益になる。日本政府も、日米経済対話などを通じて、繰り返し説くべきだ、としている。

毎日新聞・社説
北朝鮮の短距離弾発射 「火遊び」で緊張高めるな

米韓合同軍事演習が続く中、北朝鮮は日本海に向けて飛翔体を発射した。韓国はロケット砲、米軍は3発のミサイルと見ており実態ははっきりしない。とはいえ、北朝鮮の自制に期待していた国際社会は完全に裏切られた格好だ。だが、米国の反応を見て、ミサイル発射や核実験の準備などでさらに揺さぶってくる可能性もある。重ねて言わねばならない。北朝鮮は「火遊び」のように挑発を続けて緊張を高める行為をやめるべきだ。とはいえ、北朝鮮に核を放棄させる道は極めて険しい。同国の最終目標は、核ミサイルによって水陸から米国を確実に攻撃できる態勢を完成させることだろう。だが、中露が北朝鮮に厳格な態度を取りきれなかったことも否めない。米国を狙う北朝鮮のミサイルは中露にも届く。伝統的な友好国とはいえ核開発で北朝鮮をかばうのは中露の長期的利益にもかなうまい。米国と中露の関係はしっくりしないとはいえ、大国が結束しなければ北朝鮮の核廃棄は到底実現できないことを再確認すべきである、としている。

朝日と毎日は話題に尽きたか?判らずにジャクソンホールを語るよりはいいが、どちらも他国の話で、日常生活とも距離のある話題だ。他紙の取り組みの方が十分に魅力的だ。批判だけが社説ではない。

読売新聞・社説
アフリカ会議 投資増で自立発展を促したい

日本とアフリカ約50か国などによるアフリカ開発会議(TICAD)の閣僚級会合がモザンビークで開かれた。天然資源の輸出だけに頼らない「経済の多角化」に向けて、日本と各国の連携を強化する方針を確認した。河野外相は開会式で、「民間部門は、アフリカが自立的に成長する原動力だ。公的部門は、投資のビジネス環境を創出すべきだ」と強調した。アルジェリア、モロッコなど13か国と新たに投資協定を締結する考えも表明した。アフリカは豊富な天然資源に恵まれる。現在12億人の人口は40年には20億人を超える見通しだ。近年は、資源価格の下落で成長は鈍化しているが、巨大市場としての潜在力を期待し、中国を筆頭に各国が投資を競っている。留意すべきは、中国が巨額の投資を背景に、政治的な影響力を強めていることだ。ジブチとエチオピアを結ぶ鉄道の資金を負担する一方、ジブチで中国軍初の海外基地の運用を始めた。日本が目指す国連安全保障理事会の常任理事国入りには、アフリカ各国との協力拡大が不可欠だ。政治、経済両面で、より緊密な関係を築かねばならない、としている。

優等生のような作文を丁重に読んでいたら、最後に「日本の常任理事国入りにアフリカの協力が不可欠」と来た。なんだ。調子のいいことを言っても打算ではないか。ウィンウィンを掲げて経済に投資している中国の方が、よほど直接的でシンプルだ。呆れる。

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