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3098.報道比較2017.8.26

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日本は動きはじめると、途中で間違いに気づいた時に止まろうとしない。壁に激突して未来を大破させるまで、平気で走りつづける。この文化がいつから始まったのか不明だが、日本が負けパターンに入った時にいつもたどる道だ。私は、この残念な文化だけは、絶対に未来に受け継ぎたくない。

朝日新聞・社説
南海トラフ 「突然」を前提に対策を

現在の科学的知見では地震の直前予知はできない――。ほとんどの専門家が同意するであろう「地震学の実力」が、今後の対策の出発点になる。静岡沖から九州沖に延びる南海トラフ沿いでは、巨大地震が繰り返されてきた。そして今、トラフ全体で大規模地震の切迫性が高いと考えられている。南海トラフ沿いの大地震は様々な発生の仕方がありうる。過去の例を見ると、連動して起きる可能性もある。一部の地域で先に大地震が起きたとき、残りの地域はどうするか。被災地の救援と続発への警戒とを、どうやって両立させるか。生産や流通が複雑に絡みあう社会だ。政府、自治体と主な事業者で対応策をできるだけ整合させておかないと、救援物資を用意したのに届ける手段がないとか、逆に交通は確保したが生産ラインは止まったままだとかの不都合が生じかねない。難題ではあるが、政府が音頭をとって生産、物流、医療など公共性の高い機関に呼びかけ、想定されるシナリオごとに計画をつくっておくことが欠かせない。官民合同で問題点を洗い出し、解決策を探り、結果を市民と共有するようにしたい、としている。

国として予算を確保して地震予知から撤退するなら結構。科学者や民間企業が取り組んで結果を出せばいい。だからといって応急処置の対策まで見直すナンセンスさが今の日本の政治の異常なところだ。予算が付かないなら地震の安全保障からも国が撤退するなら、ぜひ地方自治体にその予算を落として欲しい。

毎日新聞・社説
福島第1原発の廃炉戦略 現行工程には無理がある

炉心溶融事故を起こした1~3号機すべてにロボットカメラが投入されたが、溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)と見られる塊が確認できたのは、3号機だけなのだ。政府と東電の工程表では、2021年にデブリ取り出しを始める計画だ。内部の状況がよく分からないまま、予定通りに進められるのか。作業の安全性確保を最優先に、工程を抜本的に見直すべきだ。政府や東電が遮水壁の完成や21年のデブリ取り出しにこだわるのは、五輪開催を意識し、廃炉は順調だと世界に言いたいからか。工程ありきで作業を急げば、トラブルが起きやすくなる。それがもとで、人的被害や風評被害が生じる恐れがある。莫大な廃炉費用は電気代や税金が原資だ。政府と東電は、廃炉作業の現状と課題を正確に分かりやすく国民に伝え、理解を得る責務がある、としている。

読売新聞・社説
エネルギー計画 環境配慮した安定供給策探れ

経済産業省の有識者会議が、国のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の見直しの議論を始めた。焦点の一つは、基幹電源である石炭火力発電の活用策である。石炭火力は燃料を安定調達でき、発電コストが安い。その反面、液化天然ガス火力の2倍の二酸化炭素(CO2)を排出するなど環境面で課題を抱える。温暖化対策の枠組みである「パリ協定」の締約国である日本は、2030年度に排出量を13年度比で26%減らす目標を掲げる。環境省は今月、中部電力の大型石炭火力発電所計画に対し、CO2排出量の追加削減策を求める意見書を経産相に提出した。計画の認可権限を持つ経産省も、中部電が既に決めている老朽火力発電所の廃止計画を上積みするように勧告した。環境影響評価の審査対象外である発電所の存廃に言及したのは初めてだ。エネルギー安全保障上、原発の利用は欠かせない。温室効果ガスをほとんど出さない原発は、パリ協定の目標達成にも資する。30年度の原発比率「20~22%」の政府目標実現には、30基程度の再稼働が必要だ。現状では5基しか動いていない。原発を基幹電源として活用するなら、再稼働への取り組みを強化すべきだ、としている。

どこで日本は原発処理を間違えただろうか?エネルギー政策どころか、フクシマの対応も完全に対応を誤った。そして情けないのは、日本は動きはじめると、途中で間違いに気づいた時に止まろうとしない。壁に激突して未来を大破させるまで、平気で走りつづける。この文化がいつから始まったのか不明だが、日本が負けパターンに入った時にいつもたどる道だ。私は、この残念な文化だけは、絶対に未来に受け継ぎたくない。

日本経済新聞・社説
日本の活性化にシェア経済をいかそう

個人や企業の持つモノや能力をスマートフォン経由などで他人に貸し出し、対価を得る。こんなシェアリング・エコノミー(シェア経済)と呼ばれる仕組みが様々な領域に広がり始めた。新たな商機が生まれるだけでなく、うまく使えば人手不足など日本の抱える構造問題克服の一助にもなろう。モノではなく、自分の技能や時間を提供するタイプのサービスは柔軟な働き方に道を開き、人手不足解消に資する可能性がある。業務委託したい企業と働く人をネット上で結びつけるクラウドワークスの登録ワーカー数は130万人に達した。育児中の母親や資格取得のために勉強中の人などフルタイムでは働けないが、すきま時間と専門スキルを生かして副収入を得たい人に好評という。自家用車で人を運ぶライドシェアは、公共交通不在の過疎地などでお年寄りや外国人観光客の貴重な足になる。タクシー業界は安全性などを理由に頑強に反対しているが、走行距離あたりのタクシーの事故率は一般の自家用車に比べて2倍の高さであり、まずはタクシー自体の安全性向上に力を注ぐべきではないか。政府も必要な規制改革を実施し、シェア経済の離陸を後押ししてほしい。空き時間や遊休設備の有効活用で無から付加価値を生むことができれば、日本経済全体の生産性も向上するだろう、としている。

日経は、相変わらずシェアリング・エコノミーに入れ込んでいる。私は、まだシェアリングにはニュートラル。副業や空き時間を有効利用するのと、シェアの概念を同一視する必要はない。シェアリングのポイントは、当然だが「常に胴元が儲かる」ことだ。ならば胴元にしっかり責任を取っていただこう。日経がそういう発想でシェアリング・エコノミーを見据えてくれたら評価したい。世界中でシェアリング・エコノミーに起きている課題は、すべてこの無責任さへの対応だ。中間マージンだけを取って「あとは知らない」というスタイルは、シェアリング・エコノミーには認めてはならない。

人民網日本語版
中露国際協力の基礎は堅固 (2017.8.25)

習主席の今年7月の訪露で、中露首脳は二国間関係の発展、包括的協力の深化、両国の共通の安全保障など重要な問題について広範な共通認識にいたり、「包括的戦略協力パートナーシップの一層の深化に関する共同声明」に署名し、「善隣友好協力条約実施綱要(2017ー2020年)」を承認した。これらはいずれも先見性、長期性を備える指導文書であり、新たな情勢下で二国間関係の高水準の発展を維持するための基調を定め、計画をまとめ、戦略面の相互信頼を揺るぎないものにした。まさに習主席がプーチン大統領と会談時に強調したように、両国協力に終わりはない。中露関係には2つの大きな転換が生じている。
1つは、両国の実務協力の質的向上・高度化への転換だ。互いの努力で、中露経済協力は単なるエネルギー、製品貿易から、投資、ハイテク、金融、インフラ、農業など各分野の包括的協力へとすでに転換した。
もう1つは、具体的事業の協力から発展戦略の連結への転換だ。双方は実務協力の規模と質の同時向上を基礎に、「一帯一路」(the Belt and Road)建設とユーラシア経済連合の連結を着実に進めている、としている。

2020年までは、争わない。たった3年に見えるが、今の不安定な時代に3年間は協力関係を両リーダーがコミットしたのは、かなり肩の荷が下りる話だ。これで中国は北の国境を気にせずに動ける。ロシアは東西へのアクションに集中できる。当然、日本は中国にもロシアにも優先順位は低く見られる。2030年までには中国がアメリカを抜いて世界一の経済大国になるのは確実といわれている。その10年前に、ロシアは中国と良好な関係をすでに築き、次は同盟というステップを検討できる。日本の外交に計画性はあるだろうか?完全に孤立に向かっている。

産経新聞・社説
ケンブリッジ問題 中国が学問の自由脅かす

英ケンブリッジ大学の出版局が、中国研究誌「チャイナ・クオータリー」のウェブサイトに掲載された論文約300点について、中国からの接続を一時遮断した。1989年6月の天安門事件やチベット、台湾問題などに関する論文だ。中国では自由な研究が妨げられているテーマばかりだ。大学側は、中国の要請に従って遮断したと認めた。その後、遮断が解かれたとはいえ、英国の知的伝統を支えた名門校として、見識に欠ける対応は残念である。はからずも、世界第2の経済力を背景に、中国が海外大学の経営を左右する実態が浮き彫りになったともいえる。中国の高官、企業からは、多額の寄付金が大学に寄せられているという。日本の大学も人ごとではない。留学生の受け入れは多様な文化への理解を深め、大学の活性化にもなる。だが、経営と引き換えに、学術研究の根幹が犠牲となることは許されない。学問の自由を貫いてこそ、大学を名乗れる、としている。

ドイツはナチスに関する文献をどれくらいアクセス可能にしているだろうか?平気で政府機関が公文書や記録を破棄する日本も、中国政府がしていることと大差ない。今回の件で嗤うべきは中国ではなくケンブリッジ大学だろう。「お宅の国のグレートファイアーウォールで止めればいいんじゃないですか?」と言えばいいだけだった。きっと中国は攻撃的ではなかったのだろう。「もし、可能なら。そうしてくれれば中国からの留学生は増えるでしょうね。他の国の学校も協力してくれています」と言われれば、日本の大学でも協力するところは十分にあるだろう。産経も攻め方を考えた方がいい。いまのやり方では、北朝鮮同様、誰からも聞く耳を持たれない。

Wall Street Journal
イエレンFRB議長、危機後の金融規制を擁護 (2017.8.25)

米連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン議長は25日、金融危機の教訓を受けて制定された金融規制の正当性を主張した。一方で、危機後に導入された規則の緩やかな変更の可能性は残した。イエレン氏は当地で開催されたカンザスシティー連銀主催の年次経済シンポジウム(ジャクソンホール会合)での講演で「われわれが導入した主な改革が、利用可能な信用や経済成長を過度に制限することなく、回復力を大きく高めたこと」が研究によって示唆されていると述べた。ただ、FRBは「回復力のある金融システムを維持するために、改革が機能している部分や見直しが必要な部分の点検に注力する」と付け加えた。トランプ政権は金融規制緩和を優先課題に挙げている。共和党は2007~09年の金融危機と景気後退(リセッション)を受けて制定された10年の金融規制改革法(ドッド・フランク法)を以前から批判してきた。この日の講演では、経済情勢や金融政策の見通しには言及しなかった、としている。

イエレン氏もドラギ氏も、今回の会合では何の手がかりも見せなかった。危ない墓穴は掘りたくないと言いたくなるほど、今のマーケットは総楽観。今にも転げ落ちそうなほど高いところまで理由もなく上がってしまった。最後の地雷を誰が踏むか。一番踏みそうな人が、アメリカ大統領をやっている。こういう時、トラブルを嫌う人は嗤いながら何も言わなくなる。彼がしくじるまで、なるべく遠くから観ていよう、と。

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