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3091.報道比較2017.8.19

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国内紙が横並びで取り上げた日米2+2。アメリカのメディアではまったくこの話題を見かけないのを新聞社は知っているだろうか?武器を気前よく買ってもらう場くらいの感覚ではないか?

朝日新聞・社説
日米2+2 外交の姿が見えない

北朝鮮情勢が緊迫するなか、日米の外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)が開かれた。懸念されるのは、発信されたメッセージの力点が軍事、とりわけ自衛隊の役割拡大に傾斜していたことだ。日本側は米側に次々と手形を切った。防衛大綱を改定する。米国製の陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を導入する。安全保障関連法のもとで「さらなる協力の形態を追求する」ことや、情報収集、偵察、訓練などの新たな行動を探求することもうたった。だが5兆円を超す防衛費のさらなる増額をどう考えるのか。ミサイル防衛の費用対効果は。国会での議論もないままに、対米公約だからと既成事実化を図っていい問題ではない。いま日本が注力すべきは、日米、日米韓で連携し、中国やロシアを巻き込む外交だ。エスカレートする米朝間の緊張をやわらげ、北朝鮮の核実験とミサイル発射の「凍結」に向けて対話局面への転換をはかる努力が求められている、としている。

産経新聞・社説
日米2プラス2 同盟の力で難局乗り切れ

トランプ政権になって初めてとなる外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)がワシントンで開かれ、東京では自衛隊と米軍の制服組トップが会談した。2プラス2の共同発表は、2月の首脳会談に続き、「核の傘」の提供を含む米国の日本防衛への関与を確認した。マティス米国防長官は、日本にミサイルが撃たれれば「すぐに迎撃する」とも語った。小野寺五典防衛相は、ミサイル防衛強化のため、陸上配備型「イージス・アショア」導入の方針を伝え、マティス氏は歓迎した。実際の配備は何年も先だが、準備を急いでもらいたい。着任した米国のハガティ新駐日大使は安倍首相との会談で、日米同盟を「世界最高の同盟」と評した。問われるのは、名実共にその努力を続けることである。それが難局を乗り越え、平和と繁栄を保つ近道といえよう、としている。

日本経済新聞・社説
日米同盟のさらなる肉付けが必要だ

日米の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)が開かれ、北朝鮮への圧力を一段と強めることで一致した。核・ミサイル開発に固執する北朝鮮を封じ込めるには、日米の隙のない連携を印象付ける必要がある。米国が日本防衛に関与し続ける姿勢を明確にしたことを評価したい。北朝鮮や中国に「米国は日本や韓国を守らない」と誤解させないためにも、日米同盟を見せつける場を求めた。そうした事情を考えれば日本自らが防衛力の強化に動くのは当然だ。小野寺五典防衛相が表明した地上配備型のミサイル防衛システム「イージス・アショア」の導入はその一歩である。いずれは日米のミサイル防衛システムの一体運用へと踏み込む。それこそが日米同盟の効力をより高める道だ。相互防衛が条約で義務化されている米豪と、日本が米国を守る義務を負わない日米安保体制を同一に論じるのは適当ではない。とはいえ、北朝鮮問題は日本にとって死活的な意味を持つ。米国の視線をアジアに引きつけ続けるには、日米一体でアジアの安定に取り組む姿勢をみせなくてならない、としている。

毎日新聞・社説
日米2プラス2の北朝鮮対応 連携強化には課題も多い

高まる北朝鮮の核・ミサイルの脅威にどう向き合うか。日米の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)がワシントンで行われた。米国は核兵器を含む日本への「拡大抑止」を明確にし、日本は同盟下で「役割を拡大し、防衛能力を強化させる」と約束した。日本は陸上配備型の新迎撃システムを導入する方針だ。イージス艦搭載のミサイルを地上型に転用する。開発中の新型ミサイルを使えば2基で日本全土をカバーできるという。だが、ミサイル防衛には膨大な費用がかかる。新システムは1基約800億円だ。北朝鮮の技術向上に対応し装備を買い続けるのは無理がある。費用対効果を精査すべきだ。どういう事態だと具体的に迎撃が可能になるのか。日本の安全に影響するだけにこうした疑問について十分な議論と説明が必要だ。軍事と外交のアプローチが戦略もなく打ち出されているように映る。日米とも国内に政治的な課題や対立が残ったままでは、効果的な抑止力にはつながらない、としている。

読売新聞・社説
日米2プラス2 強固な同盟で「北」を抑止せよ

日米両政府がワシントンで外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)を開いた。北朝鮮の核・ミサイル開発を強く非難し、同盟強化によって抑止するとの共同文書を発表した。マティス米国防長官は記者会見で、「日本、グアムなどにミサイルが発射されれば、すぐに撃ち落とす」と明言した。共同文書は、「核の傘」提供を含む、日本の安全に対する米国の関与も再確認した。北朝鮮への牽制となろう。小野寺防衛相は、イージス艦と同レベルのミサイル迎撃能力を有する地上配備型イージスシステムの導入方針を米側に伝えた。導入すれば、現在、日本海で24時間態勢でミサイルを警戒中のイージス艦を弾力的に運用し、有効活用することが可能になる。着実に進めねばならない。河野外相は、南シナ海での中国の威圧的な活動を念頭に、東南アジア各国の海上保安機関などの能力構築支援として5億ドルの拠出を表明した。こうした地道な援助を通じて各国と連携し、国際法に基づく海洋秩序を追求したい、としている。

国内紙が横並びで取り上げた日米2+2。アメリカのメディアではまったくこの話題を見かけないのを新聞社は知っているだろうか?せめて私たちは知っておいた方がいい。リップサービスとどんな権限で国家予算の使い道をコミットしたのか不明だが、アメリカにとって北朝鮮の緊張と日本との会談はリンクが薄い。せいぜい武器を気前よく買ってもらう場くらいの感覚ではないか?アメリカと話せば安心と過信するような国内紙のはしゃぎぶりを見ると、一番バカを演じているいつもの日本の無能さが際立つ。平和をカネだけで済ませるわけにいかないと言いながら、請求書が来る前に前代未聞の高額発注をつづける政府。財政を破綻させる意思でもあるのではと、私がアメリカなら笑いをこらえながら背筋が寒くなる。日本安全保障の感覚は終わっている。

Wall Street Journal
米国に新たな極右のうねり:時代が生んだ結束 (2017.8.18)

極右過激派は最近まで組織が細分化され、メンバー不足や確固たるリーダーシップの欠如に直面していた。そのため、先週末のように各勢力が結束することはまれだった。バージニア州シャーロッツビルの騒乱は、たとえ数は多くなくても、それら団体が結束しつつあることを示している。トランプ氏はシャーロッツビルの暴動に関して、即座には白人至上主義者を非難せず、当初は「多方面」に非があると発言。これを受けて共和・民主両党から批判を受けた。トランプ氏が白人至上主義に対して即座に声を上げなかったことに抗議し、政権の助言機関「製造業評議会」のメンバーが相次いで辞任。トランプ氏は16日、ツイッターで評議会の解散を発表した。白人ナショナリストは、トランプ氏が即座に非難するのをためらったことは自分たちへの支持表明と受け取れると主張。ホワイトハウスはそれを一蹴し、サラ・ハッカビー・サンダース報道官は「大統領はこの件について、それら団体を明確に非難している」とメールで述べた。週末のデモでは、KKKの悪名高いフードとローブやネオナチがよく着るナチスの制服を身につけた人はほとんど見らなかった。また、過激な服装の参加者でさえも、かぎ十字などのよく知られたシンボルの使用は控え、代わりに「ハイル・ヒトラー(ヒトラー万歳)」の隠語である「88」と書いたバッジをつけていた。デモでは、「南部の誇り」を支持する年配の人たちや黒装束の過激派が、こざっぱりした髪型の若者と並んで抗議活動を行っていた。また、若者の少なくとも1人はブレザーの胸ポケットにハンカチを挿していた、としている。

国家が分裂している。理念であるはずの自由や平等が脅かされている。アメリカの危機感は北朝鮮の緊張より、国内の暴動と、大統領の反応に神経質になっている。協力者は瞬時に去り、政権内でも大統領への失望を隠さない。私はGoogleが「女性は生物学的にエンジニアに向かない」と言った社員へのメッセージにすべてが凝縮されていると思う。「私たちの同僚の特定集団が生物学的にその仕事に向かない特徴を持つとの示唆は、侮辱であり受け入れられない」。当然であり、すべての自由と平等には、他人をすべての人が認め尊重しあう精神に則っている。表現の自由には、相手がともに平等という尊重の前提が揺らいではならない。大いなる問題は、リーダーである大統領がアメリカを代表して他人を侮辱し、尊重という言葉など脇に置いて自説を押し通すことだ。この悪環境が7か月つづいただけで、アメリカの分断は死者が出るほど顕在化した。子のまま進めば、アメリカは分裂するだろう。
同じことは日本でも言える。他国を平然と批判する新聞があり、それを許し、表現と政治が放置しただけで、修復不能なほど日本は孤立している。ひどい国になった。アメリカも日本も。数年でここまで壊れたが、修復には倍の時間では足りないだろう。残念だ。

人民網日本語版
対中貿易戦争を仕掛けても米国に勝ち目なし (2017.8.18)

米トランプ大統領は今月14日、中国が米企業の技術移転などの知的財産権を侵害している疑いがあるとして、米通商法301条に基づく調査を検討するよう通商代表部(USTR)に指示する大統領令に署名した。あるアナリストは、「この調査は、米国の単独行動で、中米の経済貿易関係に悪影響を及ぼすとする、各界の懸念を誘発する」と指摘している。貿易赤字の状況では、米国は損失を被っているということなのだろうか?中国商務部(省)国際貿易経済合作研究院国際市場研究部の白明・副部長は、「貿易赤字と利益面での赤字は別の話。中米の経済貿易において、利益を得ているのは米国。米国の消費者が享受している実益は目に見えるほどはっきりしている」との見方を示している。米ピーターソン国際経済研究所のシニア研究員であるショート氏は、「米中両国は協力し、二国間、地域間、多国間のメカニズムを通して貿易関連の問題を解決しなければならない。世界の二大エコノミーとして、米中が国際多国間貿易システムの安定性を守ることは非常に重要だ。グローバル化が日に日に進む今日、平等でオープンな多国間貿易体制、ルールを基礎とした多国間トラブル解決メカニズムを共に守るというのは、米中両国が当然負うべき責任」と指摘している、としている。

この主張には、中国に正当性が得られる可能性が高い。「保護主義にノー」は世界が一貫してアメリカに送っているメッセージだし、トランプ氏の信頼度を考えれば、中国は理路整然と正論を言うだけでいい。今回の人民網の主張は、以前にWall Street Journalが述べていたのと大差ない。

【社説】米貿易赤字をどう考えるべきか by Wall Street Journal

もし、アメリカは主張が通らなくても、本国投資法、プラザ合意のような新手を使ってでも貿易赤字を減らしにかかるだろう。目的は達成される。だが…アメリカは世界でリーダーとしての地位を完全に中国に譲ることになるだろう。中国が欲しがっているのは、きっと世界のリーダーの地位だ。貿易赤字?カネで足りることなら、いくらでも…が中国の返答ではないか?10年前なら、きっとアメリカがそう振る舞っていただろうが…

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