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3086.報道比較2017.8.14

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日本が何かすることなど、世界の誰も待っていない。日本の中で、そう気づいている人は、政治や企業など待ってはいない。自らのペースで、どんどん動いている。

日本経済新聞・社説
人の力をいかす日本へ(3)社会人の技能高める環境整備を

人がより高いレベルの仕事をこなせるようになり、国全体の生産性が高まっていく。そんな回転に入るための基礎になるのは、働き手自身の能力の向上だ。
働き手が技量のレベルを上げたり別の分野の技能を身につけたりすることで、正社員登用、賃金増や待遇の良い企業への転職へとつなげていける環境をつくることが急務だ。まず求められるのは、企業が教育訓練に力を入れ直すことだ。厚生労働省の就労条件総合調査によると、1人の従業員に企業がかける教育訓練費は16年に月平均1008円と、06年の3分の2に減っている。働き手への投資が競争力の底上げにつながることに経営者は改めて目を向けてほしい。第2に、産業構造の変化とともに訓練内容を見直し続ける必要がある。政府は情報セキュリティーなどの知識を備えた人材を育てるためIT(情報技術)分野の講座を拡充する方針で、これは妥当だろう。ただ講座の新陳代謝を促すには、そのための工夫が要る。社会人が学びの時間を確保するため、働き方改革は欠かせない。企業と社員が協力し、生産性を高めながら残業削減や休暇の取得増に取り組む必要がある。働き方改革と人材養成を両輪で進めたい、としている。

3日もつづくとは思わなかったが、今日の内容は、表題にもっとも近く、過去2日に感じた違和感はない。それなりに本質を突いた主張になっている。
現在の若年層に自己投資の余裕さえないという現実を無視して厳しい意見を言うなら、所得を増やしたい、成長したいという自己投資は、自分の得た報酬から投資すべきだし、それぐらい貪欲に現在の仕事から盗み、より良い条件の企業へと転職し、新しい分野への挑戦をいつでも狙うのが、あるべきプロフェッショナルの姿だ。それができないほど、今の企業は賃金を払わないなら、自己投資のためなら賃金を上げるという条件が、他の企業より優秀な人材を得る手段になる。少しでも魅力ある事業に取り組み、他の企業に成長人材を取られないためにチャンスを与えながら、条件ギリギリの報酬を提示する。これが、理想的な労使の新陳代謝だったはず。雇用者が責められる点があるとするなら、プロフェッショナルとして売れる能力を磨いたか?を自問自答すべきだ。政府が準備する教育制度で、無料で横並びの技能を得て、どこまでのメリットがあるだろう?平均止まりなのは明白だ。ならばどうやって壁を突破するのか?誰もが試行錯誤して挑戦して、自らの答えを探すのが本質だろう。ここでネットで検索して答えを探したり、資格を取れば給与が増えると短絡的で安易な回答を選ぶから、本当の答えに到達しない。
自分が成功者だとは思わないが、私がやっていることを紹介したい。私は、日本の未来を信じなくなってから、仕事の未来も海外で探している。どんな仕事があるのかは海外で探す。そこで、アメリカとアフリカで、どんな報酬が書かれているかの現実を知っているだけでも、日本の労働環境が、決して甘すぎも厳し過ぎもしないことは判る。興味があればコンタクトしてみればいい。メール1通送るのに、何のリスクがある?ゼロだ。英語が通じない?今どき、ネットで数秒で翻訳できる時代だ。世界で仕事を欲しがっている人は、英語など学校で習ったことがない人が、そうやって動いている。
未だに政府に助けてもらおう、経営者が人を助けるべきだ…そんなおめでたい意見が通用し、それなりに政治家も聞く耳を持つ国に生まれたことは幸せだと思う。だが、これだけは確実だ。日本が何かすることなど、世界の誰も待っていない。日本の中で、そう気づいている人は、政治や企業など待ってはいない。自らのペースで、どんどん動いている。

人民網日本語版
外資誘致力の向上、多様な措置でビジネス環境を改善 中国 (2017.8.11)

国際連合貿易開発会議(UNCTAD)がこのほど発表した2016年度「グローバル投資情勢モニタリング報告書」によると、16年には世界の海外直接投資のフローが前年比13%減少したが、中国の外資誘致は緩やかな増加を続け、同2.3%増加して1390億ドル(1ドルは約109.7円)に達し、過去最高を更新した。17年上半期も、中国の外資誘致は緩やかな増加傾向にある。投資環境や市場環境の改善、対外開放の歩みの加速、市場運営コストの引き下げ、安定した平等で透明かつ予測可能なビジネス環境の創出……外資の誘致をさらに拡大するために、中央政府の上層部はたびたび声を上げ、関連の措置を相次いで打ち出してきた、としている。

中国政府が外資誘致をチャイナ・ショック以降も必死に推進しているのは判る。外貨流出を止めたい理由もあるだろうし、何よりノウハウの源泉がまだ中国国内に確立していない。「進出したらノウハウは置いていけ」のスタイルの外資誘致がいつまで機能するだろう?たとえマーケットがあっても、私はそろそろ限界が近いと見ている。そろそろ自力の研究開発を育てる時期に来ている。中国もそれに気づいて投資はしているだろう。収穫の時期はいつになるだろうか?

朝日新聞・社説
水道の将来 50年先を考えよう

水道は原則として市町村単位で営まれ、給水人口が5千人を超す上水道事業者は全国に1400弱ある。水道法が制定された57年に41%だった普及率はいま、ほぼ100%だ。水質は良く、料金もおおむね安い。ただ、高度成長期に集中整備した水道管が更新期を迎えているのに、工事が追いついていない。事業者の資金不足が要因だ。漏水事故が増える恐れが懸念されている。こうした現状を踏まえ、厚生労働省の専門委員会は昨年11月、複数の市町村を統合する広域化や、民間企業との連携で、水道事業の基盤を強化すべきだと提言した。これを受け、政府は今年3月、水道法の改正案を閣議決定した。水道が直面している課題は地域ごとに異なる。まず現状を正確に分析し、50年後も安定供給を続けるためにはどんなあり方がいいか考える。そういう順を踏んだ議論が欠かせない。住民の関心を高める努力も大切だ。水道料金は安いにこしたことはないが、長期的視点に立てば多くの地域で値上げが避けられない。自治体は水道の将来像や施設更新に必要な費用をわかりやすく示し、住民に危機感を共有してもらうべきだ、としている。

産経新聞・社説
医療・介護改革 利用者の視点を忘れるな

団塊世代が75歳以上となる「2025年問題」に対応するため、厚生労働省が医療と介護保険の見直しを進めている。来年度は診療報酬と介護報酬が同時改定となる。最大の課題は、介護費用の伸びをどうするかだ。在宅サービスを推進して医療費を削減できたとしても、それ以上に介護費用が膨らんだのでは元も子もない。介護現場には「制度の欠陥」というべき無駄が残っている。リハビリによって機能が回復しても、要介護度を下げない事例が後を絶たない。要介護度が重いほど、給付が手厚いためである。政府は、利用者の介護状態を改善させた事業者に対する報酬を高くする方針だ。どのような支援が自立に結び付いているか、科学的分析も行うという。本当に必要とする人にサービスを行き渡らせる上で、こうした無駄を無くすべきなのは言うまでもない。一方で、利用者には「状態の改善の見込めない重度者が敬遠される」という不安の声もある。要介護度の重い人を医療機関に回し、成果が上がったように見せかける自治体が出てくる懸念も指摘されている。自己負担割合の引き上げなど負担も増え続けている。国民の理解を得るには、制度の維持性を高めるだけでなく、「利用者本位」の視点を忘れてはなるまい、としている。

政府に不満があるとすれば、安定政権だからこそ長期的な課題に取り組み、解決できる権力まで持っていたものの、まるで仕事をせずに支持率を下げるほど自己中心的な権力行使をしてきたことだろう。水道の劣化も、医療と介護の破滅的な財政比率も、ずっと以前から言われてきたことだ。行政が政府の機嫌を見て動く体質も変えられないのだろうか?今の支持率では、この手の課題の結論を出せるとは思えない。

Wall Street Journal
北朝鮮に向けられたトランプ流の怒り (2017.8.10)

ドナルド・トランプ米大統領が9日、北朝鮮が核兵器を使って米国を脅迫し続るのであれば、「炎と怒り」に直面するだろうと脅した。この発言は北朝鮮からと同じぐらいの反発を米国内でも引き起こした。一部の米議員を含むいつもの外交通の面々は、トランプ氏の言葉が無責任かつ国の信用度を傷つけるものだと主張した。リンゼー・グラム上院議員(共和党、サウスカロライナ州)は、「北朝鮮のプログラムと北朝鮮そのものを破壊する軍事オプションもある」と発言。北朝鮮が長距離ミサイルの開発を続ければ戦争になるとトランプ氏から伝えられたとも明かし、「私は彼を信じている。自分が中国政府ならトランプ氏のことを信じ、何か対応をするだろう」と述べた。トランプ氏の発言は、若い金正恩氏を取り囲む北朝鮮の指導部に向けられたものでもある。金氏の核戦略によって自らが破滅的状況に置かれていると彼らが思えば、金氏を取り除くことが自分を守るための最善策となるだろう。体制転換とその後の朝鮮半島統一が北朝鮮問題の最終的な解決策だ。ひとつの発言が中国や北朝鮮の考えを変えることはないだろう。トランプ政権は中国の企業、金融機関、そして個人に対する二次的制裁を科し、真剣さを示すこともできる。米運は周辺地域にさらに兵力を移し、武力行使に現実味を持たせる必要もある。アメだけでなく、ムチもしっかりしている時に外交は最大限の効果を発揮する。たとえトランプ氏の言葉が通常の外交的礼儀を欠いていたとしても、トランプ政権の考えは正しい、としている。

これがWall Street Journalの社説とは、愕然とする。アメリカは常に大統領を擁護するとは聞いていたが、トランプ氏には通じないと思っていた。なぜなら、彼の言動は信用に値しないからだ。Wall Street Journalの社説が決定的に見逃しているのは、大統領の信頼度が極めて低い現実だ。ホワイトハウスは結束を装っている。政権の安全保障の経験者は信頼に値する。だが、最高司令官が最悪のリーダーで、軍事どころか政治も外交も未経験で、この半年でさらに信頼を落とした人物だという現実を忘れている。彼がこれから先、極度の緊張の場に置かれた時、冷静でいられるとは私は思えない。軍事作戦に至った時、自らの意志が失敗を招いた時、何かの要因が自らの思惑を大きく阻害した時…彼が冷静に、最適な解を決断できると信じる人がどれくらいいるのだろう?いま、トランプ氏がアメリカの最高司令官というのは、金氏が北朝鮮を仕切っているのと同じレベルのリスクだと私は思っている。周りが必死に止めている?必死に支えている?どちらも大差ない。ということは…今回のWall Street Journalの主張は、労働新聞さながらだ。アメリカのメディアも、トランプ政権発足以降、劣化が激しい。

読売新聞・社説
節目の米国経済 最大リスクはトランプ政策だ

米国の景気拡大は9年目に入り、既に第2次大戦後3番目の長さに達した。株価は史上最高値圏で推移している。7月の失業率は4・3%まで改善した。米連邦準備制度理事会(FRB)が、ほぼ完全雇用とみなす水準である。景気の回復に伴い、15年末には利上げに転じた。今年6月まで4回の利上げで、金融緩和の「出口戦略」を進めつつある。国際通貨基金(IMF)は7月改定の世界経済見通しで、米国の今年、来年の経済成長率をそれぞれ下方修正した。主因は、トランプ米大統領の稚拙な政権運営で、経済政策が停滞していることだ。法人税率を35%から15%に引き下げる大型税制改革や、10年で事業規模1兆ドルを掲げたインフラ整備は、実現のめどが立たない。議会調整でも根回し不足のまま見切り発車を繰り返し、関係が悪化した。トランプ氏が最優先した医療保険制度「オバマケア」の一部撤廃法案が、与党議員の造反で否決されたのは典型例だ。トランプ政権の迷走は、米経済の一大リスクとなっている。まずは、空席の目立つ政府高官人事など態勢固めに取り組むべきだ、としている。

言っていることは正しいと思っていたら、最後の提言は「人事を決めろ」とは…本質からかけ離れ、具体策とはずいぶん距離がある。日本のダメな政治手法に染まり切ってしまったようだ。無能な時は人を変えれば済むと思っているのだろう。読売の未来は暗い。

毎日新聞・社説
岐路の安倍政権 自民党 「異議なし」体質の転換を

安保法制や「共謀罪」法など国民世論を二分する法律を「反対する者は敵だ」とばかりに数の力で強引に成立させてきた首相である。政治姿勢を改めるのは当然だ。ただし同時に変わらなくてはならないのは自民党だ。「安倍1強」の下、異論というより、もはや議論そのものが乏しくなっているからだ。自民党は今、衆院議員の約4割を当選1、2回生が占める。安倍首相が自民党総裁に返り咲いた後に当選した議員だ。首相はこの若手を中心に「安倍色」のみに党を染めようとしてきた。議論なき政党にしてしまった首相の責任は大きい。かつての自民党にはハト派からタカ派まで混在し自由に議論を戦わせてきた。幅広さや多様性が国民に安心感を与えていたのは確かだ。その意味で今回、外相から党政調会長に転じた岸田文雄氏の役割は重要だ。多様な政策議論を重ねたうえで、決まったらそれに従う。そんな党に再度転換できるかどうか。岸田氏とともに「ポスト安倍」を狙う石破茂氏らにとっても課題となる、としている。

毎日が民進党と同レベルの内容の政府批判しかしなくなってずいぶん経つ。私には怠慢、予定調和に見える。これをつづけると、また風向きは政府に傾く。仕事をして欲しい。

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