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3085.報道比較2017.8.13

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連休前に準備していた社説がそのまま載った様相の国内紙。北朝鮮もアメリカも、何事もなくて良かった。

Wall Street Journal
北朝鮮の脅しに出口はあるのか (2017.8.11)

北韓大学院大学(ソウル)で政治学を教えるキム・ジュン教授は「米朝のどちらにも最初に譲歩すべき理由がない」と指摘。「この度胸試しは少なくとも1〜2カ月に及ぶだろう」。ハーバード大学ベルファー科学・国際問題研究センターの韓国作業部会の責任者ジョン・パク氏は、「予定されていた米韓合同軍事演習の期間に入ろうとしているときに偶発的に緊張が激化することを懸念している」と話す。トランプ大統領と北朝鮮の国営通信社(金正恩委員長の声を代弁)の両者が次に軍事的圧力に言及したとき、誤解や誤算の可能性がかなり高まるという。「トランプ政権が大統領の〈炎と怒り〉発言の火消しに奔走するまでには24時間近くもかかった」と同氏は指摘する。北朝鮮の隣国で最大の同盟国である中国は、緊張緩和のため米国と韓国に対して合同軍事演習の中止を繰り返し要請している。ソウルにある梨花女子大学校で国際関係論を教えるリーフ・エリック・イーズリー教授は、グアムに向けてのミサイル発射は余りにも挑発的なので、北朝鮮がその脅しを実行する可能性は低いと話す。とはいえ、今回ばかりは油断できない。トランプ政権下の米国のアプローチが余り明確ではないため、学者や安全保障問題の専門家は、米朝いずれも計算を誤る可能性はこれまでよりも高いとみている、としている。

人民網日本語版
外交部、「航行の自由」を名目にもめ事を起こす米国を厳しく批判 (2017.8.11)

外交部(外務省)の耿爽報道官は10日「米軍のミサイル駆逐艦『マケイン』が中国政府の許可を得ずに、中国の南沙(英語名スプラトリー)諸島近海に勝手に入った。中国側はこれに強い不満を表明するとともに、米側に厳正な申し入れを行う」と述べた。中国は南沙諸島及びその周辺海域に対して争う余地のない主権を有する。米艦の行為は中国の法律と国際法に違反し、中国の主権と安全を深刻に損ない、双方の最前線の人員の生命の安全を深刻に脅かす。中国側はこれに強い不満を表明するとともに、米側に厳正な申し入れを行う。しばらくの間、中国とASEAN諸国の互いの努力の下、南中国海情勢は落ち着き、絶えず積極的な発展の趨勢を呈している。特に先日フィリピンで開かれたASEANプラス1(中国)外相会議は「南中国海における行動規範」の枠組を承認した。こうした中、一部の域外勢力は流れに逆らって行動し、「航行の自由」を名目に難癖をつけてもめ事を引き起こし、ようやく手に入れた現在の良好な情勢の撹乱を愚かにももくろんでいる。これは、一体南中国海の安定維持を望んでいないのは誰なのか、南中国海の「軍事化」推進の最大要因は誰なのかをはっきりと物語っている。中国側は米側に対して、中国の主権・安全保障上の利益を的確に尊重し、南中国海の平和・安定維持に向けた域内国の共同努力を的確に尊重するとともに、このために建設的役割を発揮するよう促す。両国の相互信頼及び地域の安定を損なう事をこれ以上してはならない、としている。

北朝鮮問題の主導権は中国の手に。やがて世界の主導権の大半は中国のものになるのは確実だ。アメリカは自らリーダーシップを放棄しはじめた。日本はナンバー2のアメリカにずっと追従する。これが自由主義へのコミットメントなら理想的だ。残念だが、まったく違う。

朝日新聞・社説
エネルギー基本計画 「脱原発」土台に再構築を

エネルギー基本計画について、経済産業省が見直し論議を始めた。世耕弘成経産相は「基本的に骨格は変えない」と語った。しかし、小幅な手直しで済む状況ではない。計画をもとに経産省が15年にまとめたエネルギー需給見通しは、原発回帰の姿勢がさらに鮮明だ。30年度に発電量の2割を原発でまかなうと想定する。30基ほどが動く計算で、再稼働だけでなく古い原発の運転延長か建て替えも多く必要になる。だが、原発政策に中立的な専門家からも「現実からかけ離れている」と批判が出ている。事故後、原発に懐疑的な世論や安全対策のコスト増など、内外で逆風が強まっているからだ。原発から出る「核のごみ」の処分も依然、日本を含め大半の国で解決のめどが立たない。先進国を中心に原発の全廃や大幅削減をめざす動きが広がっている。資源に乏しい日本では、エネルギーの安定供給を重視してきた。その視点は必要だが、原発を軸に政策を組み立てる硬直的な姿勢につながった面がある。世界の電力投資先は、すでに火力や原子力から再エネに主役が交代した。国際的な潮流に背を向けず、エネルギー政策の転換を急がなくてはならない、としている。

毎日新聞・社説
岐路の安倍政権 エネルギー政策 既定路線では解決しない

エネルギー改革への関心が低く、旧来通りの原発依存から脱する気がない。安倍政権のこれまでのエネルギー政策を一言で言うなら、そうなるだろう。それを象徴するのが2014年に閣議決定した「エネルギー基本計画」と、これを基にした将来の「電源構成」だ。基本計画は原発について「依存度を可能な限り低減する」と言いつつ、「重要なベースロード電源」と位置づける矛盾に満ちた内容だった。安倍政権に求められているのは、再生エネや省エネをこれまで以上に強力に進めるための方策を打ち出すことだ。昨年度推計の再生エネ比率は約15%で原発事故前の10%からは増えたが、十分とは言いがたい。世界の情勢を見れば、安全対策でコストが膨らみ続けている原発とは逆に、再生エネはコストが下がり続けている。既定路線のまま原発維持に莫大な費用をつぎ込めば世界から取り残される。それより、再生エネの将来性を見越して制度や運用を改善し、投資を増やす。安倍政権を再生させるにはその方が得策のはずだ、としている。

8.10に日経が触れた話題。素人の私と同レベルの思考に留まっている。誰が考えても、いまのエネルギー政策のまま進めるのは思考停止、既得権益への配慮以外の何ものでもない。経済産業省も政治も、適切な仕事を期待したい。

日本経済新聞・社説
人の力をいかす日本へ(2) 技術で仕事の付加価値を高めよう

三菱東京UFJ銀行の幹部は、「独自に試算したところ7年後には、銀行の本部業務の4割がAIに置き換えられることがわかった」という。AIなどの新技術が人の仕事を奪うといわれている。同様の議論はこれまでもあった。産業革命を迎えた英国では19世紀はじめ、自動化で仕事を失った繊維職人が機械を打ち壊した。1980年代に本格化したOA化でも、仕事が失われるとの声があがった。だがいずれの場合も、技術の進歩は止められなかった。歴史から学ぶべきは変化を避けるのではなく、すすんで受け入れることにより、生産性を高めたり新たな雇用を創出したりする方が得策だということだ。相手企業の現場の観察や担当者との会話を通じて課題を探り、一緒に業務効率を高めるといった重要な仕事を人が担う。旭鉄工の木村哲也社長は「コンサルティングを担当する社員は実際に自社で問題解決にあたった経験があり、その知見が役立つ」という。人の仕事の付加価値を高めるためには、成長性が高い事業に社員を重点的に配置すると効果的だ。教育訓練に力を入れ、新たに求められるスキル(技能)を身につけさせることも重要になろう。社内での配置転換が難しい場合、人が企業の垣根を越えて移っていける仕組みも必要になる。柔軟な労働市場の整備を政府は急いでもらいたい、としている。

昨日につづいて、日経の人の力をいかすセンスは、まるでピントがずれている。この発想に至るなら、まずは自身の社説をAIに書かせてみてはどうだろう?今よりずっと斬新な内容になるのではないだろうか。日経の仕事がどれだけIT化しているのかは不明だが、少なくとも社説にスピードを感じたことはないし、ITを駆使したような情報量、データ分析能力を感じたこともない。日経は自らITのパワーを感じたことはあるのだろうか?仕事がなくなると恐怖したことでも、これで他を圧倒できると自信を深めたことでもいい。そんな体験をした人なら、ITの可能性をこんなに軽薄に語ることはないと思う。海の向こうの夢物語を、日本だけできないのはなぜかと他人事のように見ているだけなのだろう。きっと、日経の仕事も大半はITに駆逐される。発想や創造をITが苦手とするのは事実。ならば、いま日本で本気で発想や創造をしている仕事はどれくらいあるだろう?

産経新聞・社説
総連に支払い命令 回収へ徹底究明が必要だ

在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に対し、東京地裁が約910億円の支払いを命じる判決を出した。経営破綻した朝銀信用組合(朝銀)の不良債権回収を行う整理回収機構(RCC)の請求が認められた。踏み倒しを許さぬ当然の判決である。東京都千代田区の朝鮮総連中央本部ビルの問題についても、改めて関係者の説明を求めたい。 不良債権回収にあたり、RCCの申し立てにより中央本部ビルの競売が行われた。高松市の不動産業者が約22億円で落札した後、山形県の不動産会社に約44億円で転売され、総連は賃借する形で入居を続けているという。朝銀の破綻処理に、1兆円超の公的資金が投じられたことも忘れてはならない。血税が投入されたあげく、多額の債務が長期にわたり踏み倒されている。法治国家として受け入れられない。国会も厳しく調査、究明すべきだ、としている。

読売新聞・社説
比の過激派掃討 アジアでのテロ拡散を許すな

フィリピン南部ミンダナオ島のマラウイでは、「イスラム国」に忠誠を誓う武装集団による占拠が5月から続く。ドゥテルテ政権は、島の全域に戒厳令を敷き、掃討作戦を展開しているが、鎮圧には至っていない。「イスラム国」は、中東のイスラム圏の貧しい地域を中心に浸透してきた。アジアでも、小規模のイスラム系勢力を束ね、テロを活発化させることが懸念される。フィリピンを支援する関係国の動きが拡大しているのは、こうした事態への危機感の表れだ。マレーシアとインドネシアは、フィリピンとの3か国による合同パトロールをミンダナオ島沖で開始した。武装集団が島と他国を行き来し、脅威が拡散するのを防ぐ狙いがある。東南アジア諸国連合(ASEAN)は、情報共有や出入国管理の一段の強化が求められよう。ドゥテルテ大統領は、強権的な麻薬取り締まりで人権侵害を指摘され、過激な言動も非難されてきた。掃討作戦とテロ対策に国際社会の幅広い支持が得られるよう、努めねばなるまい、としている。

いつから日本の新聞は戦時中の価値観に戻ったような国家主義が平然と語られるようになったのか?明らかに安倍政権誕生からだ。これだけでも安倍政権が今すぐ消えて欲しい理由のひとつになり得る。こんな社説が平然と新聞に載る時代に戻るとは、私は想像したくなかった。渡し難いけした中で、過去最低の内閣だ。

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