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3084.報道比較2017.8.12

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北朝鮮問題の主導権は中国の手に。やがて世界の主導権の大半は中国のものになるのは確実だ。

Wall Street Journal
米朝対立が激化、中国の選択肢限られる (2017.8.11)

激しい言葉を浴びせ合う米国と北朝鮮。中国政府は朝鮮半島の緊張緩和に向けた取り組みを邪魔する動きと受け止めている。中国にとって受け入れ可能な選択肢は限られている。外交政策の専門家によると、舞台裏では中国の政府関係者が国際関係や安全保障の専門家と協議を行い、意図的あるいは偶発的な紛争の勃発を回避するための選択肢を検討しているという。中国政府はここ数カ月、米国と北朝鮮に対し、双方の安全保障上の懸念を認め、挑発的な行動を回避するよう強く求めている。また米韓に対しても合同軍事演習の中止を提案している。ロシアは中国の動きを支持しているが、米国や韓国、北朝鮮は反対している。一部の専門家によると、米朝間の応酬で、中国の狙い通りにいくかどうかはさらに見通せなくなった。中国の指導部にとってタイミングが悪いことに、指導部は今、秋の共産党大会に向けて準備を進めているところだ。人民大学の成氏は「中国の指導部の関心は内政に向いている。外交政策の危機に取り組むだけの十分なエネルギーや時間がない」と話す。成氏は北朝鮮の核問題について「指導力が欠如している」と指摘、中国はロシアや韓国など地域の大国と対北政策を調整するべく特使を派遣して、積極的に外交を行うべきだと述べた、としている。

産経新聞・社説
北のグアム攻撃 「存立危機事態」に備えよ

小野寺五典防衛相が国会で、北朝鮮が米軍基地のあるグアム島を弾道ミサイルで攻撃した場合、集団的自衛権の行使が許される「存立危機事態」に該当する可能性があるとの見解を示した。グアム攻撃によって米軍の打撃力が損なわれれば、日本防衛にも支障がでるとの判断からだ。北朝鮮から直接武力攻撃があるまで日本が傍観し、「集団的自衛権の行使」から逃げれば、米国の政府や世論は、日本を身勝手な国で、守るに値しないとみなすだろう。日本の安全とアジア太平洋地域の繁栄の基盤である日米同盟の空洞化を意味する。常軌を逸した北朝鮮の軍事的威嚇を前に、日本が集団的自衛権の行使によって米国と守り合う姿勢を堅持することが肝要である。それが、日米同盟の抑止力を高めることになる、としている。

北朝鮮問題の主導権は中国の手に。やがて世界の主導権の大半は中国のものになるのは確実だ。アメリカは自らリーダーシップを放棄しはじめた。日本はナンバー2のアメリカにずっと追従する。これが自由主義へのコミットメントなら理想的だ。残念だが、まったく違う。

人民網日本語版
南中国海の安定の破壊は許さない (2017.8.11)

先日のASEANプラス1(中国)外相会議は「南中国海における行動規範」の枠組を承認した。中国ASEAN関係の発展、及び南中国海地域さらにはアジア太平洋地域全体の平和と安定にとって、大変良い事だ。だが米日豪外相は共同声明を発表し、名指しこそしなかったが中国をむやみに非難し、南中国海問題にあれこれ口出しした。米日豪の全ての行いは、使い古された手口の再演だ。昨年のASEAN関連外相会議期間も米日豪は共同声明を発表し、南中国海問題を意図的に誇張し、地域の緊張を言い立てた。「南中国海仲裁裁判」については、当事国のフィリピンでさえ持ち出さないのに、米日豪は片時も忘れずにフィリピンを煽動している。フィリピンのカエタノ外相は「フィリピンは主権独立国家であり、誰も指図はできない。フィリピンは自ら決定する。そうして初めて国益に利する」と表明した。これまで米日など特定の域外国は舞台裏に隠れて焚き付けてきた。南中国海の領有権主張国がそれとは異なる、積極的な姿勢をとっている現在、彼らは舞台に飛び出し、平静な南中国海にあくまでも波風を立てようとしている。中国は歴史的辛抱強さ、戦略的揺るぎなさ、そして真心と誠意によって、ASEAN各国と共に南中国海情勢を落ち着かせた。これはようやく手に入れた局面であり、撹乱者による破壊は許さない、としている。

朝日新聞・社説
南シナ海問題 有効な規範へ結束を

島の領有権や漁業をめぐる争いが絶えない南シナ海を、何とか穏やかな海にできないか。その一歩をめざす「行動規範」の枠組みについて、東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国が合意に達した。合意した枠組みには「国際法の原則に従う」など差し障りのない項目が並び、法的拘束力を示す内容がない。行動を縛られたくない中国による骨抜きがなされたとみるべきだろう。このまま中国の思惑で条文作りが進められるようでは、効果的な規範はつくれまい。ASEAN諸国は今後、結束して中国との交渉にあたってほしい。忘れてならないのは、昨夏、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が下した判決である。南シナ海の大半に歴史的権利があるとの中国の主張を全面否定し、岩礁埋め立てを非難した。南シナ海を開かれた平和の海とする規範に中国を引き込み、次世代に引き継ぐ。そのための創意と努力を各国に望む、としている。

中国も日本も、ASEANプラス1の承認した枠組に、当事者のASEANのメッセージを取材してはどうだろう?そこでも意図的なコメントを各国は取捨選択するだろうから無意味かもしれないが。ASEANが求めているのは安定第一なのは自明。搾取は許容したくないし、主権は主張する。その後に、経済の思惑が関わる。日本を含めた欧米の正論は主権を尊重してくれるが、必ずしも経済の思惑のすべては満たしてくれない。中国の経済力の背景にも、将来にわたっての利権への介入が透けて見える。選ぶのはASEAN。複数の国があるからこそ、数々の価値観が絡みあう。どちらも正論を装うが、安定を真摯に考えていたら、ここまで相手を批判する主張にはならない。中国も、米日豪も、決して尊敬されることはないだろう。

毎日新聞・社説
岐路の安倍政権 対中国政策 「時の利」「人の利」を生かせ

2012年末の就任から安倍晋三首相の海外出張は歴代最多の55回を数える。同盟強化を図る米国への訪問は10回に上る。しかし、中国を訪れたのは国際会議の2回だけだ。沖縄・尖閣諸島国有化を機に関係が冷え込んだ。過去5回の首脳会談には笑顔もない。安倍外交のウイークポイントである対中政策をどう立て直すかが、最大の外交課題である。日中は今秋に国交正常化45年、来年には平和友好条約締結40年を迎える。5年前の節目は尖閣国有化をめぐる対立で祝賀行事が中止された。日中ともに今回は成功させたいという思いを共有している。中国も今秋の共産党大会を乗り切れば対日改善に動くとの観測がある。改造内閣に「サプライズ人事」で入った河野太郎外相は就任5日目に早速、中国の王毅外相と会談した。河野外相ももともとアジア重視の姿勢だが、王氏は「親子2代」で日中関係改善を推し進めてほしいという思いがあるのではないか。この「時の利」と「人の利」を安倍政権は最大限に活用すべきだ、としている。

日本が逢いたくないのではなく、中国に時間を作ってもらえないのが現実ではないか?すでに主導権は中国にある。時の利、人の利とやらが、日本の都合なら毎日は大きく誤っている。すでに日本を中国は待ってなどいない。

読売新聞・社説
18歳成人法案 選挙権年齢との一致が自然だ

上川法相が就任後の記者会見で、成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正を早期に実現する方針を示した。秋の臨時国会に改正案を提出する意向だ。成立すれば、少なくとも3年程度の周知期間を経て施行される。成人年齢は、明治期に20歳と定められて以来、100年以上にわたって見直されていない。歴史的な法改正である。選挙権年齢は既に「18歳以上」に引き下げられている。政治参加の権利を得た若者に、民事上の権利や責任が生じるのは当然だ。世界の国々の大半が18歳を成人年齢としている。日本の若者だけが未熟だとは言えまい。大人として扱われることで、精神的な成長が促される面もあるはずだ。社会を支える一員として、国の将来を真剣に考える。そうした自覚を若者に浸透させるうえで、改正の意義は大きい。成人年齢と密接に関わるのが、少年法の適用年齢だ。20歳未満から18歳未満に引き下げるかどうか、民法改正を念頭に法制審議会が議論を進めている。20歳未満での飲酒と喫煙は、未成年者飲酒禁止法などで禁じられている。いずれも開始年齢が早いほど、健康への悪影響が増大すると指摘されている。成人の定義が変わっても、現行の禁止規定は据え置くべきだ、としている。

老人の都合のような読売の社説を見て、若い世代が怒りに決起するのでは?と思えるほど老害そのものの意見。大人の都合で18歳を成人にした理由は、やがて選挙権とともに年金や税という負担となって18歳に降りかかるだろう。酒やタバコに、果たして今の若い世代がどれだけの価値を見出しているのか判らない。老害とともに喫煙や飲酒を文化と呼ぶ世代も滅びればいい。若い世代の価値観をまったく理解していない主張だ。

日本経済新聞・社説
人の力をいかす日本へ(1) 働き手は工夫でもっと増やせる

人手不足が成長の壁になりつつある。働き手の確保の難しさを経営課題に挙げる企業も増えた。しかし発想の転換や働き方の工夫で、今は働いていない人を労働市場に迎え入れたり、仕事をしている人々の生産性をもっと上げたりすることは可能ではないか。人手不足に悩むサービス業で、従業員向けの託児所開設が広がりつつある。大和ハウス工業は千葉県に建てる物流センターに600人の子供を預かれる託児所を併設する。託児所としては国内最大だという。ここで働く8000人のうち7割以上を、女性を中心とするパート社員で賄う構想だ。スーパーのサミットやマルエツは70代の人も働けるよう雇用条件を緩和した。マルエツはすでに全パート従業員の6%強を65歳以上が占める。約7割は継続雇用だが3割は新店開業などに備えた新規採用者だ。主婦の労働が難しい夜間などに重宝しているという。個人の資産や技能を他人と共有するシェアリングエコノミーの進展にも注目したい。相乗り仲介の米ウーバーテクノロジーズは、日本でマイカーを使った料理の出前サービスを始めた。さまざまなサービス分野で、休日や空き時間を活用して働く人が増えれば、人手不足の緩和につながる。配送や移動、外国人向けの観光案内、翻訳、学習指導など、シェア経済の分野は広い。政府は各種規制の見直しを通じ、この流れを後押しすべきだ。働き手を増やすためにも、シェア経済を広げていきたい、としている。

日経の事例は人手不足の業態に対する事例だろうか?農業の事例はあるが、サービス業の代表の飲食、物流、医療、保育、介護という切迫した領域の話が聞きたい。隙間の時間、細切れの時間を労働に費やして収入を増やしたい意思は、副業の解禁やシステムによって時間が経過すれば浸透するだろう。だが、いま切迫している業界の課題は、誰も仕事をしたがらない労働環境、報酬と過酷さのアンマッチが原因ではないか?日経の今回の事例が効果を見せるとは思えない。

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