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3077.報道比較2017.8.5

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日本が安保法制や内閣の支持率を下げるようなスキャンダルで外交が手薄な時期に、中国はフィリピンを中心にASEANを的確に抑え込んでいるように見える。AESEANの経済圏がアメリカや日本より中国を選ぶ確率は高まってきた。

人民網日本語版
外交部、さらなる発展の契機を迎える中国ASEAN関係 (2017.8.4)

外交部(外務省)の耿爽報道官は3日「中国ASEAN関係は従来の事業を継承して将来の道を切り開き、質を高め、高度化する重要な節目にあり、さらに大きな発展の新たな契機を迎えている」と表明した。中国側はASEANとの友好協力を非常に重視し、ASEANを周辺外交の優先的方向性及び「一帯一路」(the Belt and Road)協力推進の重点的地域と見ている。中国とASEANは1991年に対話関係を構築して以来、互いの努力で政治的相互信頼を強化し続け、実務協力で大きな成果を挙げており、すでに双方関係はASEANの対話パートナーシップにおいて最も活力ある、最も内容豊かな関係となっている。「南中国海における関係国の行動宣言」の枠組での中国とASEANの海上協力は新たな進展を遂げ続けているうえ、各国は少し前に「南中国海における行動規範」の枠組で合意した。これは、われわれが南中国海の平和・安定維持を共に願っていることを十分に示し、中国ASEAN協力のために良好な雰囲気を醸成した、としている。

日本が安保法制や内閣の支持率を下げるようなスキャンダルで外交が手薄な時期に、中国はフィリピンを中心にASEANを的確に抑え込んでいるように見える。AESEANの経済圏がアメリカや日本より中国を選ぶ確率は高まってきた。そうなれば、南シナ海の領有権は中国に有利なものになる。中国は辛抱強い。言葉にしたことはずっとやりつづける根気がある。最近のアメリカや日本は、とても真似できないようだ。

Wall Street Journal
7月の米雇用統計、エコノミストはこうみる (2017.8.5)

米労働省が4日発表した7月の雇用統計によると、非農業部門就業者数(季節調整済み)は前月比20万9000人増加し、失業率は4.3%に低下した。エコノミストの反応は以下の通り。
-TSロンバードのスティーブン・ブリッツ氏 2015年序盤から16年にかけて雇用は大幅に鈍化したが、今はそれを脱した。民間部門就業者数の伸びは月平均18万人に落ち着いた。数字に目を通すと、低賃金の職が伸びの多くを占めていることに気づく。7月の増加分の約45%は医療関連と飲食店だった。これに伴い、全体の賃金の伸びは鈍化する。
- 野村ホールディングス のマーク・ドムス氏 就業者数の伸びは月平均を上回ったものの、賃金の伸びは労働コスト指数のように、過去の景気拡大局面に比べて緩やかに推移しそうだ。離職率の停滞も一因だろう、としている。

雇用はずいぶん強い結果になった。FRBが行動するには裏付けになる数値だ。マーケットは総楽観がつづいている。VIXも最低水準。FRBの行動にも無反応かもしれない。

毎日新聞・社説
無届け老人ホームの増加 困窮者向けの法定施設に

古い民家やマンションを改装して高齢者に食事や介護サービスを提供する低額の介護施設(有料老人ホーム)が増えている。劣悪な住環境や違法な身体拘束が横行しているとの指摘がある。一方、行政に届け出をすると、建物や職員配置の法定基準をクリアすることを求められ、利用料を高くせざるを得なくなる。そのため、最近はお金のない高齢者のために無届けで運営している施設も多い。背景には困窮者が増えている現実がある。特別養護老人ホームは空きがない上、最近の「ユニット型」は食事や介護費込みで月15万円程度必要なところがある。有料老人ホームは通常月15万~20万円かかり、多額の入居金を求める施設もある。地価の高い都市部では居室面積や設備などの基準の緩和を検討すべきだ。少し狭くても良質な介護を提供できるところを法定施設として認め、増やしていくべきである。発想の転換が求められる、としている。

見えない部分で日本の貧困化は確実に進展している。この課題は、残念ながら行政しか手が出せそうもない。先送りしていると確実に大事故が起きそうな気がする。すぐにでも対処してほしい。

読売新聞・社説
米軍機岩国移駐 基地負担軽減の努力を続けよ

米軍厚木基地の空母艦載機部隊が近く米軍岩国基地への移駐を始める。戦闘攻撃機FA18、電子戦機EA18Gなど61機と軍人・家族ら約3800人が対象だ。来年5月頃までに完了する。移駐は、在日米軍再編に関する2006年の日米合意に基づくものだ。首都圏の人口密集地に位置する厚木基地の周辺住民は長年、深刻な騒音被害を受けてきた。過去には、政府に巨額の損害賠償を命じる判決が何度も出ている。艦載機部隊の移駐後、岩国基地は、約120機を抱える極東最大級の米軍航空基地となる。日米両政府は、騒音、事件・事故対策や、米軍機の適正な運用の徹底に努めねばならない。政府が、岩国基地と周辺住民の共存を図ろうと、様々な取り組みを重ねてきたのは適切だ。12年には、住民の利便性向上のため、滑走路の一日数往復の民間使用を認め、国管理空港を開設した。赤字だった県の宅地造営事業も、米軍住宅建設で支援した。山口県への年約20億円の政府交付金も大幅に増額する方向だ、としている。

地図を見れば、朝鮮半島有事には岩国の方が有利なのは明らか。米軍移設の一環とはいえ、沖縄を仕切れない日本政府を待つよりは、ひとつでも多く実働できそうな拠点を増やしたい意志がありそうだ。沖縄を含め、米軍との共生が描けない理由はなんだろうか。現地に行くと、それなりにコミュニケーションや温かい関係も感じるのだが、ニュースとして出てくる話題はいつも米軍を邪険にするものばかりだ。補助金をつぎ込むだけでなく、同盟関係に見合う共存に税金を使う方が理想的ではないか?

朝日新聞・社説
アベノミクス 国民の不安に向き合え

安倍政権の経済政策「アベノミクス」は、デフレ脱却を達成し、経済成長を追い求めることが柱だ。成長で税収が増え、財政再建や社会保障の維持・充実も実現できると説明する。物価上昇率は目標の2%に一向に届かない。20年度に基礎的財政収支を黒字化するという財政再建目標の達成も絶望的だ。金融緩和も財政出動も余地が狭まるなか、毎年策定する成長戦略は項目が積み上がるが、もともと短期間で成果を期待できる「魔法の杖」ではない。首相は、そうした現状を認めるべきではないか。国民が求めるのは新しい看板ではない。暮らしがよくなったと実感できること、そして将来を安心して展望できることだ。人口が減るなか、22年には団塊の世代が75歳になり始める。無駄にできる時間はない、としている。

産経新聞・社説
少子化と内閣改造 予算確保で本気度を示せ

少子化が続けば、いずれ社会は成り立たなくなる。その対策には一刻の猶予も許されない。昨年の年間出生数が100万人の大台を割った。婚姻件数は戦後最少を記録し、30代以下の母親の出生数が軒並み前年を下回った。ところが、内閣改造後の記者会見で、安倍晋三首相から危機感の表明すらなかったのは極めて残念である。少子化は、将来の社会の支え手不足に直結する問題だ。子供たちが社会に出るには20年近い年月を要する。いま対策を講じなければ、その影響は後の世代に深刻な形で表れる。首相には、ただちに着手すべき「喫緊の課題」であるとの認識をもってほしい。安心して産み育てられる社会を取り戻さなければ、出生数の回復は望めない。今ほど政治家の力量が問われているときはない、としている。

日本経済新聞・社説
改造内閣への注文(下) 経済最優先の原点に戻って改革を

安倍首相は政権発足時にアベノミクスの3本の矢を掲げた。第1が大胆な金融政策、第2が機動的な財政政策、第3が規制改革を含む成長戦略だ。安倍政権が経済再生に強力な政策を進めるという発信が、企業心理の好転につながり、海外投資家の日本経済を見る目を変えたのは事実だ。日銀が掲げた2%の物価安定目標にはなかなか届かないが、物価が持続的に下落するデフレの状況からは脱し、企業収益や雇用情勢は大きく改善した。足元の経済状況は4年半前に比べれば好転したが、課題はなお多い。首相は7月下旬の講演で、教育無償化の財源として教育国債を排除しない考えを示した。人材への投資は重要だが、そのために借金を膨らませ将来世代に負担をおしつけるのであれば問題だ。建設国債で賄う公共事業も、現在の建設現場の人手不足を考えれば、むやみに拡大すべきではない。安倍政権が再び経済最優先に戻り、将来世代もにらんだ経済改革を進めるならば、国民の政権を見る目もまたかわるのではないか、としている。

3紙とも無益な内容にとどまっている。きっと週刊誌は次のスキャンダルのネタや、安倍政権が取り組むべき具体的な課題を分析しはじめている。全国紙の出遅れ感は安倍政権以上。これでは政治オタクとさえ呼べない。仕事をしているフリをしている給料泥棒のサラリーマンそのものだ。

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