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3074.報道比較2017.8.2

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信はパワーなり。失えば堕ちる。

朝日新聞・社説
陸自日報問題 稲田氏まで隠すのか

公開すべき文書を隠し、調査では事実関係をあいまいにして、果ては稲田前防衛相まで覆い隠そうというのか。南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊の日報問題で、自民党が、衆院安全保障委員会の閉会中審査への稲田氏の出席を拒否すると民進党に伝えた。稲田氏の招致を拒否する方針に、野党は「最悪の隠蔽工作だ」と反発している。多くの国民も同じ思いだろう。自民党は批判を真摯に受け止め、隠蔽を重ねるような振る舞いを改めるべきだ。ところが自民党の姿勢は、全く後ろ向きだ。国防部会では「そもそも日報を公開するべきではなかった」との意見が続出した。情報公開法の開示義務違反と結論づけた監察の判断と正反対で、国民に説明を尽くそうとする態度からはほど遠い。国民に向き合わず、誰に対して「正々堂々」なのか。稲田氏を国会に呼び、質疑を通じて問題を解明する。政権与党として当然の務めである、としている。

いまの朝日の感情は、社会の感覚に近い。稲田氏にも安倍政権にも、同情よりは疑念の方がずっと大きい。森友学園の籠池氏逮捕でさえ、本当の疑念は安倍政権と省庁にあると感じているに違いない。拒否などせずに受け入れれば支持率下落に歯止めもかかるだろうが、なぜ一度拒否するのか?だからさらに支持率が下がるというのに。
野党は、この与えられた時間で政策や次の国家の指針を描いているだろうか?前回のような素人の仕事ではなく、裏付けのある提案ができれば、いまの無党派、不支持層の票は得られるのだが。批判ばかり展開していては、時間の無駄だ。

毎日新聞・社説
小池都政誕生から1年 イメージより課題解決を

小池百合子氏が東京都知事に就任して、きょうでまる1年になる。知事就任直後から、都議の「高給」を浮き彫りにするために、自らの給与を半減させた。古い自民党政治に対抗する手段として、政治家養成の「希望の塾」も設立し、それを母体とした地域政党「都民ファーストの会」は7月の都議選で圧勝した。五輪準備や市場の問題も大切だが、2年目に入る今後は、東京が直面する大きな課題に対して「課題解決型」の都政運営が求められる。20年ごろから東京は人口減少が始まり、高齢化が加速する。いまだ解決しない待機児童問題に加え、特別養護老人ホームなどの不足で、施設に入れない「待機老人」の問題も深刻になる。道路や橋、下水道など建設から半世紀以上経過する老朽化したインフラの整備も急務だ。小池氏は自らの政策を実現しやすい環境を手に入れた。生活に直結する課題を重視し、都民のための政治にリーダーシップを期待したい、としている。

新聞社がトピックに困った時に良く使う振り返り。今なら政権批判もしやすい環境だが、毎日は都政、または小池氏の方が気になるようだ。
もう1年。思えば安倍政権が自分の思惑どおりに進められなくなった最初の結末が、小池知事誕生かもしれない。以降、公明党との関係、都政、支持率…ついに内閣人事さえ思いどおりにはいかなくなった。小池氏の政党にも小池ブランドに頼ったチルドレン臭が漂う。数のために素人を集めても、早々に崩れるのは歴史が証明している。今までの論理的な意思決定のままなら信頼はつづくだろうが、自我が芽生えれば、すぐに堕ちる。安定基盤を得た今こそ、リーダーの実力が試される。

人民網日本語版
中国人民解放軍建軍90周年祝賀大会、習近平総書記が重要談話 (2017.8.1)

中国人民解放軍建軍90周年祝賀大会が1日午前に人民大会堂で開かれ、習近平中共中央総書記(国家主席、中央軍事委員会主席)が重要談話を発表した。習総書記は「第18回党大会以来、われわれは奮闘目標『2つの百年』の実現、中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現に着眼し、党の指揮に従い、作戦に勝利できる、優れた作風の軍の建設という新情勢下における党の軍事力強化目標を打ち出し、時代に合わせた進歩で軍事戦略指導を革新し、新情勢下の軍事戦略方針を策定した。われわれは国防・軍改革の全面的深化を推し進め、軍事委員会が統一的に管理し、戦区中心に戦い、軍種中心に建設する新構造を構築し、軍の組織形態の全体的再形成を実現し、中国の特色ある軍事力システムの構築という歴史的歩みを踏みだし、軍は体制を一新し、仕組みを一新し、構造を一新し、様相を一新した。われわれは法に基づく軍統治、厳格な軍統治を堅持し、軍統治方式の根本的転換を推し進める。軍事力強化事業を推し進めるには、政治による軍建設、改革による軍強化、科学技術による軍振興、法に基づく軍統治を堅持し、国防及び軍の近代化水準を全面的に高めなければならない。軍事力強化事業を推し進めるには、軍民融合発展を深く推し進め、軍民一体化の国家戦略のシステム及び能力を構築しなければならない。軍事力強化事業を推し進めるには、誠心誠意人民に奉仕するとの根本的趣旨を堅持し、終始人民が信頼し、人民が支持し、人民が愛する中国人民解放軍であらねばならない」と強調した、としている。

産経新聞・社説
中国とロシアは北朝鮮の核武装を手助けするのか、THAADの韓国配備にも反対

北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射を重ねる中で、より明確になった点がある。北朝鮮への圧力を高めようとする米国や日本などの動きを批判、牽制する中国やロシアの姿勢のことだ。問題は、その一方で中露が北朝鮮を経済的に支え、平然としていることである。中国は北朝鮮の対外貿易の9割を占める。制裁と支援を同時に行うのが矛盾であることは、誰の目にも明らかだ。中国は北朝鮮産石炭の輸入を停止し「安保理決議履行」と宣伝しながら、民生目的のみ認められる鉄鉱石輸入を大幅に増やした。ICBM発射を受け、トランプ米大統領は「中国には非常に落胆した」と表明し、他の政権幹部も相次いで中国を批判した。ペンス副大統領は、ロシアの責任にも言及した。安倍晋三首相はトランプ氏との電話協議で、対北圧力の強化と、中露に同調を求め働きかけを強めていくことを確認した。日本にとって直接の脅威を前に、防衛協力も含めた連携を考えるときだ、としている。

読売新聞・社説
中国軍パレード 習氏が権勢誇示に利用した

中国が、1日の軍創設90年を前に、内陸部の内モンゴル自治区の演習場で大規模な軍事パレードを実施した。外国首脳は参観せず、楽隊演奏などの儀礼的な要素も省かれた。パレードで実戦的な演習を主体とするのは、異例の形式である。共産党が自前の軍隊を保有したとする軍創設を記念して、パレードを実施するのも今回が初めてだ。習氏は、2期目の政権が発足する党大会を今秋に控え、軍の掌握ぶりを示し、求心力を高める狙いがあるのだろう。軍トップの習氏は、陸軍主導から、陸海空などの統合運用体制に転換する軍改革や、幹部らの腐敗摘発を進める。軍内部には批判がくすぶり、北京では、退役軍人らによる抗議活動も起きた。習氏は1日の演説で、「中国は世界平和の建設者であり、国際秩序の守護者だ」と主張した。日本など周辺国の懸念を無視し、軍備増強路線を突き進む現状では、到底理解を得られまい、としている。

中国が動くと批判せずにはいられないのが産経と読売。警戒と固定観念は違う。人民解放軍を共産党が掌握さえしていれば、デモは警戒だけで十分。むしろ既得権にすがる退役軍人を習氏が制しているなら、安倍氏より構造改革を先行していると評価できる。人民解放軍は中国軍ではなく、党の軍。習氏が利用するのは当然で、読売は批判だけが目的と透けて見える。
産経のTHAADも同様だ。仮に北朝鮮が中国のために韓国からの攻撃を想定した地対空ミサイルが、日本も攻撃可能だと言ったらどう感じるのか。北朝鮮が兵器を開発してもピンと来ていない日本の新聞には、何を危機としていいかの分別もないのかもしれないが。

日本経済新聞・社説
年金受給要件の緩和だけでは不信拭えぬ

国民年金などの受給要件を緩める改正年金機能強化法の施行で、およそ64万人が新たに年金をもらえるようになる。無年金者減らしに歩を進める制度変更だが、これだけで若者を中心に渦巻く年金への不信感を拭えるわけではない。
高齢層ほど少ない負担で高い給付を受ける年金の世代間格差を縮める改革こそが王道である。信頼が戻れば保険料の未納も減る。年金を政争の具にせず、政権与党と野党が共同で突っ込んだ改革案を建設的に練ってほしい。既受給者への給付水準を実質的に抑えるには、物価下落時などに名目年金額を前年より減らさない今の仕組みを見直す必要がある。世代間だけでなく高齢世代内の格差を縮める工夫もいる。それには一定の収入や資産を持つ受給者への年金課税を強め、その分を基礎年金の財源に回すのが有効だ。国民年金の保険料未納率は30%台半ばと高水準だ。免除者などを合わせた実質未納率は60%近い。より根本的には、年金財源としての消費税増税の可能性を探る税制との一体改革が切り札になろう、としている。

日経の提案は、すでに政治が検討を始めている課題ばかり羅刹しているのは意図的だろうか?年金の受給時期を先送りする代わりに、受給年額を上げる制度は進行中だ。判っているように見えて、現状を理解しているのかが見えない社説だ。信頼度が低い。

Wall Street Journal
北朝鮮問題、「体制転換」という解決策 (2017.7.31)

独裁者の金正恩氏が核で米国の都市を威嚇する日は近づいており、北朝鮮危機は加速している。米情報当局ではその脅威を見くびってきたと認める声が上がり、ドナルド・トランプ大統領は中国が依存国家の北朝鮮に対する締め付けを拒んでいるとのいら立ちをまたもツイートした。米国の新たな戦略が必要とされていることから、トランプ政権が北朝鮮の体制転換を目指すことを検討している可能性をマイク・ポンペオ中央情報局(CIA)長官が示唆したことは注目に値する。体制転換を狙う政策に、侵攻や即刻の南北統一は不要だ。軍部、あるいは核で世界を脅かす意図のない政治的派閥が金政権を転覆すれば、北東アジアの安全は改善するはずだ。米国にはこの戦略を促進する政策手段がある。体制転換という目標が明示された場合はなおさらだ。その中には、北朝鮮の銀行をドルの国際金融システムから遮断する「北朝鮮制裁政策強化法」といった経済的手段もある。トランプ政権は最近、国連の制裁措置に違反している中国の銀行や貿易会社に対する制裁を開始しているうえ、その対象は拡大するはずだ。米歴代政権が際限のない調整を図ってきたために、北朝鮮は緊急に対処すべき脅威になった。その時代が終わるというシグナルを、ポンペオ氏が発することに期待しよう、としている。

この社説はCIA長官を取材したのだろう。が、今日、トランプ政権で国務長官を務めるティラーソン氏は「体制転換は望まない」と表明した。対話するとも。その一方で、共和党の議員はトランプ大統領が戦争の可能性を示唆したとリーク。これが、意図的なリークで国民の支持率や外交のインパクトを検証しているなら、極めて理知的で最高レベルのインテリジェンスだ。わずか1年前のアメリカは、当然のようにそう見えていた。いまのアメリカには、その信頼感はない。政権内の誰もが勝手なことを言い、大統領は支離滅裂に主張を変え、暴言を吐く。いまのアメリカの提案なら、戦争だろうが、体制転換だろうが、すべて世界は「ノー」と協力しないだろう。いまのアメリカに恐怖は感じる人はいない。

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