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3073.報道比較2017.8.1

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世界中でメディア不信は拡がっているが、ここまで権力に迎合するメディアは日本くらいだ。他国は、ニセのニュースをつくってでも政権を批判しているというのに。

朝日新聞・社説
籠池夫妻逮捕 国有地問題を忘れるな

大阪の学校法人「森友学園」前理事長の籠池泰典と妻諄子の両容疑者がきのう、大阪地検特捜部に詐欺容疑で逮捕された。両容疑者は小学校を建設するとして、実態より高額の契約書を国に提出し、補助金約5644万円をだまし取った疑いがある。府には幼稚園の教員数や障害のある園児数を偽って申告し、約6千万円を詐取した疑いでも告訴されている。一連の問題で忘れてはならないのが、国有地の安値売却だ。小学校建設用地として、財務省は鑑定価格9億5600万円の土地を1億3400万円で学園に売り渡した。その値引きの経緯は今もなぞのままだ。焦点は、小学校の名誉校長を務めていた安倍首相の妻・昭恵氏の存在だ。学園の幼稚園で複数回講演してその教育内容を称賛し、学校建設を支援した。売却契約の成立にむけ、国が学園側の意向をくむ場面はなかったのか。政治家やその関係者の関与はあったのか。必要に応じて財務省や財務局を捜索し、資料収集と職員からの聴取を尽くし、明らかにしてほしい。昭恵氏の招致を含め、国会は独自に事実関係を明らかにするために動き出すべきだ、としている。

産経新聞・社説
籠池夫妻を逮捕 事実の徹底的な解明図れ

大阪地検特捜部は、国の補助金を不正に受給したとする詐欺容疑で、「森友学園」の籠池泰典前理事長と諄子夫人を逮捕した。事実の証明には背を向ける一方で、安倍晋三首相夫妻らの関与や協力を口にし、世間を困惑させてきた。問題の本質は何であったのか。司直の手による解明が必要である。特捜部はまた国有地を不当に安く学園に売却し、国に損害を与えたとする財務省近畿財務局関係者の背任罪についても告発を受理している。騒動の本丸ともされた国有地の払い下げの経緯についても、徹底的な検証が必要だ。一連の疑いが事実とすれば、安倍昭恵夫人が一時期就任していた「名誉校長」の肩書が詐欺行為の舞台回しに利用されたことは否定できまい。軽率な行動を、改めて厳しく批判したい。いたずらな国会の混乱は、大いに国益を損なった。ただしその責めは、容疑者らの言動や、印象操作に終始した野党側の質問姿勢ばかりが負うのではなく、官邸や政府側の木で鼻をくくるような乱暴な説明に起因した反省も、忘れてはならない、としている。

毎日新聞・社説
「森友」前理事長夫妻を逮捕 値引きこそ疑惑の核心だ

大阪市の学校法人「森友学園」前理事長の籠池泰典容疑者と妻諄子容疑者が詐欺の疑いで大阪地検特捜部に逮捕された。開校を計画していた小学校建設に関して金額の異なる3通りの契約書を作り、最も高額の分を国に提出し補助金を不正受給したとされる。財務省近畿財務局は、鑑定価格からごみ撤去費として約8億円を差し引いて、1億3400万円で学園に売った。その交渉は学園側の要求通りに進み、籠池容疑者は「神風が吹いた」と国会で証言している。ところが佐川宣寿・前財務省理財局長(現国税庁長官)は、学園との交渉記録について「売買契約を受けて既に破棄した」と答弁した。「パソコン上のデータもない」とも述べて説明を拒み続ける一方で「処理は適正だ」と繰り返した。不当に安く国有地を売却し、国に損害を与えたとして財務局幹部らが背任容疑で告発され、特捜部は捜査している。立証のハードルは高いだろうが、価格や決め方が適正だったかどうかを明らかにしてほしい、としている。

読売新聞・社説
籠池容疑者逮捕 「教育者」が公金を私したのか

大阪地検特捜部が、学校法人「森友学園」の前理事長、籠池泰典容疑者を逮捕した。学園が運営する幼稚園で副園長を務めていた妻も、共犯として逮捕した。詐欺の疑いが持たれている。小学校の建設に際し、実際よりも高い工事費を記した虚偽の工事請負契約書を国土交通省に提出して、国の補助金約5600万円を詐取した、とされる。森友学園を巡る疑惑の発端となったのは、大阪府豊中市の国有地売却問題だ。地中の廃棄物撤去費用について、国は、鑑定評価額から8億円余を差し引き、1億3400万円で売却した。特捜部は、市民らからの背任容疑の告発を受理している。近畿財務局の職員らが不当な値引きで国に損害を与えた、との内容だ。特捜部は、疑惑の全容解明を粛々と進めるべきである、としている。

政権スキャンダルへの関心が新聞は相変わらず強い。籠池氏がごまかしたカネが6000万。国の不明瞭な値引きは8億2000万。同じ血税をだましたのなら、どちらが優先されるべきかは自明だ。そのあたりは各紙の社説も理解しているようだが、政権の関与を疑うのは朝日と毎日のみ。相変わらず産経と読売は政府批判に及び腰だ。なぜ検察は小さな犯罪の逮捕から先に進め、行政や政府の巨悪に踏み込まないのか。国策調査のように国会と歩調を合わせるような動きをつづける検察を、なぜ追及しないのか。世界中でメディア不信は拡がっているが、ここまで権力に迎合するメディアは日本くらいだ。他国は、ニセのニュースをつくってでも政権を批判しているというのに。

日本経済新聞・社説
企業は賃上げと成長投資にも資金を回せ

企業は従業員への賃金支払いや成長投資、さらに株主への利益還元などを通じて、経済の血流ともいえる資金循環を促している。企業のお金の使い方は日本経済の活性化という視点からも一段と重要になってきた。ゴールドマン・サックス証券の調べでは、上場企業の2017年1~6月の自社株買い総額は2.2兆円と、16年の同期に比べほぼ半減した。日本企業は株主に報いるため13年から4年続けて自社株買いを増やしたが、今年は5年ぶりに減少する公算が大きい。では、どこに資金を回すべきか。余力のある企業は積極的な賃上げをためらうべきではない。抑制気味だった賃金の引き上げは、企業にとって良い人材の確保や競争力の向上につながる。経済全体の視点に立っても、物価上昇の圧力を強め、持続的な成長の循環を確かなものとする。さらに、投資だ。ROEの8%目標を達成した企業のなかには、国内での生産増強や新規出店といった成長のための投資に優先的に資金をふり向ける動きが出てきた。企業の前向きな投資は経済の活性化に欠かせない。事業のアイデアに対応して政府が関連する法規制を一時凍結する「サンドボックス」制度の活用なども視野に入れ、企業は新しいビジネスや投資機会の創造に力をいれてほしい、としている。

人件費と投資を促すのは賛成。まともに投資して稼いでいる企業で、しっかり株価まで反映しているのは、ソフトバンクや日本電産くらいしか思い浮かばない。シャープはこれからが楽しみだが、トヨタも水素からEVに一気に投資を切り替えるだろうか?私が関わるIT領域で、日本の技術が世界に知られた記憶は、Ruby以降はない。技術がネットを通して流通する中、日本から発信されたものは極めて少ないだろう。やがて、ITは中国圏でさらに発展する予感。規制だらけのはずの中国に日本が負けるなら、日本は根本から反省が必要になる。学ばない姿勢に尽きる。

Financial Times
ポピュリズムを生んだのは「痛み」ではなく「慢心」 (2017.7.25)

ブレグジット(英国の欧州連合=EU=離脱)、ドナルド・トランプ氏の米大統領就任、ジェレミー・コービン氏の英労働党党首就任、そしてそのほかの異例な出来事――これらの背景については、1つの説明が受け入れられている。いわく、有権者は賃金の伸び悩みと不況に動揺している。エリート層は過剰な物欲とテクノクラートのミスで面目を失った。状況があまりにひどいために、人々は劇的な変化に関心を示している、という具合だ。今の政治には軽薄さがある。議員という公的な地位をお金持ちが買い取っていると非難するのはたやすいが、彼らは名門イートン校の生徒会「ポップ」のメンバーに選ばれた選挙を実社会で追体験している貴族の御曹司ばかりではない。喪失体験の鮮やかな記憶ほど、人を、そして国家を律するものはない。西側全体の傾向だと思われているポピュリスト(大衆迎合主義者)の台頭が決定的に英米的に見える理由はここにある。トラウマの記憶が薄れれば薄れるほど、リスクを取ることへの意欲は強くなる。もしこの分析が殺伐としているのなら、そこから得られる示唆はもっと殺伐としたものになるだろう。国家というものは、それが悪い考えであることを思い出すために悪い考えを時折試してみる必要がある、ということだ。

久しぶりのFinancial Timesの妄想だ。苦しい体験をすれば目覚めるというなら、いまブレグジットを決断した英国が味わっている屈辱こそがその困難な体験だ。自らで選んだ苦しい選択で、せめて団結する社説を書いたらどうか?意味不明に困難を求めるより、分裂こそが社会の破滅の始まりだと思うが。

Wall Street Journal
トランプ政権のスカラムチ広報部長、就任10日で解任 新首席補佐官が要請 (2017.8.1)

ホワイトハウスのアンソニー・スカラムチ広報部長が31日解任された。政府当局者が明らかにした。同氏は10日前に就任したばかり。同氏が解任される数時間前、退役海兵隊大将のジョン・ケリー氏が大統領首席補佐官に就任した。また、4日前には米誌「ニューヨーカー」に、ラインス・プリーバス前首席補佐官など他のホワイトハウス高官を痛烈に批判する内容のスカラムチ氏のインタビューが掲載された。ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官は声明で、スカラムチ氏の広報部長退任を認め、「ケリー首席補佐官が白紙の状態から自身のチームを立ち上げられるようにするのが最も望ましいとスカラムチ氏は感じた」と述べた。今のところスカラムチ氏はコメント要請に応えていない、としている。

うまくいっていない会社の役職は、コロコロと入れ替わる。アメリカ政府が同じ様相だ。アメリカはボロボロだ。メキシコに壁を作るどころか、アメリカはどこも穴だらけだろう。アメリカは孤立する。アメリカ第一主義が原因ではなく、自らの無様な行動で。

人民網日本語版
中国、上半期の輸出入が前年同期比で19.6%成長 (2017.7.31)

中国国務院新聞弁公室はこのほど記者会見を開催し、税関総署の関連の責任者が、今年上半期、中国の輸出入が前年同期比19.6%増となり、引き続き対外貿易が回復傾向にあることを明らかにした。税関の統計によると、同期、中国の物品貿易の輸出入総額は前年同期比19.6%増の13兆1400億元(約216兆8100億円)だった。うち、輸出は前年同期比15%増の7兆2100億元(約119兆円)、輸入は前年同期比25.7%増の5兆9300億元(約97兆8450億円)だった。貿易黒字は1兆2800億元(約21兆1200億円)で、17.7%縮小した。税関総署総合統計司の黄頌平・司長によると、同期、世界経済は穏やかな回復を見せ、中国の経済も安定して良い方向へ向かった。中国の輸出入は19.6%成長したことで、昨年下半期の回復傾向を引き継いだほか、半年間での伸び幅としては、2011年下半期以降最大となった、としている。

トランプ政権がつづく限り、中国やロシアは笑いが止まらないだろう。脅されても聞き流せばいい。アメリカは口ほどに何もできない。貿易黒字を縮小させて協力を演じながら、規模は膨らませて収益は維持する。この程度でディールが成り立つなら、中国はアメリカ第一にいくらでも協力すると言えるだろう。

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