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3072.報道比較2017.7.31

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競争にNHKが参入して国内メディアを支えてくれるなら、課金は手段。今のような一律で不可解な徴収よりは納得できる。いまの民間マスメディアは明らかに情報の質が低過ぎる。国産のメディアの努力は、国営かどうかに関わらず期待して待っている。

日本経済新聞・社説
受信料より先に議論すべきことがある

テレビ番組を放送と同時にインターネットで流す際の料金について話し合ってきたNHKの検討委員会が答申をまとめた。スマートフォン(スマホ)などのネット接続機器のみで番組を見る世帯からも、テレビと同じ水準の受信料を徴収する方向性を示した。若年層を中心にテレビ離れが進んでおり、「常時同時配信」で新たな視聴者を獲得したいという考え方は理解できる。だが、料金の議論だけが先行する現状に違和感も覚える。受信料制度に支えられたNHKがネット事業に本格的に参入すると、この分野の既存企業にも脅威となる。多様なコンテンツやサービスを利用者に提供するため、民間企業が投資を続けられる環境を整えることが重要だ。まず必要なことは、ネット時代の公共メディアに必要な役割を定義し、適正な業務の範囲について議論を深めることだ。本質的な議論を避けて同時配信を手っ取り早い収入拡大の手段とするようなことがあれば、理解を得るのは難しいだろう、としている。

私はNHKが適切な競争を前提にネットで課金したいというなら賛成だ。NHKのコンテンツを有償でも見たいと感じることは多い。だが、NHKの今までの受信料という感覚で行うなら拒否反応は大きいだろう。利用したい人が、利用しただけの対価を払う形が適切だ。その方式で、果たしてどれだけの利益を得られるのか、算出してみてはどうだろう?税のように受信料を徴収できた権利ビジネスより圧倒的に厳しいはずだ。その競争にNHKが参入してくれることを期待している。いまの民間マスメディアでは明らかに情報の質が低く、報道比較で何度も取り上げているように、報道の劣化も激しい。国産のメディアの努力を、国営かどうかに関わらず期待して待っている。

読売新聞・社説
「脱時間給」制度 職種を限定した導入は妥当だ

高収入の専門職を労働時間規制の対象外とする「脱時間給」(高度プロフェッショナル)制度の導入を巡り、政府、経団連、連合の政労使合意が見送られた。一時は条件付き容認を表明した連合が、態度を転じたためだ。かねて「長時間労働を助長する」と反対してきただけに、組織内の反発が強く、撤回を余儀なくされた。政労使協調を主導した事務局長の会長就任も立ち消えになった。一定の職種について、本人の同意を条件に、賃金と労働時間を切り離すことは、妥当だ。生産性向上の効果も期待できる。対象は、為替ディーラーなどの高度専門職で、年収1075万円以上の人が想定される。法案には、平均賃金の3倍超と明記する。雇用者の3%未満とみられる。労働側には、残業代の負担という経営側にとっての歯止めがなくなることで、「際限なく働かされる」との懸念が強い。野党は「残業代ゼロ」と批判するが、長時間残業ありきの考え方だろう。レッテル貼りではなく、建設的議論が求められる、としている。

連合内が建設的な議論をしていたのか、読売は問題視していない。また、政府が建設的な議論をする対象としての信頼を失いはじめているのも、この問題がリセットされた一因だろう。アベノミクスが規制緩和や構造改革をして、社会が正しい成長を見せていれば、こんな議論になることはなかった。政治が真面目に仕事をせず、実績もないから、私たちは政治の約束に期待できなくなっているのだろう。これはレッテル貼りでも与野党の攻防でもない。政治の信頼が支持率とともに瓦解しているのだと思う。

Wall Street Journal
成長株への人気集中が示す強気相場の終幕 (2017.7.28)

米株は最高値更新が続いており、バリュエーションは15年来の高水準にある。いずれも投資家の自信の表れと言える。しかし、上昇の原動力を綿密に分析すれば、8年に及ぶ強気相場が終わりに近づいている可能性が見えてくる。成長株志向を象徴するのが、アマゾン、アップル、グーグルの親会社アルファベット、 フェイスブック の株価上昇だ。S&P50グロース指数の年初来リターンは17.1%。これとは対照的に、株価収益率(PER)、株価売上高倍率(PSR)、株価純資産倍率(PBR)が低い銘柄を含むS&P500バリュー指数のリターンは6%にとどまっている。投資家はアマゾン、アップル、アルファベット、フェイスブックの「四天王」に夢中になっているだけではない。成長株のアウトパフォームは中小企業株にも広がっている。景気拡大の終盤では、利益の伸びが鈍化し、利幅が狭まる。そのため、成長を続けられる企業の株価が割高になる。実際、2007年と2000年に終わった強気市場の終盤ではいずれも、成長銘柄がアウトパフォームしていた。たとえ我々が景気循環の最終局面にいるとしても、その局面がいつまで続くかは知りようがない。金融危機前、成長株がアウトパフォームしたのは2007年の短い期間だけだ。だがITバブルの間は、急成長企業は3年にわたって市場をリードした。成長株の上昇はひどい形で終わるだろうが、それは始まったばかりでもあるかもしれない、としている。

暴落から復活している時を別として、いつでも業績のいい会社だけに人気が集中する気がするのだが、Wall Street Journalの見立ては正しいのだろうか?業績のいい会社が数社しかないのは、相場の問題ではない。アメリカ経済の低迷が問題だ。もちろん、それよりさらに低迷して30年も失われた時間を過ごしている日本が言えることではないが。
実際には、IT企業の業績は悪くないに違いない。上位のFANG、MANTだけがなぜ圧倒的な業績を見せるのか?単純に「独占状態」だからだろう。アメリカがすべきだったのは、人気を集中させることではなく、分割して事業を細分化させることだったのかもしれない。株価より雇用や業界全体の成長を考えたら、いまの独占は不自然と感じる価値観は十分に成立する。Wall Street Journalから、そんな提案が出たことは一度もない。なぜだろう?

朝日新聞・社説
核のごみ処分 「トイレなき原発」直視を

原発の使用済み燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地について、政府が「科学的特性マップ」を公表した。日本で商業原発の運転が始まって半世紀がたった。抱える使用済み燃料は2万トン近い。
 その燃料から出る高レベル放射性廃棄物は、放射能が十分安全なレベルに下がるまでに数万年~10万年を要する。だから、地下300メートルより深い地層に運び込み、坑道を埋めてふさぎ、ひたすら自然に委ねる。それが政府の考える最終処分だ。マップができたとはいえ、最終処分は候補地が見つかっても調査だけで20年程度かかるという。使用済み燃料をできるだけ増やさないために、並行して脱原発への道筋を示すことが不可欠である。調査を受け入れる自治体には、最初の文献調査で最大20億円、次の概要調査では最大70億円の交付金が入る。自治体にとって魅力的な金額だろう。処分地選びは原発政策と切り離せない関係にあり、政策への国民の信頼がなければ進まない。福島の事故で原発への信頼が失われた以上、政策の抜本的な見直しが欠かせない、としている。

毎日新聞・社説
「核のごみ」マップ公表 市民が関心を持つ契機に

原発で核燃料を燃やした後に出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)をどこに最終処分するか。安全性の観点から日本全国を4色に色分けした「科学的特性マップ」を経済産業省が公表した。原発政策を進めてきた日本には、すでに核のごみが大量にある。原発への賛否によらず最終処分は必要であり、国民の幅広い理解が欠かせない。この地図を多くの人に興味を持ってもらうきっかけとしたい。福島の原発事故で安全神話が崩れ、処分場政策にも不信感を抱く人たちは少なからずいる。地震・火山国で未知の断層も抱える日本に不安材料があるのも確かだ。そうした懸念にも納得のいく説明を重ね、新たな知見に応じた計画の見直しも怠らないでほしい。マップを示したからといって急に国民の合意形成が進むわけではない。一定の期間、地上で「暫定保管」することも選択肢の一つだろう。その検討も進める必要がある、としている。

まだこんな話をしているのか…と呆れる。3.11で、パラダイム・シフトが起きて、計画は凍結、白紙化された原発が多数。いまも動かないまま停止。動かせという議論と、もういらないという議論にも答えを出せず、ゴミの話はさらに止まっている。政治の怠慢のみが原因だ。国民が納得する答えを提示できないまま、時間を浪費している。利権への潔白が証明できないのか、主張や論理以前に、議論しようという場さえ作れない。政治が議論を始めるまで、核のゴミが増えるのをせめて止めておいて欲しい。

産経新聞・社説
ミサイル繰り返しているのに公金投入 朝鮮学校訴訟 破壊活動防止法の調査対象である朝鮮総連の影響なぜ軽視する

国が朝鮮学校を高校無償化の適用対象外としたのは「違法」とする判決を大阪地裁が出した。これを適法と認めた19日の広島地裁の判断とは全く逆である。北朝鮮や朝鮮総連の影響下にある学校運営や教育の実態を軽視しており、そこに公金を投入するのを許す不当な内容と言わざるを得ない。判決は、朝鮮学校への支給について、国が北朝鮮や朝鮮総連との関係を問題視し、「国民の理解が得られない」とした点を挙げ、「外交的、政治的意見に基づき、対象から排除した」などと指摘した。これが、教育の機会均等確保をうたう趣旨から外れており、違法で無効だという。朝鮮総連は破壊活動防止法に基づく調査対象団体である。公安調査庁は朝鮮学校の人事、財政、教育内容などは総連の強い影響を受けていると認定している。北朝鮮は拉致事件のほか、核・ミサイル開発を繰り返している。その思想教育を残したままの公金投入は見直して当然なのだ、としている。

最高裁が判断して結論を出せばいい話だ。私はどちらの意見も納得できる。産経の感情的な主張の方が、よほど聞きたくない。産経を黙らせるだけの判決を聞きたい。

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