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3070.報道比較2017.7.29

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Liberal Democratic Party of Japan, Abe

CC Attribution, Photo by MIKI Yoshihito via flickr

安倍政権の崩壊は決定的、次に問題が起きれば安倍氏の首相辞任も十分射程に入った。日本全体が安倍氏によって沈んでいる中、政治を待つ意味はさらに無意味になっている。

朝日新聞・社説
陸自PKO日報問題 隠蔽は政権全体の責任だ

稲田防衛相と防衛事務次官、そして陸上幕僚長が辞任する。南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊の日報の隠蔽疑惑は、防衛省・自衛隊のトップ3人の辞任という異例の事態に発展した。この問題では、防衛相直轄の防衛監察本部が、3月から特別防衛監察を実施していた。だが、きのう発表された監察結果は極めて不十分だった。「廃棄した」とされた日報データが陸自にあったことが、稲田氏に報告されたか。それが最大の焦点だった。なのに、報告書はそこがあいまいにされている。与野党は再来週、閉会中審査に臨むことで合意した。稲田氏が参考人招致に応じるのは言うまでもないことだが、安倍首相も出席すべきだ。「閣僚の任命責任についてはすべて総理大臣たる私にあります。国民の皆様の閣僚に対する厳しいご批判については私自身、真摯に受け止めなければならないと思っております」ならば自ら進んで出席するのが当然だ。首相は自衛隊の最高指揮官でもある。稲田氏の辞任は遅きに失したが、文民統制の不全を正す契機としなければならない、としている。

産経新聞・社説
稲田防衛相の辞任 国の守りは大丈夫なのか

南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報の隠蔽問題は、稲田朋美防衛相と黒江哲郎防衛事務次官、岡部俊哉陸上幕僚長の辞任に発展した。情報公開の不手際が国民の信頼を損なった。それだけでなく、防衛省・自衛隊の中枢が、事後対応で右往左往する姿を内外にさらし続けた。稲田氏は、その国防の基盤を台無しにしたのであり、責任は重大である。安倍晋三首相は「国民の皆さまに心からおわび申し上げたい」と語った。その任命責任は極めて重い。統率力の欠如など、資質や言動に何度も疑問を呈された稲田氏を、首相はかばい続けた。いざ有事になったときに戦えるのか。内閣支持率に響くか否か、などという話ではすまない、としている。

日本経済新聞・社説
自衛隊の隠蔽体質ただせぬ政治の無力

日本の国防に対する信頼を損ないかねない異常な事態である。南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題を巡り、稲田朋美防衛相、黒江哲郎防衛次官、岡部俊哉陸上幕僚長が辞めることになった。統率力を発揮できない稲田氏の交代は遅きに失した。政府は体制を早く立て直す責任がある。防衛省は再調査により統合幕僚監部で見つかった日報を今年2月に公表したが、陸自のもともとの日報の存在は伏せたままにする判断を次官らも追認した。陸自内に残る日報の存在を稲田氏が知っていたかどうかは認定を避けた。部隊の派遣先の治安情勢は隊員の安全だけでなく、活動継続の判断にもかかわる。組織で共有する行政文書の意図的な非開示や破棄は、情報公開法に違反する。陸自は当初の誤った判断に縛られ、防衛省幹部の事なかれ主義が是正の機会を失わせた。最終的に政治家である防衛相が事実を把握し、適切に指示をする文民統制の仕組みも機能していないという重大な問題をはらんでいる。野党は日報問題の経緯や隠蔽に至る組織の構造的問題を議論するため、国会の閉会中審査を早期に開くよう求めている。政府・与党は稲田氏出席の上でこれに応じるとともに、新たな体制での防衛省・自衛隊の立て直しに全力をあげてもらいたい、としている。

毎日新聞・社説
陸自日報問題で稲田氏辞任 文民統制に疑念を招いた

南スーダン国連平和維持活動(PKO)の陸上自衛隊部隊が作成した日報問題をめぐり、稲田朋美防衛相が辞任した。黒江哲郎防衛事務次官も同時に辞任し、陸自トップの岡部俊哉陸上幕僚長も近く辞める。防衛省の特別防衛監察の報告書が公表され、「陸自内で廃棄した」とされた日報の電子データは当初から存在し、組織的な隠蔽が明らかになった。このため関係する「トップ3」がそろって引責を迫られた。深刻なのは、日報問題をめぐる一連の混乱を通じて稲田氏の文民統制(シビリアンコントロール)に疑問を抱かせたことだ。稲田氏は、約23万人の自衛隊に対する統率力があるのか、その資質が問われ続けてきた。辞任は遅すぎたといえよう。ずさんな文書管理は政府全体の問題だ。都合の悪い文書が「1年未満」や「個人資料」に分類され、保存や公開の抜け道にならないよう抜本的な見直しが必要だ、としている。

読売新聞・社説
稲田防衛相辞任 体制刷新で混乱に終止符打て

南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に従事した陸上自衛隊部隊の日報問題で、稲田防衛相が辞任した。第2次安倍内閣の発足以降、閣僚の辞任は6人目だ。稲田氏は、「ガバナンス(統治)の信頼を損ないかねない印象を与えた。監督者として責任は免れない」と辞任理由を語った。黒江哲郎次官と岡部俊哉陸上幕僚長も辞職に追い込まれた。省内の混乱収拾のため、体制を刷新して出直すのはやむを得まい。組織ぐるみで情報公開の趣旨に反した、との批判は免れない。稲田氏が、昨年8月に就任して以降、問題視される言動を繰り返したにもかかわらず、かばい続けたのは安倍首相である。首相は「任命責任は私にある。厳しい批判は、真摯に受け止めねばならない」と述べた。経験を積ませようと、中堅議員を防衛相に登用するのは避け、国際軍事情勢や安保政策に精通した人材を起用すべきだろう、としている。

これで安倍政権の崩壊は決定的、次に問題が起きれば安倍氏の首相辞任も十分射程に入った。その火種さえ残して、稲田氏は去る。このまま防衛省のコントロールさえできない状態で、自衛隊を合憲にするなど、もはや笑い話に思えるほど非現実的になった。問題だけをまき散らし、ひとつの実績さえ残さずにいなくなる稲田氏を見ると、なぜ稲田氏だったのかは追及の価値はある。8月末に加計学園の認可を待ち、経済政策の達成はどれも未達。安倍氏を支えつづける意味を疑問視する人は増えるだろう。次の内閣改造で、安倍氏が自民党内でどれだけの信任を得ているかが見える。期待されている人がいなければ、今回は安倍氏が外したのではなく、断られたと見るのが自然だ。沈む船に乗る人などいない。いま、日本全体が安倍氏によって沈んでいる中、政治を待つ意味はさらに無意味になっている。

Wall Street Journal
北朝鮮ミサイル発射、米韓は軍事的対応の可能性協議 (2017.7.29)

北朝鮮は28日、弾道ミサイルの発射実験を行った。専門家によると米国本土を十分射程に捉える能力を備えており、北朝鮮の急速な技術力向上が鮮明だ。米国と北朝鮮の緊張関係が高まるのは必至とみられる。ミサイルは内陸部の山岳地帯から発射された。45分間の飛行後、日本の排他的経済水域(EEZ)内に着水した。韓国の文在寅大統領は29日早朝、国家安全保障会議の緊急会議を終え、ミサイル実験への対応として米国が提供する地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の国内配備を一段と進めることを検討すると述べた。韓国ではこの防衛システムの賛否を巡る論争が続いている。ジョー・ダンフォード統合参謀本部議長とハリー・ハリス米太平洋軍司令官は米国防総省で、韓国合同参謀本部長の李淳鎮(リー・サンジン)陸軍大将と電話で対策を協議した。国防総省によると、軍事的対応の可能性も話し合われた。今回のミサイルは飛行時間が比較的長かった割に水平距離が1000キロメートル程度にとどまったことは、4日のICBM発射実験と同じように極めて高い発射角度を示唆している。ミドルベリー国際大学院モントレー校不拡散研究所のジェフリー・ルイス所長は、それが事実だとすれば、通常の角度で発射した場合の飛行距離は約1万キロメートルとなる公算が大きいと指摘した。ワシントンDCとまでは行かなくともサンフランシスコが十分収まる距離だ、としている。

北朝鮮は、何をしたいのか未だに見えないが、技術は確実にアメリカ全土を恐怖に陥れるレベルに近づいた。今回のミサイル実験は、アメリカで政治へのプレッシャーが国民から出るレベルの安全保障の危機。THAADを嫌う中国にとっては、望まない余計な一手だった気がする。韓国の対話もご破算。単純な発想なら、北朝鮮の行動はさらに孤立を深めた。ホワイトハウス内に未だに人事で混乱が絶えないトランプ政権が、軍事戦略など意思決定できるとは思えないが、最高司令官なしでもアメリカの軍事は動ける。アメリカはまだ行動を起こせないのか、ロシアと中国は見ている。動けなければ、アメリカは無防備同然だ。

人民網日本語版
全面的立て直しを実現した中比関係 (2017.7.28)

中国の王毅外交部長(外相)が25日にフィリピンを公式訪問した。ドゥテルテ大統領は王部長との会談時「フィリピンは中国の国際的地位と影響力を非常に重視し、より緊密で力強い比中関係の構築に尽力している」と表明した。両国外相は異例なことに「南中国海共同開発」問題について記者の質問に答えた。フィリピンのカエタノ外相は南中国海協力の将来性への期待を表明。「双方には自然資源を共同開発し、両国民に幸福をもたらす適切な方法を見出す知恵があると信じる」と表明した。王部長は「『共同開発』は各自の法体系に影響を与えず、また関係しない。二国間協議を通じた双方共に受け入れ可能な規範と取り決めだ」と強調した。協力案を探ることが、双方の明確な共通認識となった。一連の兆しは、王部長の発言通り「中比関係の全面的立て直しの実現」を明示している。両国が良好な関係を取り戻したのは得難いことであり、ことのほか大切にする必要がある。未来を前に、中比は引き続き同じ方向に向かい、政治的相互信頼を強化し、実務協力を深め、他のASEAN諸国と共に南中国海の平和・安定をしっかりと維持し、周辺運命共同体を共に築くべきだ、としている。

ドゥテルテ氏なら落とせる。中国はいまのフィリピンならカネで領海を自在にできると目論んでいるようだ。当初の目的は、秋の中国の政治日程を考えて、年内は沈静化を求めに言ったように見えたが、より魅力的な提案を手にした。いまのところ、中国は盤石だ。アメリカよりずっと輝いて見える。

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