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3062.報道比較2017.7.21

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日銀が目標を先送りするのを平然と眺める報道。経済危機にならなければ、いまのぬるま湯を許容するつもりだろうか?

日本経済新聞・社説
物価2%目標、好循環伴う実現目指せ

日銀が、消費者物価の上昇率が安定的に2%に達する時期を、従来の予想から1年先送りして「2019年度ごろ」とすることを決めた。収益が好調な企業が賃金を引き上げ、それが個人消費の拡大につながり、物価も上がるという好循環の実現に政府・日銀は粘り強く取り組む必要がある。黒田東彦日銀総裁が2013年4月にいわゆる異次元緩和を始めてから物価安定目標の達成時期を先送りするのはこれで6回目になる。経済が成長し人手不足にもかかわらず、賃金・物価がなかなか上がらない。賃金の上昇に広がりがないと、個人消費も盛り上がらないし、人々の予想物価上昇率もなかなか上がってこない。物価安定目標の達成には、日銀の金融政策だけではなく、企業の意識改革や、政府による構造改革を通じた成長戦略の推進も欠かせない。規制改革を通じた国内投資機会の創出や、生産性向上に役立つ雇用市場の改革など政府の後押しも不可欠だ。経済が拡大基調にある今こそ、既得権益者の抵抗が強い構造改革を進める好機でもある、としている。

毎日新聞・社説
来年度予算の要求基準 危機を直視しているのか

政府は来年度予算の概算要求基準を閣議了解した。歳出全体の上限は5年連続で定めなかった。新たな成長戦略「人づくり革命」の関連施策に手厚く配分する方針も示した。基準は本来、予算の膨張に歯止めをかけるためにある。財政健全化目標の達成は極めて厳しく、歳出抑制の重要性は増している。このままでは健全化は遠のくばかりだ。黒字化は、社会保障などの政策経費を新たな借金に頼らずにまかなえることを示す。内閣府の試算では、現状より高い成長が続いても、20年度は8兆円超の赤字が残る。政府は先月、新たな健全化目標を設けた。歳出を減らさなくても経済成長すれば健全化が進んだとみなせる指標だ。基礎的財政収支の黒字化を棚上げする布石との見方がある。政府の危機感が乏しいのは、国債の金利が極めて低いからだ。日銀はきのう金利水準を抑え込んでいる大規模な金融緩和策の継続を決めた。デフレ脱却どころか、野放図な財政運営を助長するだけではないか、としている。

読売新聞・社説
物価目標先送り 焦らずに脱デフレを完遂せよ

日銀が、経済成長や物価の先行きを示す「展望リポート」で、物価上昇率2%の目標達成時期を、これまでの「2018年度頃」から「19年度頃」に1年先送りした。達成時期の先送りは、日銀が13年4月に異次元緩和を始めてから6回目だ。黒田東彦総裁の任期が切れる18年4月までのデフレ脱却を断念したことになる。日銀は昨年9月、金融政策の軸足を「お金の量」から「金利」に切り替える新たな枠組みを導入した。国債大量購入やマイナス金利政策の副作用を緩和し、長期戦に舵を切った手法は、一定の効果を上げつつあるのではないか。気がかりなのは、市場金利の上昇圧力が強まってきたことだ。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに転じるなど欧米当局の政策方針などが影響している。日銀は今月7日、指定した利回りで国債を買い入れる「指し値オペ」によって長期金利の上昇を抑え込んだ。今後も機動的な金利操作に努めることが大事である。無論、金融政策だけではデフレに勝てない。企業利益が賃金を押し上げる。消費が活性化し、物価が緩やかに上向く。そんな「好循環」を作ることが肝要だ、としている。

日銀が目標を先送りするのを平然と眺める報道。経済危機にならなければ、いまのぬるま湯を許容するような無能さだ。政権の支持率が下がるとともに、黒田氏再任も既定路線とは言えなくなっている。異次元緩和と呼ぶ無責任な政策をやり逃げするのも、達成もできない目標をいつまでものらりくらりと言い逃れるのも、どちらも腹立たしい。アベノミクスと言い出した自民党型の政治が、そろそろ末期に来ている気がする。また改革という名の無計画な政治に振り子が向かうのも許せないが…

朝日新聞・社説
山本担当相 強まった「加計ありき」

安倍首相の友人が理事長を務める加計学園の獣医学部新設は「加計ありき」で進められた。そんな疑いがいっそう強まる文書が明らかになった。文書は、学園が国家戦略特区での学部設置を認められる約2カ月前、山本幸三地方創生相が日本獣医師会を訪れた際の獣医師会側の記録だ。山本氏が学園の具体名や、愛媛県や今治市の負担額をあげて学部新設方針を伝えたと記されている。山本氏はこれまで、国会答弁で「加計ありき」の手続きを否定してきた。文書に記された発言が事実なら、国会答弁と矛盾する重大な内容である。大事な協議内容は記憶に頼らず、文書に残す。公的機関に限らず、民間でも常識である。その当たり前のことが、なぜ安倍内閣では通用しないのか。この問題の政府の説明に国民が納得しない背景には、そうした不信がある。中立的な第三者に依頼して、首相官邸や内閣府の関係者の聞き取りや、文書の存否を徹底調査してもらい、結果を包み隠さず公表してはどうか。それくらいのことをしなければ、深く傷ついた国民の政治への信頼を少しでも取り戻すことはできまい、としている。

政権批判派の朝日、毎日は勇んでいる。文書記録がない政府の姿勢は、どう考えても不利だ。これで来週、安倍氏を交えての審議が行われる。政権がもう一度信任を得られる論理武装できる可能性は、いまの支持率では極めて低い。
新聞は、ここまでの環境を作ったのが週刊誌と地方紙だという現実を認識しているだろうか?もう一度、自らを見つめ直すには、政府を責めるだけでは足りない。自省が求められる。

産経新聞・社説
朝鮮学校判決 独裁者崇拝に公金出せぬ

国が朝鮮学校を高校授業料無償化の適用対象外としたのは合憲、適法だとする初の判断を、広島地裁が示した。北朝鮮や朝鮮総連の影響下にある学校運営の実態を踏まえ、公金支出を認めない国の主張を支持した当然の判決だ。判決では、この要件は合理的で差別には当たらず、合憲だと明確な判断を示した。原告側は民族教育を受ける権利を侵害するなどと訴えたが、「支給要件に該当しないためで、民族を理由としたものではない」と退けた。判決のいう通り、無償化から除かれたのは、不透明な学校運営の実態や教育内容の問題があるからだ。これを是正しないまま、差別というのは問題のすり替えにほかならない。歴史教科書などには、金日成、金正日親子をたたえる記述が頻繁にでてくる。学校施設の一部を朝鮮総連が無償で使うなどの事例もある。東京都はこうした実態調査の結果に基づき補助金を打ち切った。拉致被害者を解放しない北朝鮮の独裁体制を支える教育内容などを不問にして、公金を使うことが妥当なのか。今回の判決を厳しく受け止めてもらいたい、としている。

産経らしい北朝鮮の話題。この判決は、現状なら国際連合でも合意が得られるだろう。人権を語るなら、先に北朝鮮国内の人権を是正した方がいいくらいだ。日本の公金が北朝鮮の思想の教育に消えるのは、中国さえ認めないだろう。こういう正論を、ヘイトスピーチや行政と連動させると、日本は人格を疑われる。産経含め、バランス感覚が重要だ。

人民網日本語版
世界AI分野、中国が新たな成長源に (2017.7.20)

囲碁プログラム「AlphaGo」はトップ棋士の柯傑氏を3局全勝で打ち負かした。これは人工知能(AI)発展の歴史における象徴的な出来事だ。人々はこれまで囲碁を、人類の知恵とAIとの戦いで最後の砦としてきたが、この砦は今や攻略されてしまった。米国はAIで世界トップの地位を占めている。グローバル企業時価総額ランキングは通常、産業の発展の流れを見る重要な指標であり、その国の経済力と世界経済の覇権を調べる重要な指標でもある。 21世紀初頭、エネルギー価格がまだ高かったころ、石油会社はグローバル企業時価総額ランキングの上位を占めていた。ところがAI時代の到来により、ランキング最上位数社はいずれも米国のIT企業になっている。これらの企業は現在、AI事業を全面的に展開している。中国はすでにAI分野に対し全面的に力を注いでおり、一部の中国企業も海外の大企業と競争している。ただし競争力は現在のところまだ蓄積が必要な段階にある。中国のAI発展を促進するためには、まず規模化が必要だ。海外の大企業と雌雄を決することのできる、グローバルな大企業の育成が必要となる。AI分野のベンチャー企業を生み出す必要もある。またAIの発展には、産学研の融合の強化が必要だ。科学研究部門・科学研究者・企業の長期的な協力メカニズムを構築し、科学研究者と中小企業の革新力を引き出し、これを効果的に結びつける。同時に中国の大規模な応用市場という長所を発揮し、一連の世界トップの科学技術企業の形成を推進していく、としている。

中国の経済力は、やがて世界を席巻するだろうが、中国の技術が世界の発展に貢献するには、さらにどれだけの時間が必要だろう?どうも中国の技術は、自国の利益のみのために開発されている気がする。それでも構わないが、中国がアメリカと同じようなナンバーワンを目指しているなら、まったくダメだ。まだ発想が稚拙だ。

Wall Street Journal
FRBの政策、金融界で勢いづく自由放任論 問題点も (2017.7.21)

欧州中央銀行(ECB)が6月に債券買い入れは終わりに近づいていると示唆してからというもの、世界中の債券利回りが急上昇している。まさに、2013年に米連邦準備制度理事会(FRB)が同じような計画をほのめかして市場の動揺を誘った「テーパリングかんしゃく」の再来となっている。市場では、債券はかなり前から経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)を独自に反映しなくなり、もはや中央銀行が保有債券をどう処理していくかを巡る大きな賭けの対象でしかないとの見方が広がっている。FRBとしては、これまでの成果を列挙することができる。失業率はリセッション(景気後退)前の水準に戻った。その最大の要因が非従来型の金融政策でないとしても、反対派の多くが予想していた副作用は最小限にとどまっている。インフレ率が急上昇することも、新たな金融危機が起きることも、ドル相場が暴落することもなかった。イエレン議長などFRB関係者がFRBの巨大なバランスシートから生じ得る「ゆがみ」を看過することもなかった。そうした理由もあって、FRBはあくまで数カ月内にバランスシート縮小に着手する構えのようだ、としている。

今のところ、イエレン氏は批判されるような仕事はしていない。マーケットの洗礼を受けていないFRB議長は珍しい。最後に大きな仕打ちを受けるかもしれないが、慎重で何度もマーケットと対話する姿勢を崩さないイエレン氏は、弱腰といわれることは多いが、それで損をした記憶もない。株に関しては、マーケットが過度に楽観しているとしか思えないほどアメリカでは上げつづけている。景気が循環ならば、どこかで停滞はある。延命がつづくほど、大きな調整が恐ろしい。冷静な人たちはずっと片足を出口から出しているが、いまでも踊っている人たちは、たくさんいるのだろう。パーティーは突然終わるというのに。

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