ORIZUME - オリズメ

3057.報道比較2017.7.16

3057.報道比較2017.7.16 はコメントを受け付けていません。

働き方を巡って、審議されている法案と、待遇に対する主張。日本にも、多様な労働契約のあり方が意識されている。一度にではなく、少しずつ、着実に変わっていく。そして数年後、何もかもが違っているのだろう。

朝日新聞・社説
労基法の改正 懸念と疑問がつきない

一定年収以上の専門職を労働時間の規制から外し、残業や深夜・休日労働をしても会社が割増賃金を払わない制度の創設が現実味を帯びてきた。制度を盛り込んだ政府の労働基準法改正案に反対してきた連合が容認姿勢に転じ、神津里季生会長が安倍首相と会って一部修正を要望した。首相も受け入れる意向で、改正案を修正し、秋の臨時国会で成立を目指す。連合の修正案は、今は健康確保措置の選択肢の一つである「年104日以上の休日取得」を義務付ける。さらに、労働時間の上限設定▽終業から始業まで一定の休息を確保する「勤務間インターバル制度」▽2週間連続の休日取得▽年1回の定期健康診断とは別の臨時の健康診断、の四つからいずれかの措置を講じるというものだ。だが、この内容では不十分だ。過労死で家族を失った人たちや連合内からも批判と失望の声があがっている。臨時国会では同一労働同一賃金や残業時間の上限規制が柱の「働き方改革」がテーマになるが、これに紛れ込ませて、なし崩しに進めてよい話ではない。働く人の権利と暮らしを守る労働基準法の原点に立ち返った検討を求める、としている。

日本経済新聞・社説
転勤制度を社員が納得しやすいものに

転居を伴う人事異動が嫌われて企業の新卒採用や中途採用がしにくくなったり、退職者が増えたりすることも考えられる。本人の望まない転勤はなるべくしなくて済むようにするなど、企業は制度を工夫してはどうか。労働政策研究・研修機構の調査によると、正社員で「できれば転勤はしたくない」という人は4割いた。「転勤は家族に与える負担が大きい」とした人は9割近い。進学期の子どもの教育や持ち家の所有が難しくなることも転勤が敬遠される理由だ。転勤は社員を新しい環境に移して経験を積ませることで、人材育成の効果があるとされる。しかし必ずしも転居を伴う異動をさせなくても、本社内の新規プロジェクトに参加させるなどで、人の養成は進められるのではないか。日本企業は社員に、長期の雇用を保障する代わりに残業や転勤を求めてきた。残業の削減に加え、転勤の制度の見直しも進み始めれば、正社員の雇用のあり方も変わっていく可能性があろう、としている。

審議されている法案と、待遇の話は別の話題だろうが、雇用や働き方のへの社説としてまとめた。
日本にも、多様な労働契約のあり方が意識されていることの現れだろう、と前向きに受け止めている。経営する側になると判るのは、海外進出も含めてエリアを広げるマーケット拡大の選択は、事業にとって必須かつシンプルな選択肢だ。日経が論じるような転勤にネガティブになる社員がいるのは理解できるが、ならば「現地や新たに採用した人が、あなた方よりも昇格してもいいんですね?」という問いかけだけだ。人口が減り、高齢化している日本で、マーケットが拡大する産業は少ない。それでも日本で、ある地域に限定した雇用を求めるなら「あなたの昇級の確率は他の人より低いがいいですか?」と問いかけたくなる。それでも合意できるなら、採用できる。ここに、法令で不公平だとの規制がない限り。
労働時間にしても、正規と呼ぶのか非正規と言うのか、解雇のリスクがある代わりに報酬が高いのか、安定の変わりに昇級を諦めるのか…どれだけの規模になっても、職種や条件で人事がワークするなら、何をしてもよいなら、柔軟な雇用就労形態はあるだろう。法令が必要なのはレッド・ラインを設けることと、個々人に、労働基準法が持つ雇用者の権利を理解させ、経営側と争う際には支援できる体制を整えることだ。経営側は、制度をギリギリまで利用して酷使する願望に駆られる。適切な制度遵守をどう監視するのか、警告をどう発するのか…今までとは違う行政が必要だろう。今までと同じ行政のあり方で制度を通そうとするからワークしないのではないか?

Wall Street Journal
トランプ氏とマクロン氏、友好ムードを前面に (2017.7.14)

ドナルド・トランプ米大統領とエマニュエル・マクロン仏大統領は13日、首脳会談後の共同会見で両国の絆が深まりっているとして互いをたたえ合った。先週の20カ国・地域(G20)首脳会議では亀裂が浮き彫りとなっていたが、友好ムードを前面に押し出した形だ。両首脳は貿易政策など意見の対立が続く点についても触れたが、対テロやシリア紛争などでは協力して対処する姿勢を強調した。マクロン氏はテロ撲滅では共通の認識を持てたとし、今後数カ月内にさらに体制を強化して「世界的な脅威」に対応していきたいとした。両首脳は少なくとも現時点では対立姿勢を弱めた形だ。一方でマクロン氏は、「だからといってそれ以外のテーマについては話さないというわけか? いや、まったくそうではないし、いかなる場合でもそうはしない」とも話した。フランスへの友好的な姿勢は、トランプ氏のこれまでの発言とは異なるものだ。トランプ氏は大統領に当選する前の2016年の秋にフランスが「ひどい状態にある」としていたが、13日には「美しい」国だと語った。マクロン氏は今回トランプ氏をフランスに招待したことで国内のリベラル派議員から批判を受けたが、「トランプ氏がここにいるのは自然なことであるだけでなく、両国の歴史にとってもとてもいいことだ」と13日に述べた、としている。

国民からの支持率、リーダーとしての魅力、他の国からの信任を考えると、マクロン氏に圧倒的に負けている感のあるトランプ氏。第三国の日本から見ていても、特に不安も感じない。フランスと新しい取り組みが進む可能性もないだろう。日本がEUと貿易で前に進めるのも当然だと思える。今のうちにアメリカを追い越せ。それくらいの気概を日本も持ちたい。

読売新聞・社説
老老介護 重層的な支援体制を整備せよ

在宅介護のうち、要介護者と介護者がともに65歳以上の割合が55%に上ることが、2016年の国民生活基礎調査で明らかになった。両者が75歳以上のケースも30%を上回る。いずれも10年間で10ポイント超も増加している。高齢の介護者は、自身も持病や心身の衰えに悩む場合が多い。深刻な介護疲れに陥りやすく、共倒れの危険と隣り合わせだ。追い詰められた末の虐待や介護殺人といった悲劇も後を絶たない。現実を重く受け止めねばならない。最優先の課題は、在宅介護サービスの充実である。特に、24時間対応の訪問介護・看護や、1事業所で通所、訪問、一時宿泊の各サービスを行う小規模多機能型施設の普及が有効だろう。介護者の負担感や身体状況などの「介護力」を評価し、段階に応じて自治体などがサポートする仕組みも検討してはどうか。それでも在宅介護を継続できなくなる可能性はある。特別養護老人ホームなどの受け入れ施設を着実に整備することを含め、多面的な施策が必要である、としている。

この介護の問題、人間がやるには限界に達している気がする。ロボットとまでは言わないが、ITがサポートすべきだと思う。だが、ITにいる私には、具体的なアイディアが見えない。学ぶ必要性を感じる。

産経新聞・社説
TOC条約締結 国際連携でテロと対峙を

テロ等準備罪を新設した改正組織犯罪処罰法が施行され、国連の採択による国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を締結した。8月10日に条約の効力が生じる。国連加盟国・地域で188番目の締結国となる。先進7カ国では、日本だけが取り残されていた。ここまで締結が遅れたのは、条約の批准条件に、国内法で共謀罪などを整備することが求められていたからだ。ただし新法の施行や条約の締結でテロがなくなるわけではない。法律をどう駆使し、条約を役立たせるかは、今後の課題である。新法は処罰の対象を共謀や計画だけではなく、具体的な準備行為があった場合と定めている。英仏では実際にテロ実行前の摘発も相次いでおり、法がなければさらに悲惨な事件を防げなかった可能性もある。国民の安全を守ることを目的とする法律だ。捜査機関は適正な運用、執行を重ねることにより、新法への信頼を得てほしい、としている。

捜査機関は警察。どんな具体的な運用を見せるだろうか?公安さえ「ジャマになる法案」と言われる共謀罪。本当に国際条約のためなのか、ぜひ見続けたい。

毎日新聞・社説
民進党の東京都議選総括 議論の筋道を間違えるな

民進党が東京都議選の惨敗について、総括の議論を進めている。唐突感があるのは、蓮舫代表の戸籍情報公開を検討していることだ。台湾籍との「二重国籍」を解消したことを証明するためだという。国会議員である蓮舫氏の二重国籍状態が昨年まで続いていたことは確かに見過ごせない。一方で、代表就任からすでに10カ月が経過している。今になって都議選の敗因とする議論に対しては「そのピントのずれが根源的な敗因を作り出している」との指摘も党内にある。その通りだろう。自民党がダメなら民進党と有権者に思ってもらえない根本の総括が必要だ。次期衆院選へ向け野党第1党としての存在意義が問われている。だが、民進党執行部にそうした危機感は薄く、都議選後早々、蓮舫代表、野田佳彦幹事長ともに続投を表明した。党内には当然、不満がくすぶる。そこで執行部に批判的な側が持ち出したのが二重国籍問題だ、としている。

読売の7.14の社説のコピペ。今さら民進党を批判するのに時間を割くと、自らの信任を落とす。労力を割くなら、他紙をチェックする時間に割いた方がいい。

人民網日本語版
移り変わる社会の中産階級 米専門家著作の中文版発売 (2017.7.15)

中国や日本の研究で名高い米国のエズラ・ヴォーゲル氏の著作「日本の新中間階級‐‐サラリーマンとその家族」の中国語簡体字版が、14日に建投書局上海浦江店で発表会と発売会を行った。この本の中心となる研究に費やされた時間は2年ほどだが、ヴォーゲル氏は夫人とともに研究対象の追跡調査を続けたため、研究成果は30年の歳月をカバーするものとなった。本には次のような群像が登場する。第二次世界大戦が終わり、日本経済が急速に発展する中、大勢の労働者が大手企業や政府機関に就職し、終身雇用を保障され、家庭、経済、文化の変革がもたらされた。ヴォーゲル夫妻は、「新中産階級の成功の喜びにわきかえった気持ちは今やさまざまな不安に取って代わられている」と結論づける。『新中産階級』の『新』とは、できたばかりという意味ではなく、『古い中産階級』、すなわち自営業者や地主といった層に対しての『新』だ。『新中産階級』とは、大企業や政府機関で働くホワイトカラーを指しており、この本の中では『サラリーマン』としている。こうしてみると、中国においては、『新中産階級』とは『中所得クラスター』と理解することができる」という。ヴォーゲル氏が描く1960年代に登場した日本の新中産階級の、そのライフスタイル、消費習慣、教育理念、家族構成、個人の発展の失跡、コミュニティなどとの関係を構築する中でさまざまにみられる特徴は、最近ますます拡大する中国の中産階級の特徴と大きく重なり合っている。コンテンツ情報サイト「豆瓣」をみると、この本は大勢の若い中国人読者の間で好評を博している、としている。

いまは日本の後を追っているように見える中国。すでに経済規模が日本を抜いているということは、やがて日本以上に中国特有の社会が形成されるだろう。似ていると親近感を持って語られる日本のライフスタイルは、やがて中国が違う形で昇華させ、別の形に発展させていくのだろう。アメリカは強烈な消費を未だにつづけている。日本は一部を受け入れたが、一部は遠ざけ、自らの感覚でライフスタイルをつくった。中国もまた、世界中から吸収し、中国独自のライフスタイルを作り上げていくに違いない。その中で、確実に憧れを呼び、世界が認める中国の新しいライフスタイルは登場する。確実に、日本を学び、受け入れる日が来る。もう、その日は近い。

Comments are closed.