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3053.報道比較2017.7.12

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大幅に後退して現実路線に大学入試改革を転向した文部科学省。方法論も考えずに理想だけ語った結末は「民間に丸投げ」と「大学に選ばせるという責任転嫁」だった。

朝日新聞・社説
大学入試改革 各校独自の選考に力を

毎日新聞・社説
新大学テストでの英語 受験生の負担増が心配だ

昨年末の学習主導要項年明け早々に提示された大学入試改革の骨子から考えると、大幅に後退して現実路線に転向した文部科学省。方法論も考えずに理想だけ語った結末は「民間に丸投げ」と「大学に選ばせるという責任転嫁」だった。毎日が指摘するとおり、そのしわ寄せは受験する生徒、教える教師の負担になり、おそらく塾や学校外の教材には「おいしい改正」になる。ただでさえ、大学のテストの傾向と対策を探るのに労力を割くため、志望校が増えるほど負荷がかかり、狭義の学習に専念することになる。そのスタイルの学習を高校から始めるから、大学から就職の際も「傾向と対策」型の就職活動になり、世に出た時も想定外には耐えられない大人が量産される。文部科学省だけの責任ではないだろうが、教育から改革するとの理想を掲げた割には、やり方を決めていく時に目的を見失い、さらに事態を悪化させる典型だ。
残念なのは、世界最高だったアメリカの大学も教育劣化、費用対効果が合わないと言われはじめていること。他の留学先の選択肢が期待ほど多くないことだ。ドイツに可能性を感じるが、ドイツ語の利用価値は限られる。中国の大学の成長に期待できるのは、10年以上先だろう。ただ、いまの日本の衰退スピードと、文部科学省のような行政なら、私なら留学を優先する。日本の受験制度に合わせて学ぶという発想自体が、すでにガラパゴスであり、世界の競争から置いていかれる原因になっている。

読売新聞・社説
核兵器禁止条約 保有国抜きでは実効性を欠く

読売の論理は正しいが、日本の政治がリーダーシップを担う意志は感じられない。自民党に近い読売がもっとも知っていることではないだろうか?こういう世界的な課題にも、やがて中国が主導権を握った提案をする時代になるだろう。あと数年後だと思う。もし、その発想がアメリカがやってきた自己中心的、我田引水的なものでなければ、世界は中国のリーダーシップを歓迎するに違いない。アメリカの終わりは、もうはじまっている。

産経新聞・社説
「ハーグ裁定」1年 南シナ海に世界の関心を

昨年の南シナ海の緊張は激しかった。1年経ち、ドゥテルテ氏は麻薬撲滅を完結できないまま、ISに手を焼いている。アメリカは中国との関係をディールに持ち込んでいる。日本は、政治が南シナ海の危機を利用しただけに見えてくる政治不信がはじまった。産経の中国、韓国、北朝鮮と聞けば脅威と形容していたやり方も変化が必要だと気づいているだろうか?

日本経済新聞・社説
ISとの戦いはモスル解放で終わらない

日本ではほとんど話題になっていないモスルの奪還。トランプ政権も大々的に言わないのは、オバマ氏の成果に見えるからだろうか?地上軍も大々的な介入もせず、「主導」と表現されるレベルに留めてきたIS掃討が、完結に近づいている。日経の社説から見ても判るとおり、日本のメディアの事態把握レベルは極めて低い。戦闘に参加しているアメリカでさえ、情報は統制されている。それだけ、情報からISに感情移入する可能性がまだ残っているのだろうし、世界的に頻発するテロへの波及を警戒しているのだろう。
日経が言うような復興は、気の遠くなるような話だ。シリアは未だに政府と国民が対立しているし、中東の利害がISと復興に絡む。アメリカはこの先の統治に興味があるようには見えない。中東に委ねるつもりだろうか?誰もリーダーシップを取らない状況が、IS後の混乱をまた悲惨な状態にしてしまいそうだ。

人民網日本語版
中国が日本製ロボットを「爆買い」する理由 (2017.7.11)

中国の爆買いの本質は明白に「ビジネス」だ。自分が使うために大量に買うのではなく、国内で売るために買っている。だから、中国が税のルールを変えただけで一気に爆買いは止まった。さらに、中国はコピー大国だ。同じものが中国でつくられ、売られるのは時間の問題だ。炊飯器や便座は、もうコピーが終わったということだろう。工業用ロボットがコピーされれば、世界のマーケットを失う。
日本人の発想は「脅威だ。売るな。」だろう。違う。世界の発想は「組む相手を探して、コピーよりもいっしょに栄える方法を考える」だ。日本にそんな発想を持った経営者がいることを願う。

Wall Street Journal
米追加利上げに「ためらい」、まず資産縮小開始を=連銀総裁 (2017.7.12)

観測気球がはじまった。9月のFRBが判断のための材料を集めている。さらに数々の人たちが、似たような発言をしてくる。その度にマーケットの反応を見ている。プロはFRBのバランスシート縮小を危機のはじまりと受け止めているが、一般の投資家には響かないだろう。マーケットが陶酔していれば、FRBは引き締めのペースを強めるだろう。

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