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3052.報道比較2017.7.11

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昨日、加計学園問題で明らかになったことがひとつ。閉会で逃げる案は失敗だった。安倍氏の欠席はさらに信頼を下げたようだ。政権がやることがうまくいかなくなってきた。

朝日新聞・社説
閉会中審査 首相の説明を聞かねば

安倍首相の友人が理事長をつとめる加計学園の獣医学部新設をめぐる政策決定は、公平・公正に行われたのか。衆参両院の閉会中審査が開かれた。前川喜平・前文部科学事務次官が参考人として出席し、「規制改革のプロセスが非常に不公平で不透明だ。初めから加計学園に決まるように進められたと見える」と指摘。「背景に官邸の動きがあったと思っている」と述べ、和泉洋人首相補佐官の名前をあげて「直接指示を受けた」と語った。首相は国会閉幕後の記者会見で「何か指摘があれば、政府としてはその都度、真摯に説明責任を果たす」と語った。その国民への約束はどうなったのか。一連の問題で問われているのは、首相自身や萩生田光一官房副長官、和泉補佐官ら側近の関与の有無である。外国訪問中の首相の帰国を待って開くのが当たり前ではないか。本紙の最新の世論調査では、内閣支持率は33%に下落した。不支持率は47%だった。加計問題に対する安倍政権の姿勢を「評価しない」と答えた人は74%にのぼった。説明責任から目を背けようとする首相をはじめ政権幹部の姿勢が、国民の不信を招いていることは明らかだ、としている。

毎日新聞・社説
前川氏が国会で初証言 やはり首相出席が必要だ

安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題について、きのう衆参両院で閉会中審査が行われた。前川喜平・前文部科学事務次官がこの日、参考人として初めて出席したことで、問題点が改めて整理されたことだけは確かだろう。「はじめから加計学園に決まるようにプロセスが進んだように見える。不合理な意思決定だった」。前川氏は今回の背景に首相官邸の動きがあったと明言し、萩生田光一官房副長官が関与していたことを示す昨年10月7日付の文科省文書も「次官在職中に受け取った」と存在を認めた。これに対し、萩生田氏は当日、文科省側と面会した点は認めたが、官邸の関与を示す発言をしたかどうかは「記憶はない」とかわした。早急に首相らが出席したうえで再度質疑する必要がある。不透明な手続きだけではない。「速やかに獣医学部の全国展開を」と突如言い出した発言の真意を含め、首相に聞きたいことは山ほどある、としている。

NHKも最初に伝えた、国民が高い関心を持っている政府の特区関与。せっかくの挽回のチャンスを、政府は安倍氏欠席という、決定的に評価を落とす状態で対応。これで問題は解決に向かったと見る人はゼロ。何も変わらない、何のための開催だったのか判らない。いま、一番求められているのは誠実さだというのに、未だに消極的で歯切れの悪い政府の対応。このままでは、長引くほど支持率は低下するだろう。
朝日、毎日のような政権批判派は、本当に安倍政権を追いつめたいなら、次の題材を模索すべき段階だ。加計学園の問題が前川氏に依存する状態に陥っている。ひとりの人物に、なんの責任もなく重責を担わせるのは危険だ。検察はなぜ動かないのか。追求できる点はいくらでもある。いまの攻め方では、逃げ道が残る。

読売新聞・社説
内閣支持率続落 驕り排して政策で結果を出せ

読売新聞社の全国世論調査で、内閣支持率が36%に下落した。前月の49%から大幅に減少した。2012年12月の第2次安倍内閣発足以降、最低だ。不支持率は52%にも上った。不支持の理由は「首相が信頼できない」が最も多かった。長期政権の驕りが出たと認めた人も68%を占めた。深刻な状況だ。過去の内閣では、支持率が40%を切った後、退陣に追い込まれた例もある。今回の続落は、乱暴な国会答弁など、安倍首相自身に起因する面も少なくない。不信感の解消は容易ではあるまい。デフレ脱却をはじめとして、内外の課題は山積している。首相は「これからも経済最優先で取り組んでいく」と強調した。アベノミクスは賃上げ、雇用確保などで一定の成果を上げたが、景気回復はなお力強さを欠く。当面、大きな国政選は予定されていない。腰を据えて、政策遂行に邁進することが大切だ、としている。

政府応援団だった読売の苦言。最後通告ではないが、離別のきっかけには見える。大勢に迎合する読売らしい。もう、安倍氏はラスト・チャンスの状態だ。ひとつのミスが命取りになる。

日本経済新聞・社説
気象情報いかし頻発する豪雨に備えを

九州を襲った豪雨は20人を超える犠牲者を出した。行方不明者も多く、救出に全力をあげてほしい。梅雨前線はなお日本付近にかかり、別の場所で豪雨が起きる可能性もある。気象情報をこまめに確認して、早めの避難行動などにつなげたい。局地的な集中豪雨は最新技術でも正確な予測が難しい。そうしたなかで、特別警報はすでに避難を終えていなければならない危険な状態を伝える「最後の警告」だ。本来は通常の警報の段階で避難行動をとるべきだということを、あらためて確認したい。得られる情報量は格段に増えたが、緊急時に素早く必要な事柄を読み取るのは容易ではない。自治体は住民の避難の是非などを短時間で判断しなければならないが、担当者も限られる。日ごろから情報の扱いに慣れることが大切だ。洪水や土砂災害の危険度を示すハザードマップをもとに居住地のリスクを知り、避難経路などを確かめておけば慌てずにすむ。職場や地域の防災訓練、災害支援のノウハウがある防災士の助言を得るのも有効だろう、としている。

他紙が土曜に書いていた話題。内容も進歩なし。私がもっとも最悪と指摘する社説だ。閉会中審査を避けたのだろう。日経は、読売よりさらに政府に迎合している。なぜ今さら?

産経新聞・社説
北朝鮮とG20 圧力強化の姿勢緩めるな

国際社会が直面する北朝鮮の脅威について、20カ国・地域(G20)首脳会議は解決の方策を示せぬまま終わった。その理由は、はっきりしている。日米韓3カ国は「最大限の圧力」を掲げる必要性を強調したものの、中国とロシアが対話重視を唱え、北朝鮮を追い込むことに反対したからだ。中国、ロシアとの個別の首脳会談などを通じても、日米は圧力を高める必要性を訴えた。だが、中国の習近平国家主席やロシアのプーチン大統領が、「対話」重視の態度を変えることはなかった。中露は北朝鮮が発射したものが大陸間弾道ミサイル(ICBM)であることの認定さえ拒んでいる。中朝貿易は依然活発であり、ロシアも北朝鮮との経済取引を強めているのが実情だ。北朝鮮と取引のある中国の金融機関への米国による二次的制裁などに、日本も具体的行動で協力していくことが求められる、としている。

中国やロシアの態度を批判するより、アメリカの提案への理解者が減っている状況を冷静に知るべきだ。中国は100日のモラトリアムを完全に無視するだろう。無視をしても何も起きない、恐くもないのが判ったからだ。北朝鮮がミサイルを発射しつづけても何も起きない。アメリカは単独での行動を警告していたなら、動くべき段階に入っている。
もうひとつ、産経が無能なのは、アメリカは秘密裏に常に北朝鮮ともコンタクト、交渉はしているという事実だ。日本はどんな対応をしているのか不明だが、アメリカに歩調を合わせて動かずにいるなら、一番バカを見ているのは日本だ。圧力が明確な前進を示すなら、国連もG20も圧力という名の活動に理解を示すだろう。威嚇や非難にしかならない圧力は手詰まりだと判っているのにつづけようとしているアメリカと日本。策が尽きたようにしか見えない。

人民網日本語版
習近平国家主席のG20サミット出席、G20協力を維持・推進 (2017.7.10)

中国の習近平国家主席は3~8日、ロシアとドイツを公式訪問したほか、ハンブルクでG20サミットに出席した。王毅外交部長(外相)は「習主席は各国と共に、ハンブルク・サミットが杭州サミットを踏まえて前向きな進展を得て、G20協力の強化、世界経済の成長促進、グローバル・ガバナンスの整備に新たな貢献をする後押しをした」と説明した。王部長は具体的点として以下を挙げた。
(1)開放的包摂を堅持し、世界経済発展の方向性を指し示した。習主席の主張は経済グローバル化を支える巨視的思考を体現するとともに、あまねく広がる発展及び連動式発展実現の詳細な説明も含み、各国の一致した賛同を得た。
(2)総合的施策を提唱し、世界経済成長の支えを整えた。習主席の一連の提案は現状に立脚し、時代に合わせて進歩し、長期的視点を持ち、強い実行可能性と時代感覚を備え、世界経済の成長にさらに広い空間を切り開いた。
(3)パートナーシップ精神を発揚し、各構成国の団結・協力を維持した。習主席はG20体制維持の観点に立ち、各国の立場の最大公約数の模索、各国の利益の最大合流点の拡大に長じ、パートナー精神堅持の重要性を強調し、一致点を集めて相違点を解消し、協力を強化するよう各国に呼びかけ、サミットの共通認識及び合力の形成を後押しし、G20協力に対する国際社会の信頼を保った、としている。

人民網の主張を意訳すれば「余計なことは言わなかった、誰にも嫌われないように振る舞ったG20」が中国の戦略だったようだ。効果は十分。誰も中国を批判しない。話題の中心は、悪い意味でトランプ氏の保護主義に集中している。トランプ氏に100日の期限を指摘された時、何を言うかも匂わせた。ロシアとの連携は機能している。危なげない外交は退屈だが、地雷をいくつも抱えているトランプ氏のアメリカを見れば、いまの中国の戦略はベストだ。

Financial Times
世界の景気回復に潜むリスク (2017.7.5)

国際決済銀行(BIS)は、動かなくなった置き時計のような国際経済機関だ。理にかなっていてもいなくても、金融・財政の引き締めをずっと主張しているからだ。BISのハイメ・カルアナ総支配人は次のように指摘している。「規模が比較的小さな先進国・新興国で、長らく続いた金融ブームの伸びが鈍ったり下降に転じたりしたところが多い。また、世界全体で見ると、債務残高は記録的な水準に達している。2016年には、(主要20カ国の)非金融セクターの債務残高が国内総生産(GDP)の約220%相当額にのぼっている。2007年より40ポイント近く上昇した格好だ」。特に印象的なのは、信用と債務の残高が中国で急激に伸びたことだ。高所得国に住む我々は、金融システムが経済を不安定にするのを許してしまった。そして、金融危機後の景気低迷から素早く立ち直るのに必要な金融・財政の景気刺激策をたっぷり講じることを拒んだ。成功している人々とそうでない人々との経済格差の拡大に対応できなかった。これらは大きな過ちだった。そして景気が回復する今、我々は新たな難題に直面している。果実を広く分かち合うことのできる持続可能な成長を成し遂げる一方で、世界経済を吹き飛ばしてしまわないようにするという難題だ、としている。

Financial Timesに似た主張は、2年以上前から出ていたものに似ている。FRBが利上げの観測気球を上げるたび「時期尚早」という現状維持期待が声高に主張された。その途中に登場したのがトランプ政権であり、トランプ・ラリーと呼ばれる過剰な期待だけを頼りに進んだ債券高、株高だ。今年のFRB利上げには、あまり批判が出なくなっている背景には、さすがに期待だけで上がり過ぎたマーケットには参加者さえ違和感があることを示している。
たしかに今、FRBはマーケット・クラッシュの種を蒔いている。EUも英国も、慌てて出口を探している。なぜか?銀行がいまのままでは食えないほど、長短金利差がなくなってきたからだ。今のまま放置すれば、やがて銀行が悲鳴を上げ、破綻する。次のリセッションのためのバッファが欲しいというのも事実だろう。
量的緩和をここまでつづけて、世界中に中央銀行のバブルが発生している中、まだバブルを温存せよ、麻薬をよこせとFinancial Timesが言うのは驚きだ。

Wall Street Journal
電気自動車、ファンが増えるだけでは普及せず (2017.7.10)

石油輸出国機構(OPEC)は昨年、希望的観測を基に、2040年の時点で電気自動車が全車両に占める割合は6.7%にとどまると予想した。原油の確認埋蔵量の8割を抱えるOPECはまた、乗用車の台数が同年までに2倍になるとの見通しも示した。今のところ米国と欧州、中国の自動車販売に占める電気自動車の割合は約1%にすぎないが、急速に拡大している。スウェーデンの自動車大手ボルボ・カーズは、2019年までに従来型のエンジンの使用を段階的に廃止する計画を明らかにした。一方、フランスは2040年までにガソリン車とディーゼル車の販売を打ち切る方針を示した。電気自動車の普及は、バッテリーのコストと1回の充電で走行できる距離を伸ばせるかどうかにかかっている。技術やインフラの進展によってこれらの制約が和らげば、OPECは数十年のうちに窮地に立たされるだろう。一方、そうした進展が遅れたり補助金が削減されたりすれば、環境に優しくという野望を抱いた自動車メーカーや政治家の面目は丸つぶれになるだろう、としている。

電気自動車の普及には、インフラがキーになるとは、電気自動車が生まれる前から出ていた課題だ。だからトヨタはハイブリッドを選んだのだし、各社がプラグイン・ハイブリッドで保険をかけるのも同じだ。テスラだからこそ話題は振りまけたが、普及台数どころか出荷台数でも微々たる数字で「インフラ」とはほど遠い。だからソーラシティを買収したのかと思ったら、ソーラーパネルを売り出した。あれ?と疑問が湧く。
各社、努力しているのは知っている。実業でもクルマ業界と話すことは多いので内情も聞こえてくるが、人の集まる場所には、それなりに、徐々に、充電スポットは増えてはいる。いつも充電スポットが混んでいる場所もあるらしいが、誰も使っていない場所もある。まだ、その程度だ。ただ、ガソリンスタンドに比べれば維持費は安く、投資額も小さい。最低10分、長ければ30分を越える待ち時間に違うビジネスを展開する可能性も秘めているが、ガソリンと違って電気を売るだけでは食えない。設備を考えなければ、電気代はトイレを貸す程度の負担らしく、充電ステーションだけではフランチャイズは難しい。ビジネスモデルがないのか?私が「次はテスラがいいな」と思ったアメリカでさえ、インフラ不足を指摘されるのを見ると、原因はどこに?と気になる。
実は、これは私がテスラに踏み切れないもっとも大きな理由のひとつだ。集合住宅に住んでいる私は、自宅でプラグインできない。この問題を解決するには、引っ越すか、管理組合という、集合住宅特有の合議を経なければならない。その努力をしながらテスラを探しても…ちょうどいい時間がどちらにも必要か?と思っている。ホーム、ロードサイド、パーキング…あらゆる場所にチャージの機能を持たせるのは、相当な負荷だが、スマートフォンは充電コンセントがあるカフェを探したことは何度もある。新幹線はすべての席にコンセントがつくようになる。ニーズは確実にある。ボルボやフランス政府の宣言は、推進ペースを早めそうだ。キャズムを越える機会が近づいている。

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