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3049.報道比較2017.7.8

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G20を取り上げるメディアを見ると、世界の分裂状況が判る。各国の話題はバラバラ。主張も分裂。まとまる気配はない。

人民網日本語版
習近平国家主席が韓国大統領と会談 (2017.7.7)

習近平国家主席は現地時間6日、ベルリンで、韓国の文在寅大統領と会談した。習主席は「中韓関係は困難な情勢に直面した時期があった。これはわれわれが求めるものではない。韓国が中国側の正当な懸念を重視し、関連問題を適切に処理し、両国関係の改善と発展のために妨害を排除していくことを希望する」と指摘。文大統領は「韓国は中国と共に、上層部の交流及び各分野の交流・協力を強化し、両国関係を実質的な戦略的パートナーシップにしていきたい。中国の懸念を十分に理解している。これについて中国と踏み込んで意思疎通を行いたい」と表明。両国首脳はまた、朝鮮半島情勢について意見交換した。習主席は「韓国新政府が朝鮮側との接触と対話を積極的に回復し、関係改善を図っていくことを支持する」と述べた、としている。

Wall Street Journal
トランプ氏、ロシア干渉に懸念示す プーチン氏と初会談 (2017.7.8)

ドナルド・トランプ米大統領は7日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と初めて会談した。トランプ氏は会談の冒頭で、ロシアによる米選挙への干渉に懸念を示したが、プーチン氏は一切の関与を否定した。レックス・ティラーソン米国務長官が明らかにした。両首脳はドイツのハンブルクで開催中の20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて会談した。1時間の予定だったが、2時間余りにわたり協議した。ティラーソン氏によると、双方に「話すことが多かった」ため長くなった。米政府関係者がメラニア・トランプ夫人を部屋に通し、会談を終わらせられるか確認しようとしたという。ロシアのインタファクス通信はこの日、両首脳が初会談でウクライナ、シリア、サイバーセキュリティーといった問題について協議したと報じた。ティラーソン氏によると、トランプ氏は米国やその他諸国の内政に干渉しないことをロシアに約束させたい意向だ。トランプ氏はプーチン氏に、ロシアの選挙戦への干渉を巡る対立をいかに打開できるかについても話した。ティラーソン氏は、両首脳がこの2時間15分にわたる会談で「非常に早く通じ合った」とし、「過去をほじくり返す」ことに時間を割かなかったと述べた、としている。

あえて2紙の異なる話題をまとめてみた。G20の、そして世界の分裂状況を映しているようだ。アメリカはプーチン氏との会談ばかりに注目しているが、メルケル氏が苦慮し、他国の批判が集中するほど孤立している。まだ世界一だから配慮しているが、中国がアメリカに敵対的な態度を取ったら、世界はまた二極化するのでは?と思えるほど、他国と主張が噛み合わない。トランプ氏の支持率やメディアとの対立もあってか、やけにロシアとの関係にアメリカは注目しているが、世界は別にアメリカとロシアの関係など、どうでもいい。中国は、先週、アメリカが逢った相手との会談をアピールしている。プーチン氏とも、直前に会談していた習氏。アメリカが中国の後に回されているのは明らかだ。G20は、まだ中国を中心には動いていないが、参加している首脳がもっとも気にしているのは中国になりつつある。

産経新聞・社説
日米韓の連携 対北圧力の強化主導せよ

ドイツでの20カ国・地域(G20)首脳会議開催に先がけ、日米韓3カ国首脳が会談し、北朝鮮に対する圧力強化の必要性を再確認した。北朝鮮は大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。国際社会に背を向け核開発に突き進む北朝鮮を押さえ込むのは、今や国際社会の最優先課題である。日米韓は、連携を密にして国際会議を主導してもらいたい。中露両国は対北制裁の鍵を握る。北朝鮮にエネルギーや食料を供給し、派遣労働者を受け入れている。対北圧力の障害というのが現実だ。制裁破りの実態も厳しく追及されるべき存在である。懸念されるのは、文氏がなお南北対話実現への意欲を隠さないことである。ドイツでの演説では、条件が整えば「いつどこでも会う」と金正恩氏に会談を呼びかけた。習氏からは対話再開姿勢に支持を得たともいう。核・ミサイル開発の放棄を見通せない限り、条件は整わない。前のめりの姿勢が中露に利用される事態を避けねばならない、としている。

読売新聞・社説
日米韓首脳会談 対「北」圧力で結束を堅持せよ

安倍首相、トランプ米大統領、韓国の文在寅大統領がドイツで会談し、北朝鮮への圧力を強化することで一致した。北朝鮮に対する国連安全保障理事会の追加制裁決議の採択や、主要20か国・地域(G20)首脳会議での強いメッセージの発出に向けた日米韓の連携も確認した。米国は、北朝鮮が4日に発射した弾道ミサイルを大陸間弾道ミサイル(ICBM)と認めた。大気圏再突入技術の確立などには疑問があるが、北朝鮮の脅威が北東アジアだけでなく、より広範な地域に及ぶのは間違いない。日米韓は、北朝鮮問題の主要プレーヤーとして、安保理やG20首脳会議などで、国際圧力の強化を主導することが求められよう。北朝鮮の方針転換という困難な目標を実現するカギは中国だ。中国企業などに対する米国の独自制裁は、原油供給の制限などの厳しい措置を中国から引き出すための外交努力の一環と評価できる。安保理の追加制裁決議を採択するにも、拒否権を持ち、制裁強化に消極的な中国とロシアの協力が不可欠だ。非常任理事国の日本は、米国などと協調し、中露両国の説得に力を尽くしたい、としている。

北朝鮮のリスクが高まっているにも関わらず、アメリカの経済紙のWall Street Journalは、3国の会談には、この週末まるで触れていない。日韓に期待していないか、北朝鮮リスクはロシアとの国際関係に比べれば重要度が低いことの現れだ。世界の誰も、日本と韓国が北朝鮮問題を主体的に解決できるとは思っていない。アメリカ、中国がメインであり、ロシアがプーチン氏には期待できると感じている。日本の新聞が騒ぎ立てる意味は、国内政治の課題回避と見て当然だろう。

日本経済新聞・社説
慰安婦合意を順守し日韓の協力進めよ

安倍晋三首相と文在寅(大統領がドイツで、初めての個別会談を開いた。首相は会談で慰安婦問題に関する2015年末の日韓合意に言及し、「未来志向の関係を築いていくための欠くべからざる基盤だ」と語った。この合意にかねて否定的な見方を示してきた文大統領にクギを刺したといえる。しかし、日韓合意は「最終的かつ不可逆的な解決」をうたった国際的な約束だ。しかも日本政府は合意に基づき、韓国で設立された財団にすでに10億円を拠出。この財団を通じて元慰安婦の約8割が現金を受け取ったという。文大統領は「日本は過去の歴史問題の解決に十分な努力をしていない」という。だが、こうした動きを放置してきたこと自体、日韓の信頼関係を傷つけ、歴史問題を複雑化させている現実を自覚すべきだ。まずは慰安婦問題をめぐる日韓合意を順守し、未来に向けた協力を着実に進めてもらいたい。北朝鮮の情報を共有し、不測の事態に備えた防衛協力を進めていくうえでも、また、中ロに協力を求めていくうえでも、いまは日米韓の結束がなにより欠かせない。日韓は歴史問題をその障害にしてはならない、としている。

日韓の会談は、さらに注目度が低い。日経のセンスは意味不明だ。内容は、さらに日本の立場に固執する狭いの内容。「小さい」と言われる原因をつくるような品質だ。

朝日新聞・社説
九州豪雨 人命の救助に全力を

九州北部に記録的な大雨が降り、被害が拡大している。土砂崩れが各地で発生、複数の集落が孤立し、安否を確認できない人も多数出ている。1日で7月の雨量の1・5倍が降った福岡県朝倉市では、通信手段がとだえ、情報が伝わっていない集落もある。あちこちで山肌が崩れ、大分県日田市では川の増水で鉄橋が流された。被害は高齢者が多い中山間地に多いようだ。自力での避難が難しい人もいるだろう。避難所に身を寄せた人も1千人を超す。まずは救助が第一だが、避難勧告や指示が適切に出されたのか、それがうまく伝わっていたのかなど、事後の検証もしっかりする必要がある。線状降水帯は2012年の九州北部豪雨や、14年の広島土砂災害、15年の関東・東北豪雨でも災害を引き起こした。こうした局地現象は、スーパーコンピューターを使った今の予報技術でも予測が難しい。大切なのは、避難勧告を待つのではなく、時間的な余裕がない事態も想定し、ふだんから備えておくことだ。自分が住んでいる場所についての災害のリスクや、地形なども把握し、災害ごとの避難の仕方を事前に確認しておくことが重要だ、としている。

毎日新聞・社説
九州の記録的な豪雨 避難態勢の点検が必要だ

九州北部地方が記録的な大雨に見舞われている。河川の氾濫や土砂崩れにより、多くの死者や安否不明者が出た。冠水や流木で各地の道路が寸断され、孤立状態の中で助けを待っている人も少なくない。線状降水帯と呼ばれる積乱雲の連なりが上空に居座ったことで、大雨につながった。福岡県朝倉市では7月の月間平均の1・5倍もの雨量を短時間で記録した。こうした局地的な豪雨は予測が難しい。気象庁が福岡県と大分県に「数十年に1度の重大な災害」に当たる大雨特別警報を出した時は、大雨のピークが過ぎていた。判断は適切だったのか。検証が必要だろう。高齢者ら要援護者を迅速に避難させられたかどうかも大切な点だ。どう命を守るのか。一人一人が住んでいる地域の危険度を知り、避難の方法を事前に考えておくことだ。自主的な備えも欠かせない、としている。

G20を無視して国内の災害リスクを社説に選んだ朝日と毎日。報道の優先順位、まとまりのないG20という判断なら、他の3紙に比べれば価値観は評価できる。ただ、内容は、まるで価値がない。事前に考えろ、備えろと災害中に述べる傍観の社説は、被害者の感情を逆なでするだけでなく、無関係な人たちには一切響かない。マスメディアが嫌われる行動を、社説が率先している最悪のケースだ。株主総会や謝罪会見を批判できない、企業人としてやってはならない行動に見える。

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