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3048.報道比較2017.7.7

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好調の兆しが最も強いEUとEPA合意できたのは歓迎。ただ、成果を急ぎ過ぎていないかは気になる。政治がリスクを説明した記憶はない。気がかりだ。

産経新聞・社説
日欧EPA 保護主義断ち切る起点に

日本と欧州連合(EU)が交渉してきた経済連携協定(EPA)が大枠合意を果たした。世界の3割を占める巨大な経済圏が誕生すれば、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の漂流で揺らいだ日本の通商戦略を立て直す上で重要な意義を持つ。トランプ政権発足後、米国が離脱したTPPだけでなく、米国とEUによる通商協定の交渉も先行きが見通せない。そうした中で日欧はいち早く質の高い内容で足並みをそろえた。多国間の巨大協定を、自由貿易の中心に据える世界の機運が再び盛り上がるよう期待したい。EUとの大枠合意では、日本が期待する自動車やテレビなどの輸出にかかる関税が撤廃されるほか、貿易や投資に絡む多くのルールでも合意した。焦点の欧州産チーズは、輸入枠を設けて段階的に関税を撤廃することで折り合った。欧州が強みを持つワインやパスタなどの関税もなくす。肝心なのは、EPAの恩恵を最大化する官民の取り組みだ。国内対策が目指すべきは、欧州と競合する産業の生産性を高め、高い品質に裏打ちされたブランド力を構築することにほかならない、としている。

日本経済新聞・社説
日欧合意を礎に自由貿易圏広げよ

日本と欧州連合(EU)が交渉してきた経済連携協定(EPA)が大枠合意を果たした。世界の3割を占める巨大な経済圏が誕生すれば、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の漂流で揺らいだ日本の通商戦略を立て直す上で重要な意義を持つ。トランプ政権発足後、米国が離脱したTPPだけでなく、米国とEUによる通商協定の交渉も先行きが見通せない。そうした中で日欧はいち早く質の高い内容で足並みをそろえた。多国間の巨大協定を、自由貿易の中心に据える世界の機運が再び盛り上がるよう期待したい。EUとの大枠合意では、日本が期待する自動車やテレビなどの輸出にかかる関税が撤廃されるほか、貿易や投資に絡む多くのルールでも合意した。焦点の欧州産チーズは、輸入枠を設けて段階的に関税を撤廃することで折り合った。欧州が強みを持つワインやパスタなどの関税もなくす。肝心なのは、EPAの恩恵を最大化する官民の取り組みだ。国内対策が目指すべきは、欧州と競合する産業の生産性を高め、高い品質に裏打ちされたブランド力を構築することにほかならない、としている。

読売新聞・社説
日欧EPA合意 自由貿易の再構築に繋げたい

日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)が大枠合意に達した。全貿易品目の大半で関税を撤廃する高水準の協定だ。日本とEUの経済規模は世界全体の3割を占める。貿易額では4割に上る巨大な経済圏が生まれる。日本初のメガ通商協定に道筋がついたことを歓迎したい。日本が最優先課題としたEU市場の乗用車関税は、協定発効から8年目に撤廃する。10年超を主張していたEUから一定の譲歩を引き出したと言える。EU側が強く求めた欧州産チーズの市場開放は、日本が一部品目に低関税の輸入枠を新設することなどで決着した。EUが主張した即時関税撤廃といった市場環境の激変は避けられた。日欧EPAは、その他のメガ通商協定にも影響を及ぼそう。米国を除くTPP参加11か国による協定推進や、日中韓印など16か国の東アジア地域包括的経済連携(RCEP)での高水準のルール作りに繋げたい、としている。

いま、好調の兆しが最も強いEU経済。そのヨーロッパとEPAが合意できたのは、アメリカの離脱で停滞感のあった輸出入の側面では大きな前進だ。
競争を促進する決断に、抵抗していた酪農や乳製品への対策はあるのだろうか?政治決断は結構だが、政府の支持率が落ちる時の性急な結果は、成果を急ぎ過ぎていないかは気になる。私は酪農や乳製品は消費者側だ。安い製品の輸入は歓迎するし、過去のバターが店頭から消える騒動、補助金頼りで実際には産業としてワークしていない国内の酪農には、あまり未来を感じない。だからこそ、関わっている人たちの将来を思うと、競争だけでイノベーションを促すには、国内事業者はあまりに脆弱なのではと心配になる。
これでうまくいけば、オセアニアも日本に改めて興味を抱くだろう。雇用のために保護主義を唱えるのは間違っているのは判るが、弱いままの開放は、国内の産業を死滅に追いやる。政治がそのリスクを説明した記憶はない。気がかりだ。

Wall Street Journal
プーチン会談が試すトランプ氏の力量 (2017.7.6)

ドナルド・トランプ米大統領は自分自身について、非常に人を見る目があり、優れたディールメーカー(取引を成立させられる人)だと思っている。トランプ氏は7日、ドイツで開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議への出席に合わせ、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と初めて会談するが、この2つは危険な組み合わせになるかもしれない。ロシアの絶対的指導者が敬意を払うのは、魅力ではなく「強さ」だけだ。トランプ氏は海外で米国の国益を守り、国内で自らの利益を守るために、その強さを証明しなくてはならない。旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身のプーチン氏は、早い段階でオバマ氏が自分の言いなりになると結論づけた。核兵器や欧州のミサイル防衛でロシアの要求に屈したからだ。今回の会談ではプーチン氏がトランプ氏の力量を見極めようとするはずだ。トランプ氏はロシアとの良好な関係を望むと語っている。だが外交関係で常に問題となるのは、そのためにどんな条件を出すかだ。プーチン氏は米国を東欧や中東から追い出すために、大統領のどんな弱点も利用しようとするはずだ。今後4年間の両氏の関係がたった1回の会談で決まることはない。しかし第一印象は重要だ。絆を強めるための条件はロシア側が行動を改めることだとプーチン氏にはっきり示せれば、トランプ氏が対ロ関係を改善する可能性は高まるだろう、としている。

G20で、トランプ氏はどれくらいの存在感を示せるだろうか。誰がトランプ氏の話を聞いてくれるだろうか。プーチン氏がどんな態度を見せるか、興味深い。習氏は笑顔だけで話は聞かないだろう。ヨーロッパは笑顔さえ見せないかもしれない。人を押しのけただけで話題になった前回から、ずいぶん時間が経った気がする。それくらい、世界はトランプ氏に無関心になりはじめた。彼が何をしてもしなくても、影響力はない。いまのまま放置したら、大統領ではなくアメリカに世界が無関心になる。

人民網日本語版
元首外交が中露関係の高水準の発展を推進 (2017.7.6)

中国の習近平国家主席が3、4両日にロシアを訪問した。習主席とプーチン大統領は頻繁に交流し、非常に緊密な職務上の関係と厚い友情を築き、中露関係の発展を共に推し進め、先導し、計画。中露関係は持続的発展という良好な状態を呈し、包括的・戦略的協力パートナーとしての大きな潜在力をはっきりと示した。今回の訪問で習主席は朝鮮半島情勢やシリア問題など地域の重要な問題についてプーチン大統領と意見交換した。中露双方は相手国が自国の国情に基づき選んだ発展路線を支持し合い、国の核心的利益の維持における政策の方向性に十分に関心を払っている。両国は国際・地域問題で戦略的協力を維持し、世界の多極化と国際関係の民主化を提唱し、国連など国際組織での緊密な調整と連携の下、上海協力機構やBRICS協力など多国間枠組を深め、世界と周辺地域の平和・安定を共に維持し、変化に富む国際情勢のスタビライザー、バラストとなり、世界の平和と発展に大きな貢献をし、大国としての責任感をはっきりと示している。中露関係は高水準の政治的・戦略的相互信頼を体現しており、中露は互いに最も信頼できる戦略パートナーだ。中露は上層部交流と各分野の協力体制の整備を進めている。両国元首の頻繁な相互訪問以外に、各当局・地方も安定した交流・協議制度を設け、中露関係の発展を制度面から支えている、としている。

中国が技術力をつけたら、ロシアと中国の関係強化は、相当に恐ろしい。ロシアには資源がある。一帯一路には、資源をマーケットに変貌する可能性をロシアは感じているだろう。中国はさらに北極と言い出した。技術の裏付けと長期的な資金目処がなければ言えない話だ。国家首脳間での提案に出た話ということは、空想ではない。こんな話題を、トランプ氏のアメリカから聞ける気がしない。日本が想像さえしない挑戦を、中国は平然と言える技術力を持ちはじめている。もう反中など笑い飛ばされるレベルだ。技術で中国に勝てないとあらゆる産業が、弱音を吐くのは3年以内だろう。いまが対等、または優位な領域は、やがて連敗しはじめる。そして、すべて勝てなくなる。私たちが中国に頭を下げて技術を請う日は近い。バカな固定観念は、少しでも早く捨てた方がいい。

朝日新聞・社説
与党と改憲 首相の暴走に歯止めを

東京都議選での自民党惨敗を受け、安倍首相が急ぐ憲法改正に対して、与党から慎重な議論を求める声が相次いでいる。2020年、9条に自衛隊の存在を明記した改正憲法を施行したい。今秋の臨時国会で、自民党の憲法改正原案を衆参の憲法審査会に提出する――。5月以降、首相が矢継ぎ早に示した考え方は筋が通らない。憲法改正を発議する権限は国会にある。行政府の長である首相が、自らの案を期限を切るかたちで示し、強引に進めようとするなら、まさに「1強」の暴走というほかない。多くの国民が納得できる憲法論議を取り戻すには、まず首相が自分本位の改憲構想を白紙に戻す必要がある。行政府にあやまりがあれば正す、という立法府の責任を果たせるか。野党のみならず、与党も問われている、としている。

毎日新聞・社説
核兵器禁止条約採択へ 理想に向かう新たな道だ

核兵器の保有や使用を初めて法的に禁じる核兵器禁止条約がきょう国連で採択される。実効性を担保できるのかという指摘もあるが、核廃絶が国際的な規範となる意味を持つ。制定交渉には米国の同盟国である北大西洋条約機構(NATO)諸国のほとんどや、日本や韓国、豪州も参加を見送った。米国の核拡大抑止を意味する「核の傘」に守られる日本などには米国からの同調圧力が働いたのだろう。唯一の戦争被爆国として核保有国と非保有国の「橋渡し役」を自任してきた。昨年は当時のオバマ米大統領の広島訪問を実現させてもいる。不参加は残念でならない。核兵器禁止条約は核兵器を持つことは許されないという国際規範になる。軍事力や経済力だけでなく道義的な規範を示してこその大国だ。その転機となることを強く期待する、としている。

政権批判側の朝日と毎日の主張が、徐々に単純な批判に陥っている。的確な裏付けや情報のない批判は、やがて朝日や毎日の手法への批判に変わる。なぜ週刊誌や地方の新聞にできることが、全国紙の朝日や毎日にはできないのか、改めて反省すべきだ。この程度の社説では、自民党も安倍政権もまた息を吹き返す。

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