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3047.報道比較2017.7.6

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アメリカは動かなければ嗤われる状態に追い込まれてしまった。これがArt of Dealなら話にならない。

日本経済新聞・社説
豊洲市場の運営に民間の知恵をいかせ

東京都の小池百合子知事は中央卸売市場である築地市場を、新設した豊洲市場に移す方針だ。そこで重要なのは安全性の確保とともに、経営の合理化を徹底し、利便性の高い卸売市場にして活気を取り戻すことだ。卸売市場におのずと全国から食品が集まる時代はすでに過去のものだ。近代的な設備を整えるだけで右肩下がりの取引高が回復するほど現実は甘くない。豊洲市場が抱える課題は全国の中央卸売市場に共通する。東京都だけで11、全国に64ある中央卸売市場はすべて自治体が開設し、運営している。どの中央卸売市場も取引高は減少傾向にあり、市場の運営が苦しくなっている。卸売市場の運営も企業経営と同じだ。中長期の成長戦略を描き、問題点があれば修正し、経営目標の達成に責任を持つ体制が要る。急拡大するインターネット取引に食品の流通を奪われるのではなく、仕入れの場などとして利用してもらえる卸売市場に変えなければならない、としている。

この社説を読んで、小池氏がなぜ築地も活かしたいと思ったかに気づいた人も多いはずだ。安全の話題が片付いたら、税の話。その先に、役に立つ市場として存在しつづけられるかという経営の課題がある。小池氏は、今までの知事に比べれば、長い時間軸で話を考えている気がする。そんな知事でさえ、努力なしでは経営がすぐに破綻することにも気づいているのだろう。日経のような現実的な課題を議論する機会が増えるほど、行政の議論が白熱していって欲しい。今までの人格や人気だけで任せていた政治から脱却するチャンスだ。
政治を属人から脱却させられたら、小池氏のリーダーシップと評価は上昇するに違いない。国政でそれをやったのが小泉氏だった。安倍氏が無能にも巻き戻してしまったが。適材適所に専門知識を持ったプロを配置して、政治と議会は決断のための議論に専念する。能力がなくても、仕事が終わっても、取り換えるのは簡単。利権を発生させようとしても、仕事が終わったら現場から消えるから機能しない。そんな政治が、小泉氏が「ぶっこわす」と言った権力構造だった。都政で、その清々しさを蘇らせてくれることを期待してくれる。そうすれば、誰もが気づくに違いない。壊すべき規制とは、安倍氏が言っているものとはまったく違う。安倍氏が守っている権力こそ壊すべきものだと。

人民網日本語版
習近平国家主席とプーチン大統領が会談 (2017.7.5)

習近平国家主席は4日、ロシアのプーチン大統領とモスクワのクレムリン宮殿で会談した。両首脳は中露の伝統的友誼と関係発展の成果を積極的に評価。連携して努力し、平等信任・相互支持・共同繁栄・世々代々の友好という中露包括的・戦略的協力パートナーシップを揺るぎないものにし、発展させ、両国及び各国の人々により良く恩恵をもたらすことを決めた。プーチン大統領は「露中関係は大変良く発展している。高水準の相互信頼と整った協力体制は露中関係の大きな強みだ。習主席の今回の訪問はロシアにとって重要な意義を持つ。習主席と私は非常に良好な職務上の関係と厚い友情を築いた。今回の訪問で私と習主席は踏み込んだ意見交換をし、政治的相互信頼の強化、各分野の実務協力の強化、人的・文化的交流の深化、重大な国際・地域問題での意思疎通と調整の緊密化について高度の共通認識にいたり、訪問は申し分のない成功を収めた。ロシア側は中国側と共に、露中包括的・戦略的協力パートナーシップを引き続き強化することを望んでいる」と表明した。両首脳は連携して努力し、中露包括的・戦略的協力パートナーシップを深め、高水準で力強い中露関係を両国の発展・振興のブースター、世界の平和・安定のバラストとすることで合意した、としている。

週末のG20に、習氏とプーチン氏は友好関係の片鱗を見せてくれるだろうか。中国の経済が回りつづければ、中国とロシアの友好関係が孤立するアメリカを凌駕することは十分にできる。孤立や保護主義は、やはり完全に間違っている。欧米で連携しなければ、この2国の関係には抗えない。

Wall Street Journal
米韓は北朝鮮と戦争の用意ー米軍司令官が警告 (2017.7.5)

在韓米軍のビンセント・ブルックス司令官は5日、北朝鮮が前日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に初めて成功したと発表したことを受け、命令が下れば米韓は北朝鮮と戦争を始める用意があると警告した。ブルックス司令官は「停戦と戦争を隔てているものは自制という選択肢のみだ」とし、「命令が下れば、それに従って別の選択肢を採用することができる。(中略)これと正反対のことを信じる人はみな重大な誤りを犯すことになる」と述べた。米軍と韓国軍はこの日、異例の実弾演習を実施し、韓国の東部沿岸沖に向けて戦術地対地ミサイルを発射した。今回の演習は、北朝鮮が4日に「地域の安定を損なう違法行為」に出たことへの対抗措置だとしている、としている。

トランプ氏のツイートと、金氏のミサイル。どちらがブラフとして機能しているかは、一目瞭然。オバマ氏よりもトランプ氏のレッドラインは曖昧で、弱い。金氏の表情は、オバマ時代よりずっと明るい。「独立記念日にプレゼント」という軽口を叩ける余裕を与えたのはトランプ氏だ。
アメリカ国民への韓国・日本への渡航中止勧告が出るまで、誰もトランプ氏の警告など気にはしないだろう。余計なところで、不用意にカードを出してしまった。これがArt of Dealなら話にならない。アメリカは動かなければ嗤われる状態に追い込まれてしまった。

Financial Times
悲劇に転じるB級映画ばりのベネズエラのドラマ (2017.7.4)

ベネズエラは通常の順番を覆している。この国の歴史は、まず茶番として、そして次に悲劇として展開しているのだ。危機に苦しむ同国から伝わってきた信じがたいような最新ニュースは、ぎりぎりB級映画に値するようなストーリー展開だ。6月27日、ならず者の警察司令官がヘリコプターをハイジャックし、反乱を宣言し、最高裁判所に手りゅう弾を落とし、内務省のビルに銃弾を撃ち込み、姿を消した。負傷者は出なかった。実際に何が起きたにせよ、1つ、はっきりしていることがある。内閣のほぼ半分を軍の将校で固めているマドゥロ氏は今、さらに抑圧を強める口実を得たということだ。同氏は、もし自分の体制が追放されたら、武器を手に取ると誓っている。「我々は絶対に降伏しない・・・武器で我々の国を解放する」。6月末には、再びこう語った。最善の解決策は、政府公認の汚職から利益を得てきた当局者に対する的を絞った金融制裁かもしれない。元閣僚らの試算では、2000年以降、3000億ドルもの資金が盗まれている。その間も、茶番から悲劇に転じたベネズエラの物語は続く、としている。

ベネズエラの悲惨さを嗤うことは簡単だが、日本やアメリカでも、少し目を離せば同じ状態に陥ると思う人はどれくらいいるだろう?先進国が機能している理由は、ブレーキにあたる機能が権力を抑止する点だ。トランプ氏がどれだけ叫んでも、簡単に入国規制は止まった。だが、もし北朝鮮との緊張が極度に高まってもブレーキは機能するだろうか?安倍氏の暴走をようやく止める気になった日本の社会が、もう一度、景気対策のバラマキを安倍政権がしても批判しつづけられるだろうか?ベネズエラから湧き出る原油の方が、世界一の貯蓄率といいながら日本政府が乱発する赤字国債より、明らかに資産価値は高い。他人を嗤えるほど、先進国の政治は機能していない。気づいている人たちはどれくらいいるだろう?

産経新聞・社説
北朝鮮への圧力 拉致の解決に結びつけよ

安倍晋三政権の「最重要課題」は、北朝鮮による拉致問題の全面解決である。安倍首相はそう言い続けてきたし、これが変わることがあってはならない。北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。国際社会にとっての脅威はより一層高まり、その怒りは沸点に達しようとしている。一方で拉致被害者の家族らは、行動をエスカレートさせる北朝鮮の「核・ミサイル」に、拉致問題が埋没することを危惧している。犯罪国家に誘拐、拉致された自国民を救えずに、何のための国であり、政府であろう。改めて政府は拉致問題の解決に向けた決意を、国内外に示すべきだ。北朝鮮の傍若無人を許しているのは、圧力の不徹底である。関係の深い中露を含めた制裁の強化で締め付け、核・ミサイル問題と包括的に拉致問題の解決に結びつけてほしい、としている。

毎日新聞・社説
首相の改憲スケジュール そのかたくなさが問題だ

首相は、都議選で負けたからといって改憲スケジュールを変えるつもりのないことを毎日新聞のインタビューで明言した。都議選の敗因として、政権の「緩み、おごり」が批判されたとの反省も語っている。それならば、国会の頭越しに首相が改憲の内容や日程を押しつける手法を改めるべきだ。都議選を境に、首相官邸の意向に与党が追随する「安倍1強」体制に微妙な変化が生じている。都議選で小池百合子知事と連携した公明党の山口那津男代表は自公連立政権の修復を急ぐ一方、「憲法(改正)は政権が取り組む課題ではない」と首相をけん制している。国会で憲法改正案を発議できたとしても、その実現には国民投票で過半数の賛成が必要だ。国民との丁寧な対話が求められるからこそ、衆参両院の憲法審査会では与野党の合意を探る議論が行われてきた。首相と自民党は都議選の教訓として何を学んだのか。「謙虚に、丁寧に」と言うのであれば、何よりも憲法論議でそうあるべきだ、としている。

読売新聞・社説
緊急事態条項 危機管理の憲法論議を着実に

自民党憲法改正推進本部が、大規模災害時などにおける緊急事態条項の創設に関する論議を開始した。国政選の実施が困難になるほどの被害が生じた際、特例として国会議員の任期延長を認めることを中心に検討を進める方向だ。首相が緊急事態を宣言すれば、内閣の緊急政令の制定や首相による自治体の首長への指示が可能になる。そうした条項が2012年の自民党憲法改正草案にある。野党には、国民の権利が制限されるとし、戒厳令になぞらえる偏向した批判がある。だが、事前・事後の国会承認、緊急事態の期間の上限などの要件を定めれば、多くの人の理解は得られよう。東京都議選の自民党大敗を踏まえ、与党内では、憲法改正を急ぐべきではない、との声が出てきた。拙速な議論を避けるのは当然としても、自衛隊の根拠規定の追加や緊急事態条項の創設は、国の最高法規をより良くする改正だ。憲法論議は、具体案を提示した方が活発化する。自民党は、党内論議を従来以上にオープンにして国民に丁寧な説明を重ねつつ、改正案の検討作業を着実に進めることが大切である、としている。

支持率が高い時は、いまのような災害リスクが高まっていたり、北朝鮮を警戒する時期には通った主張。支持率が下がっただけで「この危機に乗じて?」との疑念を誰もが抱くようになる。公明党さえ、政府の権限強化には、いまのタイミングでは難色を示すのではないか。安倍氏は信用とともにチャンスを逸したようだ。

朝日新聞・社説
ビラ配布解禁 地方議員も政策競おう

東京都議選の選挙運動で、候補者は自分の公約を記した政策ビラを配れなかった。まるで政策に背を向けたようなルールは、2019年3月から改善される。都道府県議選と市区議選で候補者の政策ビラを公費でつくり、配れるようにする。そのための公職選挙法の改正が先の国会に議員提案され、全会一致で成立した。都道府県議選では候補者1人につき1万6千枚、政令指定市議選は8千枚、その他の市議と東京23区議選では4千枚を配れるようになる。4年前、選挙運動でのインターネット活用が解禁されたのに続き、候補者と有権者の距離を縮める改革として評価する。各候補はいま以上に政策を具体的に練りあげ、アピールする力量が問われる。それを有権者が厳しく吟味すれば、議員の政策立案能力は上向くはずだ。政策をつくれない、語れない候補者はしだいに生き残れなくなるだろう。議員のなり手が不足しがちな過疎地の町村こそ、議員選挙の公営化が求められる。その一環として、公費によるビラ配布を認めていくべきだ、としている。

この国の発想は、昭和どころか、戦前あたりで時計が止まっているようだ。ビラ?その単語さえ久しぶりに見た。新聞が平然と政府に迎合するのも判る。人が何度でも同じ過ちを繰り返すのも見事に証明されている。敗戦やら維新やらと、過去に何度も改心できるチャンスがあったと語る学者は多いが、社会はまるで学んでいない。

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