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3045.報道比較2017.7.4

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票で政治を決める行為は、人生にとってそれなりに重要だが、すべてではない。むしろ、明日、どうやって働くか、何をすれば人が喜ぶかを考えることの方が優先順位は高い。ポピュリズム?そんなもの笑い飛ばして経済を成長させようと言うリーダーは出てこないのだろうか?

人民網日本語版
さらに大きな構造の中露関係 (2017.7.3)

習近平国家主席は3日からロシアを公式訪問する。双方共に重要な国内政治日程を抱える中、いかにして中露関係の安定的長期発展、双方の実務協力における継続的互恵・ウィンウィン、多国間の場での力強い協力を実現するかが、訪問の要であることは間違いない。2016年6月のプーチン大統領訪中時、両国元首は3つの重大な共同声明を発表して、重大な二国間・国際・地域問題における双方の一致した立場をはっきりと示し、国際外交の実践における美談をつむいだ。2015年5月の共同声明によって、シルクロード経済ベルト建設とユーラシア経済連合建設の連結協力プロセスが始動した。今年5月、プーチン大統領は中国での「一帯一路」(the Belt and Road)国際協力サミットフォーラムに出席して、「一帯一路」建設への支持と積極的な参加意欲を明確に表明し、中露が共同で開放型世界経済の構築を推進するとの力強いメッセージを発した。包括的・戦略的協力パートナーとして、中露は重大な国際問題への対応において、互いの意思疎通と協力を優先している。国際紛争の適切な解決において、中露の戦略的協力は「安定化装置」としての役割をはっきりと示し続けている、としている。

G20の前に、プーチン氏がトランプ氏に逢う前に習氏と会談する。かなり意味深だ。戦略で卓越しているのはプーチン氏だろうが、何が話し合われるかは予測もつかない。北朝鮮やアメリカの話題は、確実に話し合われるだろう。どちらの首脳も、いまのアメリカの脆弱さを確実に利用するつもりに違いない。興味深い。

Wall Street Journal
トランプ氏が中国に送ったシグナル (2017.7.3)

ドナルド・トランプ米政権は中国が北朝鮮の核開発計画を止められないことにしびれを切らしている。先週、米国は2つのシグナルを発した。北朝鮮を支援する中国の企業・個人への新たな制裁措置と、台湾に対する14億ドル(約1570億円)の武器売却だ。中国政府は米国の現政権が歴代の政権と同じような姿勢をとると誤解しているのかもしれない。米財務省は先週、中国から北朝鮮に向かう資金の流れを縮小させる新たな制裁措置を発表した。「北朝鮮のWMD(大量破壊兵器)や弾道ミサイル開発に関わる企業の取引に数百万ドルを融通した」として、中国の丹東銀行を米国の金融システムから締め出すことを決めた。このほか海運会社の大連寧聯船務有限公司と、孫偉氏と李紅日氏の中国人2人を制裁対象に加えた。中国の習近平国家主席は4月にトランプ氏のフロリダ州の別荘「マール・ア・ラーゴ」に友好的に迎えられた後、北朝鮮への形ばかりの措置を講じれば、従来通りにビジネスを再開できると判断したようだ。しかし米国やその同盟国に対する北朝鮮の脅威は高まっており、中国の悪意ある「放置」はもう弁明の余地がないところに来ている、としている。

Wall Street Journalは、いまのトランプ氏の支持率と信頼度を承知での主張だろうか?残念ながら、トランプ氏のリーダーシップでは、世界はもうアメリカを信じることも恐れることもなくなっている。中国がアメリカに忠誠を誓うことなどないだろう。解任されたFBIの長官さえ約束しなかったことを、なぜ世界2位の大国が守らなければならないのか。約束を守れば、中国に何が得られるのか。もうトランプ氏のやり方は、ディールにもブラフにもならない。変化が必要なのは中国ではなく、アメリカだ。

Financial Times
ポピュリズム台頭の経済的起源 (2017.6.28)

そもそも、ポピュリストとは何なのか。ポピュリズムには、世界を徳の高い国民と、腐敗したエリートや危険なよそ者という2つに分けてしまうという不変の性質がある。また、ポピュリストは機関や制度を信用しない。特に裁判所や独立したメディア、官僚機構、財政・金融のルールなど、「国民の意思」を束縛するものを信じない。資格を持った専門家も拒む。自由市場と自由貿易にも疑念を持っている。最近あった変化と言えば、世界金融危機とその後に各国経済に及んだショックだ。これらは巨額のコストをもたらしただけでなく、金融界や政策策定に携わるエリートへの信頼を――そして正統性も――損ねた。王様たちが裸だったことを暴露してしまったのだ。トランプ氏が米国大統領になり、英国民がブレグジットを選択した理由はそこにある、と筆者は考えている。確かに、文化的な変化と、労働者階級の経済的な衰退は人々の不平や不満を強めた。しかし、ポピュリストの台頭に扉を開いたのは金融危機だった。勢いづくポピュリズムの波に抗いたいのであれば、フランスのエマニュエル・マクロン大統領がやったように、ポピュリストの単純化と嘘に立ち向かわなければならない。マクロン氏が理解しているように、ポピュリズムの盛り上がりを説明してくれる懸念や心配事に直接対応しなければならない。文化的な心配は、移民に関するものは別として、政策を講じてもあまり反応しない。だが、経済的な心配事には対応できるし、対応しなければならない、としている。

高尚な主張だが、リアリストのような立場で言うなら、主張があまりに政治に依存し過ぎている。政治は国家の成長には重要なファクターだが、経済は政治のみで動いているのではない。むしろ、政治とは関係ない経済成長が達成できている国ほど、耐久力のある国家に私は見える。そういう意味では、アメリカやドイツは明らかに強い。日本や中国は、想像以上に脆弱だろう。イタリアやフランスが、政治で混乱してもそれなりに生き長らえているのは、経済に政治の決断などインパクトを与えないからだ。関税や規制の変更さえ乗り越える経営があればいい。トランプ氏で騒がしいアメリカ人でさえ、大半の人はそう思っているだろう。だからアメリカは強い。むしろ次のリーダーを待てばいいだけとも言える。票で政治を決める行為は、人生にとってそれなりに重要だが、すべてではない。むしろ、明日、どうやって働くか、何をすれば人が喜ぶかを考えることの方が優先順位は高い。ポピュリズム?そんなもの笑い飛ばして経済を成長させようと言うリーダーは出てこないのだろうか?メディアがそう政治家を笑い飛ばせばいいのにと、何度思ったことか。

日本経済新聞・社説
一層強まった香港「一国二制度」への不安

中国返還20周年を迎えた香港で演説した習近平国家主席は「中央の権力へのいかなる挑戦も絶対に許さない」と香港独立論をけん制した。「一国意識」も強調している。香港に高度の自治を与える「一国二制度」の形骸化を懸念する香港住民の不安をあおりかねない内容である。香港では郷土愛が強い「本土派」と呼ばれる若者らが香港の主権を訴える勢力として台頭している。香港新トップの喫緊の課題は香港社会に生じた亀裂の修復だろう。「雨傘運動」の後、香港では中国に批判的な書籍を扱う書店の関係者が次々連れ去られた。「一国二制度」の根幹を揺るがす事件を二度と起こしてはならない。中央政府には長期的視点から香港の繁栄を確保する義務がある。重要なのは香港の自由な雰囲気を象徴する「一国二制度」を真の意味で尊重する姿勢だ。それでこそ世界から人材、情報、資本が香港に集まり、最終的に中国本土の安定的な経済成長に寄与する、としている。

この数日、香港を話題にした新聞は多いが、ここまで理想論だけで中国政府の香港対応を批判したのは日経だけだ。中国の成長の成果をまるで無視している。締めつけが合法だとは思わないが、民主主義だけが完璧というわけでもない。事実、世界の民主主義はいま、過去で最悪と言えるほど分裂を招き、解決策さえ見出せない。アメリカの大統領より、中国の国家主席の方が信頼度が高い時代だ。いつまでも一国二制度を維持するとは思えないし、制度には期限が存在する。折り返しの25年の節目より前に、中国政府が先手を打っただけだ。日経にも中国というだけで批判的になる姿勢があるとは思わなかった。残念だ。

朝日新聞・社説
都議選、重い民意 首相の「反省」は本物か

自民党の惨敗に終わった都議選の投開票から一夜明けたきのう、安倍首相は「反省」の言葉を繰り返し語った。問題は、首相が何をどう反省し、具体的な行動につなげていけるのか、だ。首相は内閣改造を検討しているという。政権浮揚が狙いだろうが、国民が求めているのは看板の掛け替えではない。都議選敗北を受け、安倍政権は国会の閉会中審査に応じる方針だという。審議が行われること自体は歓迎するが、それだけでは足りない。野党が憲法53条に基づいて要求している臨時国会を、すみやかに召集する必要がある。加計学園問題での政権の対応について、都議選の本紙出口調査で71%が「適切ではない」と答えた。反省が言葉だけなら、民意はさらに離れるだろう、としている。

産経新聞・社説
安倍政権 課題実現へ信頼取り戻せ

歴史的大敗に終わった東京都議選の結果を受け、安倍晋三首相は「自民党に対する厳しい叱咤と深刻に受け止め、深く反省しなければいけない」と語った。憲法改正や経済再生など、首相が挑む課題の実現には、険しい道のりがある。突き進むには国民の信頼と理解が欠かせない。それを取り戻すことが、首相の大きな責務である。首相は通常国会終了後の会見でも、国会答弁などについて反省を口にした。だが、政権の「おごり」や「緩み」が消えたと考えた有権者は少なかった。今後の政権運営にあたり、明確に打ち出せるものがあるのか。将来に期待を抱ける政策を展開できるか。それなしに内閣改造を行っても、政権を取り巻く空気を変えるのは難しかろう。見失ってはならないものは何か。都議選を経て、2020年施行の憲法改正実現を目指す方針に揺らぎがあってはならない。安倍首相は信頼回復に全力を尽くし、憲法改正をはじめとする政策を実現する態勢を再び整えてもらいたい、としている。

毎日新聞・社説
東京都議選と首相の「反省」 すり替えは通用しない

東京都議選に惨敗した安倍晋三首相(自民党総裁)は記者団に「厳しい叱咤と深刻に受け止め、深く反省しなければならない」と述べ「謙虚に丁寧に」国政に取り組むと語った。ところが、安倍首相は野党が求める臨時国会を早く開いて自ら批判に答える姿勢も、憲法改正で時間をかけて合意形成を図る謙虚な態度も示さなかった。首相は国会閉会後の記者会見で「反省」を口にし、さまざまな指摘には「説明責任を果たす」と言った。だが、その後の加計学園を巡る新文書や稲田朋美防衛相の自衛隊に言及した応援演説を重大視せず、疑念に進んで対応しなかった。野党の異論に耳を傾けないどころか、敵視する。自身に近い議員を重用し、言動に問題があっても任命責任を取ろうとしない。官僚は人事権で服従させる。そんな首相の姿勢に国民が不信を抱くのは当然だろう。都議選惨敗で首相の求心力の低下は避けられない。自民党は結束して安倍政権を支えていくと確認したが、党内には不満もある。政権の問題点をきちんと指摘する議論が起きるのかが、試されている、としている。

読売新聞・社説
都議選1強大敗 政権の信頼回復を地道に図れ

安倍首相は、自民党が大敗した東京都議選について反省の弁を記者団に述べた。「自民党に対する厳しい叱咤と深刻に受け止めねばならない」と語った。都議選の敗因は、主に国政に連動している。加計学園問題や強引な国会運営、閣僚らの失言・不祥事など、「安倍1強」の慢心に有権者が反発した。出口調査で、自民党支持層の5割しか同党候補に投票しなかったのは象徴的だ。自民党内では、局面打開のため、内閣改造・党役員人事を求める声が高まっている。人事は首相の求心力を高める一策ではあるが、目玉人事で政権浮揚を図るような安易な発想を持つのは禁物だ。野党は、国会の閉会中審査などを要求している。与党は、予算委員会の集中審議を早期に開き、加計学園問題などの疑念に具体的に答えねばなるまい。次期衆院選に向けて、都議選で躍進した「都民ファーストの会」が国政に進出するかどうかが注目されている。進出する場合は、風頼みではなく、体系的な政治理念と政策の提示が欠かせない、としている。

まだ安倍氏に期待しているのか、4紙が社説で首相の反省を取り上げた。私はできれば別の人に代わって欲しいし、何も期待しない。支持率が回復しても50%を超えることはもうないだろう。無理に延命するより、早めに次の人に引き継いだ方が自民党は長期政権を維持できると思うが…

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