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3044.報道比較2017.7.3

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国際的な課題は数日放置しても、国内の選挙なら徹夜してでも社説に載せる。それが日本の新聞の価値観のようだ。日本の新聞という観点からは間違っていないが、先進国として世界を見る責務という意識はないのだろう。政治オタクから脱皮しなければ未来は暗い。

朝日新聞・社説
都議選、自民大敗 政権のおごりへの審判だ

東京都議選は自民党の歴史的な大敗に終わった。小池百合子都知事への期待が大きな風を巻き起こしたことは間違いない。ただ自民党の敗北はそれだけでは説明できない。安倍政権のおごりと慢心に「NO」を告げる、有権者の審判と見るほかない。森友学園や加計学園の問題では、首相自身や妻昭恵氏、側近の萩生田光一官房副長官らの関与が問われているのに、説明責任から逃げ続けた。そればかりか、野党が憲法53条に基づいて要求した、臨時国会の召集にも応じようとしない。首相と民意のズレを象徴したのは、都議選最終日のJR秋葉原駅前での首相の演説だ。政権は国民から一時的に委ねられたものであり、首相の私有物ではない。その当たり前のことが理解できないなら、首相を続ける資格はない。都政運営の基盤を盤石にした小池知事も力量が問われる。この数年、都知事は短期で交代し、都政は揺れ続けてきた。小池氏は東京の未来図をどう描き、説明責任を果たしながら、それを実現させるのか。1千万都民の目が注がれている、としている。

産経新聞・社説
小池勢力圧勝 都政改革の期待に応えよ

東京都議選は小池百合子知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」が大幅に躍進し、第一党の座をかけて争った自民党は惨敗した。都政の改革を掲げて1年前に登場し、議会内でも自らの基盤を固めようとした小池氏の戦略が奏功した。自民党の敗因は、一義的には改革姿勢を明確に打ち出せなかった点にある。ただし、国政レベルで相次いだ政権与党内の不祥事が逆風を招いたのは明らかだ。安倍晋三首相は、政権の立て直しと党の引き締めを急がなければならない。都議選では、都政をめぐる政策論争が十分とはいえなかった。それに代わり、閣僚らの失言や「加計学園」問題などが注目され、野党側は政権批判に集中した。つまり、東京をどうするかという中心課題についての論戦は尽くされておらず、これから小池氏が諸課題にどう取り組むか、それを議会がいかにチェックしていくかは不透明さが残る、としている。

日本経済新聞・社説
安倍自民は歴史的惨敗の意味を考えよ

「安倍1強」といわれて久しい自民党が東京都議会議員選挙で歴史的な惨敗を喫した。首都決戦でこれだけ一気に勢力を減らしたのは、安倍政権の強権的に映る姿勢や閣僚らの度重なる失態への批判の高まりが背景にある。自民党執行部は今回示された厳しい民意の意味を深く考えるべきだ。都議選は小池百合子都知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」が第1党に躍進し、支持勢力を合わせて過半数の議席を確保した。一方で自民党は候補者の全員当選を果たした前回からうって変わり、1人区で惨敗するなど過去最低の38議席を大幅に下回った。都政は懸案が多い。都内の待機児童は4月時点で8590人に上る。知事は待機児童の解消に取り組んでいるものの、追加的な対策が要るだろう。五輪後をにらんだ成長戦略の柱として、東京を魅力ある国際金融都市に変える構想も具体化はこれからだ。都民フの躍進は自民党の「敵失」に助けられた部分も多く、政党としての政策の肉付けはこれからだ。議員公用車の廃止や政務活動費による飲食の禁止など議会改革も公約通り推し進めてほしい、としている。

毎日新聞・社説
都議選で自民が歴史的惨敗 おごりの代償と自覚せよ

東京都議選は、小池百合子知事を支持する勢力が圧勝し、自民党は歴史的な大惨敗を喫した。「加計学園」問題や「共謀罪」法の強引な採決などで安倍政権への批判が急速に強まる中、「小池都政」への評価以上に政権の今後を占う選挙として注目された。この選挙結果は「1強」のおごりと慢心に満ちていた政権に対する、有権者の痛烈な異議申し立てと受け止めるべきだろう。それほど自民党への逆風はすさまじかった。小池氏が批判してきたのは従来の都政を十分にチェックできなかった都議会の不透明な体質だ。ただし、新たな知事与党が小池都政を追認するだけになれば、都庁の情報公開は進まない。知事と議会の間には健全な緊張関係が必要だ、としている。

読売新聞・社説
都議選自民大敗 「安倍1強」の慢心を反省せよ

東京都議選は、小池百合子知事が代表を務める初陣の地域政党「都民ファーストの会」が躍進し、自民党に代わって第1党の座を確保した。公明党、無所属などと合わせた小池氏支持勢力の議席の合計は、半数を大きく上回った。小池氏は、都政運営を進める安定的な基盤を築くことに成功した。自民党は、歴史的な惨敗を喫した。長年、緊密に連携してきた公明党と袂を分かった影響に加え、国政の加計学園問題に関する政府の不十分な説明や、稲田防衛相らの失言が響いた。知事が地域政党の先頭に立つ選挙戦は都民の関心を集め、投票率は51・27%と前回を上回った。都民ファーストの原動力は、小池氏個人の高い人気だ。公明党との選挙協力も功を奏し、安倍政権に対する批判票の受け皿となった。1人区を次々と制し、複数区でも着実に議席を得た。公明党は、小池氏と二人三脚で都政を安定させると訴え、7回連続で全員当選を果たした。小池都政では、一部の外部有識者らの提言を重視した政策決定が目立っている。無論、議員への過度な根回しなどは排すべきだが、都議会という公式の場で政策論議を尽くすことは欠かせない、としている。

国際的な課題は数日放置しても、国内の選挙なら徹夜してでも社説に載せる。それが日本の新聞の価値観のようだ。日本の新聞という観点からは間違っていないが、先進国として世界を見る責務という意識はないのだろう。歴史的な結果とはいえ、都議会選挙。今までの国内紙の仕事のペースを考えると、国内政治はずいぶん優先されている。新聞は政治オタクから脱皮しなければ未来は暗い。
選挙結果については、情報がいくらでもある。あえて書くこともない。政府と自民党が自滅し、公明党は風をちゃんと読んでいた。都政、政策論にならなかったのはたしかに残念だが、議会選挙だ。知事選挙ではない。自民党よりは小池氏に任せた方がいいと都民が思うほど、いまの自民党は支持を失っている。なによりも、投票率が上がったのが注目に値する。批判が強まる時、投票率は上昇してきたが、今回も過去をなぞった。「自民党だけはイヤ」「自民党を降ろせ」のために投票したい衝動をつくったのだから、相当な反発だ。国政への批判なら、これは安倍政権にとって最大の危機だろう。良くも悪くも、国会は閉じた。政府に策はいろいろあるだろうが、正攻法で建て直せば、まだ憲法改正を発議するチャンスくらいはあるだろう。反省がなければ、次のチャンスさえ失うだろう。選挙前に出てきた批判報道、しっかり安倍政権周辺と、都議会選挙に関連する人に集中していたのが判る。下村氏、萩生田氏は自民党東京都連の役員。加計学園問題を都議会選挙に飛び火している。政党やメディアに作為があったとは思えないし、だから自民党迎合メディアは、スキャンダルを口にするのさえ避けてきた。だが、結果が大敗になり、辞任が報じられれば、また脳裏には加計学園がプレイバックする。反省の姿勢や、人材を入れ替えて回復できるレベルとは思えない。
政権批判をする人たちは、これで一矢報いた勝利だ。小池氏はもっとも大きな権力を手にした。それでも、小池氏陣営さえ自らの実力で勝ったと思っている人はいないだろう。謙虚であり続ければ、結果は出るだろう。少しでもおごれば、自民党以上にすぐ批判される。新人にメディアも都民も容赦することなどない。100日のハネムーン期間は、都政にはない。迅速な結果を期待している。

人民網日本語版
習近平国家主席が香港の重要インフラ建設プロジェクトを視察 (2017.7.2)

習近平国家主席は1日午前、香港特別行政区の林鄭月娥行政長官の案内の下、香港のランタオ島と広東省珠海市、澳門(マカオ)を結ぶ海上橋「港珠澳大橋」の香港区間の建設工事現場や香港国際空港第3滑走路の建設状況を視察した。習主席はまず、港珠澳大橋の香港区間の建設工事現場を訪問し、建設状況を聞いたほか、工事の計画や工事の進捗状況、質、安全性などについて詳しく質問した。そして、「港珠澳大橋の建設は、中央政府が香港、マカオ、珠江デルタ地域のさらなる発展をサポートするための重大なプロジェクトで、『一国二制度』下で、広東省、香港、マカオが密接に協力した重大な成果。今後の業務を積極的に推進し、大橋が開通し、安全に運行できるようにすることを願っている」と話した。その後、習主席は、香港国際空港を訪問し、第3滑走路の建設状況を視察し、パネルや完成模型を見学し、滑走路や埋め立て工事を遠目に見、工事・建設、使用するようになってからの費用対効果などを確認した、としている。

香港報道を見ていると、中国政治の方がアメリカよりずっと安定して建設的に動いていると再認識する。アメリカの問題は大統領に集中しているが、息苦しい抑圧はあるが、中国の行政は破綻や懸念は見えない。封じ込めて見えなくしているだけかもしれないが、少なくとも、いまのアメリカなら、政治のクオリティは中国が確実に勝っている。ということは…やがて中国の行政はアメリカより機能する可能性が高い。安定した社会をつくるのに行政が与える影響は大きい。経済以外の側面でも、アメリカを中国が越える場面が増えていくだろう。

Wall Street Journal
G20で米ロ首脳会談、両国の関係改善見込めず (2017.7.3)

ロシアのプーチン大統領とトランプ米大統領の初会談が今週末に予定されているが、ロシア当局者は対米関係改善に弾みつくという見通しには慎重な見方を示している。ラブロフ氏は「ハンブルクでの両首脳の初会談で、米ロ関係の見通しを巡る疑念が解消されるだろうと期待している」と述べた。ただ、ロシアの議員や外交官らはこの数カ月間、トランプ大統領がロシアとの関係改善を行うのを米国の「既存勢力」は許さないだろうという論調を繰り返してきた。ロシアが2014年にウクライナ南部クリミアの併合を一方的に宣言して以降、米ロ関係は緊張してきた。ロシアによるシリアのアサド大統領支援は、米ロの対立を強めることになった。アサド政権が化学兵器を使用したことを受け、トランプ大統領がシリアの空軍基地へのミサイル攻撃を命じると、両国間の対立はさらに深まった。両首脳の初会談で期待することについて、クレムリンのペスコフ報道官にコメントを要請したが応じなかった。報道官は30日、ロシアの報道機関に対し、会談の形式については協議中と述べた、としている。

いまのアメリカの状況では、米ロ首脳会談が2国間で行えるのは、G20のような国際会議の合間だけだろう。ロシアとの対話をアメリカ国民の疑いがある中でできる見込みは低い。プーチン氏にとっては「時間の無駄」だ。プーチン氏はして欲しくないことだけを伝えて終わるだろう。

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