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3043.報道比較2017.7.2

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韓国の大統領と、アメリカの大統領、どちらが先に大統領職から外れるだろう?自信を持って答えられない現実が、北朝鮮問題の未来を示している。対話を否定するのは自由だが、いまのアメリカは圧力を行使できる畏怖を手にしていない。

人民網日本語版
港祖国復帰20周年を祝う芸術公演開催 香港 (2017.7.1)

香港コンベンション・アンド・エキシビション・センターで6月30日夜、香港祖国復帰20周年を祝う芸術公演「心と心をつなぎ、未来を創る」が開かれ、習近平中共中央総書記(国家主席、中央軍事委員会主席)が出席し、観賞した。同公演では「回帰頌」や「東方之珠」、「我的中国心」から「香港・我家」や「友愛長存」まで、中国の愛国精神と香港を讃えるメロディーが次々と披露された。力強いドラムの演奏、威風堂々とした武術パフォーマンス、人々を高揚させたピアノによる「黄河船夫曲」の合奏などが中華の歴史と文化に対する生き生きとした熱い思いを表現。また、歌曲「天耀中華」や「茉莉花」などが祖国への恋々とした思いを表現したほか、特色あふれる舞台劇のワンシーン、独特な雰囲気を演出した映画音楽メドレー、伝統と現代を融合させたファッションショーなど、香港の多元的な文化の魅力をあますところなく披露した。そして中華の子供たちに夢を持ち続け、奮闘し続けるようにという共通の思いが込められた歌曲「不忘初心」は人々を深く感動させた。公演の最後に、習近平総書記は香港特別行政区の梁振英行政長官と林鄭月娥次期行政長官を伴って舞台に上がり、公演の主な出演者たちと一人一人握手を交わした後で、会場全体で高らかに「歌唱祖国」を歌い、偉大なる祖国の繁栄と香港のより良い未来を祝福した。公演における盛り上がりは最高潮に達し、会場は割れんばかりの拍手に包まれた、としている。

Wall Street Journal
さよなら北京、香港の自由を楽しむ本土出身者 (2017.6.29)

英国の植民地・香港が中国に返還されて以降20年間にわたり、中国本土からの移民の波が香港に押し寄せた。これに伴い、自由な市場や広東語、さらには生活の中での基本的な礼儀正しさといった香港の価値が「本土化」によって押し流されてしまうのではないかとの懸念が強まった。香港は法的には依然として高度な自治が認められた地域だが、中国は香港に対する主権の主張を強めている。中国の習近平国家主席は7月1日の香港返還20周年記念式典に出席するために香港を訪れるが、これは本土の力を誇示する機会になるだろう。香港の返還以降、香港に移住した中国人はおよそ100万人だ。これは2016年現在の香港の人口の約13%に相当する。香港への流入は中国当局によって規制されている。政府の推定によると、現在のペースのまま推移すれば、本土出身者の比率は2041年には25%に近づく。香港の民主派政治家は、この片道切符のような移住制度を終わらせたいと望んでいる。中国はチベットのような政情不安のある地域で少数民族の人口を希薄化するために移住を利用しているが、香港でもそれに似たようなところがあるという。現代の香港は移民の都市であり、中国本土で起きている出来事を嫌った移民が集まってできた都市だ。香港の人口が急増したのは、本土の人々が前世紀に貧困や飢饉や共産党支配下の迫害から逃れてきたためだ。今月公表された香港大学の世論調査によると、18~29歳の香港市民のうち、自分を「中国人」でなく「香港人」だと考える人は約94%に達した。この数字は20年前の香港返還当時の68%を大きく上回っている、としている。

朝日新聞・社説
香港返還20年 一国二制度を尊重せよ

香港の基本制度を50年変えない――英国から香港を返還された時、中国はそう約束した。あれから20年。一歩ずつ近づく2047年以降はどうなるのか。いまのままでは、香港の人びとの胸中に暗雲が広がるのは無理もあるまい。社会主義色を帯びた中国本土と、資本主義の香港を区別し、香港の高度な自治を保障する。それが、返還時の約束ごとである「一国二制度」である。ところが最近、中国・習近平(シーチンピン)政権によって自由は侵食され、制度の建前が損なわれてきた。一国二制度は空洞化していると言わざるをえない。政治・経済の各面で香港の悩みが深まるなか、きのうあった記念式典で、習主席は強面の演説をした。「国家の主権・安全を害する」行為や「中央の権力」への挑戦は「絶対に許されない」と表明した。雨傘運動後に一定の政治勢力へと成長した香港独立派を念頭に置いたものだ。香港の未来を切り開くには、自立した市民で構成される自由社会・香港のあり方を、北京側が最大限尊重することこそが起点である。このまま一国二制度を衰退させてはならない、としている。

昨日も書いたが、いまの中国政府のリーダーシップは、この20年で地球上で最もうまく機能した。香港自身も安定は維持したが、大陸はそれ以上の成長をもたらした。大陸の色に染まっていくのに抵抗するのは困難だ。あと30年の間に、中国は必ず何度か危機を迎えるだろうが、それでも世界一のポジションをいくつも手にして、経済規模で世界最大になっている確率は高い。今のままなら、香港が中国に溶けるように一体化していくのは確実だ。
だが、Wall Street Journalが語るとおり、中国全土で自由を求める声は、世界一になるとともにさらに高まるに違いない。世界で最も富を手にした人たちが、世界でもっとも高等な教育を受けた時、中国の体制がもっとも理想的だとの結論に至ることはないだろう。中国政府が自由主義に移行するのか、中国共産党が分党してでも一党独裁を捨てるのか、いろいろなアプローチは考えられるが、人類の歴史は個人主義、自由主義に行き着く。成長すればするほど、中国国内の人たちの自由への意識は高まるだろう。

産経新聞・社説
米韓首脳会談 対北の結束に懸念残した

米韓首脳会談で、トランプ大統領は北朝鮮への厳しい制裁の必要性を主張したが、文氏は再三、対話の必要性を唱えた。北朝鮮と直接、対峙する米韓同盟にとり、このすれ違いは大きな支障となりかねない。それは日本にとっての危機でもある。深刻な状況と見るべきだ。文氏は北朝鮮の核・ミサイル開発について「韓米への最大の挑戦」とも口にした。だが、これは「親北」イメージをぬぐう方便のように映った。首脳会談を前に、トランプ政権は北朝鮮と違法な取引をしているとして、中国の銀行や企業への初制裁に踏み切った。中国の制裁への協力姿勢が不十分だと判断したからだ。北朝鮮が核・ミサイル開発を放棄する姿勢をまったく示さない段階で、対話を前面に押し出す外交は、北朝鮮にも国際社会に対しても誤ったメッセージを発する。いまがそのタイミングでないのは、当たり前だろう。北朝鮮への圧力強化へ、文氏に同調を促せなかったトランプ氏の力量不足も指摘されよう。1週間後にはドイツで日米韓首脳会談がある。再結束こそ最重要の議題である、としている。

日本経済新聞・社説
韓国は日米との協調踏まえた対北政策を

韓国の文在寅大統領が訪米し、トランプ大統領と初の首脳会談を開いた。トランプ大統領は北朝鮮の核問題で「戦略的忍耐」は終わったとし、制裁を強める姿勢を強調。文大統領も「威嚇と挑発に断固として対応する」と応じた。共同声明は北朝鮮の非核化に向け「最大の圧力」をかけると明記した。ただ、声明は「適切な環境下」で北朝鮮との対話に応じる立場も確認。南北対話に前向きな韓国側の意向も反映した。実際、文大統領は会談後の講演で金正恩委員長との「対話も必要」と述べ、南北首脳会談の実現に強い意欲を示している。革新系の文大統領は来年の平昌冬季五輪で南北合同チームの結成を提案するなど、南北融和への傾斜が目立つ。韓国大統領の任期は1期5年で再選はない。南北首脳会談を是が非でも実現すべく、早々に準備を進める意向なのだろうが、こうした立場は北朝鮮への制裁と圧力を優先しようとする米国の路線と明らかに矛盾する。もちろん、北朝鮮との対話は必要だろうが、あくまでも核放棄が前提だ。文政権はまずは核・ミサイル開発を着々と進める北朝鮮の脅威を直視すべきだろう。今は対話より制裁を優先するときだ、としている。

毎日新聞・社説
米韓大統領の初顔合わせ 一応の結束は確認したが

韓国の文在寅大統領が訪米し、トランプ米大統領との初顔合わせに臨んだ。最大の焦点は、核やミサイル開発を続ける北朝鮮への対応だった。両首脳は、対話での解決を図るためにも現時点では圧力強化が必要だという基本認識で一致した。トランプ氏は会談後の共同記者会見で、北朝鮮の金正恩政権を「無謀で無慈悲だ」と非難し、「忍耐の時期は終わった」と圧力路線を強調した。これに対して文氏は「制裁と対話」による包括的なアプローチが必要だと力説した。懸案だった終末高高度防衛(THAAD)ミサイルの問題は共同声明に盛り込まれなかった。両首脳は、北朝鮮との対話の条件を話し合うハイレベルの協議体を設置することで合意した。両政権とも「適切な条件」が整えば対話に応じると表明してきたが、具体的な中身は明確でなかった。それだけに調整の必要に迫られたと言えるだろう。経済面でも食い違いがあった。トランプ氏は米韓自由貿易協定(FTA)再交渉への意欲を記者団の前で明言したが、韓国側は会談後に「再交渉で合意した事実はない」と釈明に追われた、としている。

読売新聞・社説
米韓首脳会談 対「北」圧力で連携できるのか

トランプ米大統領と韓国の文在寅大統領が初の会談を行い、北朝鮮の核放棄に向けて、連携を強化する方針で一致した。共同声明では、対北朝鮮政策における共通の立場を確認した。既存の経済制裁の徹底と追加措置を通じて、北朝鮮に「最大限の圧力」を加える。北朝鮮が「正しい道」を選べば、対話や支援にも応じる。適切な政策だ。トランプ氏は文氏との会談後、「北朝鮮に対する忍耐は終わった」と述べ、制裁の厳格化に重点を置く考えを強調した。文氏は、北朝鮮が挑発を続ける中でも、南北間の対話や経済協力の再開に強い意欲を示してきた。日米は、「今は対話ではなく、圧力をかけることが必要だ」との立場だ。文氏は、足並みをそろえなくてはならない。見過ごせないのは、米国の利益を最優先するトランプ氏の「米国第一主義」の矛先が、同盟国の韓国にも向けられたことだ。トランプ氏は、米国の対韓貿易赤字の増大を問題視し、米韓自由貿易協定(FTA)は「よい取り決めではない」として見直す意向を表明した。在韓米軍の駐留経費分担の見直しも求めた。日本政府は警戒が必要だろう、としている。

韓国の大統領と、アメリカの大統領、どちらが先に大統領職から外れるだろう?その質問に、自信を持って答えられない現実が、いまの北朝鮮問題、中国にキー・プレーヤーを演じて欲しいという願望が、期待ほど機能しないことを示している。文氏がトランプ氏に忠実に見えたが、中国や北朝鮮がトランプ氏に恐怖を感じていたのは、もう過去のことだ。アメリカ国内でも、G7でも浮いている存在になったトランプ大統領の言うことを、なぜ聞かなければならないのか?いつまで大統領か判らない人と対話する意味があるのか?いまのトランプ政権は、苦笑いしかできない。対話を否定するのは自由だが、いまのアメリカは圧力を行使できるほどの畏怖を手にしていない。世界でトランプ氏を恐れている人がどれだけいるだろう?

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