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3030.報道比較2017.6.19

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非の打ち所なし、ウィン・ウィンそのもののアマゾンのホールフーズ買収。学べることばかりだ。

Wall Street Journal
アマゾン旋風、食品スーパーに到来 (2017.6.17)

オンライン販売の巨人アマゾン・ドット・コムにとって、自然食品チェーン大手ホールフーズ・マーケットの買収は微々たる動きだ。だが、低迷する食品スーパー業界にとっては、買収は世紀の大転換となる。ホールフーズはアマゾンにとって、食品事業でこれまでになく大きな足掛かりとなる。ホールフーズが展開する約460店舗に加え、配送網も手に入るためだ。アマゾンはこれにより、現在は一握りの都市に限られている食料品の宅配サービスを多くの市場に急拡大できる。ホールフーズが取り扱う高級品の多くは利幅が大きいこともあり、同社の利益率は食品小売り競合に比べかなり高い。ホールフーズの粗利益率は34%なのに対し、米食品スーパー最大手のクローガーは21%だ。アマゾンが小売り事業と同様に食品スーパー事業でも低い利益率で成功できれば、業界の収益性は急速に圧迫されかねない。アマゾンにとって微々たる動きかどうかはともかく、買収額は同社にとって過去最大で、食品業界への影響は甚大だ。アマゾンが新事に参入すれば、その業界では誰もが恐るべきニュースと受け止めるが、投資家の反応は今回もその例に漏れないことを示している。アマゾン旋風がついに、大きな音を立てて食品スーパーに到来したことになる、としている。

株価を見れば、今回の買収が、ウィン・ウィンそのものだったことが判る。中国政府が言うまやかしのウィン・ウィンではない。誰にとっても価値のある、価値ある買収だった。Wall Street Journalも非の打ち所なしと称賛している。
ホールフーズに、私はサンフランシスコのAppleの技術者会議でよく世話になった。日本の明治屋、成城石井のようなスーパーマーケット。レストランで食事するのは億劫だが、いつもフードコートというわけにいかない。遅い時間でも、家族連れでも気楽に行けるマーケットだった。アマゾンとのシナジーは、想像しただけでワクワクする。ブランド価値も高い、ナンバー・ワンのスーパーマーケットを手中に収める姿を見て、アマゾンの発想はよりレベルが高くなったのを認識した。もはや、彼らはナンバー・ワンしか興味がない。世界を変えられる、もっとも効率のいい手段を、最適なタイミングでやってくる。学べることばかりだ。

人民網日本語版
92後世代の若者 視野広がり不安も増大 (2017.6.17)

中国に昔からあった、労働によって富を生み出し、生産によって資産を積み上げるという考え方が、若い世代の間ではまったく違ってきている。1992年以降に生まれた新世代の青年「92後世代」は、かつてないよい時代に出会ったといえる。彼らは一様に優れた物質的環境の中で育ち、上の世代の人々よりも広い視野をもつ。ロマンチックで情熱的だが思考や行動が足りず、こうした背景と特徴が彼らの直面する新しい生活がどんなものになるかを決定づけている。92後世代はインターネット業界の新貴族を崇拝する。その理由はなんといってもこの新しい富豪たちが体現する一連の価値観にある。環境保護に対する関心、動物愛護、同性愛文化の容認、市場経済への賛同などで、これは実際には1960年代に西側世界の青年が世界に抵抗していた時期に生み出された価値観だ。今の中国は世界での影響力がますます強まり、92後世代の中国人青年が世界に対してもつ意義と役割も今後顕在化するとみられることがある。数十年後には、彼らの習慣や見方が逆に西側のウォッチャーや青年たちに影響を与えるようになるのかもしれない、としている。

同じタイミングに、Wall Street Journalが中国のネット・ビジネスを称賛した記事が載った。

中国ネットビジネス、「防火長城」の中で隆盛 by Wall Street Journal

どちらの感覚も興味深いが、中国に行動力がないとはアメリカは認識していない。中国がアメリカほどのダイナミズムを求めているなら、まだ不足かもしれないが、そのために必要なのは、明らかに「自由と競争」だろう。つまり、政治が変わらなければ、これ以上の若い世代の挑戦は難しいのではないか。
一方、日本は中国にさえ置いていかれる現実は、ここでも顕著だ。日本の若い世代の挑戦を見てみたいが、どうにも能力と視野に乏しい。このギャップを埋めるには、日本を飛び出すのが一番だと思う。

毎日新聞・社説
PKO協力法成立から25年 国際貢献の歩み続けたい

紛争後の国づくりを支援する国連平和維持活動(PKO)協力法の成立から25年がたった。自衛隊の海外派遣に道を開き、戦後の安全保障政策の転機となった法律である。日本はこれまで計14のPKOや人道支援活動に延べ1万2000人余の自衛隊員を派遣した。民主的な国家再建の担い手として平和主義に裏打ちされた活動を続けてきた。住民との意思疎通に努め、一発の銃弾も撃たずに任務を果たしてきた。軍事力に偏重しない日本のソフトパワーは歓迎され、国益にもつながってきた。日本は「PKO参加5原則」を持つ。もともと国連の「3原則」である紛争当事者の同意、不偏性(5原則では中立)、自衛のための武器使用に停戦合意と撤収規定を加えた。憲法9条は海外での武力行使を禁じているが、PKOは国家間の戦争に介入するわけではない。そこでの活動が日本の主権行使にあたるわけでもない。国連PKOの変容に国内ルールが追いついていないのならば、憲法の理念に照らしてどこまで可能性を広げられるか、議論を深めるべきだ。平和の実現は日本が憲法でうたう国家目標でもある。その達成のために国際貢献の歩みを続けたい、としている。

普段なら2つある社説をひとつにした、重厚な内容。ただ、主張の主旨が解説をしたかったのか、遠回しで歯切れが悪いまま結論を語らない。世界に貢献せよと言いながら、2005年の国連の方針変更で仕事がなくなったのなら、日本は改革に取り残されたことになる。その発想は安倍政権に似ている。そこまでの覚悟はできない。武力も容認だと言うにはためらうが、何か仕事を見つけてやった方がいい。そんなブレが見える。朝日が疑問視する安倍政権の憲法改正だが、私は姑息な手など使わずに国民投票で決めるべきだと思う。まともに議論せず、毎日のようにブレた心情を政治が結論を出さずにそのまま世界に伝えてきた。その優柔不断がいつも日本の信頼を失わせてきた。迷いがあるのは当然だが、生きるからにはルールを作ってやっていく。それが法治であり、人間が集団で生きる際の術だ。そんな時にもっとも嫌われるのは「決められない人」だ。毎日は、未だに気づいていない。

朝日新聞・社説
憲法70年 国民投票は単独が筋だ

自民党は改憲原案を年内にまとめ、他党との協議をへて来夏にも国会として発議したい。それで、来年12月に任期が切れる衆院議員の選挙と一緒に国民投票をやろうというわけだ。シナリオ通りに進むかどうかは分からない。だが首相は先月のテレビ番組で「衆院選、参院選と国民投票を別途やることが合理的かどうか」と語った。周辺には「同時にやった方がいい」との考えを示したという。国民投票と衆院選を切り離して行うのが筋だと考える。理由は主に三つある。
 第一に、選挙運動には公職選挙法で厳しい規制があるが、国民投票運動には表現の自由や政治活動の自由への配慮から原則として規制はない。ルールの違う二つの運動が同時に展開されれば、混乱は必至だからだ。
第二に、同日実施はしないというのが、かねて与野党の共通認識であることだ。
第三は、首相らが同日実施をめざす背景に、一体化によって憲法改正への賛成機運を押し上げる思惑が透けることだ。
改正はできるだけ多くの政党や国民の合意に基づくべきだ。必要なのは、熱狂ではなく冷静な議論である、としている。

もう来年の選挙の話を?国会が閉じたと思ったらそんな話をはじめているとは、政治もメディアも無責任が過ぎる。

読売新聞・社説
通常国会閉幕 疑惑追及だけでは物足りない

通常国会が閉幕した。天皇陛下の退位を実現する特例法を巡っては、当初、一代限りの退位を主張する与党と、恒久的な制度化を求める野党の立場の開きが大きかった。与野党が歩み寄って、国会の見解をまとめ、特例法を円滑に制定したことは高く評価できよう。政府・与党が、2020年東京五輪に向けてテロ対策を強化するため、今国会での成立をぶれずに目指したのは適切だった。残念なのは、国会の中盤以降、野党が学校法人「森友学園」と「加計学園」の問題の追及に終始したことだ。どちらも、安倍首相や昭恵夫人と親しい学園理事長に便宜を図るような不適切な行政の有無が焦点とされた。結果的に、経済成長と財政再建の両立、北朝鮮の核・ミサイル問題などの大切な議論が後景に退いてしまった。その責任は、主に野党にあるが、政府・与党も十分に役割を果たしたとは言えない。政府が、文部科学省の内部文書の再調査を拒否し続けたのは、頑迷だった。疑惑や疑問については、はぐらかさず、謙虚かつ丁寧に説明する姿勢が求められよう。党首討論は一回も行われなかった。開催方法や時間配分など、あり方を再検討する必要がある、としている。

疑念を放置して閉会した国会を国民は不信感で見ている。その現実から目を反らしているのは、読売だけだ。

産経新聞・社説
日韓「慰安婦」合意 文在寅大統領の「解決に時間」とは耳疑う 謝罪優先の日本政府も問題を長引かせてきた

韓国の文在寅大統領が自民党の二階俊博幹事長との会談で、慰安婦問題の日韓合意に関し、「解決には時間が必要だ」と述べた。国家間で「解決済み」の問題になぜ時間を要するのかが、まず理解しがたい。蒸し返すような発言は許されないし、聞き流すこともできない。一昨年12月、日韓両国の外相は慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認し、世界に向けて表明した。これを反故にするのであれば、自ら国際的信用を失うことになる。そもそも慰安婦問題を含む戦後補償問題は、昭和40年の日韓国交正常化に伴う日韓請求権・経済協力協定で解決済みである。日本が無償3億ドル、有償2億ドルの供与を約束し、両国とその国民の請求権問題は「完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」と明記された。これらを、韓国政府は国民によく説明しない。謝罪優先の日本政府の姿勢が、問題を長引かせてきたことも忘れてはならない、としている。

おカネを返してリセットでいいのではないか?韓国もここまで言われるとそう思うだろう。産経の是非論からは、なにひとつ生産的な案は出たことがない。正しいだけでやさしくない国に日本をしたいようだ。

日本経済新聞・社説
東芝の決算巡る迷走は見るに堪えない

15年に会計不祥事が発覚して以来、東芝は決算発表の遅延をくり返してきた。このため同社株式は信頼に足る財務情報に基づいた投資の判断ができず、今では投機の対象になってしまった。日本を代表する名門企業の決算を巡る迷走は見るに堪えない。まずは東芝が監査を担当するPwCあらた監査法人と十分に話し合い、前期決算の適正意見を早く得られるよう努めなければならない。できることなら期限に間に合ったほうがよい。東京証券取引所は現在、内部管理の不備などを理由に東芝を特設注意市場銘柄に指定している。事態が改善しなければ東芝株は上場廃止の可能性が強まる。東証を傘下に持つ日本取引所グループの清田瞭グループ最高経営責任者は16日の記者会見で「東芝が監査法人と意思疎通をはかり問題を解決できるか、成り行きを見守りたい」と語った。東芝問題をきっかけに、東証は大企業の不祥事に対して厳しさを欠くと見る市場関係者が増えているようだ。問われているのは一企業の決算ではなく、日本の株式市場の公正さだ、としている。

延々と遅延を許している証券取引所の問題ではないか?さっさと非上場にすればいいだけだ。最近、株価の分析で「東芝を除いて」という分析を良く聞く。マーケットにとっては、いつ消えても問題ない会社だ。いい技術と人材を誇るなら、むしろ一度退場して出直すべきだろう。そのための資金を銀行は出すべきであって、延命のための資金を与える必要はない。

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