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3029.報道比較2017.6.18

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結果が出てから悔やむジャーナリズムは、機能していないのと一緒。夜明けはまだ遠い。

朝日新聞・社説
安倍政権 「議論なき政治」の危機

通常国会がきょう閉幕する。150日間の会期を振り返って痛感するのは、民主主義の根幹である国会の議論が空洞化してしまっていることだ。象徴的なのは、国会最終盤の「共謀罪」法案の採決強行だ。首相や妻昭恵氏の関与の有無が問われている加計学園、森友学園をめぐる野党の追及から、身をかわすように。不都合な質問は、国会で何度問われてもまともに答えない。質問と直接関係のない話を延々と続けて追及をかわす。そんな首相の答弁が連日のように繰り返される。野党議員の背後に、多くの国民がいることが目に入らないかのように。海外からの指摘にも聞く耳をもたないようだ。共謀罪法案について、国連特別報告者からプライバシーや表現の自由の制約を懸念する公開書簡が届くと猛反発。首相自ら国会で「著しくバランスを欠き、客観的である専門家のふるまいとは言いがたい」と報告者個人を非難した。民主主義の基本ルールをわきまえない政権が、数の力を背景に、戦後70年、日本の平和と民主主義を支えてきた憲法の改正に突き進もうとしている。いま日本政治は危機にある。この国会はそのことを鮮烈に国民に告げている、としている。

毎日新聞・社説
議論封じて国会閉会 これは議会政治の危機だ

国会がきょう閉会する。会期を延長しなかったのは、学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題で、これ以上追及されたくないと首相や与党が考えたからにほかならない。次の言葉が、この国会を象徴していたように思える。「首相に対する侮辱だ」「森友学園」問題で、それまで自民党が消極的だった籠池泰典・同学園前理事長に対する証人喚問を一転して行うことを決めた際、同党の竹下亘国対委員長はそう語った。行政がゆがめられていないか。与党であろうと厳しくチェックするのが国会だ。「加計」問題の対応も含め、今の自民党は首相の意向を絶えずそんたくする政党のようだ。首相の姿勢や手法に対して自民党から異論がほとんど出ず、公明党も自民党の独走を抑止する役目を果たしていない。深刻なのはそこだ。議会政治の危機だ。この国会で何が起きたか忘れないようにしたい、としている。

申し合わせたように似た表題を付けた朝日と毎日。結果が出てから悔やむジャーナリズムは、機能していないのと一緒。自らの反省も述べて欲しかった。森友学園では、追求が遅咲きだった。加計学園の追求は、2つめならもっとうまくやれた気もする。ただ、格段にジャーナリズムの持つべき権力への反抗と、国民意識の結束は見られた。前官僚の意見の方が、権力を持つ政府よりも正当で信頼できる言わせることができたのは、ジャーナリズムの復権だった。願わくば、これを共謀罪の法案の議論でやって欲しかったし、まるで前進が見えない経済活動や行政の課題でやって欲しい。スキャンダルで安倍政権を倒したとして、得られる成果は特区への過剰な政府介入を阻止するくらいだ。無駄遣いが減るレベルでは大した効果はないし、本質的な行政特区への足枷になるなら、規制強化に陥る。政権の暴走を止めるには機能するかもしれないが、日本の改革を加速するには至らない。夜明けはまだ遠い。

読売新聞・社説
介護保険改革 自治体の主体性が問われる

介護保険制度改革へ向けた「地域包括ケアシステム強化法」が、自民、公明の与党と日本維新の会などの賛成多数で成立した。柱の一つは、経済力に応じた負担を徹底させることだ。現役世代並みの所得がある高齢者については、自己負担割合を現行の2割から3割に引き上げる。利用者の3%に当たる約12万人が対象となる見込みだ。2018年8月から実施する。もう一つの柱が、自立支援・重度化防止の促進である。自治体に対し、高齢者の要介護度を維持・改善するための対策と目標を介護保険事業計画に記載するよう義務づけた。成果を上げた自治体には、財政支援する。政府は、財政支援に当たり、介護予防対策の実施状況なども評価する方針だ。自治体の努力を適正に判断することが求められる。自立支援型ケアのノウハウや、担い手となる人材に乏しい自治体は少なくない。政府による支援も必要だが、最も大切なのは、自治体の主体的な取り組みである、としている。

せっかく仕事をしても、人格を疑われると結果の評価も半減する。それは民主党政権が未だに味わっている苦渋でもある。いま、安倍政権が直面しているのは、それに似た信頼の喪失だ。必死に政権を評価するのもいいが、正しく延命するには、問題点は適切に指摘しなければならない。それとも誉め殺しだろうか?

産経新聞・社説
JR西無罪確定 遺族の無念を安全に刻め

乗客106人が犠牲になった平成17年4月のJR福知山線脱線事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴されたJR西日本の歴代3社長に、最高裁は検察官役の指定弁護士の上告を退ける決定をした。1、2審の無罪判決が確定する。強制起訴は、純然たる法的判断より被害者の感情に寄り添うあまり、無罪になるケースが多い。長期の裁判を強いられる被告の負担も大きい。制度のあり方には検討を重ねるべきだろう。 一方、現行刑法では過失責任は個人にしか問えない。遺族らは、重大事故を起こした企業に巨額の罰金を科す「組織罰」の法制化を訴えている。企業に高い安全意識を植え付けるためにも、考慮の余地がある。歴代3社長の無罪は“免罪符”ではない。JR西日本は、事故を起こした責任を重く受け止め、より万全な安全対策に取り組まなければならない。多くの乗客を運ぶ鉄道事業者にとって、安全こそ最大のサービスである。全社的にそうした意識を徹底する企業風土を確立すべきだ、としている。

日本経済新聞・社説
安保を理由に鉄鋼輸入を抑えれば問題だ

トランプ米政権は自国の安全保障を脅かしているという理由で鉄鋼の輸入制限措置を検討する方針だという。そもそも米国でも鉄鋼輸入が安全保障上の障害になるとの見方は少ない。米国の鉄鋼消費に占める輸入の比率は3割程度にとどまる。主要な調達先もカナダ、韓国、メキシコなど友好国が大宗を占める。国防上必要な鉄鋼が供給できなくなる事態は中期的に見ても想定できない。また、米国はこれまでも、安値の対米輸出で国内産業が被害を受けているという理由で鉄鋼の輸入品にひんぱんに反ダンピング(不当廉売)関税をかけてきた。これによって国内鉄鋼産業は保護を受けた形になっており、鉄鋼製品の国内価格は本来の姿に比べて高くなっているとの指摘もある。鉄鋼については、中国の過剰設備問題など対処すべき課題があるのは確かだ。これは多国間対話などで解決すべきものだ。高関税の脅しや一方的な措置で成果を得ようとするやり方は間違っている、としている。

いつの話?産経の話題は5日前、日経の話題はアメリカが5月の連休中に言い出した話だ。日経はカレンダーでも間違えたのかと思えるほど昔の話をしている。新聞が自滅しているのはインターネットのせいではない。仕事の質が下がっている。

人民網日本語版
グローバル・ガバナンスに新たな原動力を注ぐBRICS (2017.6.17)

近年、孤立主義、テロリズム、保護貿易主義が台頭し、グローバル化は十字路に立ち、世界は不確定性を増している。こうした中、発展途上国のリーダーとしてBRICSは揺るがぬ力を保ち、世界経済の回復、グローバル・ガバナンスの整備、グローバル化の推進に新たな貢献をしている。これは過去10年間の貢献の延長であり継続だ。2016年に10年目を迎えたBRICS協力体制は、2017年に第2の10年間に入る。BRICSの優位性は明らかだ。BRICSは世界の人口の44%、国土面積の30%近くを占め、巨大な人口と市場を擁し、豊富な資源に恵まれ、科学技術革新と新技術が急速に進展し、各国間の経済の補完性が高く、発展上の訴えが近い。中国は「世界の工場」であり、130以上の国にとって最大の貿易パートナーで、整った工業システムを持つ。習近平国家主席は2016年のBRICSゴアサミットで「われわれはマクロ経済政策の調整を強化して、経済・貿易の大きな市場、金融の大きな流通、インフラの大きな連結、人・文化の大きな交流の推進を足がかりに、国際開放協力の最前線へと向かい、国際社会で積極的にリーダーシップを発揮する必要がある」と指摘した、としている。

投資銀行なら実績をアピールして欲しい。セールスマンのような話題より、ひとつでも小さな成果を発表したらどうだろう?

Wall Street Journal
米国人学生の昏睡の真相、北朝鮮から得られるか (2017.6.17)

北朝鮮で拘束中に脳に深刻な損傷を負った米国人大学生オットー・ワームビア氏。同氏は解放され、昏睡状態のまま帰国したが、大きな疑問は残ったままだ。昏睡は北朝鮮がもたらしたものなのかという点だ。医師団や米国の親族がその答えを探す一方、北朝鮮に拉致された日本人の家族の経験からは、北朝鮮政府から信頼できる説明を得ることがいかに難しいかが分かる。ワームビア氏が回復し、脳の損傷の原因を説明できるようになるかは不明である。医師団によると、脳の組織に重度の損傷を負ったワームビア氏は「反応のない覚醒状態」にあるという。2002年10月に日本人拉致被害者5人が帰国を果たした。日本はそれ以来、拉致被害者のその後に関する完全な説明を求め、北朝鮮と数度の協議を重ねてきた。2014年、日本政府が北朝鮮に対する経済制裁の一部を解除したことを受け、北朝鮮は拉致被害者を含む全ての日本人に関する新たな包括的調査を実施すると約束した。ところが2016年、北朝鮮のミサイル実験を受けて日本が新たな制裁措置を科すと、北朝鮮はそれを理由にその調査を中止した。米国は北朝鮮の核・ミサイル開発を巡り、新たにより厳しい制裁を科すことで同国への圧力を強めようとしている。レックス・ティラーソン米国務長官は今週、下院委員会で、政府が北朝鮮への渡航禁止を検討しているが、決定には至っていないことを明らかにした、としている。

この記事が示すような感情をアメリカ国民が感じはじめれば、アメリカの行動は迅速になるだろうが、今のところ、その衝動は感じられない。北朝鮮への恐怖心は確実に上がっているようだが、行動に駆り立てられる危機感が、アメリカに生まれたようには見えない。

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