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3028.報道比較2017.6.17

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水が上から下に流れるように、市場は適切に最適解を得るようにできている。余計な介入を政治がする必要はない。

Wall Street Journal
エネルギー輸出拡大で米国が得た教訓 (2017.6.16)

今や米国はエネルギー超大国となり、米国の石油・ガス輸出が世界市場の新たな均衡を形成しようとしている。さらに注目すべきは、米政府が号令をかけた計画ではなく、民間部門の投資や技術革新、貿易がこの優位性をもたらしたという点だ。米国が天然ガス生産量でロシアを抜いて2009年から世界首位を守り、石油炭化水素でサウジアラビアを抜いて14年から世界首位の座にいるのは、水圧破砕法(フラッキング)と呼ばれるシェールオイル・ガス抽出の技術革命に負うところが大きい。今では良く知られた事実だ。米国の原油輸出解禁は、15年に予算を巡る議会共和党指導部とオバマ前政権の妥協の産物として実現した政策上の大きな勝利だった。オバマ大統領の署名と引き換えに、共和党はグリーンエネルギー助成を数年間延長することに同意した。だが、左派から原油輸出への反対の声が高まることは必至だった。共和党指導部はこの政策の勝利を法令で定めることに、取引の価値があると理解していた。今やその考えの正しさは証明されている。輸出拡大によって米国の労働者やエネルギー生産に恩恵をもたらしているからだ。この経緯全てが自由市場におけるエネルギー政策の教訓であり、時には部分的勝利を受け入れる知恵が必要だと教えてくれる。直近2代の大統領――バイオエタノールを推進しようとしたジョージ・W・ブッシュ元大統領もそうだ――はエネルギーの変化を引き起こす政府の力を過信していた。トランプ大統領は両氏の例に倣うつもりはないようだ。それは結果として国民の利益になるだろう、としている。

週末でなくとも、社説で読みたいのは、加計学園やロシア・ゲートではなく、こんなイノベーションや市場原理が適切に機能している事実を知らせる社説だ。水が上から下に流れるように、市場は適切に最適解を得るようにできている。余計な介入を政治がする必要はない。政治がもっとも苦々しく思っていた問題は、イノベーションが解決した。この事実がもっと知られれば、政治が経済活動に果たすべきは介入ではなく、イノベーションを促すサポートと、過剰を押さえる規律までだ。あとは自由があれば、人は最適な答えを導く。
民間と呼ばれる人たちは、仕事に集中すべきだ。政治の判断を末必要はないし、彼らの援助に過度に頼るべきではない。
公務員と呼ばれる人たちは、政治の判断だけに依存する愚かさを再認識すべきだ。政治の介入でイノベーションなど生まれたことはない。
政治は権力を過信すべきではない。政治判断が未来を決めることはほとんどない。未来を決めているのは、民間が生み出したイノベーションだ。

朝日新聞・社説
加計学園問題 閉会中審査が不可欠だ

文科省が存在を認めた文書について、山本幸三地方創生相は、内閣府が文科省に対し、「『総理のご意向』『官邸の最高レベルが言っている』などと発言した認識はない」とする内閣府の調査結果を発表した。たとえ内閣府職員が強い口調で主張をしたとしても、それを文科省職員が「総理のご意向」と言い換えるだろうか。前川喜平・前文部科学次官はこの言葉について「圧力を感じなかったといえばウソになる」と証言している。実際に使われていないのに職員がメモに残すような言葉ではあるまい。文科省が公表したメールに、同学園と競合した他大学を事実上排除する条件が、萩生田光一・内閣官房副長官の指示で書き加えられたようだと記されていたことについて、山本氏は参院予算委員会でこう述べた。「(送信した内閣府職員は)文科省から出向してきた方であり、陰で隠れて本省の方にご注進したというようなメールだ」。事実究明は緒に就いたばかりだ。国会は閉会中でも審議はできる。証人喚問に応じるという前川氏を国会に呼び、直接話を聞くことは欠かせない。国民が納得できるまで説明を尽くす重い責任があることを、首相は自覚すべきだ、としている。

産経新聞・社説
「加計問題」調査 不信招く対応を断ち切れ

焦点は学部の新設についての安倍晋三首相の指示の有無となっている。安倍首相は「個別具体的に指示したことはない」と明言した。内閣府も「総理のご意向」などの発言をした職員はいないとの調査結果を発表した。一方で文部科学省は「ご意向」などの発言を伝える記録文書を確認したと発表している。文科省の文書は当初、怪文書扱いをされたが、再調査の結果、存在が明らかになった。これを受けて調査は不要だとしてきた内閣府も、一転して調査結果の公表に乗り出した。政権の統治能力を問われるできごとである。後手後手、小出しの発表は、何か後ろ暗いところがあるためかと勘ぐられても仕方がなかった。野党側は、前川喜平前文科事務次官の国会招致を求めており、前川氏も応じる意向を示している。呼んだらいいではないか。安倍首相はまた「法律にのっとった意思決定だったことに一点の曇りもない」と述べている。そうであれば内閣を挙げ、堂々と不信を振り払うべきだろう、としている。

毎日新聞・社説
「加計」問題で集中審議 苦しい弁明だけだった

首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題を中心とする参院予算委員会の集中審議が、国会の実質的な最終日となるきのう、やっと実現した。審議では文部科学省の内部文書を当初、「怪文書」呼ばわりをしていた菅義偉官房長官を含め、政府側はその存在を国会の場で認めた。これに対し内閣府の藤原豊審議官らは文書に残る「総理のご意向」などの発言自体を否定した。だとすると文科省が勝手に作文したというのだろうか。ところが内閣府には関係する文書は残っていないという。これでは説得力がない。首相は「意向を示したことも指示したこともない」と従来の答弁を繰り返し、この日は山本氏が「規制緩和策は私が決めた」と強調する場面が目立った。それでも首相の意向を周辺がそんたくし、行政がゆがめられたのではないかという疑問の核心は解消されなかったということだ。国会で解明を続けるよう改めて求める。閉会中審査もできる、としている。


週末、各紙の内閣支持率世論調査が行われ、どこの調査でも支持率は急落した。

安倍内閣支持率、41%に下落 朝日新聞世論調査 by 朝日新聞
安倍晋三内閣の支持率、8・5ポイント減の47・6% 加計学園の対応が影響か by 産経ニュース
内閣支持急落49%、加計説明「納得できぬ」75% 本社世論調査 by 日本経済新聞
内閣支持36% 前回から10ポイント下落 by 毎日新聞
内閣支持率49%、12ポイント減…読売調査 by 読売新聞
安倍内閣「支持」48%「不支持」36% by NHK

国会の感情的な安倍氏の対応、記者会見での菅氏の形式的な返答、首相を守ろうとする文科大臣、復興大臣…どれも印象を悪化させている。国会を閉じて済む話ではないのは確実。何をやってもうまくいかないまま放置すれば、逃げればさらに支持率は下がるに違いない。支持率は安倍政権の生命線だった。ついに末期だろうか。個人的には、ボロボロになっても増税までは安倍氏に責任を取って欲しい。アベノミクスという虚構の結末がどれだけ悲惨な結果になるのか、首相として後始末して欲しいと思っている。

日本経済新聞・社説
米の緩やかな利上げは長期安定に貢献

米国が今年2回目となる利上げを実施した。前回同様、金融市場は冷静に受け止め、波乱は起きなかった。米国経済は順調に拡大を続けており、緩やかな利上げの継続は長い目で見た内外経済の安定に貢献するとみていいだろう。利上げを決めた米連邦準備理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、量的緩和で膨らんだ保有資産の圧縮を年内に始める考えも示した。計画的に圧縮幅を拡大していく方針だが、経済や金融市場の動向に目配りすることも重要になる。ただ、政策のかじ取りは難しさを増す可能性もある。1つは失業率がさらに低下しても賃金が伸び悩み、物価上昇率が目標の2%へ進む道が見えなくなった場合だ。物価が上がりにくい「日本化」の懸念だが、そうなれば政策の見直しを迫られるかもしれない。2つ目はトランプ政権の経済政策が迷走するリスクだ。減税やインフラ投資の規模や実施時期はどうなるか、その財源はどう賄うのか。保護主義的な政策に本格的に動くのか。こうした政権の政策動向からも目が離せない、としている。

読売新聞・社説
FRB利上げ 「出口戦略」は柔軟かつ慎重に

米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を年1~1・25%に引き上げた。3月に続く利上げで、金融引き締めに転じた一昨年末から数えて4回目となる。0%台を脱するのは8年半ぶりだ。発表した今後の利上げ予想によると、当面、年3回程度のペースで着実に継続する。注目されるのは、FRBが「保有資産の縮小」に踏み出す方針を明らかにしたことだ。今秋にも開始するとみられる。FRBはリーマン後に導入した量的金融緩和で、米国債などを大量に買い入れた。現在の保有資産は4・5兆ドルと、金融危機前の4倍超に膨れ上がっている。ただし、縮小を急ぎ過ぎると、長期金利が跳ね上がり、米経済に打撃を与えるリスクがある。FRBは今回、市場での債券売却はせず、償還満期を迎えた分の一部を再投資に回さない手法を採用した。何年もかけてゆっくりと資産縮小を進める計画だ。金融正常化に向けたFRBの資産縮小は、世界に例のない取り組みとなる。いまだに大量の国債購入を継続している日銀も、米国の動向を注視し、将来に備えておくことが重要である、としている。

マーケットはすっかり消化したFOMCの話題を週末前に選んだ日経と読売は、話題選びの時点で議論を避けている印象。いま、国内紙の着目は安倍政権の失態のはずだが、読売は応援の意味で、日経は我関せずを演じるために話題を避けたように見える。思った以上のタカ派だったこと以外、今回のFOMCのインパクトは小さい。いよいよ暴落の導火線には火がついた印象だが、全国紙がそんな危機感を社説で書ける筈もない。当たり障りのない社説は、退屈で無益だ。

人民網日本語版
世界の人権ガバナンスを推進する「中国の案」 (2017.6.16)

国連人権理事会第35回会議開催中の14日、中国側がジュネーブで開催した国際シンポジウム「人類運命共同体の構築と人権」によって、世界は人類運命共同体という重要理念に内在する人権要素に注目し、世界の人権ガバナンスに与えるその新たな原動力を悟った。人類運命共同体の構築は、中国が21世紀に打ち出した世界発展のビジョンである。「国際社会はパートナーシップ、安全保障構造、経済発展、文明交流、生態環境整備などの面から努力する必要がある」。習主席は人類運命共同体構築行動の要諦を明示した。今年に入り、重要理念「人類運命共同体の構築」は国連決議、国連安保理決議、国連人権理事会決議に相次いで盛り込まれ、国際人権対話の重要議題となった。人々は人類運命共同体の理念が、人権の主体において人類全体を強調し、人権の内容において共通の安全と共同の発展を強調し、人権の本質において共通の利益と共通の価値を強調し、人権の実現において共通の義務と共同建設・ウィンウィンを強調し、公正で合理的な国際人権ガバナンスシステムの構築にとって重要な指導的意義を持つことを日増しに認識している、としている。

似たようなビジョンは、世界中で何度も発されている。中国の国家主席から、こんな理想主義の提案が出たのは驚きであり、いよいよ中国も自由主義にでも傾くのかと誤解しそうになる。なぜガンジー、マザー・テレサ、ネルソン・マンデラ、キング牧師…自由の人といわれる人たちが称賛されるかは、明らかだ。彼らは語っただけではない。行動した。習氏には、それだけの権力は手中にある。動くかを決めるのは、彼自身だ。今のところ、彼が自由の祖、世界平和に貢献した人と思っている人は、世界でもわずかだろう。ポエムなら引退してからで十分だ。

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