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3027.報道比較2017.6.16

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姑息な手を使って法案だけ成立させた与党。さあ、追いつめよう。今日の戦略特区法の改正、許していいのだろうか?

日本経済新聞・社説
あまりに強引で説明不足ではないか

まず、ニュートラルな立場を維持した日経。半分が共謀罪の採決での理不尽さ。半分が加計学園の再調査。国民の感覚に近い。いまの国民の感覚は、民主党政権の末期に近づいている。「誰でもいいから、この人だけはイヤ」と、当時の菅直人氏に嫌悪感を抱いた人は多い。安倍氏が他の選択肢との比較と、日銀のおかげで何となく景気回復したような錯覚で維持してきた支持率が「人柄が信頼できない」の比率の高まりで低下している。安倍氏の信頼度が下がると、政府の結束が乱れる。安倍氏以外は「次の仕事、次のボス」を意識する。離反者が出れば、今回のようなスキャンダルで告発、リークは止まらなくなるだろう。
もう加計学園の次の火種は固有名詞が出始めている。国会が終わるかは問題ではなくなる。国民の不信感を高めるか、検察を動かせば、政権交代の可能性はゼロから一気に高まるだろう。風向きが変わりはじめている。

朝日新聞・社説
権力の病弊 「加計」解明これからだ

加計学園の獣医学部新設をめぐる「総理のご意向」文書などについて再調査した結果、国会や報道で指摘されたものと同じ内容の文書が見つかった。松野文部科学相がそう発表した。先月の調査で「確認できなかった」こと自体が疑問だ。職員の間でやり取りしたメールなど、パソコンを検索すればすぐに見つかる。そうできない何かがあったのではないかと思うのが、大方の受けとめだろう。問題の核心は、開学時期や手順について内閣府が文科省に伝えたとされる「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」の趣旨だ。文科省職員は調査に「真意はわからない」としか答えなかったという。加計学園をめぐっては、国の発表前に地元自治体が開学時期を把握していたことなど、その「公平公正」を疑わせる事実がいくつか明らかになっている。さらに、きのう文科省が明らかにしたメールからは、同学園と競合した他大学を事実上排除する条件が、萩生田官房副長官の指示によって書き加えられたという新たな疑惑が浮かんだ。内閣の姿勢をチェックし、ただすのは国会の使命だ。このことに、与党も野党もない、としている。

毎日新聞・社説
加計文書の再調査結果 「総理の意向」確認は重い

学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を巡り、文部科学省が再調査の結果を公表した。松野博一文科相は「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと書かれた内部文書の存在を認めた。政府が当初「怪文書」扱いしていた文書が確認された事実は重い。官邸の関与の有無について、国会は解明に取り組む必要がある。確認された文書から浮かぶのは、人事権を握る首相官邸の、中央官庁に対する圧倒的な影響力だ。菅義偉官房長官は、文書の存在を認めた前川喜平前文科事務次官の人格攻撃ともとれる発言をしていた。官邸の関与の実態解明には、前川氏や藤原氏らの国会での証言が欠かせない。与党が「共謀罪」法の成立を急いだのは、国会を延長せずにこの問題の追及をかわすためとも見られている。参院ではきょう首相出席の集中審議が開かれる。国会が閉幕しても、閉会中審査の証人喚問も可能だ。疑惑にフタをしてはならない、としている。

共謀罪成立への手続きより、加計学園。それくらい、国民の不信が高まっている現れだ。安倍政権を信頼していない人たちは、このチャンスを活かすことに集中した方がいい。共謀罪、憲法改正は、いまの政権を崩せば外圧で軌道修正は可能だ。国連の共謀罪への懸念は本気だ。オリンピックのため、テロのためと国際的な歩調合わせを強調していた論理は破綻している。問題ある法として認識させれば改正は可能だろう。
加計学園問題の墓穴は大きくなっている。今日、戦略特区法の改正を採決するらしい。総理の意向が目立つ運用がこれだけ出てくる中、採決は妥当なのだろうか?国会を閉じるなら、検察をいよいよ動かす時期だろう。

産経新聞・社説
テロ等準備罪成立 国民を守るための運用を 海外との連携強化に生かせ

国民の生命や財産をテロや暴力団犯罪から守るため、共謀罪の構成要件を厳格化した「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法が成立した。7月11日にも施行される見通しである。野党は強く反発したが、新法の成立をまず評価したい。国連が採択した国際組織犯罪防止条約(TOC条約)の批准条件を満たし、これでようやく日本も締結することができる。2020年には東京五輪・パラリンピックを控えている。日本がいつまでも、テロや組織犯罪に対峙する国際社会の弱い環でいるわけにはいかない。一刻も早い新法の成立が望まれたゆえんである。テロリストは、国会の都合を待ってはくれない。テロなどの凶行は許さない。テロ等準備罪の新設には、そうした日本の決意を内外に示す意味がある。これは、テロとの戦いのスタートにすぎないことも、改めて認識すべきである、としている。

読売新聞・社説
テロ準備罪成立 凶行を未然に防ぐ努力続けよ

テロ等準備罪を創設する改正組織犯罪処罰法が、参院本会議で自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。安倍首相は「国民の生命、財産を守るため、適切、効果的に運用していきたい」と語った。犯罪の芽を事前に摘み取り、実行を食い止めることが、テロ対策の要諦である。「既遂」を処罰する日本の刑事法の原則に縛られたままでは、有効な手立てを講じられない。テロ等準備罪が必要とされる所以である。改正法の最大の利点は、国際組織犯罪防止条約の締結が可能になることだ。締結国間では、捜査情報のやり取りなど、迅速な捜査共助が容易になる。犯罪人の引き渡しもスムーズにできるだろう。与党が、参院法務委員会での採決を省略し、審議経過などに関する委員長の「中間報告」で済ませたのは、乱暴な対応だった。7月に東京都議選を控え、野党が徹底抗戦の構えを取ったため、採決時の騒動を避けようとしたというが、かえって与党の強引な国会運営が印象づけられた、としている。

産経と読売は、まだ政府のイヌを演じつづけるようだ。加計学園の問題には触れさえしない。ここまで露骨にジャーナリズムに背を向けるとは、政権とともに崩壊も覚悟しているのだろうか。それほどの危機だと感じていないなら、傲りは政権と一緒だ。

Wall Street Journal
北朝鮮が解放の米国人男性、脳に重度の損傷 (2017.6.16)

北朝鮮に1年余り前に拘束され、今週解放された米国人学生オットー・ワームビアさん(22)は脳神経に重度の損傷を負っている。オットーさんが入院したシンシナティ大学メディカルセンターの広報担当者が15日明らかにした。オットーさんの父フレッド・ワームビアさんは同じ記者会見で、息子の帰りに家族は安堵(あんど)したが、オットーさんが「長期にわたり、あまりにも残酷な扱いを受けた」ことに憤りを感じていると話した。オットーさんは北朝鮮を旅行した際に政治関連のポスターを盗んだとして15年の懲役刑を言い渡された。2016年1月に空港で身柄を拘束された。北朝鮮は先週、オットーさんはボツリヌス中毒症にかかり、睡眠薬を服用した後に昏睡(こんすい)状態に陥ったと米政府関係者に伝えていた。だが家族はこの説明を退けている、としている。

これでトランプ政権は北朝鮮敵視を強めるだろうか?興味深い。拉致問題の解決を望む人たちの期待に応えるほどではないだろうが、アメリカ人の人権意識、政治の人権保護へのコミットメントは強い。トランプ氏は支離滅裂だが正義感は強い。中東に優先順位を移す中、北朝鮮問題にアメリカ政府はどう対処するだろうか。

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