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3014.報道比較2017.6.3

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トランプ氏のアプローチで、次の時代が来るとは、アメリカ人さえ思わないだろう。アメリカ第一と守りに入るほど先行きは暗い。

Wall Street Journal
米5月の就業者数、13.8万人増に鈍化 失業率16年ぶり低水準 (2017.6.2)

米5月の雇用統計では、就業者数の伸びが鈍化したが、失業率は約16年ぶりの低水準となった。ひっ迫する労働市場で雇用者が採用ペースを落としている様子が浮き彫りになった。労働省が2日発表した非農業部門就業者数(季節調整済み)は前月比13万8000人増。3月と4月の就業者数は下方修正された。5月の失業率は4.3%(4月は4.4%)で、2001年5月以来の低さとなった。5月の平均時給は前月比0.04ドル増の26.22ドル。前年同月比では2.5%上昇した。やむなくパートタイム職に就いている人や職探しを諦めた人も含めた広義の失業率は8.4%(4月は8.6%)。この1年では通常の失業率よりも大幅に低下した、としている。

いまのアメリカ経済の好況は、どうやら誰もが言うようにそろそろピーク・アウトが近い。次の好況のためには、それなりの停滞と、新しいイノベーションがいる。トランプ氏のアプローチで、次の時代が来るとは、アメリカ人さえ思わないだろう。アメリカ第一と守りに入るほど先行きは暗い。挑戦や競争から、人は次の道を見つけてきた。アメリカ人がもっとも知っている教訓のはずなのだが。
日本は、30年も挑戦を避けてきた。夜明けは相変わらず来ない。

朝日新聞・社説
パリ協定 米離脱でも結束守れ

トランプ米大統領が、地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」からの離脱を表明した。温暖化対策に積極的な欧州の主要国や、中国、日本などは米国への失望や協定の維持を表明した。まずは国際社会が結束し、繰り返しトランプ氏に再考を促していかねばならない。合意を主導した国の一つが米国だったが、トランプ政権はその功績を捨て去ろうとしている。石炭産業などを念頭に、パリ協定が雇用創出の重しになっていると主張しており、国内での支持基盤固めを優先した。しかし、その米国内でも強い批判が噴出している。異常気象による災害や凶作は世界各地で頻発している。米国に振り回されて時間を空費してはならない。日本の政財界には、温暖化対策が一部の産業に逆風になるとして消極的な意見も聞かれるが、対策強化が世界の潮流と見定めるべきだ。地球温暖化は、人類の将来をにらんだ超長期の課題だ。一時的に足並みが乱れても、持続可能な地球環境を維持するという目標に向け、着実に前進していく意思を持たねばならない。そして、有効な対策づくりに知恵を絞る努力を続けていきたい、としている。

産経新聞・社説
米のパリ協定離脱 日本は傍観で済ますのか

トランプ米大統領が地球温暖化防止対策の世界の新たな取り組みである「パリ協定」からの離脱を発表した。先進国のみが削減義務を負う現行の「京都議定書」に代わり、途上国も削減に加わるパリ協定の細目を固めつつある段階での翻意である。米国の離脱は、全世界がそろえた二酸化炭素(CO2)排出削減の足並みを乱すものだ。離脱の理由として同氏は、パリ協定が米国にとって不利益をもたらすことを挙げた。露骨な「米国第一主義」の表れと言えばそれまでだが、実は地球温暖化問題の本質の一部を鋭く突いている。温暖化防止をめぐる国際交渉の現実は、CO2を弾丸とする経済戦争でもあることを如実に物語る対応なのだ。かけがえのない地球を守る美しい理想論だけで解決できる問題ではないことを、日本政府は再認識すべきである。パリ協定の新機軸である削減の自主目標方式の生みの親は、日本の産業界ではないか。この地球の難局にこそ、環境最先進国・日本の存在感を示すべきである、としている。

日本経済新聞・社説
米離脱によるパリ協定の形骸化を防げ

トランプ米大統領が温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を表明した。協定は温暖化ガスの2大排出国の中国、米国を含め「全員参加型」である点が重要だった。米国が抜けたことで途上国などが削減意欲を失い、協定が形骸化する事態は避けたい。米国はパリ協定の親条約「気候変動枠組み条約」の事務局費用の2割程度を受け持つ。途上国支援の基金も30億ドル(約3300億円)の分担を約束していた。途上国は支援と引き換えにパリ協定に合意した経緯があり、米国の方針転換を受けて温暖化ガスの削減努力をやめる国が出かねない。日本や欧州は技術供与などに力を入れ、これを食い止めなければならない。カリフォルニア州は厳しい独自規制を続けつつ、環境関連の産業育成に力を入れている。こうした動きを後押しし、将来の米国のパリ協定復帰への扉は閉ざさないようにしたい。協定離脱は外交上の地位や国際的な信頼の低下を招いたことも認識させるべきだ、としている。

毎日新聞・社説
米国のパリ協定離脱表明 人類の未来への背信だ

トランプ米大統領が、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を表明した。協定は米国にとって不公平で、経済や雇用の足かせになっており、再交渉や新たな枠組みの交渉を始めるという。「温暖化はでっち上げ」と発言するなど、トランプ氏は非科学的な発言を繰りかえしてきた。だが、温暖化の進行は、科学的知見に基づく国際社会の共通認識だ。米国は世界第2位の温室効果ガスの排出大国で、温暖化対策で高い貢献度を求められるのは当然である。 昨年11月のパリ協定発効で、脱炭素社会の構築に向かう世界の潮流は強まった。温暖化対策は新たなビジネスチャンスとも捉えられている。日本政府は50年に温室効果ガスを8割削減する目標の実現に向けた長期戦略作りを進めている。パリ協定で策定を求められているもので、既に公表済みの国もある。他国と連携してトランプ氏の翻意を促すためにも、具体化を急いでもらいたい、としている。

読売新聞・社説
米パリ協定離脱 世界の信頼失う愚かな判断だ

トランプ米大統領が、パリ協定からの離脱を表明した。国際社会の結束が問われる問題よりも、石炭産業の復興など、内向きの選挙公約を優先した。先の主要国首脳会議(タオルミーナ・サミット)で、日独仏などの首脳が残留するよう説得したにもかかわらず、思いとどまらなかった。自由貿易や対露政策を巡り、米欧間には溝がある。亀裂がさらに広がるのは避けられまい。中国に次ぐ排出国の米国は、京都議定書からも2001年に離脱している。トランプ氏は、今回の愚かな判断が米国の信頼を失墜させ、国際的な指導力を低下させる現実を認識せねばならない。米国の離脱は手続き上、早くても20年になる。それまでにも、米国から途上国への資金支援が停止するなど、悪影響が生じよう。日本など各国は、米国に翻意を促しつつ、パリ協定が骨抜きにならないよう、排出削減の取り組みを着実に進めることが肝要だ、としている。

昨日で、すでにこの話題を消化し切った中、国内5紙の遅い社説の説得力は極めて低い。新聞には起こり得る不利な状況だが、予定調和で済ませるのは残念だ。新たな視点を提供してくれる新聞社は、今の日本には期待できそうもない。

人民網日本語版
中日関係改善に日本は具体的行動を (2017.6.2)

最近、中日間の相互交流が活発だ。5月中旬、日本の安倍晋三首相は中国主催の「一帯一路」(the belt and road)国際協力サミットフォーラムに自民党の二階俊博幹事長を派遣した。中国の習近平国家主席との会談時、二階氏は安倍首相の「熱意のこもった、内容豊かな」親書を手渡した。5月末には楊潔チ国務委員が訪日し、日本側と第4回中日ハイレベル政治対話を行うとともに、日本側高官複数と交流した。中国は日本に善意を示すと同時に、譲れぬ一線と立場を明確にしてもいる。まず、中国は中国と中日関係を客観的に受け止めるよう日本に促している。中国が平和的発展に尽力するのは、地域の国々にとってチャンスであり、試練ではない。中国の地位と国際的影響力は高まり続け、「一帯一路」イニシアティブは広範な同意を得て、世界中に根を張りつつある。中日関係の状態は両国民の幸福に関わり、地域の平和・安定・発展にも関わる。日中関係の全面的改善を期待し、両国首脳会談の実現に尽力するのなら、日本側は積極的な姿勢表明、及び「互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」との政治的コンセンサスを具体的な政策と行動に反映させるべきだ。中国と同じ方向に向かって初めて、両国関係発展の障害を乗り越えることができる、としている。

いまの経済成長のペースを思うと、中国の主張は対等から強い要請に変わる日は近い。主従の関係になるだろう。日本はいつまで抵抗できるだろう?中国は、いつからリーダーとしての責任を果たすだろう?

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