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3001.報道比較2017.5.22

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センスは年齢ではない。世代でもない。

Wall Street Journal
ソフトバンク世界最大ハイテクファンド誕生の裏側 (2017.5.21)

ソフトバンクの記事が、日本メディアではなく、世界の経済紙からリリースされているのはポジティブだ。しかも、いつもミステリアスで意味不明、日本の価値観は理解不能と言われるような表現ではなく、グローバルなビジネスの中で日本のプレーヤーが、世界のルールに則って活躍している。すばらしい。
それでも、孫氏のビジネス・スタイルには、日本だけでなく世界から失笑を誘う面もある。ディールや投資中心。私は、その感覚が、どうしてもなじめない。ついにビットするカネの調達ができなくなったので、中東の富豪にまでカネを工面してもらいに行く。それで手がけるのは、またディール。研究開発ではない。つくるのではなく、どこかに売っているものを買いに行く。バイアウトはビジネスの生産性を高めるには、最適な手段のひとつということは知っている。だから「バンク」と名のつく会社なのかもしれないが…ソフトバンクはITカンパニーだという。ゴールドマン・サックスや、JPモルガンのような投資ビジネスか、ベンチャーキャピタルの方がしっくりくる。そしてなによりも、彼らは、テクノロジーで人を魅了したことは、まだ一度もない。ぜひ、孫子には、たったひとつでもいい、すばらしいサービスを創出して欲しい。

日本経済新聞・社説
日本のエレクトロニクスは復活するか

週明けの社説だからか、主張が乱れている。日本産にこだわるなと言いながら、自らが日本の、しかも電機の製造業に異常にこだわっている。こんなこだわりでマーケットを見失うから、日本は売れるものを作れないのだろう。前述の孫氏の方の感覚を学ぶべきだ。
いまや、家電でブランドなど必要ない。衰退したのではなく、消費者が求めているのは「Just works(まともに動くか?)」だけだからだ。使わないボタンや機能を、社員の給与のために付加されても、日本人さえ買わなくなった。アマゾンなら、動かないものは平然と返品される。クチコミに「期待外れ」「売値に見合う価値なし」と書かれる。ノー・ブランドでも、適切に動けば「十分使える」「この値段でしっかりしている」と推奨され、いくらでも売れる。そこに「どこのメーカーだかわからない」「日本製でない」などの言葉は皆無だ。Appleが台湾で作られていて文句を言う人などいない。台湾製だから安いとも、信じられないとも思わない。それはAppleというブランドだからではない。いまや、すべてのプロダクトは、ファンクションを売っている。ブランドは体験の一部だ。高値をつけられるマークだと思っているから、どんどん売れ残る。
部品だけで利益が上がる?すばらしいことだ。製品をつくれない?私はノーだと思う。いまはリスクを取るべきでないと思っている人たちと、IoTの時には、プロダクトの中心は部品になると知っている人たちは、いまのタイミングで出ていったりはしない。
日経が見ているのは株価と利益だけだろうか?現場を知るべきだ。

読売新聞・社説
TPP閣僚会合 11か国で早期発効へ歩み寄れ

週明けにTPPを話題にしたのは読売だけ。形式的で、外務省のリリースのような社説だが、重要な国際貿易の協定を取り上げたのが1紙だけとは、日本が経済オンチになった原因は政治だけではなく、マス・メディアも同罪、と残念になる。
読売の言うとおり、アメリカが離脱した状況は、日本にはチャンスであり、機会損失でもある。リーダーシップを担える機会と捉えれば、大きな果実を得られるかもしれない。輸出でGDPを回復したのなら、必須の試みではないだろうか?

朝日新聞・社説
安倍政権 知る権利に応えよ

知る権利とは、答えるものではない。ジャーナリズムが主張して、行使するものだ。新聞はどこまで怠慢になったのだろう?自らが動いて調べるべきものだ。

毎日新聞・社説
自民憲法本部の体制刷新 首相の政略ばかり目立つ

自民党内の闘争など、まるで興味が湧かない。こういう古い人材を刷新して欲しい。社説に老害を蔓延らせる原因になっている。

産経新聞・社説
「ロシア疑惑」捜査 公正な手続きで真相探れ

不思議な社説だ。見守るしかない事態なら、別に社説に書く必要もないだろう。ネタに困るような状況ではないが、もう1本がテニスの八百長…産経のセンスは、ずいぶん社会と乖離がある。

人民網日本語版
方向転換する日系企業 「敗退」乗り越え対中投資拡大 (2017.5.19)

記事は適切で、示唆に富んでいる。中国から撤退した日本企業の原因は、競争に負けたというのは半分以上事実だろう。残りの半分は政治的なルール変更が理解不能なこと、人件費高騰で生産系の進出なら中国にメリットを感じなくなった企業も多いはずだ。
中国も日本も、都合の悪いことは言わない。相手の問題を指摘して、自らの問題を言い逃れる。もし、中国にマーケットとしてのメリットが生まれれば、新たに進出する企業は日本にもたくさん現れるはずだ。だが、生産地として日本から中国への進出は想像しにくい。さらに人件費が上がり、ノウハウはすべて置いていけと政府に指示される国に、技術を持った日本企業は投資しないだろう。

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