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2990.報道比較2017.5.14

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私たちが軽視するものから大きな芽が出た時、どう対応したらいい?気づく前に考えておくのがベスト。早めにリカバーするのはベター。いつまでも遠ざけようとするのは手遅れを招く。

人民網日本語版
「一帯一路」国際協力サミットフォーラムに米、韓などの代表出席へ 中国 (2017.5.13)

中国外交部(外務省)の耿爽・報道官は12日の定例記者会見で、「『一帯一路』(the belt and road)イニシアティブは、開放的かつ包容力ある構想で、今月北京で開催される『一帯一路』国際協力サミットフォーラムの参加者を歓迎する」とした。同フォーラムには、米国の大統領特別補佐で、米国国家安全保障会議のアジア上級部長のマット・ポッティンガー氏が代表団と共に参加するほか、韓国国会元副議長のパク・ビョンソク氏が韓国政府を代表して出席するという。英国は、テリーザ・メイ首相の特使としてフィリップ・ハモンド財務相を派遣し、ドイツは連邦政府とアンゲラ・メルケル首相の代表として連邦政府経済エネルギー省のブリギッテ・ ツィプリース政務長官を派遣する。フランスからは、元首相で、参議院外交防衛委員会の委員長であるジャン=ピエール・ラファラン氏がフランスの首相を代表して代表団と共に出席し、日本からは、自民党の二階俊博幹事長が代表団と共に出席する。その他、欧州委員会(EC)のユルキ・カタイネン副委員長もフォーラムの関連イベントに出席する、としている。

Wall Street Journal
中国「一帯一路」、大盤振る舞いできぬ現実 (2017.5.10)

習氏が「一帯一路」構想を打ち出して4年がたったいま、国内経済の現実――成長鈍化、膨れ上がる債務、資本流出――が計画の足を引っ張り始めている。現実のプロジェクトは紛れもなく進行中だ。中国とラオスを結ぶ高速鉄道やスリランカの港湾施設、ベトナムやパキスタンの発電所、ネパールの国際空港などの建設現場では中国のブルドーザーやクレーンが動き回っている。オックスフォード・エコノミクスのアジア調査責任者、ルイス・クイス氏の集計によると、ここ数年、中国は一帯一路に関わる数十カ国に対し、毎年計1300億ドル前後を融資している。しかし、その大部分を貸しているのは商業銀行だ。一帯一路関連のインフラ事業への資金供給を担う政策銀行2行が手がけるのは約400億ドルにとどまる。一帯一路を念頭に設立されたアジアインフラ投資銀行(AIIB)やBRICS諸国の新開発銀行、中国の「シルクロード基金」による融資はようやく軌道に乗り始め、貸出額は合計で2400億ドルとなった。とはいえ、現在の貸し出し傾向が続けば、中国版マーシャルプランは宣伝されるほどの変革をもたらさない可能性がある。経済面で深刻な自信喪失にさいなまれている米国と欧州には、習氏の大胆な構想に見合う対抗策を打ち出す余裕はない。一帯一路は世界の中で経済的に見放された地域に明確な恩恵をもたらす。だが現状を子細に検討すれば、中国政府がその可能性を言い立てるのとは裏腹に、世界を影響下に置くという青写真の限界が浮き彫りになる、としている。

一帯一路のフォーラムの話題はNHKでも取り上げられ、日本からも参加者はいたはずだ。流通の導線に中国が積極的に投資するなら、ヨーロッパはもう少し盛り上がってもいいと思うが、まだ様子を見ている。アメリカはマネー以外での参入価値はゼロ。むしろユーラシア大陸に中国の構想どおりのルートができてしまったら脅威だろう。上昇のトレンドが見えたら、確実に投資に参加して利益を得るはずだ。
日本は中国に近いのだから、積極的に関わるべきテーマのはず。シルクロードは日本も巻き込んでいたという説さえあるなか、北京で構想が止まるのと、東京までつながるのでは意味が変わる。なぜ我田引水のしたたかさを見せないのか。中国がマネーを持っている時に、積極的にカネを使わせるチャンスだ。

日本経済新聞・社説
成長を続けるアマゾンの光と影

アマゾンは企業価値を示す株式の時価総額が4500億ドル(約51兆円)を超えた。背景には高い成長力がある。2016年の売上高は邦貨換算で15兆円に迫り、この規模でもなお、前年比増加率は30%近い。成長を続ける経営には日本企業も学ぶところがある。多くの電子商取引分野の企業のなかでアマゾンが勝ち残った理由はまず、徹底した顧客重視だ。商品に関する購入者の否定的な感想も紹介する。自社サイトで他社の商品も取り扱う。短期的に売上高が減る可能性があっても、顧客の立場でこうした取り組みを進め、支持を広げた。一方、アマゾンの急成長は新たな問題も提起している。ひとつは、健全な競争環境をどう維持するかだ。利便性などが評価を受け、アマゾンは電子書籍やクラウドサービスで高いシェアを獲得した。ただ、新規参入が難しくなると、中長期的に利用者に不利益が及ぶ恐れもある。もうひとつは、プライバシーの保護だ。アマゾンが収集する個人情報は急増している。米国などで販売している音声で操作するスピーカーは、家庭内の会話を把握できる。消費者は便利さの裏側にある仕組みを理解し、サービスを使う必要がある。アマゾンが持続的に成長するためには、自らを律することが欠かせない、としている。

日経読者のニーズ、日経の社説が見るアマゾンとは、この程度の表層的な存在なのだろうか。20年の節目の総括としても、ずいぶん粗い。この社説は何を求めているかが不明だからだろうか。アマゾンはアップルやグーグルよりもビジネスの領域が広く、深い。社名に託したアマゾン川のように、どこまでも流れ込む。どのビジネスも徹底さを感じる。日経が語っていない他の目立つトピックに触れてみよう。
中途半端はない。ダメなものは、さっさと撤退する。オリジナル・スマートフォンのFire Phoneも、eBayを脅かすといわれたオークションも、さっさとやめた。必要なことは、やると決めたらどれだけの赤字でもやる。流通には専用チャーター機も調達しはじめ、コンテンツ制作にも着手しはじめた。オリジナルの製品、プライベート・ブランドも浸透しはじめている。ショッピング・モールが崩壊の危機にあるアメリカでは、破壊者としてのアマゾンを批判しながら、ショッピング・モールの買収者、救世主にアマゾンを推す声も多い。ボスのベゾス氏はワシントン・ポストや宇宙開発にも取り組んでいる。自動運転、AI…当然のようにチャレンジしている。
さて…どこを見よう?何を学ぼう?ITに関わりがなくても、もはやアマゾンは日本に溶け込んでいる。成功者から学ぶべき点はいくつでもある。ただ解説するだけなら、10年後にアマゾンがどれだけ成長しても、なにひとつ学べない。ゴシップ紙ではないレベルの、経済紙としての視点で語るべきではないだろうか?日本が学習をこのレベルで考えているなら、まず学ぶべきは「学習」だ。

朝日新聞・社説
東電改革 福島への責任貫けるか

東京電力の新たな再建計画がまとまった。福島第一原発の事故に伴って膨らみ続ける損害賠償や廃炉などの費用をまかなうため、大胆な経営改革で「稼ぐ力」を高めることが主眼だ。東電にとって、被害者や被災地への責任をまっとうするのは、当然の義務である。ただ、収益目標のハードルは高く、実現が見通せない項目も目につく。絵に描いた餅にならないか、今後も検証しながら取り組む必要がある。収益力を高める新たな手としては、送配電や原発など事業部門ごとに他社との再編をめざすことを柱に据えた。エネルギー業界全体の改革につなげたい経済産業省の思惑もちらつくが、他の電力大手は東電の原発事故対応に巻き込まれるリスクを警戒する。実際に再編が進むかは不透明だ。東電がその責任を果たせないなら、国がさらに前に出るしかない。東電の解体論も高まるだろう。経営陣を一新して再出発する東電と政府は、国民の厳しい目を忘れてはならない、としている。

昨日の産経につづいて朝日が東電の再建計画を選んだ。他紙も追随しそうな予感。
少し調べてみると、計画を作る人たちの苦労と思惑は感じられる。

資金援助額の変更の申請(11回目)および特別事業計画の変更の認定申請について by 東京電力

新々・総合特別事業計画(第三次計画)という奇妙な表題。何度も承認されず、出直しを余儀なくされているのが現れている。内容は?

新々・総合特別事業計画(第三次計画)の概要 by 東京電力

国の関与が強く感じられる、賠償の話題ばかりが目に付く。3.11の重い十字架を、東京電力だけが背負っている印象だ。私は、これを見て新しい経営層への期待が、少しレベル・ダウンした。国家に抵抗する信念はなさそうだ。経済産業省も政府も、まだ再建の道筋さえ見えないのか、と落胆する。資料の中に論理はない。戦略もない。責任と、希望的観測で羅列された数字が並ぶだけだ。実現性の根拠もなければ、リスク対策もない。ということは、わずかなリスク増で、負担はさらに増え、計画はまた再考を余儀なくされるものにしかなっていない。産経も朝日も、そんな指摘はない。災害が起きなくても、この計画が再考される確率は50%以上だろう。
3.11の原発事故を誰の責任と見るか?その後の責任を誰が取るべきか?簡単に出る答えではないだろうが、東京電力のみが負担すればいいという発想の日本人はいないだろう。東京電力の経営を支え、大株主にまでなっている国の関与がどうあるべきかにも、いろいろな意見があるだろう。もう東京電力にその意見を言う権利さえないことは、今回の経営計画で明らかになった。この先も、債務が減らない限りは、国に従順になるしかない。立場は判る。
では、それで日本のエネルギーは、電力インフラは有望なのだろうか?国家や経済産業省のプランどおりの運営で?未だにエネルギー政策らしいものが適切に国民の合意さえ得られたとは思えないないのに?安全保障のなし崩しに似た、ひっそりと国営が進んでいるだけに見える。政府がそんな願望を持っているとは思えない。それでも、結果として国有化と、国家主義が進み、民間企業と国民は無言で従順になっていく。この結果は…誰でも想像できる。シンプルに玉砕だ。有益な知性が沈黙し、無言が意思決定を暴走させているのだから。この状況を政治だけに問うのは間違っている。メディアの問題でもない。社会が無関心で無知になっているのだろうが、誰も止められない。
危機を感じた人は逃げる準備をしているに違いない。私もそのひとりだ。ある臨界点を越えたら、そういう人は一気に行動する。溶けるように日本が崩れるだろう。いまは静かなだけだ。危機は、静かに進行している。

毎日新聞・社説
商工中金の不正融資 民間補完に徹する体制を

政府系金融機関の商工中金で融資を水増しする不正が発覚した。政府は業務改善命令を出したが、型通りの対策に終わらせてはならない。民間融資の補完に徹するよう、体制を抜本的に見直すべきだ。不正があったのは、金融危機や震災で経営難に陥った中小企業向けの危機対応融資だ。2008年のリーマン・ショック後に国が創設した。商工中金の第三者委員会の調査で判明した不正は200億円近い。対象外の健全な企業の書類を改ざんし、業績を悪く見せかけて融資先に加えた。調査したのはまだ全体の1割強で不正は膨らみそうだ。商工中金は政府の改善命令前に役員報酬の削減などを発表したが、その場しのぎだ。経営陣や組織を刷新し、民間補完の立場を明確にして信頼回復を図ることが急務だ。政府も政策金融の肥大化を防ぐ必要がある。そのうえで商工中金を早期に完全民営化する道筋を示すことが重要だ。危機対応融資は、ほかの政府系金融機関に集約することなどを検討すべきだ、としている。

日経が5.11に取り上げたトピック。私は、商工中金という存在さえ、理解していなかった。調べてみたが、それでも判らない。存在意義さえ理解できなかった。政府系機関が肥大化するということは、国家主義が太っている証拠だろう。その政府系金融機関が、政府のルールを不正に扱っていたのだから、無関係な国民の感覚では、このタイミングでスリムになったら?と思う。解体するほど無益ではないんだろうが、民主主義の資本主義国家で、なぜ政府系金融機関が不正してまで、しかも災害対策の利率を稼いで私腹を肥やすマインドになるのか?そうできる緩みがあるからだ。いらない余裕は削るべきだ。

読売新聞・社説
東京都議選 政策論争の土台が定まらない

7月2日投開票の東京都議選まで1か月半となった。自民、公明両党が長年の協力関係を断ち、現職知事が地域政党を率いて戦うという、かつてない首都決戦になる。有権者に分かりづらいのは、都議選の各党の構図が国政とねじれていることだ。公明党は都議会で自民党との連携を解消し、小池百合子知事が特別顧問の「都民ファーストの会」と選挙協力する。危機感を募らせる自民党は、都議選の総決起大会を開き、菅官房長官らが候補者を激励した。地方選としては異例の挙党態勢で臨む。2020年東京五輪の成功、防災対策の強化などを盛り込んだ公約骨子を4月に発表した。都民ファーストの問題は、候補者の擁立が遅れているうえ、公約も固めきれていないことだ。公表した政策も、議員公用車の廃止や政務活動費での飲食禁止など、議会改革に限られる。都民の関心が高い築地市場の豊洲移転問題が混迷し、小池氏が判断を留保している影響ではないか。小池都政へのイエスかノーかを問うだけでは、実のある政策論争は望めない。各党には、具体的な政策を提示し、深みのある議論を展開することが求められよう、としている。

小池氏に都政に大きなロードマップがあるとは思えないが、自民党や公明党から、今までそんな代物を明示されたことがあるか考えれば、似たようなものだ。1か月半が短いとも思わない。読売の危機感が自民党の危機感と同じものなら、小池氏の動きを待たずに自ら動けばいい。他の出方を見てから動こうとする姿勢こそが、もっとも自民党の品格を下げているのだから。

産経新聞・社説
旭日旗 理不尽な処分の撤回求む

アジア・サッカー連盟(AFC)が、4月の韓国での試合でサポーターが旭日旗を掲げたことを問題視し、J1川崎フロンターレに、厳しい処分を下した。差別を禁ずる規定に反したという理由だが、誤った認識に基づく不当な処分であり、撤回を求めたい。処分を受けて菅義偉官房長官は旭日旗について「自衛隊旗や自衛艦旗だけでなく、大漁旗、出産、節句の祝い旗など広く使用されている」と述べた。朝、東から昇る太陽をかたどった旭日旗は、日の丸とともに「日の本の国」を象徴し、縁起がよく元気が出るデザインとされる。朝日新聞社の社旗も旭日を意匠としている。近年になって韓国は、旭日旗を「戦犯旗」「軍国主義の象徴」と非難しだした。ナチス党のハーケンクロイツ旗と同列視する極論まで韓国にあるが、これらは明らかな言いがかりである。自衛艦旗は軍艦と民間船舶を区別するため、国旗とは別に軍艦旗を掲げる国際ルールにのっとったものだ。緊張の度合いを深める朝鮮半島情勢にあって、こんなことで緊密な安保協力を保てるのか。不安は募るばかりである、としている。

くだらない。新聞の社説がする話だろうか?プロ・スポーツと民間の自由な行動をいっしょにするとは。こういうレベルでアイデンティティやイデオロギーを語るから、日本の愛国心がむしろ疎まれることになる。逆効果の批判だ。

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