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2988.報道比較2017.5.12

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連休前に晴れた雲が、少しずつ戻ってきた印象。モヤモヤと不快指数の高い社説が目立ちはじめた。梅雨近し。

日本経済新聞・社説
人口減にらみコンパクトな街を目指せ

全国の自治体で住宅や商業・福祉施設などを一定の区域に誘導する「立地適正化計画」の策定が広がっている。地方の人口減少が加速するなかで、郊外での無秩序な開発に歯止めをかけ、コンパクトな都市構造に転換することが求められているためだ。背景にあるのは地方都市のにぎわいの喪失だ。特に、県庁所在市に次ぐ第2、第3の都市の衰退が著しい。このまま人口密度が低下すると、スーパーのような生活に欠かせない店や施設の撤退が加速しかねない。特に重要になるのが住宅の立地だ。駅やバス停に近い地域に誘導し、公共交通や徒歩で移動できる街に徐々に変えていく必要がある。日常生活で歩く時間が増えれば健康面にもいいだろう。サービス付き高齢者向け住宅の郊外立地も抑えてほしい。市町村がすでに策定した計画をみると、熊本市や山形県鶴岡市などのように居住区域の縮小に積極的な地域がある一方で、都市機能区域だけを設けて居住区域は先送りしたところもある。人口減少時代の都市のあり方について自治体はもっと真剣に検討すべきだ。同計画の策定を後押ししているのは国土交通省だが、政府全体で取り組むべき課題だろう。過疎対策などと同時に地方都市の再生にもっと力を入れてほしい、としている。

「立地適正化計画」が初耳だったので、少しだけ調べてみた。日経の社説は、国土交通省の広報に近く、解説に近い総論で終わっている。まだはじまったばかりなのだろうか。
情報は、主に国土交通省にある。都市計画の一環のようで、日経の言うとおり人口減に合わせた対策で、すでに計画を表明しているのが衰退が著しい街にニアリー・イコールなのも頷ける。

立地適正化計画作成の取組状況 by 国土交通省

計画を作るとどうなるんだろう?都市計画の一環ということは、不動産関係の認可を得る時などに影響するのだろうか。それで人口減で進む街の崩壊に効果があるのか、素朴に疑問を感じる。自治体の合併が加速度的に進み、都道府県さえ再編論が出ても不思議ではない。個別に地方の自治体が計画しても、また作り直しになる徒労はないのだろうか。
この計画に合わせて、またスクラップ&ビルドを推進したいなら、さらに疑問だ。すでに宅地が余っていて、空き家が大量に増えている。計画で古い家を壊して、新しいものを作りたいだけ?世界に比べて日本の住宅の耐用年数があまりに短く、ロスが多いと言われている中、何をしたいのかまるで判らない。
日経の主張は、おもちゃで街をつくるような理想論が埋め尽くされている。立地適正化計画が似たような内容でないことを祈る。

朝日新聞・社説
森友学園問題 昭恵氏に聞きたいこと

学校法人・森友学園を巡る国有地売却問題で、安倍晋三首相の妻、昭恵氏と学園側の接点が次々と浮上している。事実解明のためには、昭恵氏が公の場で語ることが不可欠だ。籠池泰典・前理事長によると、学園は土地取得の当初段階から首相や昭恵氏の名前をあげて財務省と交渉した。2012年には小学校の建設構想について昭恵氏に説明したとし、13年に国有地の取得要望書を近畿財務局に提出。14年には昭恵氏と一緒に建設予定地で撮った写真を財務局に示したという。籠池氏は、交渉状況を昭恵氏に「適時報告していた」ともいう。では昭恵氏は自らの立場が、国有地取得に使われていることを知っていたのか。報告の有無を確認する必要がある。財務省も、野党が求めた情報公開に、小学校の設立趣意書をタイトルまで黒塗りにして開示した。これでは昭恵氏らの関与の真偽を検証しようもない。首相は「既に何回も答弁した。こればかり質問される」と野党を批判するが、昭恵氏本人が説明し、疑惑が解明されない限り、追及は終わらない、としている。

検察とジャーナリズムは、国会や社会の関心に流されずに真実を追究すべきだ。どれだけ安倍氏が逃げようとしても、忘れられる規模の騒動ではなかった。時間が経つほど不利になる。朝日に期待している。

毎日新聞・社説
「9条改正」せかす首相 議論の基盤を壊している

衆院憲法審査会できのう予定されていた審議が見送られた。安倍晋三首相が憲法9条に自衛隊の存在を明記する改憲案のとりまとめを自民党に指示し、野党が反発したためだ。衆参両院の憲法審査会は与野党の合意形成を重視してきた。前身の憲法調査会から引き継がれてきたのが「改憲を政局に利用しない」という暗黙の了解だ。最高法規である憲法の改正には幅広い国民合意が必要だとの基本的な考え方に基づく。そもそも、憲法改正案の発議権を持つ国会の頭越しに行政府の長が具体的な改憲方針を明示するのは異例だ。首相は国会における憲法論議のルールを軽んじている。首相は現行憲法を「占領期の押しつけ」と批判してきた。しかし、党内外の議論を後回しにして9条改正をせかす首相の姿勢こそ、押しつけではないか。首相は自らの発言が冷静な議論の基盤を壊していると認識すべきだ、としている。

安倍氏が次に待っているのは支持率の統計だろうか。観測気球への反応は、自民党、公明党からも反発が出ている。アメリカの新聞もネガティブ。トランプ氏のFBI長官更迭と一緒だ。「なぜいま?」答えて欲しい。

Wall Street Journal
トランプ氏のFBI長官解雇関連発言、政権関係者と矛盾 (2017.5.12)

ドナルド・トランプ米大統領は11日、連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー長官を解任したことについて、今週に入りロッド・ローゼンスタイン司法副長官から書簡を受け取る前から決断していたと述べた。これは決断のタイミングを巡り、ホワイトハウス関係者らの談話と矛盾する発言となる。トランプ氏はNBCのインタビューで、「(ローゼンスタイン氏の)勧告にかかわらず、コミー氏を解任するつもりだった」と明かした。ホワイトハウス関係者は、ローゼンスタイン氏がコミー氏を厳しく批判した書簡を9日に受け取って初めてトランプ氏は最終決断を下した、と解任した9日から翌10日にかけて繰り返し述べていた。ローゼンスタイン氏は8日にトランプ氏と面会し、コミー氏の職務能力について協議した。NBCとのインタビューでは、少なくとも1度、自身が捜査対象なのかコミー氏に尋ねたことも明らかにした。トランプ氏によると、コミー氏は全部で3度にわたり、トランプ氏に捜査対象ではないと伝えた。コミー氏への解任通告の書簡でも、自身が捜査対象ではないと3度にわたりコミー氏から知らされたと記していた、としている。

もともと行動にも言動にも一貫性のない人だ。矛盾で記事になるのはいつまでだろうか?

読売新聞・社説
韓国文在寅外交 慰安婦合意を反故にするのか

安倍首相は文在寅大統領との電話会談で、2015年末の慰安婦問題を巡る合意について、「国際社会からも高く評価された合意を責任を持って実施することが重要だ」と述べ、着実な履行を求めた。文氏は、「韓国国民の大多数が感情的に合意を受け入れていないのが現実だ」と語り、合意の履行に消極的な姿勢を示した。そのうえで、「歴史問題を賢く克服できるよう共に努力する必要がある」とも強調した。合意の再交渉を求めるという選挙公約が念頭にあるのだろう。今後、文氏が公約に固執すれば、日韓関係の一層の冷却化は避けられまい。文氏は演説で、「THAAD問題解決のために中国と交渉する」と語った。だが、中国の習近平国家主席から、電話会談で、「実際の行動で関係を発展させることを希望する」として、逆に配備見直しを迫られる羽目になった。盧武鉉元大統領は、米中間を調整する「バランサー」を標榜したことや北朝鮮への融和政策で、日米との関係をぎくしゃくさせた。側近だった文氏には、その轍を踏むことなく、日米韓の結束を乱さないようにしてもらいたい、としている。

「拠出金を返すから再交渉しよう」と言われたら、日本はどう答えるだろう?国民に反発がある中で、約束の貫徹だけを求めれば外交以上の冷え込みよりも内政が崩壊する。日本の論理は間違ってはいないが、固執しているのは日本という気もする。信頼できるレベルで付き合うなら、韓国との外交関係が事務的になるのは受け入れてもいいのではないか。

産経新聞・社説
五輪仮設費 前を向ける全日本体制を

2020年東京五輪・パラリンピックの経費問題で、東京都の小池百合子知事が安倍晋三首相と会談し、都外の競技会場も含めて仮設整備費を原則として都が全額負担すると表明した。仮設整備費は当初、大会組織委員会が担うことを原則とし、不足分は都が補填することになっていた。だが、組織委が全額負担は困難であるとして費用負担の枠組み変更を訴え、都と国、開催自治体に負担を求めていた。小池知事と会談した安倍首相は「いよいよ20年に向かって進んでいく」とこれを評価し、丸川珠代五輪相は「やっと決断してもらえた」と述べたという。遅きに失したが、決めた以上は大会準備に邁進してもらいたい。それぞれに都民、県民を抱えた首長同士の調整が進まないのは、ある意味、当然だ。その調整役を担うのが五輪相の役目だろうが、あまりに存在感が薄い。前任者の遠藤利明氏の任期がわずか1年余で、退任後に組織委副会長に就任している構図も分かりにくい。関係者の全てに、五輪成功に懸ける熱意をみせてほしい。残された時間は極めて少ない、としている。

いつしか、オリンピックは政治の話題ばかりになってしまった。その前の話題は、ロゴや会場のドタバタ。楽しい話が出た記憶は少ない。次に出てくるのはカネの話だろう。はじまる前から冷める環境を、偉い方々がつくっている。盛り上がれる日が来るだろうか?

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