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2982.報道比較2017.5.7

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連休最終日。大きなニュースもなく、静かに過ぎた1週間。この充電期間がポジティブな結果につながることを期待したい。明ければ国内紙は休刊日。よい休日を。

朝日新聞・社説
ガス自由化 競争促進へ環境整備を

小売り自由化は、地域ごとに1社の独占を認めてきた規制を取り払い、競争を通じて料金の引き下げや新サービスの提供につなげるのが狙いだ。業種や地域の垣根を越えて、エネルギーの供給を効率化する効果も期待されている。今回自由化された約2500万件のうち、契約先の切り替えを申し込んだ利用者はまだ1%に満たない。家庭向けへの参入は10社余りで、電力の約200社に遠く及ばない。近畿地方で関西電力が大阪ガスに激しい競争を仕掛けているのを除くと静かな滑り出しだ。参入が少ないのは、都市ガス事業には調達や販売の面で大きな制約があるからだ。電力・ガスの自由化で先行した欧州では、業界再編が進んだ。巨大な総合エネルギー企業が生まれる一方、地域密着型の事業者も省エネなどきめ細かいサービスで競い合っている。日本でも競争の環境を整えれば、効率化や多様化の動きが広がる可能性はある。エネルギー資源に乏しい国だけに、自由化をそのきっかけにしたい、としている。

電気の自由化の議論がはじまったのは、3.11がきっかけだろう。目的は何だっただろう?国営企業のような巨大電力会社の送発電分離、消費者の利用価格を下げたい、再生エネルギーの推進…いろいろ盛り込み過ぎて成果があったのかも不明だ。さらにガスに手を付けたのはなぜ?独占の撤廃にしては、参入しにくい制約を排除するサポートは準備不足だったようだ。それほどやる気があった取り組みでもないのでは?

産経新聞・社説
日銀の景気判断 機を逃さず確かな成長へ

日銀の期待ほど、物価は上がっていない。目標とした物価上昇率2%の達成は遅れている。緩やかな物価上昇をもたらすような、経済の力強さはみられない。それが現実といえよう。むろん、明るい兆候に着目し、機を逃さず成長の足取りを確かにする取り組みは欠かせない。企業収益の改善を所得や消費の拡大へとつなげ、経済の好循環を図ることでデフレからの完全脱却を果たす努力を加速すべきだ。政府の役割も大きい。それは、財政出動でやみくもに需要を刺激するのではなく、真に成長に資する事業を吟味することだ。企業活動を後押しする規制緩和などを通じ、成長の基盤をさらに強化することも等しく重要である、としている。

連休前の話題だが、日銀のコメントはほとんど話題にならなかった。これ以上の策もなければ、出口を目指せる環境も見えない。関わる人たちの言葉も、もはや責任感も信頼度もゼロ。産経は、未だに日銀は株を買い支えているのを知っているだろうか?

日本経済新聞・社説
生産性改革(下) AI活用し「知」の価値を高めよ

AIを用いて知的活動の生産性を高めるには、膨大な情報を集めたデータベースの育成や知的財産権をめぐる法整備などが欠かせない。官民で議論を深めるときだ。専門的な仕事のうちAI利用が目前に迫っているのは医療だ。「この症状から疑われる病気は何ですか」。かかりつけの医師が患者の皮膚の画像をスマートフォンで送って尋ねると、別の医師から返事があった。「アトピー性皮膚炎の可能性が高いです」。医療ベンチャーのエクスメディオ(高知市)は医師同士が助言しあう情報サイトを運営している。特定の疾患には詳しくない家庭医らが、専門家の判断を仰いで治療できる。AIに画像を学ばせて診断する技術も研究中で、実用水準に近づいている。医療では、情報化の入り口である電子カルテですら医療機関の導入率は34%にとどまる。患者の個人情報の扱いに配慮しつつ、画像をどんな機器でも読み出せる標準化や、病院同士を結ぶネットワークを築かなくてはならない。ものづくりの設計データも、業界団体などが中心になり整備を急ぐべきだ。論文など研究情報を収めたプラットフォームは、国が資金を投じてよい分野だろう。政府の審議会は法整備の検討を始めたが、欧米より遅れ気味だ。企業や研究者、創作に携わる人たちの意見を広く聞くと同時に、海外とも足並みをそろえたルールづくりが求められる、としている。

また国家に頼る発想が残念だ。国が決めなければ動けない体質になっている経済が間違っている。世界のAIを支えているのは国家だろうか?ノーだ。ならば、なぜ日本だけ官民で議論して進めるのだろう?官民で議論するペースの遅さが、発展を少なくともITでは阻害している。

毎日新聞・社説
米国抜きのTPP協議 なお戦略的な意味を持つ

環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に参加する日本政府は、米国抜きの発効を目指し、米国以外の11カ国での協議に入った。巨大市場の米国が離脱したままでは効果が乏しいとの意見も根強い。それでも、TPPを漂流させずにアジア太平洋地域に自由貿易圏を形成することは、トランプ米政権の保護主義政策をけん制する戦略的な意味を持つはずだ。ただ、各国の思惑は複雑だ。オーストラリアやニュージーランドは日本などへの農産物輸出の増加を期待し、米国抜きに前向きだ。一方、ベトナムやマレーシアは慎重だ。繊維製品などの対米輸出拡大を見込んでいたためだ。また、ペルーやチリは、米国の代わりに中国の参加を望んでいる。各国の事情は異なるが、高水準の通商ルールというTPPの成果をまず具体化することが、それぞれの国益につながるのではないか。米国抜きの協定を発効させる場合、日本政府は国内手続きとして国会承認を取り直す必要がある。承認を得た現在の協定から枠組みは大きく変わる。政府はTPPの将来像を国民に丁寧に説明してほしい、としている。

この話題も目的が見えない。自由貿易が日本の目的なら、TPPをOne of Themの解に推進するのは賛成。止まる方が間違っている。アメリカが望むアメリカとの二国間協議も、中国との貿易推進も大切。地球規模の貿易をバランスを取りながら推進していくにはどうするのかが重要で、その議論抜きにTPPだけを議論しても意味は見えない。

読売新聞・社説
高レベル廃棄物 対話を重ねて理解を広げよう

原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物の処分について、資源エネルギー庁が、処分場として好ましいかどうかを判断する科学的な要件・基準をまとめた。日本は最終処分法に基づき、高レベル放射性廃棄物を地下300メートルより深い地層に埋めて処分する方針を決めている。長期間、強い放射線を出すためだ。世界的にも同様の方法が採用されている。問題は、安定した地層をどう探すかだ。最終処分法は、公募などで候補になった地域の理解を得ながら、処分場に適する地層かどうかを、段階を踏んで調査・確認するよう規定している。だが、現実には、調査候補地に浮上するだけで、「迷惑施設を押しつけられる」と反発が高まり、冷静な議論は封殺される。福島原発事故の後、廃炉となる原発が国内で増えた。高レベル廃棄物とは別に、廃炉廃棄物の処分地探しも重要性を増している。核のごみの処分を次世代に押しつけてはならない、としている。

対話を重ねて?今から?と次世代は思っているに違いない。最初に決めずに走ったのが、現役世代が背負うべき十字架だ。決めるまで原子炉を止めるのがシンプルなのだが。

人民網日本語版
C919が初飛行成功 注目される10大ポイントを読み解く (2017.5.6)

中国が独自の知的財産権を備え、初めて最新の国際航空機基準をふまえて研究開発した幹線航空用の大型民間旅客機「C919」が、5日に初飛行に成功した。C919には世界から570機の注文が入っている。この大型旅客機は中国国内の航空機製造産業チェーンの発展を促し、中国航空工業の重大な歴史的飛躍を実現させた。C919のボディは流れるような流線型で、機体の設計、計算、テスト、製造はすべて中国で独自に行われた。設計開発の過程で多くの重大技術が飛躍を遂げ、たとえば超臨界翼や新材料の応用などが飛躍した。総合集積の技術は大型航空機製造におけるコア技術の1つだ。航空機製造業の大きな難問の1つである集積技術の飛躍は、中国の航空機製造業が非常に大きな進歩を遂げたことを示している。現時点で、中国には大型民間旅客機に適したエンジンを製造する力がなく、世界の民間航空機メーカーもサプライヤーからエンジンを調達している。最終的に、C919が安全かどうかは中国民用航空局の運航許可証を取得できるかどうかをみなければならない。言い換えれば、同局の航空機に関する各方面の測定テストに合格しなければ民間航空の運航任務を遂行できないということであり、安全に関する測定テストが何よりも重要だ、としている。

すでに勝者がボーイングとエアバスに決まっているような大型機マーケットに、いまから中国が挑戦することに驚いた。購入先は中国企業が多いが、アメリカ同様、マーケット規模の大きな国はこれで十分。他国に頼っていたマーケットを国内で維持できるなら、すべての経済活動においてプラスだ。個人的には、競争が拡大するのはすばらしいと思う。いまだスケジュールが遅延しつづけているMRJは大丈夫だろうか?MRJのビジネス・モデルは、海外に買ってもらう前提のはず。マーケティングにも膨大なリソースを要する。最初からマーケットまで見えていた中国の事例に比べれば難易度は高い。

Wall Street Journal
オバマケア代替法案可決、共和党の損得勘定 (2017.5.5)

医療保険制度改革法(オバマケア)の代替法案が4日、米下院で可決された。代替案の取り下げという大きな失敗のあと、数週間で代替法案の可決に漕ぎつけるため、多数派を占める共和党は議会運営上、守ると約束していたまさにその原則を踏みにじってしまった。法案をめぐる最終的な妥協が成立した直後に採決が行われたため、法案を検討する時間も、議会の会計部門が費用と影響の見積もりを作成する時間もなかった。その結果、醜い採決となった。皮肉なのは、法案が法律になる可能性はほとんどないことを承知の上で、採決を行ったことだ。上院は独自の法案を作成する予定で、下院は数週間後には、上院の法案を受け入れられるかどうかを決めなければならない。上院の法案に納得しない可能性が高い下院保守派にとって、こうした事態は特にわずらわしいことかもしれない。共和党にとって、オバマケアの見直しはやりたいことから、やらなければならない不愉快な仕事になってしまった。必要だと思っていたことをやり終えた今、下院共和党は、世論調査の結果によると有権者が待ち望んでいるという取り組み――税制改革や法人税減税、個人所得税減税――や、民主・共和両党が珍しく一致して呼び掛けているインフラ支出に着手することができる、としている。

アメリカ国民ではない私たちには無関係の法案審議には、アメリカの政治の駆け引きだけが伝わってくる。トランプ氏の政治手法が変わったのは確実。共和党との協力関係は築けそうだ。まだ、この法案の結末は見えない。アメリカの議員たちの審判が下される時期、中間選挙までには答えが出るだろう。

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