ORIZUME - オリズメ

2979.報道比較2017.5.4

2979.報道比較2017.5.4 はコメントを受け付けていません。

円高を予測していた人には意外なほど速いペースで円安が進む5月初旬。マーケットが開いている方が良かったと思う人もいるだろう。連休明けまでトレンドは持つだろうか?

Wall Street Journal
FRB政策金利据え置き、景気減速は一時的と判断 (2017.5.3)

米連邦準備制度理事会(FRB)は3日、政策金利を据え置いた。一方、このところの軟調な経済指標により年内の段階的な利上げ計画を変更するという手掛かりはほとんど示さなかった。投資家はこの日のFOMCでの利上げは予想していなかったが、3月のインフレ鈍化など最近の経済指標の弱さを背景に6月13・14日の次回会合へ向けFRBの計画が変化する可能性を巡り、手掛かりを求めていた。この日午前の時点で、投資家は6月までに少なくとも1回利上げされる確率を約70%と見込んでいた。FRBは見通しに対するリスクが依然として「ほぼ均衡」しているとし、経済が予測に対し上振れまたは下振れする可能性が等しくあると考えていることを示した。これはここ数カ月の経済指標に基づく見解とは一致するが、過去数年からは転換したことを示している。当局者は過去には、経済が下振れする可能性がより高いとみていた、としている。

意図的にマーケットの予想どおりに動いているFRB。慎重に、余計な不安を感じさせないように振る舞っている。出口を探る時に大胆さはいらない。6月に観測気球が上がりはじめたら、利上げは予定どおりとマーケットは見ているのではないか。トランプ氏が、妙にイエレン氏の再任に含みを持たせはじめている。イエレン氏が申し出を固辞する結末になりそうだ。いまの好景気の寿命が決して長くないことは、イエレン氏もトランプ氏も理解している。パートナーになるには、残念ながらトランプ氏はお断りしたいリーダーだろう。

人民網日本語版
外交部 「米大統領が適切な状況下で金正恩氏と会談」報道に留意 (2017.5.3)

トランプ米大統領が1日、「適切な条件下」で朝鮮の最高指導者・金正恩氏と会う意向を表明したとの報道について、外交部(外務省)の耿爽報道官は2日の定例記者会見で「留意している」と述べた。耿報道官は「中国側は対話と協議を通じた平和的方法による朝鮮半島核問題の解決が、朝鮮半島の非核化実現、平和・安定維持の唯一の現実的で実行可能な道であり、唯一の正しい選択でもあると一貫して考えている」と表明。関係各国はともにしかるべき責任を担い、同じ方向に向かい、早急に和平交渉再開の突破口を見出すべきだ」「米朝は朝鮮半島核問題の直接の当事国であり、早急に政治的決断をし、行動を取り、誠意を示して、朝鮮半島情勢の緊張緩和、対話プロセスの再開、最終的な朝鮮半島の非核化実現のために建設的努力を払うべきだ」と述べた。

トランプ氏に欲が出るのはいつだろう?北朝鮮問題に決着をつけた大統領になれば、支持率向上では終わらない、歴史に名を残せるチャンスになる。名誉欲を持つ人には興味が湧くだろう。中国は、アメリカと協調して朝鮮半島を解決できるなら、理想的な道筋に違いない。北朝鮮と韓国はどうだろう?対話にはポジティブなはずだ。案外、早いテンポで協議までは実現するかもしれない。この功績を手にするのは、今のところ中国だ。これで日本はよかったのだろうか?

朝日新聞・社説
憲法70年 9条の理想を使いこなす

安倍首相はきのう、憲法改正を求める集会にビデオメッセージを寄せ、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と語った。首相は改正項目として9条を挙げ、「1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込むという考え方は国民的な議論に値する」と語った。9条を改める必要はない。戦後日本の平和主義を支えてきた9条を、変えることなく次の世代に伝える意義の方がはるかに大きい。自衛隊はあくまで防衛に徹する「盾」となり、強力な打撃力を持つ米軍が「矛」の役割を果たす。この役割分担こそ、9条を生かす政治の知恵だ。時に単独行動に走ろうとする米国と適切な距離を保ち、協調を促すため、日本が9条を持つ意義は大きい。中国や韓国との関係を考えるときにも、他国を攻撃することはないという日本の意思が基礎になる。侵略と植民地支配の過去をもつ日本は、その歴史から逃れられない。9条は日本の資産である。そこに込められた理想を、現実のなかで十分に使いこなす道こそ、日本の平和と社会の安定を確かなものにする、としている。

産経新聞・社説
首相の9条発言 最大の政治課題に邁進を

安倍晋三首相が憲法改正への取り組みに、重要な方針を示した。自衛隊の根拠規定を設けることを改正内容の柱とし、平成32年の施行を目指す考えを明確に打ち出した。首相の方針は、民間憲法臨調の会合へ寄せたビデオメッセージで示したものだ。具体的には、平和主義の理念などを示す今の9条1、2項は残しつつ、自衛隊の根拠規定を新たに書き込む。自衛隊を明記するのであれば考慮すべき点がある。国民を守る態勢を整えるには、自衛隊に今の性格を持たせたまま憲法に書き込むだけでは足りない。平和主義は踏襲しつつ、自衛隊には日本の国と国民を守る「軍」の性格を与えなければならない。首相は、日本の未来を支える子供の教育についても、改正で取り上げたい意向を示した。教育無償化を唱える日本維新の会との連携も念頭にあるだろう。教育をいかに位置付けるべきか、党内外の議論で重要になってくるだろう、としている。

安倍氏の憲法改正への目標設定に反応したのは朝日と産経、2本目で取り上げたのは日経。毎日と読売は休日モードの社説が並んでいる。各紙の価値観が読み取れる。
期限設定を首相が発することの重大さを、安倍氏は認識した上で行動したのだろう。会見や生の声でなく、ビデオメッセージにしているところが確信犯的だ。観測気球と捉えるべきだろう。護憲派は冷静に声を上げるべき時だ。発言の意図を明確にしてもらうのが適切だろう。失言に持ち込むチャンスもある。「自衛隊の存在を明文化したい」には、アメリカの空母護衛を平然と実施できた憲法解釈変更の次を狙う意志を感じる。アメリカが望んでいることなのか、自民党が何のために軍備を求めるのか、見えない部分が多いまま、2020年と締め切りを勝手に設定されてしまった。根拠を求めるべき発言だ。

日本経済新聞・社説
厳格監査から逃げる企業は信頼されない

上場企業にとって何よりも大切なのは株式市場で信頼されることである。それを改めて痛感させる企業の一つが東芝だ。巨額損失に揺れる同社は、監査法人を大手のPwCあらた監査法人から準大手法人に切りかえる方向で検討している。米原子力発電事業について、内部統制などに問題なしとする東芝と、さらに調査すべきだと主張するあらたとの溝が埋まらないからだ。 東芝は15年に発覚した会計不祥事の対応策として前期から、監査業務を関係の長かった新日本監査法人からあらたに変更した。ここにきて再び監査法人の変更となれば、不祥事の再発防止を誓った経営陣の姿勢が本気なのかどうかも疑われてしまう。東芝のようなグローバルな大企業の監査を、日本の準大手法人が担えるかどうか心もとない部分もある。問題の中心は米国会社で、事業内容も複雑な原子力発電だ。国際ネットワークと原発への深い知見を備えた監査法人が、国内で多く見つかるとは考えにくい。市場の信認を失った上場企業は資本調達に支障をきたし、衰退に歯止めがかからなくなる。東芝経営陣はこの市場の鉄則を改めて認識すべきだ、としている。

不祥事が顕在化する最近の企業には、どれも国家の臭いがする。自民党が与党に復活したのは2012年末。2013年から5年で、国家が関与した再建で成功を感じられるのはルネサスのみ。稲森氏に委ねてJALを復活させた民主党時代に比べれば、成功確率は下がっているように見えるのは気のせいだろうか?日経には、産業革新機構のサーベイをお願いしたい。

毎日新聞・社説
国立公園のブランド化 自然の保護と活用両立を

環境省は昨年度から「国立公園満喫プロジェクト」を始めた。国立公園を世界水準の「ナショナルパーク」としてブランド化し、訪日外国人旅行者(インバウンド)が長期滞在したいと望む目的地にする狙いがある。選定された8カ所では、環境省や地元自治体、観光協会などが参加する地域協議会が設けられ、具体的な計画をまとめている。「阿寒」では、立ち入り制限されているマリモの群生地のエコツアーや眺望の良い場所へのカフェの設置を検討するなど、各地で「自然への新たなアプローチ」が模索されている。保護と活用の両立には、保護すべき区域と観光に活用する区域を明確に分けることが欠かせない。自然への影響を適切にモニタリングする体制を整えておくことも大事だ。全国に34ある国立公園は国土の5・8%を占めるが、環境省の自然保護官は約300人しかいない。体制の強化は以前からの課題だ、としている。

読売新聞・社説
中央アジア外交 中露を念頭に重層的関係築け

岸田外相がトルクメニスタンを訪問し、中央アジア5か国との第6回外相会合を開いた。ソ連崩壊後に独立した各国との国交樹立25年の節目に、幅広い分野での協力をうたう共同声明を採択した意義は小さくない。カザフは石油やウラン、トルクメニスタンは天然ガスなどの資源に恵まれる。ただ、内陸国で険しい山や砂漠が多く、産業の高度化には物流関係のインフラ整備と人材育成が不可欠である。岸田氏は5か国に対し、道路や鉄道、空港整備などに総額240億円規模の支援を表明した。今後5年間で、運輸・物流専門家や政府高官、留学生ら2000人の研修を受け入れる方針も示した。中央アジアにも、中露への依存度の高まりを心配する声がある。日本は、こうした懸念を的確に受け止めねばならない。米国や欧州と連携し、中央アジアの開放的で安定した発展を着実に後押しすることが肝要である、としている。

2つ準備された原稿、どれもが連休前に準備された雰囲気。この内容なら、社説か新聞を休めばいい。この時期、日本は最も過ごしやすい時期だ。体裁を繕うより、大胆でシンプルに行動した方がいい。

Comments are closed.