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2972.報道比較2017.4.29

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何の成果も見えないロシア訪問。首相が行く意味がないレベルの結果。ロシアは6か国協議の条件はアメリカの譲歩を前提にするだろう。前進の兆しは遠のいた。

朝日新聞・社説
日ロ関係 地域安定に向け協調を

モスクワを訪問した安倍首相がロシアのプーチン大統領と会談し、北方四島での「共同経済活動」や、北朝鮮情勢などについて意見をかわした。「トランプ時代」にロシアとの関係をどう描き直すか。米ロ双方の首脳と良好な関係を築いてきた首相にとって、その戦略が問われる第一歩となった。日本にとって重要なのは、北朝鮮情勢をめぐり日米韓と中ロの分断をつくらないことだ。日本は日米韓の連携を強めつつ、ロシアが積極的に協調行動をとるよう促す必要がある。そして何よりも、北朝鮮の後ろ盾であり、核問題をめぐる6者協議の議長国でもある中国を巻き込むことが欠かせない。プーチン大統領は首脳会談後の共同記者発表で「少しでも早く、6者協議を再開させることだ」と語った。北方領土問題の解決をめざすには、北東アジアの平和と安定は欠かせない。日ロが北朝鮮問題でいかに共同歩調をとっていけるか。平和条約締結に向けた第一歩としても、地域安定への協調の道筋を描く必要がある、としている。

産経新聞・社説
日露首脳会談 「万景峰号」抗議したのか

核・ミサイルをめぐる北朝鮮への脅威にどう対処するかは国際社会の喫緊の課題だ。そのさなかに行われた日露首脳会談でこれをどう話すかは、おのずと注目された。だが、対北圧力を高める点でロシア側の同意を取り付けられたのか。ロシアは圧力強化に反する動きもとっており、これにクギを刺すことが欠かせないはずだった。北方領土問題を抱え、安倍晋三首相がプーチン大統領との信頼関係を維持したいのはわかる。だが、そのために主張すべきことを抑制すれば、相手に誤ったメッセージを与え、国益を損なうことにもつながりかねない。ロシアは首脳会談に先立ち、北朝鮮の「万景峰号」を極東ロシアに定期就航させると決めた。日本が対北朝鮮制裁で、入港を禁止した貨客船である。かつてこの船が新潟港に出入りし、ミサイル関連部品の運搬や工作員の移動に利用された経緯がある。定期就航は、北朝鮮の労働者を極東ロシアに輸送し、外貨稼ぎに手を貸すものだ。日本として受け入れがたいが、ロシア側に提起したのかどうか、明確な説明を避けているのは腑に落ちない、としている。

日本経済新聞・社説
日ロ首脳が真の信頼関係を築くには

安倍晋三首相がロシアを訪問し、プーチン大統領と会談した。両首脳の会談は昨年12月の大統領来日以来で、通算17回目だ。個人的な関係づくりという意味では十分なほど会談を重ねてきたが、日ロ間の信頼醸成になかなか結びつかないのはもどかしい。北方領土問題では確かに、昨年末の合意に基づいて共同経済活動を進めるべく、日本が官民調査団を現地派遣することになった。元島民らの墓参については航空機利用を含めた簡素化で一致した。首脳会談では、緊迫する北朝鮮やシリアなど国際情勢をめぐる議論も大きな焦点となった。軍事的挑発を続ける北朝鮮に対し、国際社会が結束して強い圧力を加えようとするなか、ロシアは貨客船「万景峰号」による定期航路新設を決めるなど国際協調に逆行する動きを強めている。国際協調を乱す試みがあれば胸襟を開いてとことん話し合い、過ちがあれば正すのが筋だろう。首相はロシアに「建設的な役割」を求めたというが、果たしてどこまで苦言を呈したのだろうか。協力や協調の成果だけを演出していても、真の信頼関係は望めまい。領土交渉を進展させたいがゆえにロシアに甘い態度ばかり示せば、結局は領土問題でも足元をみられてしまう、としている。

毎日新聞・社説
北朝鮮が絡む日露交渉 ジレンマ深まる安倍戦略

安倍晋三首相がロシアを訪れ、プーチン大統領と会談した。北朝鮮情勢についても時間を割いて協議し、挑発行為の自制を働きかけていくことで一致したという。安倍政権は、米国の圧倒的な軍事力を背景とする圧力に頼ることで北朝鮮の挑発を抑え込み、危機を収束させたいと考えている。だがプーチン氏は、首脳会談後の共同記者発表で、軍事的な圧力に反対し、「冷静で建設的な対話」を求めた。圧力より対話を訴えてきた中国の立場を擁護したとも言える。ロシアは北東アジアで米軍のプレゼンス(存在感)が高まることを強く警戒している。昨年12月の日露首脳会談でも、日米安保への警戒感をあらわにしていた。日露首脳会談では、北方領土への官民調査団の派遣や、元島民の空路による墓参などの合意もあった。だがあくまで、領土問題を解決に導くための環境整備の一環だ。解決への道筋はまだ見えていない、としている。

読売新聞・社説
日露首脳会談 領土交渉の環境整備を幅広く

安倍首相がモスクワでロシアのプーチン大統領と約3時間、会談した。通算17回目の首脳会談では、北方4島での「共同経済活動」の実現を目指し、5月中にも日本の官民合同調査団を現地に派遣することで一致した。首相は会談後、「協力を積み重ね、大きく発展させたい」と強調した。魚やウニの養殖、エコツーリズムを具体例に挙げた。プーチン氏も、「相互理解と信頼が深まるのは大変良い」と応じた。経済協力だけが先行する印象を与えないよう、領土問題とのバランスにも留意したい。元島民の墓参に関し、国後、択捉両島訪問時の航空機活用と、歯舞群島沖での出入域地点の新設が決まったのは、朗報である。高齢化が進む元島民の負担は軽減され、里帰りもしやすくなる。自由往来の拡大に向けて、円滑な実施に努めてもらいたい。北朝鮮情勢については、日露が緊密に協力し、挑発行為の自制を働きかけることを確認した。ただ、ロシア側は、北朝鮮への圧力強化に消極姿勢が目立つ。首相が、国連安全保障理事会常任理事国として建設的な役割を果たすよう促したのは当然である、としている。

何の成果も感じられない。安倍氏の外交は表層だけで、まるで具体性を持たない。世界のメディアにも、この会談の話題は皆無。北朝鮮を話題にするなら、中国やアメリカがコメントされるのが自然だが、無視されている。この内容なら当然だろう。首相が行く意味があるのかが不明になるレベルの内容だ。
この姿勢だと、ロシアは6か国協議の条件はアメリカの譲歩を前提にするだろう。前進の兆しは遠のいた。

人民網日本語版
朝鮮半島は中東ではない (2017.4.28)

朝鮮半島情勢は非常に緊張しているが、一触即発で戦争という段階にはいたっていない。軍事行動と先制攻撃を第一選択肢にするのは、それほど容易なことではない。総合的実力では、米韓は朝鮮に対して圧倒的優勢にあるが、勝算はない。朝鮮半島「非武装地帯」の両側は世界で最も軍事化の深刻な地区の1つだろう。どのような軍事的挑発も壊滅的打撃をこうむる可能性が高い。誰が戦争を引き起こしたのであれ、ひとたび本当の戦乱が生じれば、誰も勝者にはなれない。朝鮮半島核問題に一挙に解決する方法はない。地域の国々はいずれも自らの安全維持を望んでおり、平和的解決は全ての関係国にとって最大公約数だ。歴史が繰り返し証明しているように、武力で問題は解決できず、対話と協議こそが問題解決の唯一の正しい道だ。米朝が引き続き憎み合い、軍事的対立の色を濃くするのは、誰の利益にもならない。米朝共に積極的なメッセージを伝え、朝鮮半島上空に漂う暗雲を払うことを希望する、としている。

日本から見ると、北朝鮮に外交チャネルを持つ中国の行動は期待にはまるで至っていない。何もしている気がしない。アメリカが中国にプレッシャーをかける意味も同じだろう。今のままのスタンスで中国がいつづけるなら、最終的な紛争の可能性は残るだろう。

Wall Street Journal
米大統領、就任100日の外交で新アプローチ (2017.4.28)

ドナルド・トランプ米大統領は、これまでほぼ10年間にわたって米国の世界における役割を形成してきた従来のアプローチを転換し、外交政策に新たな方向性を与えようとしている。彼は軍事力を誇示し、同盟国との間で軋轢を生むのもいとわず、さらに旧敵国の指導者との個人的な関係を築くことで、自らの政策課題を前進できると考えている。トランプ氏は中国に対しては、北朝鮮問題で協力するならば、貿易問題で柔軟に対応すると申し出た。ホワイトハウスは、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領が国民投票で憲法改正を成し遂げ、権力基盤を強化したのをトランプ氏が祝福したことで、米国は同じく過激派組織「イスラム国(IS)」との戦いでトルコからさらなる支援を得られると期待している。一方でトランプ氏は、米国の同盟国に対し強硬姿勢をとっている。国連や北大西洋条約機構(NATO)の加盟各国に対し、組織改革に取り組むとともに自国の拠出金を増額するよう要求している。「政策をとるのは簡単だが、戦略を確立するのは難しい。トランプ大統領はまだ戦略を構築するという大きな決意を示していない」と、戦略国際問題研究所(CSIS)のジョン・オルターマン副所長(中東プログラム責任者)は話す。「大統領は我々の敵を不安定な状態に置いているが、同時に我々の同盟国も不安定な状態に置いている。どの国も米国にどう協力すればいいのか、分かりにくくなっている」、としている。

外交だけでなく、トランプ氏の仕事を評価する人は、本人を含めているのだろうか?彼の言うディールに似た政治手法や、マス・メディアを使わずにSNSで直接語りかけるコミュニケーションが成果を出した記憶は、100日の間に一度もない。混乱と緊張は生んだ。選挙なら、混乱は注目を集めるためにポジティブな時もあるだろう。施政で同じ行動をするのが意外だった。演じているだけ、計算して行動しているとの予想は、すべて裏切られ、失望に変わった。
打たれ強いこと、バイタリティがあること、今までの政治家とは違う発想を持っていること。その可能性にだけ、残りの任期に期待したい。支持率が上がらないということは、大きなミスは弾劾につながる。トランプ氏も、その現実は認識しているはずだ。

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