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2967.報道比較2017.4.24

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フランスの大統領選挙の結果が予測の範囲に留まり、リスクが去ってリスク・オンに。ポピュリズムは沈静化?そう願いたい。

Wall Street Journal
トランプ米大統領、不支持拡大=WSJ/NBC調査 (2017.4.24)

就任100日目が近づくドナルド・トランプ米大統領に対する米国民の不満が高まっている。中でもワシントンの既成政治を改革する同氏の実行力および能力に対する評価が低迷気味だ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCテレビが行った新しい世論調査で明らかになった。調査では半数以上の54%がトランプ氏の大統領としての成果を評価できないとし、評価できるとした40%との差は14ポイントだった。2月末の世論調査では否定的な評価をした人が48%、肯定的な評価は44%で、その差は4ポイントだった、としている。

不支持が増えた理由は、今までの過激な思考や行動ではない。単純に仕事ができず、成果が出ていない。この不支持はトランプ氏には痛いだろう。ツィートに世間が驚くことも減り、「驚くべき発表」の注目度はどんどん下がっている。就任100日を意識して減税の発表を急いでいるようだが、功を急ぐとまた失敗するのではないだろうか。まだ人事さえ確定できない政府に、アメリカ国民だけでなく世界が嗤いはじめる日は近い。

朝日新聞・社説
大学スポーツ 改革に求められる視点

大学スポーツの振興を図る取り組みが始まっている。だが打ち出された施策は性急に過ぎ、身の丈にあったものとも思えない。足元の課題を地道に解決していく姿勢が大切だ。競技の指導者やクラブの運営は、一部の教職員を除けば、OBや学生らボランティアに頼っているのが現実だ。ハラスメントや会計の不備などの問題が表面化するのは珍しくない。大学が設けている特待生や奨学金制度の運営にも、不透明さがつきまとう。そして、少なくない学生が、スポーツ一辺倒の偏った生活を送る。こうした状況を改めるには、たしかに資金が必要だ。大学スポーツが産業として成り立つ素地も十分あるだろう。プロや五輪を狙える選手は、ほんのひと握りだ。大多数の普通の学生抜きに、大学スポーツを語ることはできない。特待生制度などをゆきすぎたものにしないための統一基準の策定、選手の就職支援、チームを運営・管理するノウハウの指導などが不可欠だ。大学スポーツ界全体のコンプライアンス意識が低いままでは、企業・団体も投資や契約に二の足を踏む。個々の大学やクラブでは、いくつか挑戦が始まっている。例えば、京大のアメフト部は一般社団法人を設立し、スポンサーによる強化費調達を図る。学生・競技者本位に徹し、目的とビジョンを明確にして、制度設計を進めたい、としている。

問題指摘の視点はすばらしい。政治がオリンピックまでの付け焼き刃なスポーツ振興など進めたら、どれだけ不幸な選手が創出されるかは容易に想像できる。自分のこどもがスポーツに熱を上げていたら、補助金だけは受け取らないように奨めるだろう。経営さえ能力不足で赤字ばかりの日本の大学に、さらにスポーツで補助金をちらつかせるのは不純過ぎる。
少子化が進んでいる。スポーツが食えるとしたら、健康領域がもっとも有益だろう。エンターテインメントは相対的に消費人口が減る。食えなくなる。今の時点でもプロ・スポーツで食える人がどれだけいるのか、中学生の親でも判ると思う。それは経営でも、ビジョンでもない。誰にでも判る。もし、大学がスポーツを語り出したら、補助金目当てに違いない。ということは、そんな大学には入学させない方がいい。

人民網日本語版
日本の輸出が大きな伸び 対中国は5カ月連続増加 (2017.4.22)

輸出入の調整がうまくいかず、日本の貿易赤字が一層際立つようになっている。しかし、日本財務省が20日に発表した3月と2016年度の貿易統計(速報値)によると、3月の輸出は予想を大幅に上回る伸びを見せ、ここ2年で最も強い伸びを見せた。2月の対中国の輸出額は、中国は春節(旧正月、今年は1月28日)に合わせた大型連休後の反作用で増加したため、3月はそれが減少すると予測されていたものの、蓋を開けてみると過去2番目に高い水準だった。3月の日本の対中国輸出は1兆2995億円(16.4%増)で、5カ月連続の増加となった。うち、自動車の部分品や電子回路などの機器の輸出額が40%増となった。一方、対米輸出は前年同期比わずか3.5%増、対欧州輸出も同比わずか1.4%増にとどまった。それでも、調整後の3月の日本の貿易収支は5000億円の赤字で、2月の5000億の黒字とは雲泥の差、ここ14カ月で最低だった。統計によると、貿易収支が赤字から黒字に転じたのは、主に春節期間中の中国の強い購買欲が消えたことと関係がある。ロイター通信は、「世界経済が成長のエネルギーを得るにつれ、日本の輸出も引き続き伸びる」と予測している。中国は日本の最大の貿易パートナーで、日本が中国に輸出している主な商品は、鋼鉄や自動車の部分品、科学光学機械、有機化合物など。一方、中国から輸入している主な商品は、服や半導体などの電子部品。日本の投資情報誌「会社四季報」のサイトは、「日本の対中国輸出が増加していることは中国経済が発展し、日本経済の発展を牽引していることを示唆している」との見方を示している、としている。

こういう前向きな話題を、なぜか日本の新聞は社説で取り上げない。なぜだろう?
どの国でも、政治が思惑で介入しなければ、経済は伸びる。これで南シナ海に余計な行動をやめてくれるだろうか?

毎日新聞・社説
米国の温暖化対策見直し 排出大国の責任忘れるな

世界全体で協調し、地球温暖化対策に取り組むことを定めたパリ協定に逆行する行為だ。世界第2の温室効果ガス排出国の責任が問われる。 トランプ米大統領は、火力発電所が排出する二酸化炭素(CO2)の大幅削減を義務づけた「クリーンパワー計画」など、オバマ前大統領が進めてきた温暖化対策を全面的に見直す大統領令に署名した。そもそも、米国の石炭産業の衰退は市場原理に従ったものだ。米国内では、石炭火力発電はガス火力発電よりコストが高い。再生可能エネルギーも低コスト化が続き、この分野の雇用者数は石炭産業を上回る。米国が温暖化対策を巡る国際交渉で主導権を手放せば、相対的に中国やインドなど新興国の存在感が高まる。両国は温暖化対策を環境対策や産業振興策とも位置づけており、取り組みが後退するとは考えにくい。日本は温室効果ガスを50年に8割削減する長期目標を掲げる。各国と連携して米国に軌道修正を働きかけるためにも、自らの目標達成に向けた道筋をしっかり描く必要がある、としている。

毎日の批判は強気だが、日本は他国の批判をできる立場ではなくなってきた。まずは日本の批判が先だろう。
アメリカへの批判の内容は間違っていないと思うが、毎日の言うとおり市場原理で決まるなら、大統領令がいくらあったとしても、アメリカほど経済合理性を意識する国なら、批判するまでもなく石炭の余命が延びることはない。アメリカのシェール革命を見るべきだ。もし、石炭からエネルギーをCO2の排出なしに取り出すイノベーションがあったら?日本の電源開発も、技術開発を推進している。

石炭火力発電事業 by 電源開発

トランプ氏が望んでいるのは雇用なのは間違いない。イノベーション主導の大統領令でないのは残念だ。だからこそ、アメリカの助力になる技術は渇望される。チャンスだ。ステレオタイプの発想や批判からでは、何も見えず、何も生まれない。

日本経済新聞・社説
国際金融規制を包括的に点検する時だ

過剰規制の見直しは、日本の金融庁や銀行界がかねて主張してきたところだ。金融システムの安定と経済成長を両立させるためのルール構築に向け、日本勢はFSBなど国際交渉の場で積極的に発言していくべきだ。一連の規制強化は金融システムの動揺を鎮め、世界経済の安定におおいに寄与した。しかし一方で、規制が金融市場の流動性を低下させ、成長の妨げになりかねないとの指摘も世界的に広がっている。リーマン後の規制づくりは危機対応の目的が前面に出たため、証券化などを前提にした金融仲介への影響が考慮されていたとは、必ずしも言えない。企業や個人が資金調達の面で不利益を被っていないかどうか、各国・地域の金融機関監督者が調査する必要がある。そのうえで不利益が利益を上回ると判断された規制の事例をFSBなどの場に持ち寄り、国際的な協調を保ちながら手直しを進めるべきだ。ただし、特定の国や地域で規制緩和が先行しすぎると、グローバルなお金の流れがゆがみ、経済が混乱しかねない。金融危機後の世界経済を支えた中国では、「影の銀行」と呼ばれる規制対象外の金融仲介も拡大した。中国をはじめとする新興国の市場も視野に入れた、包括的な規制の点検が必要だ、としている。

金融機関の規制で、どれだけ金融機関のビジネスは収縮しただろうか?ドイツ銀行の危機、日本の地銀の再編、マイナス金利での利益収縮…いろいろ発生している懸念は、金融規制が原因ではない。いま以上の規制が必要かは議論の余地があったとしても、規制緩和に向かわせるべき状況とは思えない。日経が気にしている撤廃すべき規制とはどんなものだろう?

読売新聞・社説
テロ準備罪法案 国民の不安を丁寧に払拭せよ

テロ等準備罪を創設する組織犯罪処罰法改正案に関する論戦が、衆院法務委員会で本格的に始まった。安倍首相は「東京五輪が3年後に控える中、テロ対策は喫緊の課題だ」と強調した。法案を成立させて、国際組織犯罪防止条約を締結する重要性も改めて訴えた。論戦の主要テーマの一つは、法案がテロ対策に有効かどうか、という点だ。277の対象犯罪には、森林法の森林窃盗罪などが含まれる。民進党は、保安林でキノコを採る行為を処罰することがテロ対策なのか、と追及した。テロ等準備罪は、組織的犯罪集団による犯罪の計画に加え、実行準備行為があって初めて成立するものだ。キノコ狩りという行為のみを強調し、テロと無関係だと決めつけるのは乱暴だろう。「監視社会」になるとの批判も目立つ。組織的犯罪集団かどうかを判断するのは警察であり、警察業務の一環として、一般の人の日常行為も監視や捜査の対象にされる。そんな主張であろう。通常の犯罪と同様、テロ等準備罪も犯罪の嫌疑があって初めて捜査が始まる。一律に監視が強まるかのような批判は当たるまい、としている。

なぜ読売が政府の支援と野党批判をしなければならないのか?国民の支持率、不明点を追求するのが先ではないだろうか?

産経新聞・社説
規制委の人事 新体制は再稼働の加速を

日本の原子力安全行政の頂点に立つ原子力規制委員会の第2代委員長に、委員長代理の更田豊志氏を充てる人事案が国会に示された。近く衆参両院の本会議で承認される見通しで、新体制は現在の田中俊一委員長が任期満了となる9月から発足する。規制委の仕事は山積みだ。4年前の新規制基準の施行後、安全審査に合格した原発は、5発電所の10基にすぎない。審査の効率を高めることで、停滞からの脱却が望まれる。また、合格した10基は加圧水型で、沸騰水型の原発はゼロである。沸騰水型は東日本に多いこともあり、炉型の違いが地域経済の復活に差を生みつつあることにも心を致すべきだろう。今年は日米原子力協定の更新にとっても重要な年である。再稼働の少なさなどから原発利用の後退感をトランプ政権が抱くと、日本のエネルギー政策は根底から瓦解(がかい)する。更田氏には、規制委設置の目的が「わが国の安全保障に資すること」にあることを改めて肝に銘じてもらいたい、としている。

更田氏は、ネットで検索する程度では情報の乏しい人物。いまの委員長代理の昇格程度にしか見えない。大きな改革は期待できそうもない。勇み足の産経には失笑する。

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