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2965.報道比較2017.4.22

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票で選ばれた人たちと、ペンの力と称する自己主張の強い人たちにかかると、物事の趣は台無しになり、やさしさや配慮は利用される。

朝日新聞・社説
退位報告書 政権への忠実が際立つ

天皇退位の是非やそのあり方などを検討してきた有識者会議が、最終報告をまとめた。国民の総意」づくりに向けた骨太の論議を期待した。だが任命権者である安倍政権の意向をうかがった結果だろうか、踏み込み不足が目立ち、最終報告も退位後の称号などに関する見解を並べるにとどまった。退位を認めず、摂政の設置や皇族による公務の分担で対応する。やむなく退位に道を開く場合でも、今の陛下限りとし、終身在位制を維持する。一部の保守層が反発する皇室典範の改正は行わない――というものだ。象徴天皇のあるべき姿や、高齢社会における円滑で安定した皇位継承の進め方について、有識者会議が突っ込んだ話をしなかったことが、なお混乱が続く原因のひとつといえよう。天皇退位という、扱いを誤ると政権基盤を揺るがしかねない重いテーマを前に、振り付けられたとおりに動くしかない。そんな「有識者」会議になってしまったのは、きわめて残念だ、としている。

産経新聞・社説
譲位の最終報告 伝統を大切に法案整えよ

天皇陛下の譲位について政府の有識者会議が、「最終報告」を安倍晋三首相に提出した。今上陛下一代に限り実現する特例法の制定を支持し、称号を「上皇」とするなど譲位後の制度が示されている。与党や民進党はすでに3月の国会見解を受けて政府がまとめた特例法骨子案について非公式協議を始めている。今回の最終報告と与野党協議を踏まえ、政府は特例法案をまとめる。5月19日に閣議決定して国会へ提出する運びだ。上皇のご活動をめぐり、象徴としてのお務めは全て新天皇に譲られるとしたことはもっともだ。そのうえで強調したいのは、上皇は新天皇に対する最良の助言者であるという点だ。歴史を振り返れば、上皇が時の天皇や皇太子に対して、徳を積み、学問に励むよう諭されるなどよき導き手の役割を果たされることがあった。このような助言は院政とは異なるし、全くの私事でもあり得ない。もちろん象徴たる立憲君主は天皇お一方であり、二重権威の懸念は当たらない、としている。

日本経済新聞・社説
退位の議論では残る課題の解決も急げ

政府の有識者会議も最終報告をまとめ、安倍晋三首相に手渡した。退位後の陛下のお立場や、皇位継承順位が1位となられる秋篠宮さまの呼称に言及した。法案に反映されるものとなる。特例法案は5月の連休明けに国会へ提出される見込みである。新しいかたちの退位へ向けた制度設計は、世論の後押しもあって着実に進んでいるようにみえる。しかし、残る課題も多い。政府、国会とも、その解決に全力をあげてもらいたい。退位の日について骨子案は、法律の公布から3年以内の政令で定める日、とした。皇太子さまの即位で元号が新しくなれば、国民のくらしや、さまざまな業界の活動に大きな影響が及ぶ。スピーディーで、かつ漏れのない周知や対策を進めていく必要がある。有識者会議が最終報告で指摘したように、皇室の現状をかえりみる時、皇族の減少について抜本的で速やかな検討が求められるのは明らかだ。国会提言はさらに踏み込んで「女性宮家の創設等」との文言を盛り込んでいる。現行の制度のままだと、遠くない将来に、国民が皇室に期待している多様な役割を十分には果たせなくなる可能性も、出てくるのではないだろうか、としている。

毎日新聞・社説
天皇退位の有識者会議報告 経緯踏まえた法案作りを

政府の有識者会議が天皇退位後の制度設計などに関する最終報告をまとめ、安倍晋三首相に提出した。これをもとに政府は今の陛下の退位に向けた法案作りを進める。報告では退位後の称号を上皇とした。太上天皇や前天皇などの案もあったが、天皇と付く称号を排し、公的行為もすべて新天皇に譲るのが適切とした。象徴の二重性を回避する観点から妥当だといえよう。首相官邸の影響も報告には色濃く残った。国会見解で言及された「女性宮家の創設」には触れていない。首相官邸は女性・女系天皇の布石になるとみて否定的とされる。報告よりも先に政府の特例法案の骨子案や付帯決議案が作られ、報じられたのも筋が通らない。しかも国会見解に比べ陛下一代の退位を強調する表現になっているという。順序も内容もこれまでの流れを軽んじた政府の対応には問題がある、としている。

読売新聞・社説
「退位」最終報告 円滑な実施へ残るは特例法だ

政府が設置した「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」が、最終報告を安倍首相に提出した。政府内では、退位を可能にするための特例法案の検討が進む。天皇、皇后両陛下の呼称は、それぞれ「上皇」「上皇后」とする。上皇は、摂政に就いたり、再び即位したりする資格を有しない。象徴としてなされてきた被災地訪問などの公的行為は、基本的に全て新天皇に移る。新旧天皇の権威が並び立つ弊害を防止する観点から、いずれも妥当な内容だろう。骨子案は「国民は陛下のご心労を理解、共感している」ことを退位の理由の一つに挙げる。今後の国会審議でも、この点に留意して、合意点を探ってもらいたい。正副議長見解は、「女性宮家」創設など、皇位の安定的継承の方策を速やかに検討すべきだとも注文した。有識者会議の最終報告は女性宮家に言及していないが、皇族数減少への対策について、議論を深めるよう促している。退位問題とは別に、政府には前向きな取り組みが求められる、としている。

国内紙が天皇退位の有識者会議の報告に集約したが、日本の政治とメディアの不可解な思惑ばかりが主張の各所に目立つ。朝日と毎日は政府に批判的で、産経と読売は、とぼけているのか、政府への批判はない。女性宮家の話題はしっかり出てくるのを見ると、朝日と毎日が邪推しているようにも感じる。
結果、私たちは「どうでもいい」に行き着く。政治とメディアが物事を無関心に向かわせる、最悪のケースだ。
老いて疲れたから息子に替わりたいと天皇陛下が言っているなら、さっさと替われる仕組みをつくった方がいいと思っていたのが国民の総意だろう。有識者は、それでも歴史や政治にも関係があるので…と話を解説しながら整理していた。なぜか票で選ばれた人たちと、ペンの力と称する自己主張の強い人たちにかかると、物事の趣は台無しになり、やさしさや配慮は利用される。私たちは興味を失う。残るのは不幸な当事者と、ためいきで離れていった国民。こうして投票率が下がり、視聴率や購読率が下がっている。邪魔極まりない存在だ。

人民網日本語版
中国・EU協力の深化に最適な時 (2017.4.21)

中国とEUの第7回ハイレベル戦略対話が19日に北京で開催され、楊潔チ国務委員とモゲリーニEU外交・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長が共同議長を務めた。双方は広範な議題について検討し、話し合い、協力強化という重要なメッセージを発した。中国・EU双方にとって協力の全面的深化は、かつてないほど重要かつ差し迫ったものとなっている。これは主に次の考えによるものだ。
第1に、世界経済の安定、持続可能な成長を共同で維持する必要性。
第2に、グローバル・ガバナンスを強化し、グローバルな試練に共同で対処する必要性。
第3に、発展戦略連結の必要性。
第4に、安全保障協力深化の必要性。
中国とEUの第7回ハイレベル戦略対話は顕著な成果を挙げた。これは双方共に協力の強化、溝の解消を強く望んでいるためだ。今こそ中国とEUの協力深化に最適な時であり、中国・EU関係の明日はさらに良くなるものと信じる、としている。

アメリカという対抗軸を示せば、英国が離脱したEUと中国の相性は高い。広大なユーラシア大陸の東西をつなぐ中国の提案も、カネを出すのが中国なら、ヨーロッパは協力するだろう。中国とヨーロッパの利害関係はウィン・ウィンになりやすい。ここでも日本は孤立する立場だ。

Wall Street Journal
トランプ氏、政府閉鎖回避と医療保険改革の二兎追い (2017.4.21)

ドナルド・トランプ米大統領と議会共和党は、政府機関閉鎖の回避と医療保険制度改革法(オバマケア)見直しの新法案という2つの微妙な問題を短期間で解決すべく調整を急いでいる。トランプ政権としては、新たな成果を手に発足100日という節目を迎えたい考えだ。一方、連邦政府の現行の暫定予算は4月28日に失効する。それ以降の暫定予算を巡る共和・民主両党の協議は争点が明確になりつつある。民主党は、オバマケアに基づく保険会社への補助金を法案に盛り込むよう要求。補助金が廃止されれば脆弱な医療保険市場は崩壊しかねない。一方、政府はそれと引き換えに、国防、国境の壁建設、入国管理官の増員などに関する予算増額を求めている。議会が暫定予算を可決するまでに残された時間は1週間もない。暫定予算を延長できなければ、トランプ氏が就任100日を迎える29日から政府機関は一部閉鎖される。暫定予算法案を可決するには、上院だけでなく下院でも民主党議員の支持が必要になりそうだ。そのため、民主党の発言権がかつてなく強まっている。現在の議論は、民主党が求める補助金支給継続にどう対処するかが鍵を握る。この補助金は「コストシェアリング」と呼ばれる。保険会社はそれを原資に低所得者の保険料負担を軽くしている、としている。

トランプ氏は、人身を掌握するツボは知っているようだ。100日のデッドラインに成果を見せれば盛り返せると読んでいる。問題は、トランプ氏は今まで、ツボは判っても応えられる政治的能力と経験がなかったことだ。期待に応えられた成果はいつも半分以下だった。今回も、そのパターンに陥るなら、ふたつのアイディアを組み合わせたディールは失敗する。もう失敗しても失望さえされなくなったら、いよいよトランプ氏に世界は期待していないことの表れだ。そうなったら…彼が唯一支持を得たのは空爆だった。支持率のために余計なことをしないといいが。

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