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2962.報道比較2017.4.20

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国内紙の社説のピントが、朝鮮半島の緊張が緩んだからか散漫に。気を抜いていると連休前にマーケットがもう一度くらい癇癪を起こす。力点がいつもずれていて惨めだ。

人民網日本語版
「一帯一路」建設の新たな1ページを開く (2017.4.19)

中国外交部(外務省)は18日、「一帯一路」国際協力サミットフォーラムが14、15両日に北京で開催され、習近平国家主席が開幕式に出席し、首脳円卓会議の議長を務めることを発表した。中国のホームグラウンド外交の新たな盛大な会議に全世界の視線が集まっている。各国が共同で「一帯一路」(the belt and road)建設の大計を話し合い、互恵協力の素晴らしいビジョンを描く重要なチャンスが訪れる。今回のサミットフォーラムは「一帯一路」協力イニシアティブについて中国の開催する最高レベルの国際会議だ。過去3年余りで「一帯一路」はコンセプトから行動へ、提案から実行へといたり、すでに重要な段階的成果を収め、理論・構想から革新・実践への重大な飛躍を実現し、実務協力の全面的推進という新たな段階に入った。この時期的節目において、さらに各国の知恵を集め、成果と経験を総括し、協力の道筋を計画し、協力のプラットフォームを共に構築して、「一帯一路」建設の新たな1ページを開くことになる、としている。

110か国の参加に驚き、盛り上がりを見せているのかと調べてみると、先進国の参加は少ないようだ。

中国の一帯一路サミット、G7からの参加は伊首相のみ by Newsweek

この一帯一路、古来のシルクロードが確実に中国を豊かにしたように、実現の規模によって、中国にかなりの恩恵を生むに違いない。中国に投資する能力も十分にあるだろう。うまい形で参画するのが合理的だ。日本の現政権には期待できない。チャネルを模索してみたい。

Wall Street Journal
メイ英首相が総選挙でつかむ好機 (2017.4.19)

英国のテリーザ・メイ首相は6月8日に前倒しで総選挙を実施する意向を明らかにして国民をあっと言わせた。大胆だが合理的な賭けだ。狙いは欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)交渉を進めるなか、議会で改めて過半数を獲得し議席差を拡大することにある。メイ氏が選挙戦を利用して、ブレグジット後の課題に対応する競争力を備えた英国のビジョンを示すことに期待しよう。民主主義では何でも起こりうる。特に近頃はそうだ。英国はブレグジット後に相当な不安を抱いており、決定を後悔すらしている。これは変化が読めないせいでもあるが、ブレグジットが決まった国民投票後の経済情勢も関連している。メイ氏の課題はブレグジットの目的を明確にすることだろう。経済自由化の支持者はEUの中央集権主義から英国を解き放つ手段としてブレグジットを支持したが、それはメイ氏の政権運営スタイルと違う。同氏はサッチャー的な改革やダイナミックな新しい英国ではなく、キリスト教民主主義による連帯を提唱している。移民制限派は英国のナショナル・アイデンティティー(国民意識)を保つためにブレグジットを支持したが、メイ氏は今では英国に引き続き移民が必要だと認めている。メイ氏は選挙での勝利を一助にこうした違いを乗り越え、団結した保守党政府としてEUとの交渉に臨むことを期待している。ブレグジット後に繁栄できるのは、投資と人的資本が集まる中心地になった時だけだ。メイ氏は交渉するための信任を求めているが、成長指向の改革への信任もあれば立場は一段と強くなる。それを求めるべきだ、としている。

安倍氏が連発する解散総選挙を想い出した。メイ氏は得た信任を安倍氏のようにすり替えて憲法解釈を変えるような不誠実な行動はしそうもないが。6月なら、英国の株価もインフレ率も、悲観する状態にはならない。あとは、巧みに見える選挙という駆け引きを、英国民がどう捉えるかだ。

Financial Times
トランプとキムと核の誤算のリスク (2017.4.18)

1950年には、ワシントンでの軽率な発言と平壌での誤算の組み合わせが朝鮮戦争の勃発につながった。今、朝鮮半島で新たな戦争が勃発する可能性について世界が熟慮する中で危険なのは、米国と北朝鮮の政府が再び計算を誤り、紛争に陥ってしまうことだ。平壌では、北朝鮮指導者の金日成氏が、米国は韓国を防衛しないという明確な意味合いに留意した。5カ月後、北朝鮮軍は38度線を越えて南へなだれ込み、韓国を侵略した。しかし、金氏は計算を誤った。米国が戦ったのだ。朝鮮戦争は数十万人の死者を出し、米軍と中国軍の直接的な戦闘につながった――そして、いまだ正式に終わっていない。今日に至るまで、朝鮮半島の平和は正式な和平条約ではなく、休戦協定によって保たれている。北朝鮮はまだ米国西海岸に届く核ミサイルは開発していないものの、韓国や日本を攻撃できる、核兵器が搭載可能なミサイルは恐らく持っている。北朝鮮との国境から55キロほどしか離れていない韓国の首都ソウルは間違いなく、破壊的な迫撃砲の嵐にさらされやすい。そして日本と韓国は、北朝鮮の化学兵器に大きな不安を抱いている。トランプ大統領のインナーサークルには確かに、トランプ政権は本気で北朝鮮への「先制攻撃」を検討していると思っている人がいる。だが、もし金正恩氏が同じ結論に達したとしたら、先に核の引き金に手を伸ばすかもしれない、としている。

産経新聞・社説
米副大統領の演説 平和に向けた力の誇示だ

来日中のペンス米副大統領が、横須賀停泊中の原子力空母ロナルド・レーガン艦上で演説し、北朝鮮を「最も危険で差し迫った脅威」と位置付けるとともに「米国の軍事力を試すべきではない」と強く牽制した。北朝鮮が核兵器や通常兵器で攻撃してくれば、「圧倒的で効果的な反撃」をするとも語った。自らも脅威に直面する日本が、同盟国として米国の北朝鮮政策を支持するのは当然である。日米同盟や米韓同盟が機能してこそ、北朝鮮に核・ミサイル戦力の放棄を迫ることができる。外交上の解決へつなげるため、軍事挑発を重ねる北朝鮮と、その「後ろ盾」となってきた中国に圧力をかける狙いがある。そのことを理解する必要がある。北朝鮮は、国連安全保障理事会の決議に反し、各国の非難も無視して核実験や弾道ミサイル発射を繰り返してきた。化学兵器を大量に生産し、保有している。そのうえ、日米に核攻撃の脅しまでかけてくるようになった。平和を損なう原因は、北朝鮮が作っている。国会が率先して論じるべきことは、いかに抑止力を高め、国民を守り抜くかである、としている。

インターネット時代になってから、コンテンツのリリース・タイミングには相当な配慮が必要で、日次単位ではもはや遅過ぎること、勇気を持ってボツにする意志がなければ信頼さえ失う。アメリカの空母は朝鮮半島に向かっていなかった判った後、産経とFinancial Timesの翻訳原稿は、失笑の対象にしかならない。アメリカ軍は「情報こそ最大の兵器」と笑えるだろうが、裸の王になって吠えてしまったり、不用意に弱腰を見せると、信頼を失う。いま、もっとも強い武器はスピードだ。

読売新聞・社説
学術会議声明 「研究の自由」をはき違えるな

学者の代表機関とされる日本学術会議が、軍事利用される恐れがある研究を規制するよう、大学などに求める声明・報告書を決めた。学術会議として、「学術と軍事が接近しつつある」との懸念を表明している。その上で、「自由な研究・教育環境を維持する」ために、研究の是非を判断する制度の新設を大学などに要請した。多様な意見を踏まえて、丁寧に議論することは、学問の基本である。学者集団として、禍根を残す意思決定と言わざるを得ない。学術会議が念頭に置いてきたのは、防衛省が2015年に開始した「安全保障技術研究推進制度」だ。声明は、「政府による研究者の活動への介入が強まる」との認識を示している。米軍の軍事技術の中核である全地球測位システム(GPS)は、カーナビに加え、地震火山の観測や自動運転にまで広範に用いられている。軍事に関連するとして、排除するのは、非現実的だ。日本の研究界の現状は厳しい。論文数が伸び悩み、世界から取り残されている、と指摘される。新たな制約を設けることで、研究現場を萎縮させてはならない、としている。

毎日がこの主張をしたら、聞く耳を持てたかもしれない。政府に寄り過ぎている読売という背景を加味すると、私は学術会議の懸念を尊重する。解釈で集団的自衛権の運用を変える政府に懸念を示すのは当然だ。

朝日新聞・社説
退位の政府案 国会の軽視が過ぎる

まず法律の名称である。「とりまとめ」は「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」としたが、骨子案は「天皇陛下の退位に関する…」となっている。一見大きな違いはないが、「陛下」の2文字を加えることで、退位を今の陛下お一人の問題にしようという意図が明白だ。あわせて、典範を改正して付則に盛りこむことになっていた特例法の趣旨が削られた。「この法律(=典範)の特例として天皇の退位について定める」という文言で、今回の退位が次代以降の先例になる根拠と、野党などは位置づけていた。与野党対決法案になれば、憲法が「国民の総意に基く」と定める象徴天皇の地位を不安定にしかねない。危機感をもった正副議長の音頭で、政府案が固まる前に国会が協議を始めるという異例の手続きがとられた。政府の骨子案はこうした努力と工夫を踏みにじるものだ。野党の声に耳を傾けようとせず、国会を軽視する政権の姿勢が、ここでもあらわになった。安倍首相はかねて「退位問題を政争の具にしてはならない」とし、正副議長から「とりまとめ」を手渡された際は「厳粛に受けとめる」と応じた。あれはいったい何だったのだろう、としている。

有識者会議は何と言っているのだろう?国会議員ではなく民間の汗を書いた人たちの意見を聞きたい。メディアなら、集められるはずだ。集められなければ、朝日が政府を攻撃しているに過ぎない。メディアの戦い方の正攻法は、自らの主張ではなく、言論を集めることのはずだ。

日本経済新聞・社説
衆院選の区割り改定だけでは不十分だ

衆院選挙区画定審議会が19日、小選挙区の「0増6減」などを反映した区割り改定案を安倍晋三首相に勧告した。関連法が成立すれば「1票の格差」は2倍未満に是正される見通しだ。だが今回の見直しも、格差を一時的に縮める効果しか期待できず、各党は衆参の役割分担や選挙制度の抜本改革に向けた議論を急ぐべきだ。区割り審は昨年5月に成立した改正公職選挙法に沿って具体的な区割り案を検討してきた。青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の6県は定数を1減らし、19都道府県の97選挙区で区割りを変更した。2015年の人口に当てはめた格差は1.956倍となる。国政選挙のたびに司法が違憲性に触れた判決を下し、立法府が後追いで選挙制度を小幅改正する展開は望ましくない。衆院選は人口比に近い配分が可能な「アダムズ方式」の導入が決まっているが、次の改正は5年後だ。格差が安定的に2倍未満になるような制度と運用方法の検討が必要だろう。1票の格差を是正する対症療法的な発想だけではイタチごっこのような制度改正からぬけだせない、としている。

毎日新聞・社説
97小選挙区の区割りが変更 有権者への周知徹底を

見直されたのは定数を減らす6県を含む19都道府県で、変更は97選挙区に及ぶ。とりわけ東京都をはじめ、区や市が分割される選挙区が大きく増えたのが目を引く。行政区分と小選挙区とで区域が異なることに戸惑う有権者も多いはずだ。だが民意の反映が厳密に求められる衆院選で、「1票の格差」を2倍未満にするためにはやむを得ない措置だ。むしろ、今後大切なのは有権者への周知徹底である。政府は区割り改定法案の今国会成立を目指すという。成立後、有権者のために1カ月程度の周知期間が必要とされ、新区割りが適用可能になるのは、今夏以降になる見通しだ。抜本是正には程遠いとはいえ、自民党は相当数の候補者調整が必要となる。このため党内には「区割り改定で首相の衆院解散権は縛られない」と、現行のままで解散・総選挙を行うよう期待する声があった、としている。

自分たちの仕事に関わる改革だから時間がかかるのかと思っていたが、いまの投票率と政党政治のレベルの低さを考えれば、優先順位が低い課題なのだろう。改革が進まなくても誰も怒らないし、選挙までに決めればいいなら興味さえ湧かない。社説の話題にする必要性さえ感じない。

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