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2955.報道比較2017.4.13

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アメリカ政府の行動が安定感を見せてきた。リスクは高まっているが、不確実性は減っている。私にはポジティブに見える。

Wall Street Journal
プーチン氏を突き放すトランプ氏 (2017.4.12)

ドナルド・トランプ米大統領がロシアのウラジーミル・プーチン大統領に政治的に手足を縛られているという考え方は、メディアには人気がある。しかし、この説は日を追うごとに信ぴょう性を失い始めている。11日には複数の米政府関係者が、シリアのバッシャール・アサド政権による化学兵器使用をロシアが隠ぺいしようとしたと非難した。またトランプ氏はモンテネグロの北大西洋条約機構(NATO)加盟を正式に承認した。モスクワを訪問中のレックス・ティラーソン米国務長官との会談をプーチン氏が拒むのと時を同じくし、ホワイトハウス関係者はロシア政府を非難。先週のシリアでのサリンガス攻撃では少なくとも85人が犠牲となったが、その説明責任からアサド大統領を守るため、ロシア側が「偽情報キャンペーン」を行っているとした。昨年の大統領選でのトランプ陣営とロシア政府の関係については、捜査が終わるまで長い時間がかかるだろう。だがトランプ氏の今回の行動は、ロシアの反応を恐れて外交的な判断を下す人物のものではない。これは心強く、そしてロシアの絶対的指導者と対峙するトランプ氏の立場を強めることになるだろう、としている。

産経新聞・社説
G7外相会合 対中露の強固な枠組みに

先進7カ国(G7)外相会合が、シリアに対する米国の軍事行動に理解を示した。アサド政権の後ろ盾であるロシアに対しては、内戦終結に向け影響力行使を求めた。北朝鮮の核・ミサイル開発を強い表現で非難し、同時に中国を念頭に置きながら東・南シナ海の状況に懸念を表明した。ロシアは米軍のシリア攻撃を「侵略」と非難していた。ティラーソン国務長官の訪露を前に、他のG7諸国が米国の立場を支持した意味は大きい。共同声明は、北朝鮮への対処について「最優先課題であり続ける」と強調した。核・ミサイル開発とともに拉致問題を含む人権、人道上の懸念にも言及した。日本は拉致や尖閣諸島という自ら解決すべき問題を抱え、同時にアジアからの唯一の参加国という立場もある。その基盤には、米国との同盟関係がある。5月末のG7首脳会議(サミット)では、この有益な枠組みを活用する議論を主導してほしい、としている。

毎日新聞・社説
G7外相会合とシリア 特殊事情で結束したが

日米欧の主要7カ国(G7)は、イタリアで外相会合を開き、シリア問題の解決に向けてロシアにアサド政権への影響力行使を促すことで足並みをそろえた。「米国第一」を掲げるトランプ政権の発足で懸念されていたG7の結束はひとまず確認できたといえる。米国は、アサド政権が化学兵器を使って市民を空爆したとしてシリア軍の基地をミサイル攻撃した。ロシアはこれを国際法に違反する「侵略行為」だと非難した。米国の突然の行動は、日本や欧州諸国を戸惑わせた。G7共同声明は米国のミサイル攻撃を「注意深く計算され、対象が限定された対応だった」と評価したが、「支持」とは明記しなかった。国際法上の根拠を疑う声に慎重に配慮したのだろう。化学兵器についても、国際機関による徹底調査を求めるにとどめ、使用者の断定は避けた。米露交渉が今後のシリア問題解決へのカギを握るのは間違いないが、米国任せにせず、G7が結束して対露交渉の前進を後押しし続ける必要がある、としている。

読売新聞・社説
G7外相会合 露にシリア戦略転換を促した

先進7か国(G7)外相が共同声明で、シリアでの戦闘と住民の苦境に「深刻な懸念」を表明した。岸田外相は「困難に直面するすべてのシリア人への人道支援を日本は最大限行う」と述べた。シリア軍基地に対する米国の攻撃について、声明は「化学兵器拡散を抑止するための注意深く計算された対応だった」と評価した。「攻撃支持・理解」でG7の結束を示した意義は小さくない。声明には「ロシアは重要な国際プレーヤーだ。協力なしに解決できない危機や地球規模の課題がある」との認識が盛り込まれた。ロシアを一方的に追い込むだけでは、シリア停戦も、「イスラム国」打倒に向けた協力も実現できまい。厳しい現実を声明に反映させざるを得なかったのだろう。米露間では、核軍縮、北朝鮮の核ミサイル開発、ウクライナ情勢など、協力が必要な懸案が山積している。トランプ政権に求められるのは、決定的な対立を避けながら、ロシアの行動を変化させていく周到な方策である、としている。

ティラーソン氏は多忙だ。G7の後、ロシアへ。シリア問題の緊張はG7よりもロシア外交だったはずだが、国内紙は未だG7。
アメリカの確実な思惑は、シリアと北朝鮮を一度に抱えるリソースはない。しかも、どちらもトランプ氏に言わせれば「リターンが少ないのに、リスクが高い」。ひとつずつしか片付けられない。できれば、さっさと、協力者を集めて、手っ取り早く片付けたい。その結果、アメリカの行動は、極めてスタンダードで安定したものに向かいはじめている。これは日本にとってはポジティブだ。おそらくロシアとも、想像以上に関係を修復してくるだろう。トランプ氏は、北朝鮮問題の解決のためなら経済的メリットを中国に与えてもいいというディールさえ公言している。プーチン氏が欲しがっているものを、トランプ氏は知っている。一時的に対立することなど、外交では気にすることではない。相手を攻撃しながら逢ったら仲良くなるのはトランプ流の外交のようだ。

人民網日本語版
朝鮮半島の情勢などめぐり、習近平主席がトランプ大統領と電話会談 (2017.4.12)

習近平国家主席は12日午前、米国のトランプ大統領と電話会談を行った。習主席は、「我々はマー・ア・ラゴで新しい時代の中米関係と重要な国際的、地域的な問題について踏み込んだ交流を行い、重要な共通認識を得ることができた。また、トランプ大統領とは互いの理解を深め、良好な関係を築きあげた。今後両国は、外交安全に関する対話と経済全般に関する対話、法の執行やインターネットセキュリティに関する対話、社会と人的・文化的な面での対話という4つのハイレベルな対話メカニズムを通じて、経済提携における『百日計画』の実施を推進し、中米両軍や法の執行、インターネット、人的・文化的方面などの交流と提携を展開していく。」と述べた。今回の電話会談で、両国首脳は朝鮮半島の情勢といった関心を共有する問題について意見交換した。習主席は、「中国は朝鮮半島の非核化目標の実現、またその平和と安定の維持を堅持し、平和的な方法で問題を解決し、朝鮮半島問題に関して米国側と連絡を取り合い、調整していきたい」と強調した、としている。

中国は、対外的には北朝鮮問題に率先して関わる姿勢を未だに見せない。平和解決の姿勢を崩さないのは戦略として正しいと思うが、これだけ北朝鮮に注目が集まっている状況で、発信が少ないのは行動力のなさと受け止められる。北朝鮮の特殊性は、外交ルートが極めて少なく、そのルートの中で中国がもっとも強力なことだ。中国は自身の価値をうまく利用する意志がないのだろうか?見えない部分で、中国は確実にアメリカの要請を意識している。おそらく行動も推進している。でなければ、電話会談の存在をアメリカと同じタイミングで公表するはずがない。北朝鮮にも何らかのアクションがあったはずだ。日本は仕事をしているだろうか?

朝日新聞・社説
東芝の経営 信頼を取り戻せるか

自らまとめた決算について、専門家の了承を得る。その上で情報を公開し、投資家や取引先の判断材料にしてもらう。それが上場企業に課せられた基本的なルールだ。ところが、原発事業で巨額の損失を抱えた東芝が、監査法人のお墨付きを得ないまま、16年4~12月期決算の公表に踏み切った。損失の調査や処理をめぐって監査法人と意見が食い違う中、すでに公表を2度延期していたため、見切り発車した。東芝は不正会計問題で、東京証券取引所から「特設注意市場銘柄」に指定されている。再発防止の対策を進めているが、改善が不十分と判断されれば上場廃止になる。今回の失態が加わったことで、上場を維持できるかどうか、ますます予断を許さなくなった。東芝株が上場廃止になれば、株主や取引先に混乱や損失が避けられない。上場を維持するためには、足元の混迷を収め、内部管理体制を立て直すことが急務になる。損失を穴埋めするために、半導体メモリー事業の売却を進めている。稼ぎ頭を手放すという重い決断をしただけに、その後の姿をしっかり描けるかが問われる。再生に早く踏み出すためにも、信頼の回復を急がなければならない、としている。

昨日の日経と大差ない内容。もっと踏み込んだコンテンツを海外紙や国内週刊誌が書けるのはなぜだろう?東芝の経営とともに、日本の新聞が心配になる。

日本経済新聞・社説
流通業は3つの逆風にどう立ち向かうか

主な流通業の2017年2月期の決算が出そろった。不採算事業の縮小や付加価値の高い品ぞろえなどで業績が上向いた企業が目立つ。しかし流通業の経営はネット通販の拡大や人手不足などにより厳しさを増している。IT(情報技術)の活用などで生産性の一層の向上に取り組む必要がある。セブン&アイ・ホールディングスは営業利益で最高益を更新した。不振だったスーパー事業が不採算店の閉鎖や付加価値の高い総菜の強化で好転した効果が大きい。イオンもスーパー経営の改善で増収増益になった。健康に配慮した独自ブランド商品が好調だったという。ローソンも健康志向の商品の成功で最高益を更新した。一方、流通業界は3つの逆風と向き合わなければならない。ネット通販の広がりが1つ目。これに人手不足が人件費や物流費の高騰要因として加わる。さらに将来不安から消費者の節約志向も続く。流通・外食業界はこれまで、安い労働力が豊富にある前提でビジネスモデルを組み立ててきた。店舗運営や物流に無駄な動きや人員がないか、厳しく点検したい。そのうえで、従業員に過重労働を強いるのではなく、ITの活用や仕事の簡素化により、人手をなるべく使わない運営手法を編み出すべき時ではないか、としている。

アメリカの流通には、ショッピングモールの異変が顕著になっている。Eコマースに駆逐されたかのように閉鎖ラッシュ。私には、近い将来の日本のショッピングセンター、小売りが見る未来だと感じている。
同じ品質の商品が、自分の好きな時に注文して、指定した時に、好きな場所で受け取れる。なぜ店に出向かなければならないのか?このシンプルな消費者の問いかけに、明確に答えられなければ、ショップと呼ばれる形態は淘汰の波に抗えそうもない。ショップは、なぜ高いコストをかけて人を呼び、店頭に来てもらわなければならないのか?という自問自答にさえ答えられなくなっている。

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