ORIZUME - オリズメ

2954.報道比較2017.4.12

2954.報道比較2017.4.12 はコメントを受け付けていません。

アメリカと北朝鮮の対話は、意味がないならしない。するなら、次が最後。その緊張は近づいている。準備は必要。ただ、アメリカでさえ、まだ平和的解決に重きを置いているのを、日本は忘れている。

Wall Street Journal
トランプ氏、北朝鮮へ新たな警告 中国に行動促す (2017.4.11)

米国のドナルド・トランプ大統領は11日、中国が北朝鮮の脅威抑制に取り組まなければ、米国が行動を起こすつもりだと述べた。米海軍は現在、空母「カール・ビンソン」を朝鮮半島へと進めている。トランプ大統領はまた、北朝鮮問題に関する中国への協力要請を米中間の貿易交渉に結びつけた。ツイッターへの投稿で、中国の習近平国家主席とフロリダで先週会談した際に「(中国が)北朝鮮問題を解決すれば、対米貿易での合意が(中国にとって)はるかに好ましいものになるだろう」と話したことを明らかにした。「北朝鮮はトラブルを探している」とし、「中国が協力を決めれば素晴らしいことだ。そうでなければ、われわれは彼らなしで問題を解決する」と述べた。北朝鮮は15日に建国の父とされる故金日成主席の誕生日を迎え、新たなミサイル実験に乗り出すとみられている、としている。

朝日新聞・社説
北朝鮮と日本 軍事より対話の道描け

米国と北朝鮮の軍事的な緊張が高まっている。トランプ米政権が原子力空母カールビンソンを朝鮮半島近海に向かわせた。シリアへのミサイル攻撃に続く「力の誇示」である。北朝鮮の金正恩政権はこれに強く反発している。米国が対話を拒んだことが、結果として、北朝鮮の核・ミサイル開発を進展させた面もある。北朝鮮が非核化措置をとるまでは交渉に応じないとするオバマ政権の「戦略的忍耐」が、北朝鮮に核実験などを繰り返させたことは否めない。トランプ政権の体制が固まらない中で日本の役割は大きい。米国が北朝鮮への軍事行動に踏み切れば、韓国だけでなく、日本も反撃の対象となる可能性が高い。北朝鮮は在日米軍基地が攻撃対象と公言している。そんななか、安倍政権が米国の「力の誇示」を評価する姿勢を示していることに疑問を禁じ得ない。大事なのは、対話による危機回避の道筋を描くことだ。あらゆる場での日本の外交努力が問われている、としている。

産経新聞・社説
北朝鮮の核問題 緊迫化する事態に備えよ

原子力空母カール・ビンソンを急遽、朝鮮半島周辺に派遣した。北朝鮮の核兵器開発に関与している中国企業に対し、制裁の強化を検討していることを日本政府に伝えてきた。15日の金日成主席生誕105年などに合わせ、北朝鮮が新たな挑発行為に出ることも想定した対応である。事態の緊迫化を如実に示しているが、当事者でもある日本の緊張感は十分だろうか。ティラーソン米国務長官はさきの米軍のシリア攻撃について、北朝鮮への警告の意味合いが含まれていることを認めている。空母派遣を含め、北朝鮮経済の生命線を握る中国への圧力にもなろう。北朝鮮が弾道ミサイルを発射すれば、日本の領域に10分足らずで着弾する。すでに、北朝鮮の武装工作員などが国内に潜伏していたとしても不思議ではない。安倍晋三首相は自民党幹部らに対し、「いかなる事態になっても、国民の生命と平和な暮らしを断固として守り抜く決意だ」と語った。首相の覚悟だけでは足りない。政府も国会も、国民を守る重い責任を負っているのだ。危機感の共有が不可欠である、としている。

毎日新聞・社説
北朝鮮情勢と日本の対応 米国の圧力を外交力に

トランプ米政権が原子力空母「カール・ビンソン」を朝鮮半島近海に派遣した。軍事的圧力を強めることで、核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮に警告する狙いがある。トランプ大統領は核開発凍結を含む1994年の枠組み合意以降の対北朝鮮政策を誤りだったと指摘し、軍事介入を含む「すべての選択肢」を検討していると表明している。安倍晋三首相はシリア攻撃を受けて「米国政府の決意を支持する」と表明した。日本政府内には米軍のシリア攻撃が中国や北朝鮮への警告になるとの見方がある。しかし、朝鮮半島の緊張が過度に高まれば日本が直面する危険は大きくなる。米朝の軍事衝突など不測の事態が起これば日本や韓国への被害は免れない。北朝鮮の核廃絶に取り組むには、日米韓中露と北朝鮮の6カ国協議再開に向けた環境整備が必要だ。安倍首相はトランプ氏と緊密に意思疎通している。日本はこのパイプを生かし、圧力とのバランスを取りつつ対話への道筋を率先して描くべきだ、としている。

読売新聞・社説
対「北」圧力強化 中国の実質的関与を促したい

トランプ米政権が原子力空母「カールビンソン」を朝鮮半島近海に派遣した。艦載機約90機を擁するカールビンソンは、伴走するミサイル駆逐艦とともに圧倒的な打撃力を有する。化学兵器の使用が疑われるシリアのアサド政権を攻撃した直後の派遣は、軍事行動も辞さない姿勢を北朝鮮に示す狙いがある。先進7か国(G7)外相会合は、北朝鮮の核実験・ミサイル発射を「新たな段階の挑戦」と位置付ける共同声明を採択した。G7が北朝鮮に関する現状認識を共有したことは、国際社会の対北朝鮮包囲網を強化するうえで、重要な一歩となる。中国は、原油供給や貿易、金融取引の制限など、様々かつ有力な北朝鮮制裁の手段を持つ。米中首脳会談では、北朝鮮への圧力強化に後ろ向きだったが、国際社会は中国に具体的な行動を粘り強く促すことが求められる。懸念されるのは、若くて経験に乏しい金委員長が、米国の圧力に反発し、暴走することである。核実験や新型長距離弾道ミサイルの発射実験などの愚挙に出ても、何も得るものはない、としている。

日経以外の国内紙とWall Street Journalが北朝鮮の話題で一致。アメリカにとって、地政学リスクと呼ばれる緊張がシリアと北朝鮮のふたつで深刻になっているのが判る。
朝日と毎日は対話を主張。何の外交もなしにアメリカが北朝鮮に先制攻撃をする可能性は低い。一線を越える行動がなければ、アメリカには大義名分も、急ぐ必要性さえない。協議の場をつくる努力と時間は、アメリカも応じるだろう。問題は、北朝鮮が外交を常に駆け引きに使い、何度も約束を反故にしたこと。だからアメリカは、無駄な交渉ならしないというポーズをつくる。ファイティング・ポーズの状態で、最後の交渉と呼ぶ場をつくるつもりだろう。ロシアや中国と、同意したいのも、この環境作りだ。アメリカと北朝鮮の対話は、意味がないならしない。するなら、次が最後。その緊張は近づいている。
産経や読売のような強硬派は、そのポーズに同調しているのか、本気で軍事行動を先んじて考えているのか判らない。対話の場がつくられなければ、事は急速に進む。準備ができているのは北朝鮮だけだろう。その確率はたしかに高まっている。準備は必要だ。だが…それだけでは無能だ。アメリカでさえ、まだ平和的解決に重きを置いている。
対話の場がつくられたなら、今のままでは日本の役割はゼロに近い。強硬姿勢のみ。対話を促す姿勢さえ見えない。安倍氏の国家主義的思考が、朝鮮半島や中国と協力が必要な時には、むしろ邪魔になると見るアメリカ人も多数いる。平和的解決に至った時、もっとも利益を得るのは?明らかに中国だ。その可能性を最後まで捨てずに努力したとしたら?最悪の事態になっても中国は平和主義者のブランドを手にする。日本は、完全にアメリカの属国ぶりを演じるだけだ。
いまのアメリカの行動を見て、北朝鮮より浮き足立っている日本は、あまりに脆弱だ。冷静に準備しながら、口では平和的解決を求める。努力を惜しみなくする。その行動があれば、有事の際にはいろいろな言い訳が効く。今のままでは、基地を貸し、物資を出し、場合によっては人も出すつもりだ。ならば、北朝鮮にとっては当然の攻撃対象だ。
事が起きずに進んだなら、朝鮮統一に、アメリカの属国の意見が反映されるだろうか?外交意志さえ持たず、中国や韓国とも関係の悪い国が、どんな役割を担うのだろう?もし統一されれば、朝鮮半島にはドイツと同じ事が起きる。混乱もあるが、急激な成長も当然のように生じる。アメリカ、中国、ロシアが見ているのはその利権だ。なぜ日本は、目先の敵を嫌うことに執着するのだろう?

人民網日本語版
春の外交のハイライト 習近平主席の欧米歴訪 (2017.4.11)

習近平国家主席はフィンランドのニーニスト大統領の招待を受けて4月4日から6日にかけて同国を公式訪問した。また、米国のトランプ大統領の招待を受けて4月6、7両日に米フロリダ州パームビーチの高級別荘「マー・ア・ラゴ」でトランプ大統領と会談した。王毅外交部長(外相)はこれを「第19回党大会招集前に国内外の大局を統合的に計画する重要な外交活動」と呼んだ。現在世界は大きな変化と調整の渦中にあり、国際情勢は危機とチャンスが交錯している。一方では、西側世界を代表する欧米が内外政策面で不確定性を抱え、揺れ動いている。米国のトランプ政権は就任後、「米国第一」と「米国を再び偉大にする」との「新ビジョン」によって内外政策を統率し、大国関係と地域情勢を処理している。もう一方では、中国に代表される新興エコノミーが全力で前進し、世界経済の回復と成長に対する寄与率で先進国を上回るだけでなく、グローバル・ガバナンスの整備、反保護主義において旗幟を鮮明にしている。複雑で変化に富む国際情勢を前に、中国は外交において突然の異変にも慌てることなく、落ち着いて本陣で戦略を練り、指揮を執っている。中国は国内で供給側構造改革を推し進めると同時に、引き続き開放を拡大し、コミュニティを拡大し、パートナーシップを深め、人類運命共同体の共同構築という理念を実際の行動によって実践する、としている。

申し訳ないが、世界の認識とは完全にずれている。米中首脳会談の話題に北朝鮮というキーワードを出さない意図には相当な違和感がある。中国政府が北朝鮮問題を避けるなら、アメリカ、韓国、日本だけでなく、世界が中国を見限るだろう。

日本経済新聞・社説
東芝の迷走が示すグループ統治の重み

東芝は延期していた2016年4~12月期の決算について、監査法人の適正意見が表明されないまま発表した。これ以上の先延ばしは信頼を決定的に損ねるとの判断からだが、名門企業の苦境を印象づける結果ともなった。日本の経済や市場への信頼が揺らがないかどうかも心配になる。WHの経営を東芝がきちんと監視していたとは言いがたい。同社の綱川智社長は3月の記者会見で、WHの買収を「非常に問題のある判断だった」と語っている。債務超過への転落や株価低迷、信用失墜など東芝が支払ったM&Aの代償は大きい。米事業に端を発する東芝の経営危機を、日本企業は対岸の出来事と見るべきではない。経営者は危機意識を持ち、国内外の業務の実態をきちんと把握できるよう、グローバルな情報伝達の仕組みを整える必要がある。独立性の高い取締役を子会社に送り込むなど、グループ統治を強化するための手立てを企業は絶えず模索すべきだ、としている。

投機的に、東芝プットでも仕込もうかと思った時期もあったが、あまりにお粗末で経営にもなっていない失態に、アメリカ大統領選挙の前と同じ気分になってやめた。プロの投資家ではない私は、後で後悔する投資で儲ける気はない。ブレグジットには賭けたが、どちらが選ばれてもアメリカの未来が見えない大統領選挙は降りた。いまの北朝鮮への緊張でも、ゴールドと原油は狙うが、ロッキード・マーティンの株は選ばない。
いまの東芝が復活するなら賭けたい。だが、まるでその兆しが経営層から見えない。原発事故を起こした後の東電よりもひどい。東電は、原発の運営でかなりの無責任さを露呈したが、電力事業、他の事業に事故の影響は最小限に抑えた。今の東芝は、無責任なだけではない。経営も他人に任せているような、呆れた事態が1年ほどつづいている。ウエスチングハウスを破産に踏み切った理由は?NANDメモリ会社を売る理由は?今の経営層の本音の回答は「コンサルタントや顧問がそう奨めるから」ではないだろうか?自らが必死に考え、社員や社会を考えた時に、一歩踏み出すつもりでしている決断ではない。だから、チャプター11が成立しなかったらどうする?と言われても答えられない。半導体事業売却に合弁パートナーから異議が出る。自らの意志で普通に経営していれば、たとえ第三者に言われても、決断する前に確認するはずだ。何もかも他人に任せて、イスに座って退職金を待てばいいと思っている人が経営していれば、どれだけ大きな会社でも沈む。
私は堕ちる東芝で利益を得るつもりはない。ボロボロになっても価値があると思ったら、その株を応援する意志はある。世界の日本を好きな人たちがそう考えているのに、当事者の経営者がその気がないのだ。非上場になるしかないだろう。

Comments are closed.