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2950.報道比較2017.4.9

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成果らしいものはまったく得られなかった米中首脳会談。トランプ氏はどんどん結果を出すチャンスを逸している。ますます支持率、求心力、期待値…すべてが下がるだろう。

Wall Street Journal
米中首脳会談、成果は「限定的な前進」 (2017.4.8)

ドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の初の首脳会談で、両首脳は両国関係の前進を強調したものの、貿易、北朝鮮問題などで両国の意見が一致する兆しは見えないまま閉幕した。全日程が21時間に及んだ首脳会談は、日程のさなかに起こされた米軍のシリア攻撃にかき乱された感がある。首脳会談の閉幕後、トランプ政権の国務長官、財務長官、商務長官らは、北朝鮮の核開発計画の阻止や米国の対中国貿易赤字の削減に関して具体的な合意には達しなかったものの、両首脳は率直な対話を通じて良好な関係を築いたと語った。ティラーソン国務長官は米中両国にとって懸念材料であり続けている北朝鮮の核能力への具体的な対応措置では何も合意できなかったと述べた。ウィルバー・ロス商務長官は、今回の会談の実現こそが中国政府によってもたらされた最大の贈り物だと述べた。それでも両首脳は米中間の貿易に関して「成果を確認するための通過点」を含む「100日計画」を策定することを選んだ。商務長官によると、それは非常にスピード感がある計画だという。ロス商務長官は中国への輸出を増やして米国の貿易赤字を削減することが米国にとっての第1目標だとし、幅広い製品について話し合ったと述べた。また中国側がマネーサプライやインフレに影響を与えているという理由で対米貿易黒字の削減に関心を示したことに感銘を受けたという。中国政府高官が米中両国間の話でそれに触れるのを聞いたのは初めてだったからだ、としている。

人民網日本語版
中米首脳会談 積極的シグナルを発信 (2017.4.8)

習近平国家主席は現地時間の6日と7日、米国フロリダ州の大統領私邸「マール・ア・ラーゴ」で同国のトランプ大統領と首脳会談を行い、両首脳は向き合って接触し交流した。今回の深く、友好的で、長時間にわたる会談では、中米関係の次の段階の発展に向けて基調を定め、方向性を定め、枠組みを定め、ルートを定めるという目的が達成された。
第1に、双方は新しい起点に立って中米関係がより大きな発展を得られるよう推進することで同意した。両国首脳はいずれも中米関係の重要性を強調した。
第2に、双方は次の段階のトップレベルの交流と対話メカニズムについて共通認識に達した。トランプ大統領は習近平国家主席の招待に応じて中国を公式訪問するとしており、このことは両国関係の発展に対して新たな推進力を形成するものと予想される。第3に、双方は今後一定期間の重点協力分野と努力目標を確定した。双方は今後、二国間投資協定交渉を引き続き推進し、インフラ建設やエネルギーなどの分野での実務協力を模索し展開していく。
第4に、双方は敏感な問題を適切に処理し、建設的なやり方で食い違いを管理コントロールすることで同意した。
中米両国は首脳会談を契機として、コミュニケーションと協調を強化し、交流と協力を拡大し、両国国民が中米関係の発展からより多くの利益獲得感を得られるようにする必要がある、としている。

産経新聞・社説
トランプ・習会談 中国に強固な意思示した

国際社会のルールや秩序を破壊しようとするものとは、断固たたかう。米国の決然たる政治的意思を、中国の習近平国家主席は目の当たりにしたのではないか。トランプ大統領は、シリア攻撃の前後に行われた首脳会談を通じ、北朝鮮問題をめぐり中国の協力がないなら、単独行動も辞さないと語った。米国は、北朝鮮に対する武力行使を含む「全ての選択肢」の検討を表明している。6回目の核実験強行の兆候もあり、脅威が深刻な段階に達していることは、習氏との会談でも確認した。電撃的なシリア攻撃は、化学兵器などの大量破壊兵器の拡散・使用、非人道的行為は許さないとの決意表明でもあった。両首脳が並び立ち、会談の成果を発表する機会はなかった。ただ、貿易不均衡問題の解決に向けた「100日計画」の策定などで一致し、それぞれ「前進があった」や「共通認識に至った」などと強調した。双方とも、初の首脳会談にあたり、両国に溝があることは隠せないものの、米中関係を円滑に進めていくことをアピールしたかったのではないか、としている。

日本経済新聞・社説
米中は北朝鮮問題で踏み込んだ協力を

トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が米国で初会談した。関係がギクシャクしてきた両国の間に外交・安全保障、経済、サイバー安全保障など4分野でハイレベル対話の枠組みができるのは評価できる。だが、日本の安全保障に大きく関わる北朝鮮の核・ミサイル開発問題を巡っては、協力の方向を示したものの、目に見える合意は打ち出せなかった。習氏は会談で中国人民解放軍と米軍の関係が米中関係の重要な部分であると強調した。衝突を避ける枠組みが重要と考えるなら、まず自ら一方的な行動を慎むのが先だろう。経済を巡る議論は、米国が抱える巨額の対中貿易赤字の問題に集中した。トランプ氏はかねて赤字を生み続ける今の条件で貿易を続けることはできないとの意向を表明している。貿易不均衡は中国だけの問題ではない。米国が保護主義の動きを強めるなら日本にも打撃になる。アジア、世界経済の安定のためにも情勢を注視したい。トランプ氏は年内に日本、中国を訪問する予定だ。日本としては米国との信頼を維持・強化しつつ、対中関係のもう一段の改善も視野に入れる必要がある、としている。

毎日新聞・社説
フロリダでの米中首脳会談 国際協調こそ繁栄の鍵だ

米フロリダ州で行われたトランプ米大統領と習近平中国国家主席の初顔合わせは初日の夕食会終了とほぼ時を同じくして米軍がシリアをミサイル攻撃し、メディアの注目度は薄れた。具体的な成果も乏しかった。しかし、国際政治、経済に大きな影響力を持つ両大国の首脳が対話の必要性を再確認し、新たな包括対話の枠組みに合意したことは世界や地域の安定に大きな意味を持つ。経済問題では米中の貿易不均衡を是正するための「100日計画」を策定し、米国の対中輸出拡大策などを検討するという。関税引き上げなど保護主義的な手法では世界経済が萎縮する。中国が市場開放を進め、輸出主導の発展を内需主導に切り替えていくことが是正につながる。中国が対米関係の指針としてきた衝突を避けるための「新型大国関係」への言及はなかった。中国は覇権大国と新興大国がぶつかってきた歴史を再現させないためと主張するが、米国内には南シナ海問題など米中の利害が対立する問題への介入を防ぐ狙いではないかとの警戒感がある。衝突を望まないなら、中国自身が力で現状を変更するような南シナ海や東シナ海での動きをやめ、周辺国との対話を優先すべきだろう。大国とはいえ、2国間で解決できる課題は限られている。現実主義に立てば、米中ともに自国の力だけで繁栄を享受することができないことははっきりしている、としている。

読売新聞・社説
米中首脳会談 対「北」圧力で協調しないのか

トランプ米大統領がフロリダ州の別荘で、中国の習近平国家主席と会談した。通常行われる共同記者会見も共同声明の発表も、今回はなかった。立場の隔たりの大きさを示すものだろう。特に懸念されるのは、北朝鮮の核ミサイル開発について、「非常に深刻な段階」との認識の共有にとどまったことである。米側によると、「包括的な解決策」に関する議論もなかったという。両首脳は、閣僚級の「米中戦略・経済対話」を、外交・安全保障、経済、サイバーセキュリティー、社会・文化の4分野の枠組みに刷新することで一致した。米国の対中貿易赤字を縮小する「100日計画」の策定も決まった。一連の合意は、貿易不均衡の是正や中国のサイバー攻撃など、個別の懸案の早期解決が容易でなく、先送りせざるを得ない現状の表れだと言えよう。5年に1度の共産党大会を今秋に控えた習氏は、対米関係の安定を国内に強調することを最優先していた。その思惑通りの結果になったと考えているはずだ。トランプ政権の人事は遅れ、対中政策が固まらない。中国ペースが目立つ一因ではないか、としている。

成果らしいものはまったく得られなかった米中首脳会談。共同声明の発表さえ行われなかった。シリア攻撃は中国への脅しどころか、言い訳の余地を与えてしまったようだ。トランプ氏はどんどん結果を出すチャンスを逸している。ますます支持率、求心力、期待値…すべてが下がるだろう。
国内紙は、好き勝手な予測に任せた主張に終始している。朝日はJR30年と言う、他紙がずいぶん前に論じた話題を優先させた。意味は不明だ。国内紙は明日が休刊日。注意力散漫で、まともな主張になっていない。他国の首脳会談では、情報も少なかったのだろうが、分析力のなさを露呈している。北朝鮮問題への期待が高かったのか、勝手な希望的観測を論じているが、ノー・レザルトの一言に過ぎない。日本にとってのリスクは上がり、米中の関係改善さえなされなかったと見るべきだろう。
中国は、オバマ氏の時と同じ外交スタイルでアメリカに応じた。これが習氏の外交スタイルなのかもしれない。静かで、必要以上のリップ・サービスもコミットメントもしない。お互いの価値観は違う、両者には衝突の可能性はあるとの認識は崩さない。平和にやっていこうとの合意はするが、前提は「両者は違う」だ。だから、平然と南シナ海でも動くだろうし、北朝鮮への圧力を上げる気もない。アメリカが失望するほど、中国には何の変化も表れないだろう。
日本は、アメリカに寄り過ぎた外交から、身動きが取れなくなってしまった。軌道修正のチャンスを、アメリカも中国も与えてくれない。

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