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2946.報道比較2017.4.6

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明日の米中会談で、アメリカにとって北朝鮮リスクが中国との経済活動より重要か否か、知ることになる。世界にとって、北朝鮮リスクは極めて小さい。

Wall Street Journal
米中首脳会談、成功の判断基準とは (2017.4.5)

ドナルド・トランプ大統領は今週、自身が所有するフロリダ州の別荘「マー・ア・ラゴ」で、中国の習近平国家主席と首脳会談を行う。トランプ氏は「難しい」会談になるだろうと話しているが、それがどういう意味なのかは分かりにくい。トランプ氏は交渉前に強気の姿勢を見せつつ、いざとなると一歩引き下がる傾向がある。逆に中国側は、相手国をなだめるため表面的には譲歩しつつも、時間をかけて自らの目的に向け執ように攻め続ける国だ。最も差し迫った問題である北朝鮮に関して、両首脳は正反対の意見を持つ。トランプ氏は中国が経済的影響力を使えば北朝鮮の核開発やミサイルプログラムを止めることできるが、それを行っていないと正論を述べている。一方で中国政府は、米国が北朝鮮の存在を脅かしていることが核開発に向かわせていると考えている。米政府が金正恩体制を安心させれば対立関係は改善する可能性があるし、そうするべきだーーこれが中国の考え方だ。南シナ海の問題に関しては、トランプ政権当局者は強硬論を口にし、中国の基地建設を後退させるとしている。ただ米海軍は依然として、航行の自由を保障するためのパトロール実施の許可を国防総省から得るのに苦労している。トランプ氏はまず「越えてはならない一線」を定め、それを習氏に伝え、その言葉に沿った行動を取るべきだろう。米中首脳会談での米国の目標は、新政権が冷徹でありながらも建設的であると習氏に示すことだ。中国側を動かすのはレトリックではなく、断固とした態度と一貫性だ、としている。

Financial Times
米中首脳会談、トランプ大統領の懐柔狙う習主席 (2017.4.2)

中国側は、自分の考えがきちんと分かっている。習氏の主な目標は、貿易戦争を回避することだ。一方、ホワイトハウスでは保護主義者と自由貿易主義者の内紛が続き、トランプ氏の考えはまだ固まっていない。首脳会談に向けた米国側の準備を率いてきたのは、中国関係の経歴がほとんどないトランプ氏の娘婿、ジャレッド・クシュナー氏だ。対する中国側の担当者は崔天凱駐米大使だ。これだけでも中国側は優位に立つ。何しろ崔氏は米国を熟知しているプロの外交官だ。米国の首都ワシントンで大学院に通い、国連で通訳として働いた。クシュナー氏が持つ最大の資格は、大統領の娘と結婚していることだ。米中首脳会談が行われる4月初めは、中国がトランプ一族との関係から見返りを得るかどうかを試す最初の大きな試金石となる。極端な場合、トランプ氏は中国からの輸入品に45%の関税を課すという選挙公約を実行に移すと脅す可能性がある。これは、世界的な貿易戦争を引き起こし、世界貿易機関(WTO)の規則に抵触する行為だ。もしそうなれば、トランプ氏がドイツのアンゲラ・メルケル首相と会談し、ドイツの防衛費の莫大な請求書を突き付けた敵対的な米独首脳会談と似たような結果を生むだろう。習氏が1度の会談でトランプ氏に「米国第一」の方針を放棄するよう説得できる可能性は極めて低い。だが、習氏は説得を試みる構えだ。トランプ一族と友好関係を築くことは、抜け目のない第1歩だった。すぐに着工できる米国インフラプロジェクトをいくつか用意することは賢明な2歩目となるだろう、としている。

人民網日本語版
中国とフィンランド・欧州との関係発展に新たな原動力 (2017.4.5)

中国の習近平国家主席が4日から6日にかけてフィンランドを公式訪問している。習主席にとって国家元首として初めてのフィンランド及び北欧訪問であり、欧州訪問は4年連続になる。これは中国がフィンランド、北欧、欧州を非常に重視していることを存分に示すものであり、中国とフィンランド、北欧及び欧州との関係発展の深化も新たな契機を迎える。現在のフィンランドにとって、中国の重要性は一層際立っている。フィンランド経済は高度に発達し、欧州、さらには世界で独自の存在感を示している。だが世界金融危機及び欧州債務危機の衝撃の下、フィンランド経済は何年も続けて衰退し、2015年になってようやく成長を回復し始めた。現在フィンランドは構造のモデル転換、産業調整の厳しい試練に直面し、経済成長は比較的緩やかだ。欧州が不況に陥り、EU・ロシア関係が膠着する中、フィンランドは貿易、投資、観光を含む中国との一層の経済協力強化を望んでいる。クリーンエネルギー、資源処理、医薬、バイオ、オートメーション、林業といった自国の競争優位産業は広大な中国市場で一角を占めることができるとフィンランドは考えている、としている。

欧米2紙は、明日からはじまる米中首脳会談の話題。人民網は、規模や見込みよりも実績を優先するように、習氏訪問中のフィンランドの話題に注力している。
Financial Timesを見ると、世界が北朝鮮リスクよりも米中が貿易戦争をはじめないかに注目していると気づかされる。米中の貿易戦争は世界にとっての懸念だが、北朝鮮の核はアメリカにとって重大な懸念に最近なっただけ。韓国や日本がいくら騒いでも、アメリカが放置していたのと同様に、アメリカにミサイルが到達すると言われても、中国の緊迫度は高くない。北朝鮮がミサイルを発射した理由は、なにか関係がありそうだ。
今回の会談で、アメリカにとって北朝鮮リスクが中国との経済活動より重要か否か、私たちは知ることができる。深刻と受け止めていれば、日本にとってはアメリカの安全保障を頼りにできるとともに、軍事行動へのリスク、中国や韓国との緊張ある外交、アメリカの軍事行動への協力が現実に近づく。経済活動を優先するなら、日本はさらに中国とアメリカ市場で競争、または協力する関係になる。今の日本政府は対抗心の方が強そうだが、アメリカにとっては投資を募るなら、競争してチャンスを倍にしてくれることを望むだろう。まんまとアメリカの思う壷なのは、日本かもしれない。

産経新聞・社説
北のミサイル 中国はなお放置するのか

トランプ米大統領と中国の習近平国家主席との初顔合わせを目前に控え、北朝鮮がまた日本海に向けて、弾道ミサイルを発射した。ティラーソン米国務長官はミサイル発射を受け、「これ以上、コメントすることはない」との声明を出した。米政府は北朝鮮の核実験やミサイル発射のたびに非難してきた。もはや、言葉での牽制は無用であるとの見解を示したとも受け取れる。強い態度で臨まなければ、事態は動かない。すでにトランプ政権は北朝鮮問題で「全ての選択肢」を検討している。その点についても、中国側と突っ込んだ協議を行ってもらいたい。中国としては、なお対話路線に固執するだろう。だが、そうした押し問答を続けている暇はなくなりつつある。北朝鮮の核・ミサイルは、差し迫った脅威であることを再認識すべきだ。日米韓が連携を強め、中国に働きかけるとともに、国際社会の結束を促すときである、としている。

読売新聞・社説
敵基地攻撃能力 新たな脅威へ的確に対応せよ

北朝鮮がまた、日本海に向けて弾道ミサイルを発射した。飛距離は60キロだが、固体燃料を使う射程2000キロの新型ミサイルとされる。昨年以降、核実験や様々なミサイルの発射を繰り返し、その技術は確実に進展している。在日米軍基地を標的に名指ししたのは看過できない。小型化した核の弾道ミサイル搭載にも警戒が必要だ。自民党は先週、ミサイル防衛の「迅速かつ抜本的な強化」を提言した。陸上配備型イージスシステムなど新たな防衛装備の導入に加え、敵基地「反撃能力」の保有の検討を政府に促している。すべてのミサイルを完璧に迎撃するのは容易でない以上、巡航ミサイルや、ステルス機による対地攻撃など、敵基地を攻撃する手段を確保することは理に適う。従来、自衛隊は防衛に徹し、相手国への打撃力は米軍に依存してきた。今後は、その一部を補完するため、自衛隊が攻撃力を持つことを真剣に考えるべきだろう。北朝鮮の核・ミサイルに対する日米の共同対処能力を実質的に高めるには、どうすべきか。政府は、本腰を入れて議論し、米側と建設的な協議を進めねばならない、としている。

読売がミサイル発射を、先制攻撃容認への裏付けに使おうとしはじめた。産経は中国批判。どちらも政治の思惑で動いているような社説だ。政府内も同様の認識なら、北朝鮮リスクはまるでコントロールできていない。いま持っている能力で何ができるのか、何を把握すべきなのか、誰も判っていないようだ。新しい手段を使えれば安全になるわけでもないし、他国に対処してもらう話でもない。有事対応は自民党でも機能しない可能性が高い。

日本経済新聞・社説
韓国大統領選は真の国益踏まえた論戦に

韓国大統領選挙の主要候補者が出そろった。今月中旬の告示を経て、5月9日の投開票に向けた選挙戦が本格化する。誰が当選するかによって日韓関係を含めた国政のかじ取りが大きく振れる可能性があるだけに、大統領選の行方を注視していく必要がある。とくに支持率でトップを独走する最大野党「共に民主党」の文在寅前代表は党内の予備選でも圧勝し、公認候補に選出された。その文氏を中道系の野党第2党「国民の党」の安哲秀前共同代表が追う展開となっている。韓国は前大統領の醜聞で政治混乱を極め、保守と革新勢力による社会の亀裂も深刻になっている。次期大統領は政財界の癒着を含めた政治不信の解消、社会の融和に取り組む重責を負う。外交・安全保障面では軍事挑発を重ねる北朝鮮への対応が最大の課題となる。北朝鮮は昨日も弾道ミサイルを発射した。なにより重要なのは日米韓の連携だろう。その点で気がかりなのは、とくに文氏が北朝鮮に融和的な姿勢を示し、米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備に後ろ向きなことだ。次期政権との間で仕切り直しをするしかあるまい。次期政権とのパイプづくりを進めるうえで、駐韓大使の帰任はやむを得ぬ選択だろう、としている。

いまの北朝鮮を見ていると、日本やアメリカからは強硬派が選出されることを期待するが、選ぶのは韓国国民。慰安婦問題や、中国からの執拗な経済封鎖が核ミサイルより不愉快なら、そういう政策が優先される。愚かと切り捨てるのは無意味だ。今のところ、もっとも理想的な結果を手にしているのは中国という点に注目して、学ぶべきだろう。
中国の外交は目的に対してストレートだ。批判されても、どんな手段を使っても実行する。秘密裏にやるのではなく、あからさまに、非礼な論理で行動する。だが、そうやって南シナ海には軍事拠点ができあがり、フィリピンとはアメリカと対等な外交をはじめた。AIIBは参加国を拡大し、韓国にもアメリカと同レベルの関係を求めている。成功すれば、朝鮮半島リスクを平和解決できる国に中国がなれる可能性が出てくる。韓国の大統領選挙に影響を与えられる国は?中国とアメリカだけだ。日本の外交は、完全に中国に負けている。韓国に対してだけではない。

朝日新聞・社説
今村復興相 避難への無理解に驚く

今村雅弘復興相が記者会見で、「本人の責任でしょう」「裁判でも何でもやればいい」と話した。福島第一原発の事故後、避難指示の対象区域以外から逃げた自主避難者をめぐる発言である。国の支援のあり方を記者から重ねて問われるうちに今村氏は激高し、会見を打ち切った。後で感情的な態度は謝罪したものの、発言については「客観的に言ったつもりだ」と釈明し、撤回しなかった。自主避難者の多くは、避難指示に関して国が定めた放射線量の基準に不安が拭えず、悩んだ末に地元を離れる決断をした。全国で2万数千人にのぼり、家族がばらばらになった人は多く、生活に困窮する人もいる。東京電力からの損害賠償や行政による住宅提供も、避難指示を受けた人に比べると手薄だ。裁判をすればいいという発言に至っては、開き直りにしか聞こえない。今村氏の発言は、さまざまな事情を抱える避難者の心を傷つけ、切り捨てと受け取られても仕方ない。帰還の促進策ばかりでなく、被災者の多様な声に耳を傾け、必要な手立てをとるという国の役割を自覚すべきだ、としている。

自民党には、なにか焦りがあるのだろうか?墓穴を掘るとは、このこと。公明党も即座に懸念を表明するほどの失態。明らかに、与党に陰りが見える。
ただ、この不祥事、それほど注目は集めていないようだ。私の唯一のマスメディアの接点であるNHKラジオは、この問題をほとんど取り上げなかった。他紙の社説も、無視している。まだ社会の内閣支持率は、過半数以上はあるようだ。与党を追い込むには、まだ足りない。

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