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2940.報道比較2017.4.1

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ど素人に政治をやらせたら、国境が怪しくなった。嘘つきに任せたら、解釈で憲法を変えようとする。どっちにやらせても、依存していたら国とともに自分も滅びる。仕事ができないなら去ってもらうのを繰り返そう。

Wall Street Journal
失速する日本の安倍首相 (2017.3.31)

向かうところ敵なしだった安倍晋三首相が、わずか6週間の間に弱みを見せるようになった。安倍内閣は読売新聞の2月の世論調査では支持率66%を付けるなど、野党にも自民党内にも、これといった脅威は見当たらなかった。しかし、超国家主義的な人物との関係をめぐるスキャンダルが安倍氏の人気に影を落とし、市場も動揺を見せている。スキャンダルの中心にいるのは、大阪の学校法人「森友学園」理事長を務める籠池泰典氏。同氏は民間政治団体「日本会議」の一員とされる。スキャンダルが発生したのは今年2月。森友学園に対し、国有地が大幅に値下げした価格で下げられたことが発覚したのが発端だった。日本国民はアベノミクスにますます懐疑的になっているが、代わりとなるリーダーがいないという理由で安倍氏の人気は高く維持されていた。しかし、それは変わるかもしれない。第1次安倍政権で2007年に防衛大臣を務めた小池百合子東京都知事は、7月に行われる都議選で勝利するとみられている。同氏がいずれ国政に復帰し、首相の座を狙うとの憶測も出ている。安倍氏が日本会議とは距離を置き、経済再生に集中するのなら、このような挑戦者の登場は歓迎すべきことだろう。だが今回のスキャンダルは、政治力ははかなく、それゆえに浪費してはいけないことを再認識させてくれる、としている。

森友学園問題を、Wall Street Journalが取り上げた。内容は完全にネガティブ。海外紙には一切の政治的な利害はない。論理と経済的な視点で冷徹に「安倍政権のリスク」を描いている。
世界の経済紙に書かれたということは、世界の財界、マーケット関係者、投資家は森友スキャンダルを知り、日本への投資判断材料に使う。今まで、第二次安倍内閣でもっとも大きいマイナス材料は2013年のクリスマスに、安倍氏が靖国神社を参拝したことだったと思う。消費増税の延期さえ理解を得られた安倍氏のリーダーシップが、過小評価していたスキャンダルで世界から見放されようとしている。
私は、消費増税の再延期で解散しながら、平然と安保法制に話をすり替えたあたりから、安倍氏には期待はしていない。代わりが務められるリーダーがいないのは残念だが「嘘つきと、ど素人、どちらに政治を任せるか」と書いたのは、2016.2.25。参議院選挙の近い2016.7.3に「嘘つきの憲法改正には乗れない」と書いた時の気持ちも、今と変わらない。
ど素人に政治をやらせたら、国境が怪しくなった。嘘つきに任せたら、解釈で憲法を変えようとする。どっちにやらせても、依存していたら国とともに自分も滅びる。選んだとは、依存することでも、手放しで任せることでもない。仕事ができないなら去ってもらうのを繰り返そう。それで1年でリーダーが変わると嗤われても構わない。暴走を許して後悔するよりはいい。

産経新聞・社説
朴前大統領逮捕 世論が全てを決めるのか

韓国の朴槿恵前大統領が逮捕され、ソウル郊外の拘置所に収監された。絶大な権力を持つ大統領から弾劾による罷免を経て、あまりに激しい境遇の変化である。国政への知人の介入を許し、共謀して財閥企業から巨額の賄賂を受け取るなどいくつもの疑いを持たれている。各種調査で、逮捕を望む世論は7割に上ったという。その圧力を受けた身柄拘束ではなかったか。法治ではなく、国民感情に揺れた「情治」の判断ではなかったか。およそ冷静な法解釈による逮捕には映らないのだ。「世論」の次の標的は、5月9日に行われる大統領選に移ろう。大きな懸念は、国民感情をうかがい、政治家たちが大衆迎合主義的な議論に陥ることである。何よりも、親北朝鮮政権の誕生が心配である。それは、韓国の未来のみならず、この地域や世界にとっての重大な脅威となろう、としている。

読売新聞・社説
朴前大統領逮捕 縁故主義の宿痾が消えぬ韓国

韓国の朴槿恵前大統領が、収賄容疑などで検察当局に逮捕された。大統領経験者の逮捕は軍人出身で内乱罪や不正蓄財で有罪となった全斗煥、盧泰愚両氏以来、22年ぶり3人目である。朴容疑者は3月、崔被告の利益を図った行為は憲法違反だとの理由で、憲法裁判所に罷免された。その後、検察の事情聴取に応じ、容疑を全面否認した。保守勢力の一部は「政治的な動き」などとして、逮捕に強く反発している。朴容疑者は起訴されるとみられており、社会の分断が深刻化するのは避けられまい。懸念されるのは、朴政権の政策への批判を強める中で、外交や安全保障分野の合意まで否定する傾向が見られることだ。朴容疑者の訴追は内政問題にほかならない。日韓両国が歩み寄って達成した合意まで反古にしようとするならば、筋違いである、としている。

Wall Street Journalの安倍政権へのネガティブさを見たら、韓国の大統領の話をしている場合ではないと認識するだろうか?このレベルの社説なら時間の無駄だ。自分の国の政治を憂うべきだろう。

日本経済新聞・社説
東芝のメモリー事業はだれに売るべきか

東芝の再建が重要な局面を迎えた。米原子力子会社のウエスチングハウスが連邦破産法11条の適用を申請したことで損失が拡大し、2017年3月期は1兆円強の連結最終赤字に転落する見通しだ。自己資本も底をつき、年度末時点で6200億円の債務超過になるという。この窮地を切り抜けるために、東芝は残された最大の優良事業である半導体メモリー事業を売却する。売却益の計上で債務超過から脱却し、同時に多額の現金を手に入れることで資金繰りの不安を解消する狙いだ。先月末に締め切った1次入札では、米韓台の外資企業を中心に10社前後が出資・買収に名乗りを上げたという。東芝の技術流出で国の安全について懸念が生じるなら、日本政府はその中身をきちんと説明した上で、外為法による外資規制の発動などの手立てを検討すべきだ。安全保障上の懸念を呼び起こさず、半導体についてプロの経営力を持ち、そして東芝が今の窮状から抜け出すに足るだけの高値を支払う用意のあるスポンサー企業を見つける必要がある。東芝経営陣の背負った責務は重い、としている。

日経の社説にはシャープの文字はないが、鴻海に経営権が渡ったシャープの株価を見てみよう。

大幅な売り越しが昨年2月で、株価は175円。最安値は昨年7月の96.5円。今は、約5倍の496.5円。膿を出して、適切な経営があれば、企業価値は半年で5倍になる。公務員にこのスピード感は無理だ。彼らがこのスピードを追うと森友学園のような事態に陥る。当然だ。公僕の立場でできる交渉と、トランプ氏に見るような暴利を貪るディールを罪といわれない交渉。ビジネスに官僚が入り込むべきではない。
シャープがなぜ半年でこれだけの成果を出せたか?鴻海は、売り先と、技術の活かし方を知り尽くしていたからだろう。東芝のもっとも価値があると言われるビジネスも、筋が悪い人がやれば、数年で陳腐化する。稼いだカネで投資できる経営者に、ぜひ任せて欲しい。

朝日新聞・社説
文科省天下り 信頼回復への多難な道

文部科学省が「天下り」あっせん問題に関する最終報告を公表した。違反事例は62件で、処分を受けた人は43人と、同省として過去最多となった。人事課OBを隠れみのにした仲介に加え、現役職員も調整に直接動いていた実態が明らかになった。さらには3人の事務次官経験者が、在任中、自ら不正に手を染めていたという。改めて問う。これが、道徳と称して子どもに「規則の尊重」や「公正、公平、社会正義」を学ぶよう求める役所なのか。天下りの背景には、年功序列のピラミッドを維持するため、官僚が早期退職を求められるという事情がある。実績・能力主義に徹し、定年まで働くのが当然の職場にしなければ、この悪弊の根絶は難しい、としている。

毎日新聞・社説
文科省の天下りあっせん 不正の構造解明まだ遠い

文部科学省は、組織的な再就職(天下り)あっせん不正について最終調査報告書をまとめた。2010~16年に62件の違法行為が確認され、処分者は43人に上る。08年、改正国家公務員法が施行され、現職公務員は他の職員らの再就職あっせんなどができなくなった。調査によると、この規制導入後、現職ではなくOBによる再就職あっせんの形なら違法ではないという「軽信」が生じ、広い人脈を持つ人事課OB嶋貫和男氏が介在するあっせんの仕組みができた。硬直化した人事慣行の見直しやチェック体制などで意識と仕組みを改め、再発防止を図るが、容易ではない。まして最終報告で幕引きなどあってはならない。まだ十分に教訓を引き出したとはいえないのだ。その意味でも、近く出るという全省庁の調査報告を、注視したい、としている。

今回、もっとも感じたのは、天下りで有罪と指摘された当事者たちの厚顔さと、ごまかしもせずに罪を認める素直さだ。悪意の感覚が希薄。だが、指摘されたら事の重大さに気付いたかのような陳謝。今までの公務員とは、ちょっと感覚が違う。良い印象はもちろんないが、以前ほどの憎悪も感じない。
朝日も毎日も、問題を解明することに執着しているようだが、贈収賄同様、天下りの根絶のポイントはシステムだ。ビジネスの利害関係がある限り、なくならない。シンプルに公務員の認可権限をなくす、補助金に審査のような人為的な関与をなくして、機械的で納得感のある指標で補助金を分配するシステムに切り替えればいい。全省庁の天下りを探す?バカバカしい。補助金というシステムからの脱却に尽きる。

人民網日本語版
中米関係には戦略的・長期的観点が必要 (2017.3.31)

中国の習近平国家主席は4月6、7両日に米国のトランプ大統領と米フロリダ州パームビーチの高級別荘「マー・ア・ラゴ」で会談する。中米関係は過渡期の正念場にあり、各方面は両首脳の会談に大変注目している。首脳会談の成功には次の段階、さらにはより長い期間の中米関係の基調、方向性、道筋を定める重要な意義があり、国際構造の変化にも重要な影響を与える。この意味において、今回の会談には注目すべき点がいくつかある。
第1に、経済・貿易など極めて広範囲に及ぶ二国間レベルの具体的問題にどう対処するかだ。
第2に、地域レベル、グローバルレベルの問題にどう対処するかだ。
第3に、戦略レベルで両国関係をどう把握するかだ。
3つのレベルの問題は、互いに支え合い成り立っている。米側は最近、中国と「結果志向」の建設的関係の発展を図るとした。もし「結果志向」が、一方が自らが関心を抱く問題を並べ立てた「代金請求」明細書を示し、もう一方にその全額支払いを要求するのなら、これは建設的ではないだろう。もし「結果志向」が、双方が共に実効性を重んじ、共に意思疎通、調整、協議を行い、互恵・ウィンウィンの成果を挙げるのなら、これは中米関係にとって建設的だ。王毅外交部長(外相)が述べたように、中米双方は両国関係の方向性を把握し、設計する際、歴史を深く感じ、未来を貫く力を持つべきだ。習主席とトランプ大統領の会談によって中米関係が歴史の新たな出発点に立ち、新たな高みにいたることをわれわれは期待する、としている。

人民網の文体によくある論点の選定が、中国人のスタイルなのは知っているが、通常の中国人の話はもう少し整理されている。今回の3点の論点がよく判らない。アメリカ人も同様ではないか。貿易、安全保障、戦略という意味?戦略を議論する意味が判らない。
経済問題のうち、特に貿易。安全保障は北朝鮮。アメリカが議題にするのは、たぶんそのふたつだけだ。国際問題とか、保護主義とか、どうでもいい。中国がどんな夢を見ても構わない。アメリカは貿易赤字を減らしたい。雇用を増やしたい。北朝鮮の核は許容しない。その3つしか言わないだろう。代わりに、台湾や香港とは言わない。小難しい話は、アメリカはしない。それは大統領の価値観ではない。いつだってアメリカはシンプルだ。

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