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2939.報道比較2017.3.31

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CC Attribution, Photo by Moyan Brenn via flickr

トランプ氏のノイズが下がっている。最初に間抜けに脅しに応じた日本が、また一番の貧乏くじにならないことを願うばかりだ。

Wall Street Journal
トランプ氏、保守強硬派に警告 下院共和党の結束巡り (2017.3.31)

ドナルド・トランプ米大統領は30日、保守派の共和党議員らに対し、自身の政策を支持しなければ来年の中間選挙で敵対することも辞さない構えを示し、異例の警告を発した。トランプ氏はツイッターで「(保守強硬派の)フリーダム・コーカスはチームに加わること、それを素早くしなければ共和党の政策全体に害を及ぼす」とし、「2018年には彼らと、それに民主党と闘わねばならない」と投稿した。フリーダム・コーカスは先週、トランプ氏とポール・ライアン下院議長(共和、ウィスコンシン州)が可決を目指した医療保険法案を支持せず、大型法案を通過させるトランプ氏にとって初の試みは失敗に終わった。議会は政府債務上限を巡る予算案成立の期限を来週に控えており、保守強硬派が再び頭痛の種となりかねない。下院で共和党が237議席を占める中でフリーダム・コーカスは30数人に過ぎないが、法案通過には約218票が必要なため、ライアン議長が民主党議員の支持を取り付けない限り実質的に法案通過を阻止することが可能だ。ライアン議長もこの日、共和党が一丸となれなければ大統領が左派寄りにシフトする公算が大きいと述べ、一種の警告で呼応した、としている。

トランプ氏は学んでいないのだろうか?政治で脅しは効かない。

トランプ氏が得た教訓―政治とビジネスは違う by Wall Street Journal

選ばれた人たちは、損得や利害だけで結論は出せない。それは国内だけでなく、外交でも同様だろう。最初に間抜けに脅しに応じた日本が、また一番の貧乏くじにならないことを願うばかりだ。

朝日新聞・社説
敵基地攻撃力 専守防衛が空洞化する

敵のミサイル基地をたたく敵基地攻撃能力の保有について、検討を開始するよう政府に求める――。そんな提言を自民党の検討チームがまとめ、安倍首相に提出した。首相は「しっかり受け止めていきたい」と応じたが、とうてい賛成できない。日本の安全保障は、米軍が攻撃を担う「矛」、自衛隊が憲法や専守防衛の下、守りに徹する「盾」の役割を担ってきた。この分担を壊し、日本が敵基地攻撃をすれば、自衛隊が戦争を拡大することになりかねない。59年の防衛庁長官答弁は「平生から他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器」を持つことは憲法の趣旨ではないとしている。違憲の疑いが濃いと言わざるを得ない。敵基地を攻撃すれば反撃を受け、全面戦争への発展を想定する必要がある。原発が攻撃対象になる可能性も否定できない。多くの問題をはらむなか、敵基地攻撃能力の検討に踏み込もうとする姿勢は危うい、としている。

以前から、北朝鮮のリスクを隠れ蓑に政府がなし崩しで一線を越えようとしている。憲法解釈で先制攻撃は容認はさすがに不可能だ。原発を動かすのとも、天皇陛下の退位ともレベルの違う話だ。秘密法で隠すことも、集団的自衛権でもない。何をしっかり受け止めたのだろう?森友学園をストップしてでも聞くべき話だ。
北朝鮮のリスクを説明できるなら、明確に説明して憲法を変える。なぜそういう手続きをまともに行わないのだろう?

読売新聞・社説
核兵器禁止条約 現実無視の交渉は参加し難い

「核兵器禁止条約」の制定交渉が国連本部で始まり、日本は初日に交渉不参加を表明した。高見沢将林軍縮大使は演説で、核軍縮を追求する基本的立場を強調する一方、交渉に「建設的かつ誠実に参加することは、困難と言わざるを得ない」と述べた。米英仏中露の核保有国が欠席する中で条約を制定すれば、国際社会の分断を深め、核兵器のない世界をむしろ遠ざける。北朝鮮の核開発など、各国が直面する安全保障上の危機は続く。こうした理由による不参加は、理解できる。被爆者団体からは、失望の声が上がる。政府は、事情を丁寧に説明し、国際社会の様々な場で核廃絶を訴え続けることが重要だ。安倍首相は米露両首脳と良好な関係を持つ。核軍縮への道を生産的に議論できるような環境の整備に取り組んでもらいたい、としている。

政府も読売もレベルが低い。被曝経験と核の傘の安全保障を得ている日本を矛盾と言わずに、核保有国と非保有国の両方の感情を理解する立場から、コーディネートとリーダーシップを発揮できる唯一の国。それが日本だ。なぜ是非を問うのか?共存とともに非核化に何をすべきか。だから北朝鮮をどう位置付けるのか。国家安全保障は答えを持っていなければならない。顔色を伺うのが外交ではない。是非を論じるから紛糾して道が途絶える。第三の道をなぜ提示できないのだろう?日本にしかできない仕事だというのに。

産経新聞・社説
米の環境規制解除 日本は我が身を振り返れ

かねて環境規制に否定的な発言を繰り返していたトランプ米大統領が、現行の気候変動対策の見直しを環境保護局(EPA)に命じる大統領令に署名した。二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出を「2025年に05年比で26~28%減らす」のが同協定での米国の目標だ。その実現が危ぶまれる事態となった。具体的には、火力発電所からのCO2排出量を抑える規制を見直すほか、国有地の石炭採掘に対する認可の凍結解除も指示した。それに対して日本はどうか。「30年に13年比26%減」の目標をパリ協定で約束しているが、運転でCO2を出さない原発の再稼働が進まず、新増設も見込めない現状では虚しい数字だ。何もしない米国より見劣り感が否めない。CO2削減でトランプ氏の姿勢を批判する資格は、今の日本にはない。その現実を安倍晋三政権は自覚すべきである、としている。

地球温暖化を言い訳にすれば原発再稼働を推進できるとでも?安倍氏がそう思っているようには見えない。火力に頼るのは無意味だが、対案が原発以外にもあるのは明らかだ。東芝も放り出す原発。推進派と政府はどうするつもりだろう?

毎日新聞・社説
高校生ら犠牲の雪崩事故 「絶対安全」はあり得ない

栃木県那須町のスキー場付近で、登山講習受講中の高校生ら8人が雪崩に巻き込まれ亡くなった事故だ。なぜ、ラッセルを強行したのか。現場責任者だった教諭は記者会見で、引率していた登山経験の豊富な教諭2人と協議して決めたと説明し、「経験から絶対安全だと判断した」と述べた。現場のスキー場は、雪崩の危険性があるとして2月下旬から5日間封鎖されたが、教諭はこの情報を知らなかったという。把握しておくべき情報だったのではないか。当事者の教諭だけを責められない。講習は県教育委員会が推奨してきたが、長年の慣行で現場任せにし積極的に関わってきたとはいえない。県教委は検証委員会を設置する。徹底的な原因究明が必要だ。事故をきっかけに、高校の登山部などの合宿中止や行程変更の動きが相次いでいる。安全が何よりも優先されるという山岳スポーツの原点を確認しておきたい、としている。

なぜにこうも社会の感覚からずれるのだろう?不手際以上の過信に、かなりの違和感を社会は感じている。事故の究明は警察に委ねて、考えたいのは過信の原因だ。同じことが、他にどれだけあるだろう?見つけ出す方法は?改善策は?ひとつの事故に注目する以上の不安を感じる。きっとこれは氷山の一角だろう、と。

日本経済新聞・社説
英とEUは離脱交渉で前向きな着地探れ

英国が欧州連合(EU)に離脱を通知し、原則2年後となる離脱に向けた準備と交渉の期間が始まった。独仏と並ぶ欧州の中核国である英国の離脱は、世界経済にも大きな影響を及ぼす。混乱を避けるには、来年の秋ごろまでに離脱条件などの交渉にめどをつけなければならない。EUは英国に厳しく臨む姿勢を見せており、交渉は難航が予想される。先が見えないまま時間切れで離脱に追い込まれることのないよう、両者は冷静に話し合い、的確な着地点を見いだしてほしい。英国の離脱は昨年の国民投票で決まった。離脱派の主張を踏まえて、英政府はEUからの移民抑制を優先する方針だ。そのうえでEU市場への最大限のアクセスを望むが、EU側には「いいとこ取りは認めない」という空気がある。離脱しても英国はEU各国の重要なパートナーであることに変わりはない。経済から安全保障分野まで、強固な関係を続けていくことが欧州の安定と繁栄に不可欠だ。英国とEUは、新たな関係を前向きに構築していくことを明確に世界に示してほしい、としている。

また24時間を無意味に使ったパターンの社説。ネットで他紙の社説はいくらでも見れるというのに、確認している気配はゼロ。これで差別化や独自性の重要さを語られても、何の説得力もない。

人民網日本語版
日本は「台湾カード」を切ろうなどと考えるな (2017.3.29)

日本の赤間二郎総務副大臣が台北で「公益財団法人日本台湾交流協会」主催のイベントに出席した。報道によると、日本政府が次官級以上の高官を台湾に公に派遣したのは初めてだ。1972年に日本は台湾と「断交」した。当時、中日両国は国交正常化共同声明で、日本が台湾と「非政府間の関係」のみ維持することを明確に取り決めた。それから45年間は、せいぜい首相経験者や大臣が私人による観光旅行の名目で台湾を訪れるだけだった。こうした交流における今回の「ブレイクスルー」の背後にはどのような含意があるのだろうか。THAAD配備のうわさを流し、改訂版教科書に釣魚島(日本名・尖閣諸島)の記述を盛り込み、さらには南中国海で艦艇巡航を企てる。最近日本は中国牽制カードをしきりに切っている。この時期にさらに台湾問題を持ち出すとは、決意を固め、中国の反応を探ろうとしているようだ。台湾問題は中国の核心的利益と中日関係の政治的な基礎に関わる。日本の現職副大臣の訪台は、日本側の約束に明らかに違反し、中日間の4つの基本文書の精神に深刻に背くものだ。中国側は当然断固として反対し、厳正な申し入れを行ったうえ、動向を引き続き緊密に注視し、強い警戒を保つ必要がある。情勢がどう目まぐるしく変化しようとも、核心的利益を守る中国の意志は盤石だ、としている。

昨日の発言は撤回する。申し訳ない。中国の主張が正しいなら。
中国が明確に日中の国交正常化共同声明に、記述にあるような取り決めをしているというなら、日本政府の行動は明らかに約束違反。官房長官が「問題ない」というのは約束違反の回答としてはおかしい。
尖閣諸島の件は、両者の意見がまるで噛み合わないし、根拠とする記録も両国とも異なる。日中国交正常化の議題でも、その後の日中関係の対話でも、明らかに避けてきた話題だ。今回の中国の主張は、条約の声明文が確実にあるだろう。
だが…日本の外務省が公開している共同声明には、相手を尊重せよとは書いてあるが、非政府間の関係を取るとはない。

日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明 by (日本)外務省

台湾が中華人民共和国に属するとは書いてあるから、政府が人を出す時は事前に言え、という主張なら、連絡を取らずに政府の人物を台湾に派遣したのは礼儀知らずだとの批判は判る。それ以上のTHAADの話、尖閣の話は…感情が高ぶっただけと受け止めるのは失礼だろうか?
まさか、共同声明文も日本と中国で内容が違う…?

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