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2933.報道比較2017.3.26

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トランプ政権が、日本の民主党時代にそっくりに見えてきた。素人に無知のまま行政をさせると国家が揺れる。その代償は、結局、国民が負うことになる。

Wall Street Journal
オバマケア代替法案撤回、トランプ氏はどうすべきか (2017.3.25)

医療保険制度改革法(オバマケア)を全面的に見直すという米共和党の最優先政策が崩壊したことで、ドナルド・トランプ大統領にとって衝撃的な現実が浮き彫りになった。新政権が発足して2カ月になっても大統領は信頼できる政治連合を築けていなかったのだ。オバマケアを撤廃し置き換えるという取り組みが失敗に終わったのはなぜか。それはトランプ大統領が民主党議員の支援をまったく得られず、同氏の脅しや甘言をもってしても共和党議員の票を十分確保できず、状況を好転させるうえで議会共和党の指導者たちをあてにできなかったためだ。トランプ大統領にとっては、法案可決のための政治連合を形成しやすい他の政策を模索することが得策かもしれない。トランプ大統領と共和党の指導者たちは政府が機能していることを示すために「より小さな行動を通じて得点を稼ぐべきだ」と、マーレー氏は語る。カギとなるのは、巨額の財政支出に懐疑的な財政保守派を説得できるかどうかだ。いずれにせよ今回のオバマケア代替法案の失敗で、機能する「トランプ連合」をつくることの必要性が鮮明になった、としている。

国内紙の社説は、トランプ政権と共和党が過半数を占める議会が、オバマ・ケアの改廃を断念したことに不思議なほど触れていない。解説できないほど難しくもない話題だが、なぜだろう?
トランプ政権が、日本の民主党時代にそっくりに見えてきた。埋蔵金があるとほじくり返した日本の財政は、何度棚卸ししても、減税余地も予算の再編余地もなかった。それを公務員の抵抗と主張できたのは数か月。予算編成になった時、その素人ぶりに呆れ、その後、執行された予算で日本の行政はボロボロに悪化した。小沢一郎氏や民主党がその後、どうなったかは誰の目にも明らか。アメリカ共和党も、似た路線を進みはじめている。
残念なことに、日本はそのひどい政権の最中、3.11を経験した。尖閣諸島や竹島の緊張が日常の危機に変化した。自民党にずっと政権を担わせるのは許せなかったが、素人に無知のまま行政をさせると国家が揺れるのも事実だ。アメリカほどの超大国が隙を見せたら何が起きるか、私たちは目にすることになるかもしれない。ロシアや中国にとって、この4年のチャンスは好機だ。ネガティブ・セレクションでリーダーを選んではならない。その代償は、結局、国民が負うことになる。

毎日新聞・社説
道徳教科書 型に縛られない授業を

正式に教科になり、2018年度から小学校の授業で使われる「特別の教科 道徳」の教科書24点の検定結果が公表された。偉人伝など従来の教材を「読む」道徳から、討論などを積極的に取り入れる「考え、議論する」道徳への転換を反映し、工夫が見られる。内容項目は道徳の学習指導要領で示す基準で「正直、誠実」「親切、思いやり」「家族愛、家庭生活の充実」「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」など22項目あり、さらにより具体的に表記したものを学年段階に応じて学ぶ。道徳は他の教科と違って個人の内面の動きにかかわるものであり、点数評価はなじまない。唯一の「正解」というものもない。先生による評価は、子供の成長した面や長所、改善を望むことなどを文章で記録し、他の子供たちとは比較しない「個人内評価」にする。もちろん、受験の資料にもしない。その見守る目には、細かく縛られぬ、学校教育現場の実情に応じる裁量が不可欠だ、としている。

昨日の読売で、私の意見は書いた。
他のメディアでも、道徳教育に関する話題が増えはじめた。

外国人が感じた日本の「道徳教育」のすごみ by 東洋経済ONLINE

日本の道徳教育に価値があるのは認める。安倍氏がいじめや自殺という現状を問題視しているのはありがたい。だが、評価対象にして成績をつけるという部分に決定的な違和感がある。これは、誰もが指摘するだろう。やがて、道徳の成績が良かった人、悪かった人が登場する。自虐的な話題がはびこるのは目に見えている。
意味が見出せない評価に、なぜ時間を使って取り組む必要があるのか?授業の時間を増やしたり、教材や授業の工夫に時間を割く方が理想に近づくと思うのだが。なにか、評価にしなければならない理由が他にあるのだろうか?

人民網日本語版
共通認識を強化して反グローバル化を防ぎ止める中豪 (2017.3.24)

李克強総理は22日、オーストラリア公式訪問を開始した。ここ2年余り、中豪関係は新たな高みにおいて引き続き健全で安定した発展を保ち、包括性、戦略性、実務性が新たな特徴となっている。国際情勢が不確定性に満ちる今日、中豪はなおさらに協力を強化し、共に試練を迎え撃ち、反グローバル化の暗流を防ぎ止めるべきだ。鉱業大国であるオーストラリア産の鉄鉱石など一次産品は中国経済の発展にとって助けとなった。中国市場の盛んな需要もオーストラリアが金融危機を乗り切り、25年連続の経済成長を実現する助けとなり、「鉱業による繁栄」を築いた。現在両国はともに経済モデル転換の圧力に直面している。中豪自由貿易協定によって、農産物、サービス業面のオーストラリアの潜在力と優位性が解き放たれ、拡大され、両国が「鉱業による繁栄」から「自由貿易による繁栄」へとモデル転換するための環境が整った。オーストラリアのターンブル首相は先月中国の王毅外交部長(外相)と会談した際「オーストラリアは貿易自由化の揺るぎない提唱者であり受益者だ。オーストラリアは中国側と共にいかなる保護主義にも断固反対する。これは豪中両国及び世界の共通利益に合致する」と表明した、としている。

日本は、オーストラリアに学ぶべきだ。TPPを推奨し、アメリカと安全保障で同盟を築きながら、中国との経済連携も密接に進めている。昨年あたりまでの鉄鉱石、アルミニウムでの低迷を脱却した後、中国とオーストラリアは結束を強めている。もし日本とだったら…もめて提携解消に陥るケースだ。オーストラリアと中国の関係は、緊張しても壊れはしない。理想的に見える。日本が持っていないオーストラリアの才能は何だろうか?

日本経済新聞・社説
機関投資家と企業の対話促す改革進めよ

安倍晋三首相は企業統治(コーポレートガバナンス)改革を、成長戦略の一つと位置づけてきた。その推進力となったのが、2014年に策定された機関投資家の行動規範だ。今回の見直しを、ガバナンス改革を一段と進めるための契機とすべきである。こうした改定の背景には、資産運用を巡る日本的な事情が横たわっている。日本の大手運用会社はほぼすべて商業銀行や証券会社のグループに属する。信託銀行は企業にお金を貸しつけるとともに、大株主にもなっている。はたから見れば金融商品の営業が優先されるあまり、機関投資家の経営チェックが甘くなっているのではないか、との疑義も生じる。議決権行使の結果の開示を促すことにより、資産運用会社が株主の責務を果たし投資先の経営に目配りしているかどうか、外部から判断しやすくする。企業も株主向け広報の体制を拡充するなど、対話の準備を急ぐべきだ。機関投資家と経営陣が議論を深めることは企業価値を向上させ、お金の運用を託している個人の富を増やす。さらには、投資や雇用の拡大を通じて経済全体を豊かなものにするはずだ、としている。

2014年に言い出した話が、3年経っても効果が見えない。ガバナンスを語る一報で、東京電力の大株主のはずの政府はエネルギー政策も東電の経営にもまるで動かない。東芝のような問題が次々に発覚し、機関投資家よりも日本政府や日銀の方が心配になる。
欧米では、インデックスのファンドを、ETFのような最も手数料を低く運用するのがもっとも効果が高いと言われはじめている。ウォーレン・バフェット氏が10年かけて証明したのだから信憑性はあるだろう。ならば、機関投資家の存在意義さえ揺らいでいるということだ。経営をサラリーマン社長にやらせても、存在価値のない機関投資家を株主に並べても、100%イノベーションは起きない。マネジメントさえ機能していないに等しい。

朝日新聞・社説
欧州統合60年 市民の信頼築く改革を

ギリシャ危機に端を発した経済の停滞、難民や移民の流入、相次ぐテロで、「EUは安全と繁栄をもたらすのか」と疑う声が広がった。英国のEU離脱決定で欧州統合は初の後退を迫られ、「自国第一」を掲げるポピュリズム(大衆迎合)政党が各国で勢いを増している。「長い平和に慣れ、EUのありがたみが薄れた」との指摘もある。何世紀も戦争が繰り返された欧州で、過去60年間は加盟国間の武力衝突がなかった。初心に戻り、「不戦」の共同体を築き上げた意義を再確認すべき時だ。ローマには25日、加盟国首脳が集い、結束を誓い合った。いまの世界の先進国を見渡すと、「統治する側」と「される側」との距離をどう縮めるかは共通の課題でもある。非難の的がEUであれ、グローバル化であれ、多くの国々の市民が既成政治に限界を感じている。政治家や官僚が物事を決めて動かす日々の営みが、市民を置き去りにしていないか。統治システムをどう検証し、改善に取り組んでいくか。先行する欧州の実験の行方を見極めたい、としている。

ヨーロッパに分断がはじまれば、不便な痛みはすぐに表れるに違いない。うまくいかなくなると過去に戻りたがるのだろうが、以前のやり方に戻しても、国境と通貨がバラバラになり、今度は統合を夢見るだけだ。日本の財政再建も同様だが、うまくいってないから手段を探して動きはじめたのだ。違う答えを探すなら判るが、振り出しに戻って気付くのは、負債と負担が増えたこと。戻れば問題が解決するわけではないのは明らかで、英国がこれから身にしみて味わう産みの苦しみだ。やめる決断、別れる決断から、どんな成長を描くのか。その結論を見つけてからでも、分断を選択するのは遅くない気がする。

産経新聞・社説
外国人の就農 「担い手」になり得るのか

外国人労働者の就農を解禁する国家戦略特区法の改正案が閣議決定され、安倍晋三政権は今国会成立を目指す。高齢化や後継者不足は多くの農業現場で深刻化している。一定水準以上の技能や知識を持つ専門人材を受け入れ、現状を打開する狙いがある。政府・与党内には、建設業や製造業など人手不足が予想される分野での外国人活用を求める意見が根強い。そうした拡大策をとれば、実態として単純労働を行う人を「専門人材」と称して受け入れることになりかねない。外国人労働者の受け入れで、農業現場がひと息つくという効果はあるだろう。だが、少子高齢化に歯止めが掛からない現状で、外国人に頼ることが、担い手不足の根本的解決になるだろうか。そうしたやり方は、技術革新や構造改革の遅れにもつながる。それは日本農業の弱体化である、としている。

テーマはいいが、主張の内容は保守的。情報通信とロボット…なるほど。実現したら魅力的だ。そのための規制緩和を推進すれば可能かもしれない。だが、今の日本の農業の規模感では、機械化によるコスト削減が成り立つのは北海道くらいではないだろうか。外国人かロボットかではなく、日本の農業に欠落しているのは経営の視点だ。

読売新聞・社説
対「イスラム国」 有志連合の結束で壊滅目指せ

過激派組織「イスラム国」による卑劣なテロを阻止するには、掃討作戦が不可欠だ。関係国は、米国を中心に緊密に連携し、組織の壊滅を急がねばなるまい。米国主導の有志連合の閣僚級会合が開かれ、68か国・地域などの代表が参加した。閣僚声明は「イスラム国」を「地球規模の脅威」と位置づけ、「根絶に向けて固く結束していく」と強調した。「米国第一」を掲げるトランプ政権が会合を呼びかけ、協調を確認した意義は小さくない。議長役のティラーソン米国務長官は、組織打倒への強い決意を示した。壊滅のカギを握るのは、「イスラム国」が首都と称するシリア北部ラッカの攻略だ。米国は、米軍特殊部隊の増派や空爆強化などを検討している。早急に戦略を構築し、実行に移してもらいたい。トランプ大統領は、ロシアと共同で「イスラム国」掃討作戦を進める構想を持っていた。だが、側近らとロシアの癒着疑惑に関し、国内で強い批判を浴び、対露協調路線は行き詰まっている。トランプ氏には、同盟国を中心とする有志連合を対テロ戦略の軸に据えたうえで、米露の立場の違いを埋める努力が求められる、としている。

読売はいつの話をしているのだろう?ティラーソン氏が来日した時の話なら、もう10日以上前だ。安倍政権、自民党が追い込まれている時期に、語るべき話題はいくらでもある。アメリカでさえ、安全保障を語れる状況にはない。テロを受けた「ロンドン」という単語が入っていないのも違和感がある。ずいぶん前に書いた原稿だろうか?

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