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2927.報道比較2017.3.23

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世界は、本当にテロに慣れきってしまった。監視や不信が街に蔓延するのは時間の問題だ。

Wall Street Journal
英議会で襲撃事件、犯人と警官含む5人死亡 (2017.3.22)

英国警察でテロ対策を統括するマーク・ローリー副総監は22日、英国会議事堂周辺で起きた襲撃事件で武装警官1人を含む4人が死亡したと発表した。このうち犯人とみられる男は警察官により射殺された。ローリー副総監は、負傷者は少なくとも20人に上ると述べた。警察は単独犯による犯行とみているが、事件周辺を封鎖して可能な限り捜査に努めていると述べた。議事堂近くのウェストミンスター橋で、犯人が運転する自動車が多数の歩行者を次々とはね、警官3人を含む負傷者が出た。自動車は議事堂周辺で衝突し、犯人は刃物を持って敷地への侵入を試みた、とローリー副総監は発表した。英政府報道官によると、議事堂と首相官邸は閉鎖され、メイ首相は今回の事件を受け、政府高官からなる緊急会議を招集する予定、としている。

ヨーロッパでは、フランスで起きていたようなテロが、ロンドンに飛び火した。ブレグジットに賛成した人たちは、こういう危機こそがブレグジット賛成の要因だと語るだろう。残念ながら、減少はするかもしれないが、解決策にはなっていない。完璧な解決策などないのが、さらに失望を深めている。
もっと恐ろしいのは、世界は、本当にテロに慣れきってしまった。マーケットには何の影響も起こさなかったし、ニュースの口調も「この世の終わり」よりは「時折起きる大きめの事件」といった緊張感。パリやボストンの頃は、大きな災害が来た時ほどの衝撃で伝えていたのだが…これが、日本だけの現象なら、私たちは近い将来、必ず自国で同じ痛みを味わうことになる。世界で起きていることなら、分断は世界に伝染しはじめている。監視や不信が街に蔓延するのは時間の問題だ。

Financial Times
トランプ政権vs諜報機関、後戻りできない対立へ (2017.3.22)

ジェームズ・コミーFBI長官とマイク・ロジャーズNSA長官が証言している傍らで、トランプ氏は両氏が言わなかったことを発見するのに忙しかった。「NSAとFBIは議会で、ロシアは選挙プロセスに影響を与えなかったと証言した」とトランプ氏はツイートした。このツイートが投稿されたのは、FBIがトランプ陣営とロシア政府との共謀について捜査していることをコミー氏が正式に認めた直後のことだ。これでトランプ氏はどんな立場に置かれるのだろうか。まず、少なくともさまざまな捜査が終了するまでは、ロシアの影がトランプ政権に付きまとうことが確実になる。それも疑いが払拭されるのは、当局が訴追しないことを決めた場合に限られる。捜査終了までには、数カ月、ことによれば数年かかる可能性がある。その間ずっと、まだ続くリーク、面目を失うような証言によって憶測が激しくなるだろう。しかも、トランプ氏が新たな陰謀論を付け加えないで、このありさまだ。就任から2カ月経った今、トランプ氏は米国最大の法執行機関と米国最大の諜報機関のトップによって、暗に夢想家のレッテルを張られたということだ。しかし、トランプ氏は戦術を変える気配を一切見せていない。トランプ氏のホワイトハウスとインテリジェンスコミュニティーの関係がもう後戻りできない地点を通り越すのは間違いなく時間の問題だ、としている。

扇動家が書くような表現が多いが、最後の一文は事実だ。トランプ大統領と、FBI、NSAの関係は最悪だ。大統領が自国の警察と諜報機関と敵対するなど、考えられない。しかも、就任2か月も経ず、大統領の選挙が捜査対象になっている。最悪の選挙の後、最悪の行政はつづく。韓国で見たのに似た光景が、やがてアメリカでも?もう、何が起きても驚かない。
トランプ政権と議会は、23日に、オバマケア改廃法案の採決を下院でする予定。波乱が起きないことを祈る。

産経新聞・社説
日欧EPA 早期妥結で自由貿易貫け

欧州を歴訪した安倍晋三首相が一連の首脳会談で、日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)の早期合意を目指す方針を確認した。安倍首相がドイツ、フランス、イタリアの各国やEUと行ったすべての首脳会談で、EPAが議論された。ユンケル欧州委員長は共同記者発表で、交渉の年内合意に自信を示した。交渉の妥結が、反保護主義を世界に示すうえでの「象徴的なメッセージ」になるという安倍首相の認識は正しい。先の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の共同声明では、保護主義への対抗という記述が米国の反対で盛り込めなかった。これに対し、安倍首相と先進7カ国(G7)議長国であるイタリア首相との会談では、G7として保護主義に対抗するメッセージを出す方針で一致した。もとより、トランプ大統領が簡単に耳を貸すとは考えにくい。ならば、自由貿易交渉の成果を示すしかない。その意味でも日欧交渉の進展は重要なものとなる、としている。

日本経済新聞・社説
日欧はEPA早期合意で自由貿易を守れ

安倍晋三首相が欧州4カ国を訪問した。メルケル独首相やオランド仏大統領らとの会談で、自由で開かれた経済や貿易が重要との認識で一致したのは当然だ。欧米各国では、移民や難民の増加も背景に経済のグローバル化への反発が強まっている。英国の欧州連合(EU)離脱決定や、トランプ米政権誕生の原動力にもなった。しかし、自由貿易は世界の繁栄の礎である。それに背を向けて国を閉ざせば経済は低迷し、豊かになる機会を失いかねない。米国が内向き志向を強めている今、日本と欧州は自由貿易体制を守り、保護主義に歯止めをかける必要がある。そんな立場を確認できた点で安倍首相の訪欧はいちおうの評価ができる。日本とEUがEPAで合意すれば、焦った米国がTPP復帰を検討する契機になる可能性はある。日欧が自動運転車などの分野で協力できる余地も広がる。「自由貿易の旗を高く掲げる」(安倍首相)のはきわめて大事だが、日欧EPAの合意という成果が伴わなければ、首脳の本気度が疑われるだろう、としている。

読売新聞・社説
首相欧州歴訪 経済連携協定の合意を急ごう

安倍首相がブリュッセルで欧州連合(EU)のトゥスク欧州理事会常任議長らと会談し、日本とEUの経済連携協定(EPA)交渉の早期妥結を目指すことで一致した。独、仏、伊首脳との個別会談でも、その方針を確認した。首相は共同記者発表で、EPAについて「交渉の妥結が世界に発する象徴的なメッセージは極めて重要だ」と強調した。トゥスク氏も、「日本とEUが自由で公平な世界貿易制度に関与することが非常に大切だ」と指摘した。両者が「反保護主義」で足並みをそろえ、EPAの早期合意の目標を共有した意義は大きい。G7は世界経済の発展に主導的な役割を担っている。日本は欧州各国と連携し、「米国第一」を掲げるトランプ米大統領に対し、自由貿易が各国の利益となることを粘り強く説明せねばならない。一連の首脳会談で、北朝鮮の核・ミサイル問題や、東・南シナ海の秩序維持の重要性に関する認識をメルケル独首相らと共有したことは貴重な成果だ。中朝両国に対する外交圧力になろう、としている。

日本とヨーロッパがEPA?私には日中の貿易交渉、またはアメリカのTPP再検討の方が現実的では?と思えるくらい、見込みは低いと思う。ただでさえ分断が進み、利害で意見の一致しないEUが、経済で競合対立の激しい日本と、アメリカとさえうまく合意できなかった貿易交渉をまとめるなど、できるとは思えない。なぜなら、リーダーシップがない。我慢してでも得たいマーケットもない。保護主義批判のリップサービスだけなら、訪問までする意味があったのだろうか?

朝日新聞・社説
大学と軍事 若手にも考えてほしい

大学などの研究機関は軍事研究に携わるべきではないとする声明案を、日本学術会議の委員会がまとめた。あすの幹事会を経て4月の総会で採択される見通しで、その意義は大きい。今回の声明案は、軍事研究が学問の自由や学術の健全な発展と緊張関係にあることを確認したうえで、過去の二つの声明を「継承する」としている。軍事が科学技術の発展を加速させた歴史は長い。一方で、国家に動員された科学者が積極的に軍事研究に携わった結果、毒ガスや生物兵器、核兵器が開発され、おびただしい人の命を奪ったことを忘れてはならない。今回の声明案は、資金の出所がどこか慎重に判断するのとあわせ、軍事研究と見なされる可能性があるものについて、大学などには技術・倫理的な審査制度を、学会には指針を、それぞれ設けるべきだとしている。若手研究者もぜひこうした場に参加して、多角的な議論に触れ、科学者の責任とは何か、考えを深めていってもらいたい、としている。

この報が社説に載ったのは、3.10。政府寄りの産経と読売が批判していた。その後、森友学園問題で日本学術会議はやりやすくなったことだろう。時の政権がどれだけの支持を得ても、法を定める時には細心の注意をすべきだし、簡単に信念は曲げてはならない。
共謀罪の論点を、私たちは見過ごしていないだろうか?

毎日新聞・社説
日露2プラス2 警戒怠らず対話継続を

日本とロシアの外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)が3年4カ月ぶりに行われた。議論は平行線に終わったが、北東アジアの安定に日露間の信頼醸成は欠かせない。ロシア側のペースにならないよう警戒を怠らず、戦略を固めて対話の継続を目指したい。協議では、ロシアによる北方領土への地対艦ミサイル配備などの軍備強化や、北朝鮮に対する日米韓の弾道ミサイル防衛(BMD)の強化などで日露の立場は対立した。対北朝鮮でも、国連安保理決議の順守を求める大前提では一致したものの、米国とともに厳しい圧力で臨む日本と、対話再開を求めるロシアとの溝は埋まらなかった。北朝鮮や中国をにらみ、北東アジアの緊張緩和と安定を築くうえでロシアの関与は欠かせない。そのためには、戦略の違いを踏まえたうえで対話を続ける必要がある。合意された防衛当局間の交流再開を呼び水に、信頼醸成を進めたい、としている。

一昨日に読売が取り上げ、昨日の産経は報道比較はスルーした。あまりに内容が浅いからだ。今日の毎日も無意味。日露の協議の重要性を考えるとお粗末だ。

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