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2922.報道比較2017.3.19

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やさしい天気に恵まれた日本の春の連休。落ち着かないニュースが多いのは残念。すっきりしない春。

Wall Street Journal
米国務長官が語った北朝鮮問題の真実 (2017.3.18)

初のアジア歴訪中のレックス・ティラーソン米国務長官は17日、北朝鮮と中国に関して真実を述べたことで物議を醸した。ティラーソン国務長官は北朝鮮が核への野望をあきらめる、あるいは政権が崩壊するのを待つというオバマ政権の政策に触れ、「はっきりと言おう。戦略的忍耐という政策は終わった」と述べた。その前日、同国務長官は北朝鮮の核への野望に対する「20年」に及んだ「失敗したアプローチ」を批判した。国務長官はまた、米国の高高度防衛ミサイル(THAAD)システムの配備を開始している韓国に対して中国が経済的な報復措置を取ってきたと指摘。中国について「すべての隣国にとっての重大な脅威の解決に役立とうとする地域の大国がすることではない」と述べた。「中国にはTHAADを不可欠にしている脅威に直接対処することを要請する」。ホワイトハウスには、北朝鮮と取引がある中国企業を米国の金融システムから締め出す、北朝鮮が次に発射するミサイルを撃ち落とすなど、いくつかの選択肢がある。国際社会が失敗した戦略を変更しなければならないと認識することが出発点となるので、ティラーソン国務長官の今回の発言は称賛されるべきだろう、としている。

人民網日本語版
外交部、中国側のTHAAD反対の理由は充分で正当 (2017.3.18)

THAAD配備問題に対し、中国側はすでに幾度となくその反対の立場を明確に表明してきており、またその深刻な危害とそれが引き起こすであろう結果も指摘している。中国側は韓国側の自国の安全保護に対する懸念を理解している。しかし問題は、THAADがこの地域の戦略的バランスを損ない、朝鮮半島の平和と安定を維持していく上で無益である上、韓国をより危険に貶める可能性もあるという点だ。また華報道官は「中国は、関係国に問題の本質と中国側の理に適った懸念を正しく見極め、関連部署の配備に向けたプロセスを直ちに停止することを再度求める」とした、としている。

ティラーソン氏の率直な言動をWall Street Journalは称賛し、過去の北朝鮮への戦略の失敗と、ダイレクトな行動を求めている。その行動にTHAADも含まれ、中国は反対を貫いている。
トランプ政権の行動パターンは、率直な言動からはじまり、些少化した行動計画が遅れて出てくるのが今までの常だった。実際の行動は、会議レベルまでしか具現化していないため、まだ評価できる段階ではない。トランプ氏ほどのビッグ・マウスではない分、他のアメリカ政府高官の言動はぜひ信じたい。だが、微かな懸念は、彼らもまた、トランプ氏同様に経験値が低く、実際の行動の前に生じる圧力、摩擦、抵抗を予測できていない点だ。過去のリーダーたちも、脅えて行動を抑えたことはないに違いない。思慮を尽くした結果、動かない方が得策と思った可能性が高い。行動には、勇気以外の確実性が必要になる。トランプ政権には、まだ確実性を高めるだけの情報も、発想も見出せない。たしかに北朝鮮の危機レベルは最悪の状態だろう。行動を認めさせるだけの根拠を、トランプ政権は集められるだろうか?

毎日新聞・社説
籠池氏証人喚問 国民のため真相究明を

衆参両院の予算委員会は大阪市の学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長に対する証人喚問を衆参予算委員会で23日に行うことを決めた。森友学園に国有地が格安で売却された疑惑を解明するためには、国会で直接、籠池氏から話を聞くことが不可欠だった。当事者だけに、事実を責任を持って語る必要がある。籠池氏が「2015年9月5日に首相夫人の安倍昭恵氏を通じて安倍晋三首相から100万円の寄付を受けた」と発言した。首相側はこれを全面否定し、自民党は籠池氏の喚問要求に転じた。参考人招致とは異なり、証人喚問は出頭を拒否したり、虚偽の答弁を行ったりした場合は、議院証言法に基づき処罰される。喚問を実施するのは当然にしても、安倍内閣に不利な発言が目立ち始めた籠池氏をけん制した面もあるのではないか。昭恵氏が100万円の寄付を仲介したとの籠池氏の指摘も首相側は否定している。自らの潔白を証明する意味でも国会や記者会見を通じて森友学園との関係を説明すべきだ、としている。

連休にも森友学園側の情報戦は進行中。メディアはなるべく距離を置いているようだが、23日の国会の注目度は高まっている。安倍氏の背景にある思想への拒絶感は、この問題が沈静化してもつづくだろう。憲法論、安保法制はやりにくくなる。野党にとっては十分な成果ではないか。

産経新聞・社説
PKO日報問題 稲田氏に国は守れるのか

南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の「日報」が、陸上自衛隊には残っていないと説明していたにもかかわらず、実は保管されていた。稲田氏は保管の事実を知らなかったとして「徹底的に調査する」と述べ、大臣直轄の防衛監察本部に特別防衛監察を命じた。誤りはもう許されないとの覚悟で、問題の所在を明らかにすべきだ。防衛省・自衛隊は日本最大の実力組織であり、政治のコントロール(文民統制)に服さなければならない。日報をめぐる事実が防衛相に知らされていなかったとすれば、当然、文民統制にかかわる問題となる。組織の責任者は稲田氏自身であることを、重ねて指摘しておきたい。防衛省・自衛隊をしっかりと掌握し、管理運営する能力が果たして十分なのか。稲田氏の国会での答弁ぶりにも、大きな疑問符が付けられている。度重なる失態は、大災害時の活動や国際貢献で勝ち得た自衛隊への信用まで損なう。国民の信頼を失うことが、どれだけ大きな損失かを責任者は認識すべきだ、としている。

読売新聞・社説
防衛省日報隠し 稲田氏に「統率力」はあるのか

南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に従事する陸上自衛隊部隊の活動に関する日報が、廃棄されたはずの陸自内部に保管されていたことが発覚した。防衛省は当初、「陸自に日報は存在しない」と説明し、その後、統合幕僚監部で見つかったと公表した。だが、陸自上層部は、陸自にも日報の電子データが残っていることを把握していた。稲田防衛相は、直属の防衛監察本部に特別監察を指示した。この程度の調査に、自衛隊が自浄能力を発揮できないのは問題だ。国会での「軽さ」が目立つ。稲田氏は、学校法人「森友学園」が原告の訴訟に代理人として出廷したことを質され、「虚偽」と断定したが、翌日、一転して認め、謝罪に追い込まれた。野党は辞任を要求し、与党からも資質を問う声が出ている。稲田氏には、閣僚の国会答弁の重さを自覚してもらいたい、としている。

手の平を返したように稲田氏を批判しはじめた産経と読売。経験や実績から選ばれた大臣ではないことは最初から明らかだが、窮地に陥った時にこそ擁護するのが誠実な応援の姿のはず。産経と読売は日和を見ていただけのようだ。自民党寄りの姿勢が揺らぎはじめた。

朝日新聞・社説
原発賠償判決 国と東電への警告だ

福島第一原発の事故で避難生活を余儀なくされた住民が、東電と国に賠償を求めた集団訴訟で、前橋地裁は両者の責任を認める判決を言い渡した。根底に流れるのは、事故が起きれば甚大な被害をもたらす原発を「国策民営」で推進してきた以上、事業者も国もそうした事態を招かないようにする、極めて重い義務を負うという考えだ。うなずく人は多いだろう。判決を聞いて改めて思うのは、3・11前に関係者全体を覆っていた「慢心」である。地裁は、東電は遅くとも02年には大津波を予測できたのに簡便な対策さえ怠った、そして国は必要な措置をとるよう東電に命じるべきだったと指摘した。判決には「経済合理性を安全性に優先させた」「国の不合理な態度も東電と同様の非難に値する」といった苦言が並ぶ。事業者優位といわれ続けてきた関係を脱し、新たな知見に基づき、迅速に対応させる。今回の判決を、規制業務のあり方を点検する機会にしてほしい、としている。

昨日、早々に毎日が伝えている。朝日や毎日の脱原発論に期待したいのは、論理的な原発脱却の主張だ。相変わらず感情的な話から進まない。賠償金が上がれば、論理構築はさらにやりやすくなるのだから、再生エネルギーの経済合理性をこういう時にこそ推進して欲しい。裁判で勝利しただけでは、日本は反省し、後退して終わりになってしまう。前進には、次の策が必要だ。

日本経済新聞・社説
日本はTPP11カ国の協調を主導せよ

環太平洋経済連携協定(TPP)の署名国は、米国がTPP離脱を正式に決めた後で初めてとなる閣僚級会合を開いた。TPPは実質的に世界標準となる貿易・投資ルールである。米国を除いた11カ国が、地域の経済統合の原動力としてのTPPの役割を強調したのは当然だ。大事なのは、11カ国の結束を固めることだ。5月下旬の次回会合までに各国は意見の隔たりをできるだけ埋め、合意点を見いだす努力をすべきだ。そのために日本こそ指導力を発揮すべきだ。「米国抜きのTPP」に米国が難色を示す可能性はあるが、そうした選択肢を考えざるを得ない状況をつくった責任は米国にある。TPPはモノにかかる関税撤廃だけでなく、知的財産権の保護、電子商取引、環境、労働などの新たなルールも定めている。11カ国によるTPPは、日本が今後の米国との通商協議を優位に進めるためのカードになる可能性も秘める。日本が率先して汗をかく必要がある、としている。

日経の理想論には同意するが、現実として今の日本の政治、行政に日経のような発想があるだろうか?期待度は相当低い。日本の政治と行政はアメリカ依存度が高過ぎる。

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