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2921.報道比較2017.3.18

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内閣支持率が急落。メディアは今でも政府を追いつめるような議論を避けているが、世論は政府に相当な不信感を抱きはじめた。

朝日新聞・社説
籠池氏喚問へ 真相究明への一歩に

学校法人「森友学園」の理事長退任を表明した籠池泰典氏の証人喚問が、23日に衆参両院の予算委員会で開かれる。籠池氏が「安倍首相から、昭恵夫人を通じて100万円の寄付を受けた」と、16日に参院予算委員会のメンバーに語ったことで、対応せざるをえなくなったのだろう。事実なら、籠池氏との個人的な関係を否定してきた首相の答弁の信用性も根本から問われよう。問題となった国有地は、鑑定価格より約8億円安く売却された。不自然な取引の背景に口利きなどはなかったのか。学園が4月開校をめざしていた小学校の名誉校長就任を昭恵氏が引き受けた経緯や、「顧問弁護士だった」と籠池氏がいう稲田防衛相夫妻との関係も十分解明されたとはいえない。大切なのは23日の証人喚問が終わりではないということだ。売却交渉をしていた時期に財務省理財局長だった迫田英典・国税庁長官ら、国会で証言すべき人物はほかにもいる。与野党ともにこの問題を早く終わらせるのではなく、国民が納得するまで真相究明に努めるべきだ、としている。

甘く見てあしらい、数で振り払おうとして苛立ち、追いつめられて受け入れる。リスク管理の下手さが浮き彫りになった。大した事件ではなかったはずが、首元に刃を突き付けられたような状態。政府の被害者は、安倍氏と稲田氏だけ。だから周囲もどこか素っ気ない。リーダーが批判されるのは悔しいが、安保法制や増税を議論するほどの気合いはない。いざとなれば…と蠢いている人も内部に入るだろう。
メディアは今でも政府を追いつめるような議論を避けているが、世論は政府に相当な不信感を抱きはじめた。これで安倍氏が辞職なら、1回目の総理大臣辞任と同じレベルの失態。火元が野党というのが情けない。政府の監視役は、もはやジャーナリズムには担えそうもない。心配なのは、これからの政治よりはメディアの衰退かもしれない。

毎日新聞・社説
原発賠償判決 国に対する重い警告だ

東京電力福島第1原発事故によって避難した住民が東電と国に損害賠償を求めた集団訴訟で、前橋地裁が両者に、住民62人に3855万円を支払うよう命じた。司法が原発事故で初めて国の過失責任を認定した。東電は08年、この評価を基に福島第1原発で最大15・7メートルの津波を予測した。11年に実際に襲った津波は15・5メートルだった。長期評価や具体的な予測を踏まえ、東電が津波対策に取り組んでいれば事故は防げたというのが原告の主張だ。前橋地裁はその訴えをほぼ認め、東電は津波を予見できていたのに対策を怠り、安全性よりコストを優先したと厳しく批判した。同様の訴訟は全国で約30件あり、原告住民は約1万2000人に上る。今後も各地で判決が言い渡される原発事故がひとたび起これば、その影響は重大、過酷なものになるからこそ、原因究明をないがしろにしてはならない、としている。

画期的とメディアは喧伝しているが、あと数年早ければ…と悔やまれる。産経、読売は、どう反応するだろう?推進派の反論が聞きたい。

産経新聞・社説
天皇陛下の譲位 「見解」踏まえ立法化急げ

天皇陛下の譲位を「一代限り」の特例法制定で実現すべきだとする「国会見解」を、与野党の全体会議がまとめた。安倍晋三首相は厳粛に受け止め、法案の作成を急ぐ考えを示した。譲位は、立憲君主である天皇の位にかかわる重要事である。国論が大きく割れることなく、立法作業を進めるのが望ましい。衆参正副議長のもと、自由党を除く与野党が「立法府の総意」となる見解をまとめた点を評価したい。国会見解が、政府に「安定的な皇位継承を確保するための方策」の検討を促したことは歓迎する。皇位継承権を持つ皇太子殿下と秋篠宮殿下の次の世代では、男性皇族が悠仁さまお一人だからだ、としている。

日本経済新聞・社説
着地点みいだした国会の天皇退位論議

天皇陛下の退位に向けた法整備をめぐり、衆参両院の正副議長が国会としての提言を安倍晋三首相に伝達した。1月以来の各党派の議論を踏まえた内容である。一代限りの特例法を主張する与党と、皇室典範改正による恒久制度化を求める野党が当初は対立していたが、双方が歩み寄った。退位を特例法で定めたうえで、特例法と典範が「一体をなす」と典範の付則に明記するという。大きな政治問題としないで国民の多くが納得できそうな着地点を見いだした努力を、評価したい。首相はできるかぎり尊重して法案づくりを進めてほしい。2019年元日の改元が検討されているとされるが、それには様々なシステムやカレンダーなどの手直しがともなう。国会はさらに政府と意思疎通を密にして「国民の総意」づくりに努めてほしい、としている。

読売新聞・社説
「退位」特例法案 一本化を促した「国民の総意」

天皇陛下の退位問題に関し、衆参両院の正副議長が国会としての意見をまとめた。特例法で退位を認めるという内容だ。大島衆院議長が、安倍首相に提示した。自民、公明両党は一貫して、一代限りの特例法制定を主張した。将来の天皇にも適用される制度では、退位要件を定めるのが困難だとの理由からだ。ご高齢の陛下の退位を早急に実現させるために、国会が、天皇制の本質にかかわる論点を先送りした感は否めない。終身在位の原則が、なし崩しになる恐れはないのか。天皇陛下の退位後、皇太子が不在となる状況にどう対処するのか。退位した陛下の呼称や待遇の問題もある。政府は、法案作成に万全を期してもらいたい、としている。

皇室関連の課題だからか、天皇陛下の高齢という急ぐべき状況だからか、建設的と言える進展だった。やればできるのに、普段はなぜできないのか?余計な目論見を捨てればいいのなら、その環境を作るのが首相や議長の役目だ。気づいて改善されればいいのだが。

Wall Street Journal
トランプ政権の予算案に見る数多くの政治劇 (2017.3.17)

ドナルド・トランプ米大統領が公表した2018会計年度(17年10月〜18年9月)の予算教書は、トランプ氏の意図した通りではないにしても、国民の役に立ちそうだ。評価できる主な点は、米国がエンタイトルメント(社会保障年金、医療保険、失業保険など)支出を抑えるために何らかの策を講じなければ、痛みを伴う代償を払うことになることを有権者に示したことだ。トランプ政権は、国防費を予算管理法で定められた18会計年度の予算上限から10%増やすことを提案している。しかしこれは、オバマ前大統領が大統領選挙期間中に防衛問題から目をそらさせるために、最後の予算案で提案した金額を基にすると3%の増額にすぎない。その大半は、軍事行動や軍備のメンテナンスが至急必要になった時に使われる。トランプ氏が350隻の海軍艦艇を建造するという公約を果たすために本格的な防衛予算を組むのは19会計年度からになるだろう。トランプ氏がメディケア(高齢者向け医療保険制度)とソーシャルセキュリティー(社会保障制度)を改革の対象から外しても役に立たないが、少なくとも同氏と議会共和党は医療保険制度改革法(通称オバマケア)の廃止とメディケイド(低所得者向け医療保険制度)の見直しを目指している。トランプ氏の予算案に対してさまざまな政治的な動きがみられるが、議会で実行に移されたのは、下院共和党による医療保険法案の提出だけだ、としている。

良くも悪くも、日本の民主党が政権を取った時に似てきた。当時の民主党もポピュリズムだったということだろう。
公務員の予算を減らす政策は痛快だ。国民は称賛するに違いない。有益なものも多数あるだろうが、減らしてはいけない予算が減ると、大事な機能が欠落する。入国制限の時と同じような混乱が起きる可能性が高まるだろう。人気を得る目的なら、やがて不満になって返ってくる。思慮深く、周到に準備されたアイディアを、トランプ政権から感じたことは一度もない。今回の予算案も同様だった。アメリカの劣化は進行中だ。

人民網日本語版
中国人科学者、30秒で血液型が分かる試験紙を開発 (2017.3.17)

中国の研究者は15日、米「Science Translational Medicine」誌で、低コストの血液型検査紙の開発を報告した。最速で30秒内に各種血液型を特定でき、緊急救助の際に、重要な意義を持つ。また屋外、戦場、被災地など、資源が不足する環境での応用にも期待できる。研究者は「従来からのABO型検査紙の1回の検査時間は約30秒で、珍しい血液型の場合は約2分かかる。3500以上の血液サンプルを分析したところ、この方法の正解率は99.95%に達する。誤差は主に珍しい血液型によるもの」と説明した、としている。

こうして中国も世界の発展に貢献する。技能を得て、時間と経済で過不足ない環境ができ上がれば、イノベーションは起きる。国や政治は関係ない。欧米だけが優秀なはずもない。
日本でなぜイノベーションが止まっているのか、改めて考えるべきだ。

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