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2920.報道比較2017.3.17

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投票だけで社会が変わるわけではない。その後のアクションは、人気だけでは決して動かない。

Wall Street Journal
トランプ政権、入国制限の執行停止で近く上訴へ (2017.3.17)

ドナルド・トランプ米大統領が署名した入国制限の新たな大統領令に執行停止の仮処分が下されたことを受け、ショーン・スパイサー大統領報道官は政権が上訴する構えであることを明らかにした。ハワイ州の連邦地方裁判所は15日、イスラム圏6カ国からの移民・難民の入国を制限する新大統領令について全米で執行停止を命じる仮処分を下した。 スパイサー報道官は16日、「われわれは誤った判断に対し上訴するつもり」であり、「近く行動を起こす見通し」だと述べた。また、今回の判断で「裁判所は関連法の引用すらしなかった」と指摘。脅威が国内に侵入する可能性に言及し、「危険性は現実のもの」で「法律は明確だ」とした、としている。

トランプ政権からの予算教書が出た。すんなりと通る内容には仕上がっていない。今までの発言とのずれ、未だ盛り込まれてないものも多い。小さな成功を目論んでいたはずが、仕事は遅い。今日までで約2か月。そろそろ期待の賞味期限は切れる。
譲歩したはずの入国制限も否定され、大統領としての執行能力に疑問符がつきはじめた。上訴の結果次第では、彼のアイディアは実現困難と読まれる可能性も高い。できればヨーロッパの選挙戦の前に、ポピュリズムの末路を示して欲しい。

朝日新聞・社説
オランダ選挙 排外主義になお警戒を

難民や移民を敵視する排外主義に国をゆだねることは控えたい。だが、今の政治のありようには我慢しがたい。15日に投票されたオランダ総選挙は、そんな悩める民意を映し出したといえるだろう。わかりやすい主張で人々の感情に訴えるポピュリズム(大衆迎合)の政治家には、国政は任せられないというバランス感覚が働いた結果といえよう。第1党を守るとはいえ、与党で中道右派の自由民主党は議席を減らす。連立を組む中道左派の労働党は議席が3分の1以下になりそうな惨敗ぶりだ。一方、格差是正を訴える左派政党が大きく議席を伸ばしそうだ。オランダでも、グローバル化に伴って製造業が衰退し、非正規雇用が広がることへの不安や不満が広がっている。排外的ポピュリズムの風がやんだわけではない。先進国の政治家には改めて自戒が必要だ、としている。

毎日新聞・社説
オランダ下院選 楽観できぬ極右の失速

欧州連合(EU)離脱を決めた英国、トランプ大統領を誕生させた米国に続き、欧州大陸にも反グローバリズムの波が広がるか。今年欧州で相次ぐ選挙の行方を占ううえで注目されたオランダ下院選は、イスラム排斥とEU離脱を訴えた極右・自由党が伸び悩み、議席を増やしたものの第1党には届かなかった。フランス、イタリア、ドイツなど他の欧州諸国首脳らも、この結果を歓迎している。オランダと同様にイスラム系移民の比率が高い隣国フランスでは、4月の大統領選に向け、反移民を掲げる極右・国民戦線のルペン党首の勢いは衰えていない。オランダでの極右の失速が、欧州全体の流れを変える契機になると楽観するのは、早計だろう、としている。

オランダの政党は少数で、いくつもの政党が連立して議会を担うらしい。日本で言えば維新の会くらいの規模の政党がいくつも存在するイメージ。社会のニーズで勝敗が揺れるのは理想的かもしれないが、意思決定のスピードは遅いだろう。成熟したオランダのような国には適切かもしれない。日本もそんな議会なら、今のような強行採決や、なし崩しがなくなるなら移行して欲しい。
毎日の慎重さが適切だ。今後のヨーロッパは、まだ多くの投票が控えている。トランプ政権とブレグジットが低迷すれば、ポピュリズムも沈静化するだろう。混迷の怒りを感情でアウトサイダーに任せても、世界は動かない。今のところ、世界にはいくつもの抑止機構が存在すること、そのブレーキが効果的に機能していることを示してくれている。投票だけで社会が変わるわけではない。その後のアクションは、人気だけでは決して動かない。

読売新聞・社説
米国務長官来日 対「北」共同対処を強化したい

ティラーソン米国務長官が来日し、安倍首相、岸田外相と会談した。北朝鮮の核・ミサイル開発について「断じて容認できない」として、日米韓3か国が緊密に連携する方針を確認した。外相会談では、トランプ米政権の北朝鮮政策見直しに関し、日米が意見調整することで一致した。ティラーソン氏は「過去20年間の非核化の努力は失敗した。違うアプローチが必要だ」と述べた。ティラーソン氏は、慰安婦問題に関する一昨年の日韓合意への支持を明言した。岸田氏は、5月に誕生する韓国新政権にも合意の履行を粘り強く求めると語った。日米韓の北朝鮮包囲網を維持するには、慰安婦を象徴する少女像の撤去への努力を含む日韓合意の堅持と実行が欠かせない。岸田、ティラーソン両氏は、外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)の早期開催で一致した。北朝鮮に対するミサイル防衛の拡充や、自衛隊と米軍による共同の警戒監視活動や訓練を強化する方策を検討する機会としたい、としている。

トランプ政権への注目度は確実に下がっているようだ。国務長官来日への反応は鈍い。読売の文面も北朝鮮リスクというよりは、韓国への日本の要望ばかりが盛られている。アメリカが気にしているのは日本との約束ではなく、協力関係だ。日本の大臣も同じ感覚なら、さっさと日本を出て次の国に向かうだろう。

日本経済新聞・社説
経済の安定に資する米の緩やかな利上げ

米国が昨年12月に続く利上げに踏み切った。経済が順調に回復しているのを映した決定である。緩やかな利上げの継続は、金融の不安定化を防ぎ、米景気拡大の持続力を高めることにもつながる。米国の金利上昇は資金の米国への回帰や一層のドル高につながる可能性もある。海外からの資金依存度が高い新興国は、変化に耐えられるよう国内の経済構造を強固にしていく必要がある。米国が経済回復に伴い金利を引き上げることは、将来景気が悪化したときの利下げ余地を増やす面もある。ゼロ金利の壁にぶつかる可能性を減らせるという意味でも、経済の安定に貢献する。物価がほぼ横ばいにとどまる日本は、短期の政策金利を米国と同じように高められる状況にはなっていない。ただ米国の利上げ継続に伴い、日本の長期国債金利には上昇圧力が高まる可能性がある。日銀は、昨年9月に10年物国債の利回りを0%程度に誘導する政策を導入したが、この水準に抑え続けることの是非についても今後議論がなされるべきだろう、としている。

1日遅れの利上げへのコメントは、経済紙としては低レベル。ニュースにならない平静さを昨日の昼には認識している。もうマーケットは予算教書、イギリスの金融政策と、次の話題で動いている。遅い。
遅くなるなら、将来の話、できれば日銀の政策の行き詰まりをもう少し論じて欲しい。ECBさえ緩和政策の出口を模索しはじめた。世界で金利が上がりはじめた時、日銀の苦悩は高まる。日経は長期国債の利回りの抑え込みを暗に否定しているが、財政ファイナンスのような現状を、どう見ているのだろう?

人民網日本語版
着実に向上している中国の国際的イメージ 世論調査 (2017.3.16)

今月の全国両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)会期中、外国メディアの間では「中国の貢献」、「中国スタイル」、「中国のプラン」などの言葉が頻繁に使われ、自信に満ち、勇気を持って責任を果たす中国のイメージが映し出された。米国やロシアなどの国の世論調査機構が最近行った調査によると、中国の国際的なイメージは着実に向上しており、中国の目覚ましい成果に海外の多くの人、特に若者が注目し、高い評価を下している。米世論調査会社・ギャラップの最近の調査では、中国に好感を持っている米国人は50%以上と、昨年より6%増加。最近30年で最も高い割合となった。中国の国際的イメージが近年安定して向上しているのは、経済発展や科学技術のイノベーション、貧困者支援などの分野の目覚ましい成果と関係があると分析される、としている。

中国への印象は、以前から好印象だ。中国政府への印象は、以前から最悪のまま変わらない。政治が変わればいいだけだ。

産経新聞・社説
中国の産経拒否 報道自由は普遍的価値だ

全国人民代表大会(全人代)閉幕後に行われた李克強首相の内外記者会見で、産経新聞の記者は出席を拒否された。全人代後の首相会見は外国の記者が中国指導者と直接向き合うほぼ唯一の機会であり、例年、産経記者も出席してきた。会見締め出しの真意が報道規制にあることは疑いようがなく、強く抗議する。言論、報道、取材の自由は国際社会共通の普遍的価値である。「責任ある大国」の措置とは到底、いえまい。両国間には歴史認識や安全保障で立場や見解の違いが存在する。産経新聞が日本の国益や価値観に立脚する主張を続けてきたことは、表現の自由が保障される日本の新聞社として当然である。これまでも中国は査証(ビザ)発給や延長審査を外国人記者の規制に利用してきた。産経新聞は昨年9月まで、中国総局長のビザ発給が3年以上凍結された。中国要人の蓄財問題を報じたニューヨーク・タイムズなどもビザの発給が拒否された。意に沿わない報道や言論に対する対抗手段として、あまりに露骨ではないか。産経記者に対する首相会見への出席拒否も、同じ文脈にあるのだろう、としている。

自業自得の印象だ。読む側が首を傾げるような、表現の自由を越えたレベルでの感情的な批判が多かった。参加を拒否されたのは産経深部だけ、日本の新聞すべてが拒絶されたのでないなら、反省が必要なのは産経の方ではないか?

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