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2919.報道比較2017.3.16

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周到な地ならしのおかげで、アメリカ利上げには無風。オランダの政治リスクも難を逃れそうだが、アメリカの債務上限の話は続報が途絶えている。安心は、もう少し先か。

Wall Street Journal
FRBが政策金利引き上げ、緩やかな利上げ継続へ (2017.3.16)

米連邦準備制度理事会(FRB)は15日、政策金利の引き上げを発表し、年内の追加利上げに向けて引き続き順調に進んでいるとの見方を示した。米経済が力強さを増す中、FRBが新たな政策局面に入りつつあることを示唆した。FRB当局者らは指標とするフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を25ベーシスポイント(bp)引き上げ、0.75~1.00%にすると発表した。米経済がFRBの予想通りに進展する場合、今後も緩やかに利上げを継続する見込みだと述べた。米連邦公開市場委員会(FOMC)は声明で「金融政策姿勢の段階的な調整をもって、経済活動が適度なペースで拡大し、労働市場の状況がさらに若干強まり、インフレは中期的に2%前後に落ち着くと見込んでいる」と述べた。声明ではこのほか、インフレはここ数四半期でFRBの2%の長期目標に「近づいている」との文言が新たに盛り込まれた。また、インフレ目標は引き続き「対称的」なものであると言明し、一時的に目標水準を小幅に超えることも許容する姿勢が示唆された、としている。

周到な地ならしのおかげで、2016年12月、2015年12月と同様、実施の前後はマーケットの反応は無風。コモディティが早々に値を戻す予感を見せた以外、今回も事無きを得た。年内の利上げでも、マーケットに混乱は起きそうもない。FRB発の混乱は、もはや起きそうもない。来年には退任予定のイエレン氏にとって、すでに花道は約束されたようなもの。これでアメリカ経済の地雷を踏みそうな人は、トランプ氏に限定されることになる。金利が上がった結果は、じわじわと効いてくる。まず注目は新興国だろうか。そしてジャンク債。2015年の時は、急激に冷え込んだが、今回はどうだろう?
オランダの政治リスクも難を逃れそうだが、アメリカの債務上限の話は続報が途絶えている。安心は、まだ早い。

朝日新聞・社説
GPS判決 捜査の独走に重い警告

犯罪にかかわった疑いがある者の乗用車などに、裁判官の令状のないままGPS端末を取りつけ、移動状況を把握する捜査手法について、最高裁大法廷が15裁判官の全員一致で違法とする判決を言い渡した。10年以上前から、当局の「工夫」で実施されてきたものを、根底から否定する内容である。「令状がなければ住居や所持品を捜索・押収してはならない」という憲法の精神に忠実な判断で、まさに「憲法の番人」の役割を果たしたと評価できる。GPS捜査では行動が常時監視下におかれるのはもちろん、集められたデジタルデータは保管・分析が容易という特性をもつ。単なる追跡をこえて、情報が加工されたり、別に利用されたりする恐れがあり、従来の尾行とは明らかに質が異なる。人々の懸念を理解しない手前勝手な議論というほかない。大阪地検による証拠改ざん事件で解体的出直しを誓ったはずなのに、組織の独善的な体質は変わっていないようだ、としている。

産経新聞・社説
GPS捜査 最高裁の判断に疑義あり

裁判所の令状なしに衛星利用測位システム(GPS)を容疑者の車両などに取り付けた捜査の違法性が争われた連続窃盗事件の上告審で、最高裁は「プライバシーを侵害し得る」「公権力による私的領域への侵入を伴う」などとして、「違法」と判断した。その上で、現行法で定める「検証許可状」(令状)を用いることには「疑義がある」とし、今後もGPS捜査を行うためには、新たな立法措置を講じることが望ましいと述べた。GPS捜査は特に集団窃盗や、銃器、薬物などの組織犯罪の摘発に有効だとされてきた。テロリスト集団や、暴力団犯罪の捜査についても同様である。2020年の東京五輪を控え、治安対策は待ったなしの急務である。最高裁の判断を受け、警察庁は全国の警察に、GPS捜査を控えるよう通達を出した。早くも捜査員らは、その手足をしばられることになる。 こうした事態を、一体、だれが喜ぶことになるのだろう、としている。

毎日新聞・社説
GPS捜査違法 令状主義軽視への警鐘

警察が裁判所の令状なしで捜査対象者の車などに全地球測位システム(GPS)端末を付ける捜査について、最高裁大法廷は刑事訴訟法に違反するとの初判断を示した。警察はこれまでGPS捜査について、尾行や張り込みに比べてプライバシー侵害の度合いが大きいとはいえないとして、令状の要らない任意捜査と位置づけてきた。だが、最高裁は、この捜査手法は、個人の行動を継続的、網羅的に把握することを必然的に伴い「個人のプライバシーを侵害し得る」と明確に指摘した。最高裁は、GPS捜査について現行法での対処には、容疑者・被告に対する適正手続きの保障の観点から問題が残るとした。捜査の実効性に配慮しつつ、実施期間の限定や第三者の立ち会い、事後の通知など考えるべき項目も具体的に挙げた。国会での検討が急がれる、としている。

読売新聞・社説
GPS捜査違法 令状主義との両立をどう図る

犯罪捜査における全地球測位システム(GPS)の使用には、厳格なルールが必要だ。最高裁はそう判断した。裁判所の令状なしに、窃盗容疑者の車にGPS端末を装着した大阪府警の捜査について、最高裁大法廷が「違法」と認定する判決を言い渡した。任意捜査ではなく、「令状が必要な強制捜査にあたる」との結論だ。15人の裁判官全員の見解が一致した。下級審の判断が割れる中、初めて統一判断が示された。今後の捜査に影響を及ぼそう。判決を受けて、警察庁はGPS捜査を控えるよう通達した。捜査力の低下を防ぐためには、令状の事後提示など、実情に見合ったルールの整備が急務だ。 府警は捜査の過程で、私有地に無断で立ち入っていた。不適切な手法は、国民の不信感を増幅させる。手続きをきちんと踏み、必要な捜査を尽くすことが肝要だ、としている。

産経と読売の国家主義には恐ろしさを感じる。知る権利や表現の自由の時は猛然と主張するが、公務員や国家への権力にずいぶん寛容だ。自分の会社のクルマにGPS端末がつけられても平然としていられるのだろうか?令状なしで動けるとはそういう意味なのだが、理解して書いているのだろうか?
犯罪者がいる前提も、かなり違和感がある。罪を憎んで人を憎まずが基本だ。被疑者の時点ではプライバシーは完全に保証されるし、犯罪者になっても憲法上の人権はある。
警察が信頼できる組織という感覚は相当薄れている。風紀は乱れ、調書も偽造する、取り調べは恐喝に近い圧力を行使した事例が多発、警察内でパワハラが起こっている始末だ。裁判官が警察の現状まで加味したとは思えないが、いまの警察にGPSを使わせる気持ちにはとてもなれない。
裁判所の感覚より、私は産経や読売の感覚が気になる。メディアが国家に寄り添っている。あってはならない事態だ。

人民網日本語版
エネルギーのモデルチェンジ、中国が世界のトップ集団入り (2017.3.15)

独誌はデータを引用し、中国がエネルギーモデルチェンジですでに世界のトップ集団入りを果たしているとした。ドイツの目立たぬ変化と比べ、中国はより力強い措置を講じ、クリーンエネルギーへの転換を図っている。中国は3年連続で石炭消費量を減少させており、2016年は前年比で4.7%減となった。その減少させた消費量は、英国の通年の石炭消費量に相当する。国際エネルギー機関は2年前まで、中国の石炭消費量は2030年まで増加を続けると予想していた。ドイツメディアは、現在も中国は世界最大の石炭消費大国だが、既に水力・風力・太陽光・原子力・天然ガスなどのクリーンエネルギーの使用を拡大していると伝えた。中国の一次エネルギー消費量に占める石炭の割合は、64%から62%に低下した。政府はすでに100カ所以上の石炭火力発電所の建設計画を停止しており、これは実に厳しい措置だと評価している。ドイツメディアは、中国のエネルギーモデルチェンジは、真のエネルギー革命をもたらすと報じた、としている。

日本経済新聞・社説
政治の季節迎える中国の激しい前哨戦

中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が閉幕した。これにより中国は、秋以降に開く予定の共産党大会をにらんだ政治の季節をむかえる。当面の焦点は内政の延長ともいえる外交だ。習近平国家主席ひきいる指導部にとっては目下、米国のトランプ米政権との関係づくりが重要な課題といえる。記者会見で李首相は、米国との「貿易戦争」を望まないと表明した。と同時に、貿易戦争が起きれば「真っ先に被害を受けるのは米企業だ」との見方も紹介し、トランプ政権をけん制した。トランプ氏が大統領選で盛んにとりあげた人民元の問題は深刻な火種といえる。アジアと世界の経済にも大きく影響するだけに、透明性のある議論を望みたい。全人代の議論では国内経済に関する踏み込み不足が目立った。たとえば国有企業改革では、民間経済を意味する「非公有経済」の発展を4年前から掲げてきたが、いまだ成果が上がっていない。党大会で最大の焦点は最高指導部の人事だ。それをにらんだ前哨戦は水面下で激しさを増す。対外政策への影響も予想される。5年目に入った習近平体制の一挙一動を注視しなくてはならない、としている。

日経は、見えない政治より経済を追った方がいいのではないか?中国の技術力も経済の能力も、格段にレベルアップしている。日本はあと数年で太刀打ちできなくなると感じる。技術で抜かれたら、いまの成長力なら追随も困難になるだろう。学ぶ姿勢を失った日本の末路だ。
エコロジー領域での中国の発展は目覚ましい。すでに最悪の大気汚染の不名誉はインドに移った。国土が広く、人口の多い中国は全体としての進捗は日本より時間がかかるだろうが、都市部から確実に進展している。ペースが鈍る気配はない。中国から学ぶ機会はさらに増えそうだ。中国語を真剣に学んでみようと思った。

Financial Times
スコットランド住民投票、今度こそ独立か? (2017.3.13)

スコットランド行政府のニコラ・スタージョン氏が、スコットランド独立の是非を問う2度目の住民投票の実施を呼び掛けた。時期は、英国が欧州連合(EU)から離脱する前、もしくは離脱直後の2018年秋から2019年春にかけて、としている。英国政府はブレグジット後まで投票を先送りしようとするだろう。その理由は(1)それまでは離脱交渉とイングランドのブレグジット支持派を満足させることにかかりきりになるため、(2)スコットランドの有権者に対して、ブレグジットを既成事実として打ち出せるためだ。前回の設問は「スコットランドは独立国であるべきか? イエスかノーで答えよ」というものだった。スタージョン氏は13日、今回言葉遣いを変える「理由はない」と述べた。だが、一部のユニオニスト(連合主義者)はノーという選択が持つ負の含意を避けたいと考えており、例えば「スコットランドは英国にとどまるべきか、離脱すべきか? 残留か離脱で答えよ」といった代替案を提案するかもしれない。選挙委員会の助言が決定的に重要な意味を持つ可能性がある。今度の住民投票で問題は決着するのか?その可能性はかなり高い。もしユニオニストが勝てば、SNPが3度目の住民投票を実施する、ブレグジットほど強力な理由を見つけるとは思えないからだ、としている。

今年、ヨーロッパで数えられているリスクのひとつが、このスコットランドの住民投票再開。部外者の立場では、やってしまえばすっきりすると思えるのだが、混乱つづきの英国がこれ以上の分裂や混乱は避けたいのは理解できる。
ブレグジット以降、世界の選挙の印象は大きく変わった。以前は損得や理念で投票していた。いまは、反感と感情が中心。不満がある時こそ、建設的に収拾していかないと事態はさらに悪化するはずなのだが、苛立っている時の人間は、冷静な判断はできない。ヨーロッパは数年つづいた低迷から、明らかに冷静さを欠いている。前回2014年から3年。世界は大きく変わった。

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