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2915.報道比較2017.3.12

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騒がしかった金曜日。ニュースが一気に生じると、私たちは騒がしさで注意力を失ってしまう。無関心でいると、小さな現象を見落としてしまう。もっと騒がしくなりそうで恐い。

Wall Street Journal
朴大統領罷免、見直し迫られる米の対アジア政策 (2017.3.11)

朴槿恵大統領が追放されたことで、韓国では60日以内に大統領選挙が実施される。世論調査によると、北東アジアの米国の外交政策目標に対し、一段と懐疑的な大統領が誕生しそうだ。米国やアジア諸国の政府高官たちは、米政府内で北朝鮮と中国に対する懸念が高まっているタイミングで朴大統領が追放されたことで、北東アジアに新たな不確実性がもたらされたと指摘する。最近の挑発的な行動を受け、国際社会では北朝鮮に制裁を科すべきだというコンセンサスが高まっている。朴大統領の後継者が誰であれ、新政権が北朝鮮と直接交渉をするという姿勢を示せば、韓国は国際社会のコンセンサスと相容れない状況に置かれるだろう。トランプ政権は対北朝鮮政策を見直している最中だ。事情に詳しい関係者によると、米政権は核・ミサイル開発計画を進める北朝鮮の独裁政権に対して、武力行使や政権転覆などの選択肢も検討しているとされる、としている。

産経新聞・社説
朴大統領罷免 危機回避へ冷静さ回復を

韓国の憲法裁判所が、職務停止中だった朴槿恵大統領の罷免を決定した。朴氏は即時失職し、60日以内に大統領選が実施される。政府も国民も、国家の立て直しへ冷静さを取り戻してほしい。これ以上の政治の遅滞が許されない状況にこそ目を向けるときだ。北朝鮮は弾道ミサイルの発射を繰り返し、核戦力の脅威は日増しに高まっている。VXを使った金正男氏暗殺事件は、金正恩政権の異常性を一層際立たせた。韓国が正常な機能を失っていることが、危機をより大きくしていることも否定しがたい。気がかりなのは、世論に朴政権の政策の全てを否定する空気が広がり、左派系候補の多くが、同政権下の日韓合意の見直しなどに言及していることだ。朴氏の罷免を大きく後押しした国民世論が、政経の癒着や格差の問題に目を向けさせたのは確かだ。ここは国民もいったん熱を冷ますときだ。次期政権には国と地域の安定がかかっている、そのことを改めて考えてもらいたい、としている。

日本経済新聞・社説
韓国は現実見据えた大統領選の論戦を

韓国の政治混乱はついに憲政史上初めて、大統領罷免という異例の事態に至った。憲法裁判所は旧友の国政介入事件で国会が可決した朴槿恵大統領の弾劾訴追を妥当と判断した。朴氏をめぐる騒動とともに、次の焦点となるのは60日以内に実施される次期大統領選だ。直近の世論調査ではすでに、革新系の最大野党「共に民主党」の文在寅前代表がトップを独走する。保守系の朴氏の罷免を追い風に、野党系の候補がさらに勢いを増すとの観測が目下のところは優勢だ。懸念されるのは、野党勢力に朴政権の政策まで全面否定する動きが出ていることだ。とくに北朝鮮とは融和路線に転換し、米韓や日米韓の安全保障協力を見直すべきだとの議論が浮上している。米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備、日韓が結んだ軍事情報包括保護協定(GSOMIA)は、北朝鮮の脅威に日米韓が連携して対処するうえで欠かせない。大統領選では世界の現実を直視し、韓国の真の国益につながるような冷静な論戦を求めたい、としている。

読売新聞・社説
朴大統領罷免 司法の行き過ぎた政治決定か

韓国の憲法裁判所が、朴槿恵大統領を罷免する決定を宣告し、朴氏は失職した。裁判官8人全員が賛成した。韓国で大統領が弾劾訴追で罷免されるのは初めてだ。1987年の民主化以降、任期を全うできない例もなかった。朴氏が崔被告の国政介入を隠蔽し、政府から独立して捜査する特別検察官や検察の取り調べに応じなかったとも指摘した。朴氏には「憲法を守る意志がない」と結論づけた。憲法裁が、大統領罷免を求める国民の声に阿って権力を行使したとすれば、行き過ぎだろう。朴氏は崔被告らの起訴に際し、共犯と認定された。罷免によって刑事訴追を免れる特権を失ったため、逮捕される可能性がある。混乱の長期化は避けられまい。これ以上、社会の分断が進まないよう、双方の自制が必要だ。北朝鮮の弾道ミサイル発射や金正男氏殺害事件で、朝鮮半島を巡る緊張は日増しに高まっている。政権移行期であっても、日米韓3か国の連携維持が不可欠であることを忘れてはならない。在韓米軍への最新鋭ミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD)」の配備作業が始まった。韓国には、配備に執拗に反対する中国の様々な圧力に屈しない姿勢が求められよう、としている。

国内紙の社説が海外情勢に役立たないのは、今回も明らかになった。もともと、韓国の政治を批評する意味も国内紙にはない。産経新聞のように裁判になったり、ずっとライフワークのように朝鮮半島事情を追っている立場でさえ、示唆に富んだ主張はない。Wall Street Journalのように、自国の立場で語る方が、目の前の混乱にはもっとも有益だと思う。
全紙が指摘しているとおり、韓国のこれからで、もっとも気になるのはTHAADと北朝鮮だろう。中国はフィリピン同様の結末を願うだろうが、表だった動きは見せていない。アメリカが罷免の正否の前に行動を開始したのは、何か危機感があったに違いない。それでも、トランプ氏やルペン氏のような、ポピュリストたちの登場が韓国の政治にはなさそうなのが、何よりの救いだ。
選挙は、5月中旬までには行われる。アメリカの財政関連のイベントが終わり、フランス大統領選挙の初戦が終わっている可能性が高い。世界は、今とは違った混乱の中にいるかもしれない。落ち着いた環境で、冷静な選挙ができるといいが…あまりに多くのイベントがあり、目を離してしまいそうになる。この前の金曜のようにニュースが一気に生じると、私たちは騒がしさで注意力を失ってしまう。無関心でいると、小さな現象を見落としてしまう。朝鮮半島は、注意しつづけるべきリスクを孕んでいる。他の混乱で見失わないよう、注意したい。

朝日新聞・社説
PKO撤収 「治安悪化」なぜ認めぬ

南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊の施設部隊を5月末に撤収させる。安倍首相がその方針を明らかにした。南スーダンの治安情勢は悪化し、事実上の内戦状態にある。憲法9条との整合性を保つために設けられた「PKO参加5原則」に適合しているのか、強い疑問がぬぐえない。昨年11月には国連事務総長の特別顧問が「ジェノサイド(集団殺害)になる危険性がある」と警告。国連難民高等弁務官事務所は今年2月、周辺国へ逃れた難民が150万人を超えたと明らかにした。国際社会に広く知られた現地の情勢悪化を、日本政府が過小評価しようとするのはなぜか。部隊派遣や駆けつけ警護の付与と、憲法との矛盾を国民の目からできるだけ隠したい――。そんな狙いからではないか。今回、「治安の悪化」を認めないのも同じ思惑なのだろう。自衛隊の海外派遣という重大な政策判断にもかかわらず、国民への説明責任を果たそうとする姿とは程遠い、としている。

朝日一紙が、南スーダンからの撤収を取り上げた。強硬に派遣しておきながら、この短期での撤退。普通の感覚なら、現地は相当危険だったと考えるのが自然だろう。犠牲者が出なかったこと、恥を忍んでも撤退する決断を政府がしたのは救いだが、事前の情報収集能力がないことは明白になった。反省して改善が必要だ。真摯に現状を見ないのなら、学びはゼロだろう。

毎日新聞・社説
津波からの復興 造成地に創生の英知を

東日本大震災の発災から6年が過ぎた11日、政府主催の追悼式が開かれ、被災した各地でも黙とうがささげられた。高台などへの集団移住や災害公営住宅の整備は来春までにほぼ終了する。浸水地をかさ上げする大規模な宅地造成工事にもやっとゴールがみえてきた。だが、まちづくりに早くも黄信号が点灯している。造成に時間がかかりすぎたため、他地域で住宅を再建した地権者らも多いためだ。計画した人口の半数程度しか利用が見込まれないという誤算が生じている。復興は地域の自主性や努力がもちろん大前提だ。だが、ビジョンを実現させるためには国や民間のさまざまな力を集めることが欠かせない。人口減少、高齢化など被災した沿岸地域は日本の地方が抱える課題が先行して表れた縮図でもある。復興への挑戦を国民全体で支えていく思いを新たにしたい、としている。

毎日の価値観では、昨日と今日が他紙とは逆のようだ。昨日も、今日も、コンテンツのクオリティはもっとも形式的で、内容が薄い。毎日の迷走はつづいている。

人民網日本語版
中国が3年ぶり貿易赤字に (2017.3.11)

中国税関総署が8日に発表したデータによると、人民元建てで計算した場合、2月の輸入額は前年同期比44.7%増加し、予測値の23.1%を上回り、前回予測値の25.2%も上回った。輸出は同4.2%増加で、予測値の14.6%および前回予測値の15.9%を上回った。輸入が予想外に増加したため、2月の輸出から輸入を差し引いた貿易収支は603億6千万元(1元は約114.7円)の赤字になり、2014年2月以来、3年ぶりの貿易赤字となった。分析によると、今回の貿易赤字出現には3つの原因がある。内需の旺盛さ、春節(旧正月)要因、大口商品の価格上昇だ。中国民生銀行研究院の王静文マクロアナリストは、「2月の輸入が予想を上回った原因の1つは、中国経済がいまなお復興の過程にあることで、PMI(製造業購買担当者指数)、大型トラック、ショベルカー、貨物輸送量などの先行指標からみて景気活性度は持続的に上昇しており、内需の旺盛さを示している」と指摘する、としている。

このニュースのタイトルを見た時、トランプ政権の批判をかわすための操作かと思った。
各国のリーダーが保護主義的な主張を増やしている現在、海外で稼ぐやり方は、批判に晒されやすいのは確実だ。中国、日本、ドイツはいつもこのリストの上位にいる。技術力がある証拠と言えれば誇らしいが、資本流出の原因と言われると、牛肉やオレンジを必要以上に売りつけられるような、ひどい解決策を提案される。違う稼ぎ方を見つけなければならない。
現地法人をつくるのは、一時はソリューションになったが、現地雇用にもコミットメントを求められる現在、相当なチャレンジになる。残るは、協業だろうか?中国はどんな戦略で成長を見出すだろうか?

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